キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

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2026年08月


地方公務員の人事異動は本当にままならないもので、希望の担当業務に就けることは滅多にありません。
「やりたい仕事」に携われないまま年月を過ごすうち、いつしか「自分は何がやりたいのか」わからなくなっていくのが、大多数の地方公務員の宿命だと思います。

一方で、「やりたくない仕事」「興味の持てない仕事」だけは、なぜかはっきりしていくものです。
僕の周囲を見ても、35歳を過ぎて「こういう仕事がしたい」という明確な希望を持っている職員は、20人に1人程度しかいません。それだけ希望を持ち続けることは難しいのだと思います。

興味の持てない業務を担当することになった場合、「どうせ数年で異動するんだから、仕事は徹底的に手を抜いてプライベートを充実させるべき」というのが、賢い処世術として語られがちです。

ただ僕は、たとえ寸分の興味すら抱けない業務であっても、真面目に取り組んだほうが良いと思います。

のちのち「有識者」扱いされて困る羽目になる

役所内では、異動遍歴がやたらと重視されます。
評価のシグナル(例:20代で財政課に抜擢された彼は同世代で一番優秀に違いない)として注目されるのみならず、実務能力とも直結しているものとして捉えられています。

言い換えると、一度ある部署に配属されると、その後はずっとその分野の「有識者」として扱われ、他の職員よりも高いレベルのアウトプットを求められるようになります。

たとえば、一度でも観光系の部署を経験すると、異動後もずっと「イベントのプロ」とみなされ、会場設営やスタッフの役割分担、広報や集客、アクシデント対応、事後の効果測定まで、何でも精通していて当然だと思われてしまうのです。

本当に「有識者」と呼べるレベルに達していれば、周囲の期待に応えることができてチヤホヤされますし、過去の苦労も報われて気持ちいいのですが……能力が伴っていない場合は一大事です。
自分自身よく分かっていないことについて周囲から頼りにされ、さらには責任まで負わされてしまうからです。

その結果、上司から厳しく叱責されたり、同僚との間に軋轢が生まれたりすることも少なくありません。人間関係がこじれてしまえば、仕事へのモチベーションもさらに下がってしまいかねません。

配属された部署の知識や技能をしっかり身につけておくことが、後々の自分を助けてくれます。
ゆえに、たとえ興味が持てない業務であっても、真面目に取り組んで、できる限り吸収しておくことをおすすめしたいのです。

後から興味が湧いてきて後悔するかも

今は興味が持てない業務であっても、あとになって急に興味が湧いてくることもあります。
役所での実務を通してでないと知り得ない情報は、意外とたくさんあるものです。
特に、世間からは見えにくいダークな側面を知れるのは、役所ならではの経験だと思います。

僕の場合は、道路整備がまさにそうでした。
「田舎にもう新しい道路なんて必要ない」と長らく思っていたのですが、工事そのものが生み出す経済効果の生々しい実情を知ってから、考え方が変わりました。どこに、どれくらいの期間をかけて道路整備を行うかが、気になって仕方なくなったのです。

工法や材質をひとつ変えるだけで工事費が大きく変動し、参入できる業者の数も変わり、結果として受益者まで変わってきます。詳しく知れば知るほど奥深く、闇深く、そして面白い分野だと感じています。

事務職の地方公務員は、同じ担当業務にもう一度戻ることは滅多にありません。
そのため、「あのときもっと真剣に向き合っておけばよかった」と後悔しても、取り返しがつきません。

目の前の業務に真面目に取り組みことは、後悔の未然防止にもなるのです。

配属先で何らか身につけることが前提の給与制度

そもそも、地方公務員が年功序列で昇給していく背景には、「年次を重ねるごとに能力も高まっていく」という前提があります。
つまり、配属された部署でそれぞれ知見を身につけていくことが給与制度の前提として想定されているわけです。

「興味が無いから」という理由で最低限の仕事しかせず、知識や技能を吸収しようとしないのであれば、給料は貰えたとしても、昇給にふさわしいとは言えないのかもしれません。



令和8年熊本地震で被災された方々に衷心よりお見舞い申し上げます。
今回の地震、メディアは早々に被害状況の報道を止めて、個々の被災者の生活苦に焦点を当てたエモーショナルな内容に舵を切ったように思います。発災から1週間しか経っていないのに、テレビを見ていても「ニュース」ではなく「ドキュメンタリー」ばかりという印象です。

これはある意味、行政の防災&災害応急対応がうまく機能している証拠だと思います。
役所叩きができないので、被災者のプライベートを取り上げているのでは?
むしろ九州以外の自治体を「熊本が大変なのに不謹慎じゃないか」等と叩くほうが目立ちます。
(僕の勤務先でも、複数の案件を「自粛」しています)


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立命館大学政策科学部などの研究グループが、「公務員志望者の特徴」について論文を発表していました。




この研究では、公務員志望者は「女性」「非大都市圏出身」「親が公務員」「親の最終学歴が大卒未満」である割合が比較的高いことに加え、性格面では「外向性」「開放性」が低く、「誠実性」が高い傾向が示されました。また、年収への期待が比較的低い一方で、仕事の安定性や公益性を重視する傾向も明らかとなっています。

目新しさはないものの

この研究を通して、地方公務員を志望する学生の属性や性格特性、家庭環境などを統計的に分析され、これまで経験則で語られることの多かった「公務員を目指す人物像」が一定程度可視化されたことになります。

ただ、この結果を見て、驚く人はほとんどいないと思います。
「やっぱりね……」というのが大多数の感想ではないでしょうか?


とはいえ、多くの自治体関係者が日頃から漠然と感じていた傾向を、アンケート調査を通じて定量的に明らかにした点で、大いに価値のある研究だと思います。

一方で、慎重な解釈が求められる項目も少なくないと思います。

まずは「親の最終学歴が大卒未満」の家庭出身者に公務員志望者が多い、という結果です。
この結果はいろいろな解釈が可能です。家庭の所得水準や地域性を反映しているのかもしれませんし、身近に大学進学する人=ロールモデルになる存在がいないために、十分な職業選択ができなかった結果なのかもしれません。

また、「親が公務員」に公務員志望者が多い、という結果についても、2通りの捉え方があると思います。
一つには、公務員という仕事の実態や働き方をよく知っているため、仕事内容への理解が深く、安心して志望している……と肯定的に捉えることができます。
もしこの通りだとすれば、公務員に係る情報発信をさらに充実する(=学生が公務員稼業をより深く知れるようにする)ことが、志望者増加への有効なアプローチになりうる……という前向きなアイデアが引き出せます。

一方で、公務員以外の職業への接点が少なく、民間企業への挑戦という選択肢を十分に持てなかった結果とも考えられます。一種の「体験格差」ですね。

さらに、「非大都市圏出身者」が公務員を志望する傾向についても、どう解釈するか悩ましいところです。
肯定的に捉えるなら、地方出身者のほうが地域への愛着が強く公務員志望が強い……といえるでしょう。
ただ、地方では仕事の選択肢が少ないので、積極的に公務員になりたいわけではなく、消去法的に公務員が志望されている可能性も十分ありうると思います。

例えば、スペック的には「民間大企業の総合職」にエントリーできるにもかかわらず、田舎にはこのような職業が存在しないために具体的なイメージを持てず、結果尻込みしてしまう……パターンです。


漠然と懸念されていた課題がやっぱり浮き彫りに

この調査は、「国家公務員総合職試験の合格者が多い大学を中心に、北海道から九州まで全国の学生を対象として実施」されており、この結果が必ずしも地方公務員志望者に当てはまるかは不明です。

とはいえ、この結果は僕の職場にも見事に当てはまっています。
そこで、地方公務員でも似たような特徴があると仮定して、調査結果から浮かび上がってくる人材確保面の課題を考えてみます。

第一に、女性の公務員志望者が多いという結果です。
育児との両立支援や安定した雇用環境など、公務員の職場としての魅力が女性に評価されていることを示す前向きな結果ともいえるのですが……役所(特に地方公務員)では、男性が務めたほうがよい仕事が多くあります。
どんな部署でも力仕事がありますし、暴言・暴力への対応も発生します。「悪質なクレーマーは中高年男性が多い」という傾向は様々なデータから明らかになっており、対応する職員が女性から男性に交代しただけで態度を一変させるクレーマーも散見されます。
女性が増えれば増えるほど、有形無形の暴力案件が増えるのでは……と懸念してしまいます。

第二に、「外向性」「開放性」が低い人が志望する傾向にある、という結果です。


役所の仕事にはコミュニケーションが不可欠です。役所内部はもちろんのこと、住民、企業、NPO、地域団体など不特定多数の人々と対話し、合意形成を図ることが求められます。
「外向性」「開放性」が低い人にとって、日々の仕事は凄まじいストレスになるでしょう。民間企業の営業職よりはマシかもしれませんが、それでもミスマッチなことに変わりはありません。


記事によると、「本研究では、パネル調査を行っており、今後は誰が採用されて、誰が公務職場に定着するのかといった点も検証していく予定です」とのこと。
現場諸君の肌感覚がまたも立証されるのか、それともデータでみると異なる結果が示されるのか、続報が楽しみです。

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