公務員試験と一口で言っても、いろいろ種類があります。
そして、種類ごとに試験科目が異なります。
そのため、効果的な勉強のために、どの公務員試験が本命なのか志望順位を出願前から考えておいたほうが良いと思います。
志望順位を決める物差しは、ざっくり以下の2軸があります。
そして、種類ごとに試験科目が異なります。
そのため、効果的な勉強のために、どの公務員試験が本命なのか志望順位を出願前から考えておいたほうが良いと思います。
志望順位を決める物差しは、ざっくり以下の2軸があります。
- 公務員の種類(国家公務員or地方公務員orその他)
- 勤務地 (東京or地方、転勤ありorなし)
県庁勤務の僕視点での感覚なので、隣の芝生は青い効果が出ているかもしれません。
まず、身近にキャリア官僚という圧倒的に優秀な存在がいるのが大きい。
県庁や市役所であれば、上司含め周りは同レベルの存在ばかりで、お手本が少なすぎます。
一方、国であれば、よほど小さな出張所でない限り、身近にキャリア官僚がいます。
さらに、同一分野の仕事にずっと携わっていられ、知識や経験がリセットされません。
異動のたびにゼロからのやり直しを迫られる地方公務員とは、30代になる頃には大きな差が開きます。
国家一般職(地方採用)の職員は、国という巨大な機関の末端実行部隊です。
中央が決めたルールを的確にこなすことが至上命題で、個人の技能や裁量は滅多に求められません。
目の前の仕事を一つ一つ片付けていくことに達成感を覚えるタイプの人間であれば、国家一般職(地方採用)はうってつけの職場だと思います。
一方、スケールの大きな仕事に携わりたいとか、自分の判断で仕事を動かしていきたいという野望があるのなら、完全に不向きです。何もできません。
分野も幅広いですし、業種も多岐にわたります。
県庁職員は、異動のたびに、分野も業種も切り替わります。
僕の場合だと、これまでの7年間で3分野(防災、総務、観光)4業種(法務、窓口、イベント現業、経理)を経験しています。
これら多岐にわたる業務を満遍なく経験できる職場が、県庁のほかにあるでしょうか?
中にはスケールの大きな仕事もあります。
国の本省や大企業、大学など、地方公務員よりも格上の相手と一緒に仕事する機会があるのも刺激的です。
職員の層が幅広いのも、僕はメリットだと考えています。
色んな人が机を並べることで、組織としてもバランスの良い判断ができ、個人の成長にも繋がるでしょう。
一つの分野・業種に関わっている時間が短くて、中途半端なレベルまでしか到達できないのです。
あまりに脈絡なく経験させられるため、相乗効果も働きにくいです。
専門性を身に付けたい、成長したいと思うなら、余暇と私財を投じて自発的に勉強しなければいけません。
仕事の幅が広いせいで、職員間の満足度格差も大きいと思います。
やりたい仕事に携われている職員は、ごくごくわずかでしょう。
待遇面での不平等感も大きいです。
超目玉プロジェクトの一員として毎日上司から激詰めを受けている職員も、閑職すぎて新聞各紙を毎日読み通している職員も、年齢が一緒なら基本給はほぼ一緒です。
得する職員と損する職員との差がはっきり表れます。
観光施策のような自由度の高い仕事だと、特にその恩恵が受けられます。
首長のカラーにも左右されますが、目新しいことにガンガン取り組んでいきたいなら、県庁よりも市町村です。
職員の個人プレーが許されやすいのも、市町村職員の特徴です。
もちろん保守的な自治体だとNGでしょうが、そうではないところも多いです。
公務員という立場でセルフブランディングを志すのであれば、市町村職員一択でしょう。
本を書いている地方公務員のほとんどが市町村職員であることからも明らかです。
この記事、投稿までに3回ほど全面的に書き直しています。
国家総合職や都庁でも合格できる優秀な人間を田舎県庁に引きずり込むのが本ブログの隠れテーマなので、冷静に比較しているように見せながら県庁はいいぞと訴求したいところなのですが……考えれば考えるほど積極的に県庁を選ぶ理由が見当たりません。
「ルーチンワークだけだとつまらない」とか、「窓口対応はできるだけ避けたい」とか、消去法で考えていけば県庁の魅力が見えてくるのですが、どうしても決め手に欠けます。
県庁の受験倍率が一人負け状態な理由が、少しわかった気がします。
国家一般職(地方採用)
メリット
- キャリア官僚の近くで仕事でき、公務員として成長できる
- 同一分野に携わり続けられ、専門性が身に付く
- 調整業務が少なく、人のために働いている実感が持ちやすい
- ワークライフバランスが比較的保たれている(本省異動を命じられない限り)
まず、身近にキャリア官僚という圧倒的に優秀な存在がいるのが大きい。
県庁や市役所であれば、上司含め周りは同レベルの存在ばかりで、お手本が少なすぎます。
一方、国であれば、よほど小さな出張所でない限り、身近にキャリア官僚がいます。
さらに、同一分野の仕事にずっと携わっていられ、知識や経験がリセットされません。
異動のたびにゼロからのやり直しを迫られる地方公務員とは、30代になる頃には大きな差が開きます。
デメリット
- 地道な仕事・ルーチンワークが多い
- ルールや指示に縛られ、裁量を発揮する場が少ない
- 出世できない
国家一般職(地方採用)の職員は、国という巨大な機関の末端実行部隊です。
中央が決めたルールを的確にこなすことが至上命題で、個人の技能や裁量は滅多に求められません。
目の前の仕事を一つ一つ片付けていくことに達成感を覚えるタイプの人間であれば、国家一般職(地方採用)はうってつけの職場だと思います。
一方、スケールの大きな仕事に携わりたいとか、自分の判断で仕事を動かしていきたいという野望があるのなら、完全に不向きです。何もできません。
県庁
メリット
- 幅広い分野・業務に携われる
- 大きな仕事にも関われる
- 学識を活かす機会がある
- 職員層が幅広く多様性がある
分野も幅広いですし、業種も多岐にわたります。
県庁職員は、異動のたびに、分野も業種も切り替わります。
僕の場合だと、これまでの7年間で3分野(防災、総務、観光)4業種(法務、窓口、イベント現業、経理)を経験しています。
これら多岐にわたる業務を満遍なく経験できる職場が、県庁のほかにあるでしょうか?
中にはスケールの大きな仕事もあります。
国の本省や大企業、大学など、地方公務員よりも格上の相手と一緒に仕事する機会があるのも刺激的です。
職員の層が幅広いのも、僕はメリットだと考えています。
色んな人が机を並べることで、組織としてもバランスの良い判断ができ、個人の成長にも繋がるでしょう。
デメリット
- 漫然と働いているだけだと何も身に付かない
- 一つの分野・業種を極めることができない
- 組織が大きく利害関係者が多いせいで、意思決定が遅く尖ったことができない
- 運要素・巡り合わせによって満足度が大きく異なる
一つの分野・業種に関わっている時間が短くて、中途半端なレベルまでしか到達できないのです。
あまりに脈絡なく経験させられるため、相乗効果も働きにくいです。
専門性を身に付けたい、成長したいと思うなら、余暇と私財を投じて自発的に勉強しなければいけません。
仕事の幅が広いせいで、職員間の満足度格差も大きいと思います。
やりたい仕事に携われている職員は、ごくごくわずかでしょう。
待遇面での不平等感も大きいです。
超目玉プロジェクトの一員として毎日上司から激詰めを受けている職員も、閑職すぎて新聞各紙を毎日読み通している職員も、年齢が一緒なら基本給はほぼ一緒です。
得する職員と損する職員との差がはっきり表れます。
市町村
メリット
- 尖ったことができる
- 職員の個人技能が活かせる
- 住民との協働作業ができる(県庁職員は敬遠されます)
- 県庁ほどには担当業務がばらつかず専門性が身につきやすい
観光施策のような自由度の高い仕事だと、特にその恩恵が受けられます。
首長のカラーにも左右されますが、目新しいことにガンガン取り組んでいきたいなら、県庁よりも市町村です。
職員の個人プレーが許されやすいのも、市町村職員の特徴です。
もちろん保守的な自治体だとNGでしょうが、そうではないところも多いです。
公務員という立場でセルフブランディングを志すのであれば、市町村職員一択でしょう。
本を書いている地方公務員のほとんどが市町村職員であることからも明らかです。
デメリット
- 窓口業務が多い分、クレーム対応が大変
- イベント対応や選挙事務など、休日出勤が多い
- 災害対応が大変
- 首長次第で何もかも変わる
総評
この記事、投稿までに3回ほど全面的に書き直しています。国家総合職や都庁でも合格できる優秀な人間を田舎県庁に引きずり込むのが本ブログの隠れテーマなので、冷静に比較しているように見せながら県庁はいいぞと訴求したいところなのですが……考えれば考えるほど積極的に県庁を選ぶ理由が見当たりません。
「ルーチンワークだけだとつまらない」とか、「窓口対応はできるだけ避けたい」とか、消去法で考えていけば県庁の魅力が見えてくるのですが、どうしても決め手に欠けます。
県庁の受験倍率が一人負け状態な理由が、少しわかった気がします。
コメント
コメント一覧 (17)
最近の特別定額給付金業務も本当に大変そうです。
試験自体どうなるか不透明で不安なことと思います。
多分どこの役所も眼前の業務でパンクしてて、採用試験の案内もぎりぎりになりそうな気配が漂ってます。
どうか今は雌伏の時ということで、試験に向けて準備していてもらえればと……
そこで質問なのですが、対人対応(外部の方との仕事、窓口、電話など)の仕事は国家一般(地方)より県庁の方が多いのでしょうか?(企業や大学の方と仕事をする?)
役所外部の方と接触する仕事は、国家一般職(地方出先)でも県庁でもありますが、性質が違います。
国家一般職だと、ほとんどが窓口業務です。役所が提供してるサービス(許認可とか)を利用しに来る「お客様」として接します。
一方県庁だと、上記のような窓口業務もありますが、ビジネスパートナーとして肩を並べて進める仕事も発生します。(産官学合同でIT人材を育成するとか)
ご回答ありがとうございます。なるほど、主として県庁は仕事仲間、国家一般はお客様としての対人対応があるのですね。ありがとうございます、大変参考になりました。
モヤモヤを抱えた状態よりも、自意識をはっきり持って挑んだほうが、何事もうまく行くと思います。
まずは筆記試験、陰ながら応援しています!
国税と市役所で悩んでます。
キモオタクさんは国税にはどのような印象を持っていますか?
参考にさせていただきたいです。
公務員は基本的に「国民の奴隷」であり、特に自治体職員は住民の顔色を常に伺わなければいけません。
ただ税関係の公務員は、徴税という強力な権限があり、国民よりも優位に立てます。
要するに、国民との力関係が全然違うのです。
自治体職員のように、住民からあれやこれやと好き放題注文をつけられて辟易することは、国税専門官なら少ないでしょう。
ただし、強力な権限を持つがゆえに、住民からの反感も一層強く受けることと思います。
警察に近い存在なのかもしれません。
ちなみに、国税専門官の知人いわく、「場の空気に流されずにマジレスし続けるのが大事な仕事」とのこと。
確かに面接に行った時に国税の職員の印象は体育会系みたいなタフな感じがしました。
仕事内容は市役所よりは国税の方が向いていると思うのですが転勤範囲を考えると市役所の方が良いなと思っています。
それと自分は空気を読みがちなのでそういう点では国税に向いてないのかなとも思ってます。
ご意見を参考にしてもう少し悩みたいと思います。
転勤有無は、家庭を持った後は本当に大きな差になるので、よく考慮したほうがいいと思います。
特に夫婦ともに正社員で働きたいのであれば、転勤のない市役所のほうが無難です。この点が市役所勤務のメリットかもしれません。
今年、国家一般と県庁を併願しているものです。
コッパンが成長しやすいとは知りませんでした。
やはりやりたい分野が決まっている場合は、コッパンが良いということでしょうか?
私は農業と土木に興味があるのですが、県庁だとその分野に配属願を出してもなれない可能性は高いでしょうか?
こちらのブログ主様は7年間で色んな部署を渡り歩いたということですが、やはりやりたい事と全く違う仕事に従事されていますか?
やりたい分野が決まっているのなら国家一般職一択……と言いたいところなのですが、実際に働き始めてみると「これがやりたいと思ってたけど勘違いだった」と心変わりすることも多いです。
国家一般職と県庁どちらを選ぶかのポイントは、
・国家一般職の「思い違いリスク」(入庁前のイメージと違う、こんなのがずっと続くのは嫌だ)
・県庁の「配属リスク」(いつまで経ってもやりたい仕事に携われないかも、携われても数年で異動せざるを得ない)
どちらのリスクをとるか?だと思います。
http://ps-kimotaku.officeblog.jp/archives/26432950.html
過去の記事で、総務省の統計調査から「部署ごとの一般行政職の職員数」を試算してみたところ、土木・農林部局で働く職員は、県庁だと合わせて2割くらいです。
広報や観光と比べれば多いほうなので、配属願も通りやすそうな気がします。
僕の場合、配属希望が叶ったのは今のところ1回だけです(初任の防災部局)。
周囲を見ていても、希望が通るのはだいたい3割くらいでしょうか……
ただ、全然興味のない分野でも、やってるうちに楽しくなってくるというパターンは結構多いです。
こうやって自分の興味関心が広がっていくのも、県庁含め地方公務員の魅力の一つかなと僕は思っています。
回答ありがとうございます。
コッパンは総合職と働くことで、公務員として成長できるとありますが、優秀な上司に育ててもらう感覚ですか?
過去の記事も読みました。
ブログ主様の最初つまらなかった仕事が楽しくなった一例を知りたいです!
途中で評価が激変した(楽しくなった)仕事といえば、僕の場合は、とある許認可業務があります。
最初は単なる「書類のチェック」だと思っていたのですが、やってるうちに「許可を受けた後にゴネるための一文」みたいなものが申請書中に紛れていることに気がついて、それ以降は「頭脳戦」みたいで楽しくなりました。
一方の県庁は、部署によって業務内容のみならず、求められるスキルそのものが大きく変わりますので、合わない業務があったとしても何とかやり過ごすことが可能です。
国家(総合・一般)と県庁は併願される方が多いですが、この点も留意しておくと後悔しない選択が出来るのかと思います。個人的には、明確なロールモデルを見つけられるなら国家、迷うくらいなら県庁が無難かと。
まさにその通りだと思います。僕自身、学生当時は「やりたい仕事」が見つからず、ミスマッチリスクを回避するために、公務員の中でも業務幅が広い県庁を志望していました。
就職活動する前に「やりたい仕事」を明確にできればベストだとは思いますが……