某大臣の「環境問題はセクシーに」発言。
流行語大賞の候補にも選ばれて再び話題になっています。

僕は最初にこの発言を聞いたとき、全く違和感を覚えませんでした。
施策に対する「セクシー」という表現は、霞ヶ関用語だと思っていたからです。

官僚が使っていた

僕はこれまでの県庁職員生活で、防衛省以外の全ての省庁と業務で関わってきました。
部局横断型の異動を繰り返してきた副産物ですね。

本省勤務の職員と関わる中で、複数の方から「セクシー」という表現を聞いてきました。

  1. 意思決定の根拠を整理するにあたり、ロジックの整合性だけでなく、公表後のセクシーさも含めて検討を重ねた
  2. 新しい補助金の補助対象を決めるにあたり、地域住民全体に対してセクシーであることを重視した
こんな感じで、新しい施策を表現する修飾語として使われていました。

セクシーな施策=受けのいい・魅力的に映る施策

正確な意味はわかりませんが、文脈から推測するに、どの官僚の方も「受けがいい」というニュアンスで使っていました。

先に挙げた例だと、以下のような意味合いです。

  1. の場合・・・意思決定の根拠を住民に説明する際、定量的な証拠のような揺るぎない事実だけでなく、住民の感情に訴える定性的な根拠も揃える
  2. の場合・・・直接補助金をもらう人だけでなく、補助金のおかげで地域住民全体が喜ぶように、補助対象を決める
このニュアンスで「環境問題はセクシーに」を解釈すると、「環境問題に対処するメリットを国民がしっかり理解しながら対処していくのが重要です」という意味になると思われます。
至極まっとうな考えです。

詳細は不明

本省勤務の友人達に聞いてみたところ、知っている人もいましたが、知らない人の方が多かったです。
「サブ」「ロジ」みたいな一級の霞ヶ関用語ではなく、一部の官僚のみが使っているのでしょうか……

某大臣を応援するわけではありませんが、職員から「セクシー」という表現でレクを受けて、その通り使ってしまった……のかもしれません。

【2019.11.19追記】
発言の意図が明らかにされました。


以下抜粋です。

小泉進次郎環境相は17日、東京都内で講演し、9月の訪米先で「気候変動問題にセクシーに取り組む」とした発言の真意を語った。「楽しく、前向きに取り組みを進めなければいけないとの思いだった」と理解を求めた。

僕の推測は外れだったようです。