県庁は異様に他県事例を知りたがる組織です。
出る杭は打たれるの精神が根強く、一見良さげな施策であっても、他県事例が無いとなかなかOKが出ません。
担当者としてはいい迷惑です。上司や財政課から「他県事例を調べろ」と言われるたびにげんなりしているでしょう。

他県事例収集は面倒です。
各自治体のホームページを監視したり、電話してヒアリングしたり……
とにかく時間と手間がかかります。迷惑もかけます。

そんな事例収集をサポートしてくれるツールがGoogleアラートです。

毎日自動で検索してくれる

Googleアラートとは、ざっくり言うと、あらかじめ指定したワードをGoogleが1日1回検索してくれて、新着ニュースの見出しとURLをメールで通知してくれるサービスです。
必要なものはGoogleアカウントだけ。無料のサービスです。
検索対象は主にマスコミのweb媒体で、個人のブログや口コミサイト、SNSは含まれないようです。




自分の担当業務に特有に固有名詞を登録しておけば、その単語にまつわる新着ニュースが自動でメールで配信されてきます。
例えば畜産振興担当だったら、いろんなブランド牛の名前を登録しておけば、各自治体のプロモーション情報が自動で手に入るのです。

なぜか地方新聞に強い

同種のサービスは他にもいくつかありますが、地方公務員に向いているのはGoogleアラートだと思っています。
それは、なぜかGoogleアラートは地方新聞に比較的強いから。
地方新聞社のweb版からも、しっかりと情報を拾ってきてくれるのです。

他県事例収集作業において、地方新聞は非常に重要な媒体です。
他の情報源(自治体の予算資料、プレスリリース、議会答弁など)と比べて圧倒的に理解しやすく、「その施策に対する世論の反応」という他の情報源では得られない要素が盛り込まれています。

しかし、地方新聞社のweb版は、サイトの容量が少ないのか記事の入れ替わりが激しいです。すぐに消されます。
それにSEO的に弱いのか、普通に検索してもなかなかヒットしません。

Googleアラートがあれば、普通だとなかなか見つからない他県事例に、掲載された直後にアクセスできます。
すぐに印刷するなりPDF化するなりしてローカルに保存しておけば、消されても問題ありません。

他自治体の事例情報は、いつ必要になるかわかりません。
Googleアラートのような便利ツールを使って、普段から少しずつ収集するようにしていれば、いざという時に役立ちます。