第一印象の悪さには自信があります。
他人から紹介で女性からは、7割くらいから初対面の直後にLINEブロックを食らいますし(残り3割は既読スルーされるようになる)、就職活動でも一次面接でほぼ全滅しました。
第一印象のせいで損した・傷ついたエピソードは他にもたくさんあります。
中学生くらいからずっと第一印象がコンプレックスです。
なので、今回紹介する本のタイトルがものすごく刺さりました。
人生の悩みの種である第一印象を改善する、またはこの劣等感をケアするヒントがあるのではと期待していました。
第一印象からわかるのは現時点のみ、本質はわからない
本書の結論は明確です。
第一印象(顔面から抱く印象)は、その人の現時点での状態(感情など)を推測する手がかりではあるものの、その人の性格や能力を示すものではありません。
このことを、いろいろな側面から、多数の実験結果を引用しながら説明していきます。
本書の説明によると、「性格が顔に出ている」という言い回しは正しくありません。
顔に出るのは、その瞬間の気分や体調であり、性格は出ません。
第一印象からは、能力もわかりません。
本書では以下のとおり、採用面接をこき下ろしています。
人物証明書は、職業上の成功を推測する手段としては、面接より優れている。なぜなら人物証明書がまとめているのは、見かけの印象以上のものだからだ。面接は職業上の成功を推測するには非常に劣った手段であることが判明している。面接で受けた印象と職務遂行能力との相関係数は0.15を下回る。もしこの結果が意外に思われるとしても、あなたは独りではない。この相関係数を推測するように求められた人たちは、0.6くらいだろうと答えた。第一印象の科学 なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか P.226アレクサンダー・トドロフ 2019年1月 みすず書房
面接で確実に評価できるのは「第一印象が良いかどうか」だけであり、能力や性格は評価できないのです。
自治体の採用は大丈夫なのか……?
面接という採用方法を否定するつもりはありません。
第一印象が良いことは、ビジネスパーソンとして成功するために欠かせない素質の一つです。
入念に審査する必要のある項目でしょう。
しかし、その他の素質は測定できないとなると、面接を重視しすぎるのは危険です。
民間の大手企業は、長期インターンや人づての紹介など、面接よりも時間をかけて人物評価する方法を採っているところが増えていると聞きます。
一方、最近の自治体職員採用は、「人物重視」の名の下に、筆記より面接を重視するところが増えてきました。
本書の記述によると明らかに悪手なのですが、大丈夫なのでしょうか……?
第一印象が良いことは、ビジネスパーソンとして成功するために欠かせない素質の一つです。
入念に審査する必要のある項目でしょう。
しかし、その他の素質は測定できないとなると、面接を重視しすぎるのは危険です。
民間の大手企業は、長期インターンや人づての紹介など、面接よりも時間をかけて人物評価する方法を採っているところが増えていると聞きます。
一方、最近の自治体職員採用は、「人物重視」の名の下に、筆記より面接を重視するところが増えてきました。
本書の記述によると明らかに悪手なのですが、大丈夫なのでしょうか……?
精神的に楽にはなるものの……
第一印象だけでは人格や能力を性格に評価できないと思うと、精神的にはかなり楽になります。
第一印象しか使えない場面(面接など)でたとえ酷評されようとも、その評価は正確ではないのです。
つまり、自分自身が否定されたわけではないのです。
否定されたのはその時点の自分の客観的印象、つまり自分を構成するごく一部でしかありません。
否定されたのはその時点の自分の客観的印象、つまり自分を構成するごく一部でしかありません。
とはいえ、本書によると、第一印象を重視してしまうのは人間の宿命です。
どれだけ啓蒙されようとも社会は第一印象に基づく評価を基礎に回って行くのでしょう。
「第一印象だけでは自分を評価しきれないから」と精神的には楽になっても、実質的な損失は免れません。
就職活動に失敗したり、結婚できなかったり……僕のように苦境に立たされるわけです。
本書の中には、第一印象を改善する方法にも若干ながら触れています。
中でも実践できそうなのが健康に気を遣うことです。
健康であれば若々しく見え、それが第一印象の改善につながります。
中でも実践できそうなのが健康に気を遣うことです。
健康であれば若々しく見え、それが第一印象の改善につながります。
人生のいろんなところで第一印象のせいで辛酸を嘗めてきたので、僕自身はなるべく第一印象だけで他人を評価しないように気をつけています。
この方針は正しかったようです。これからも心がけていきます。
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