インターネット上には「地方公務員は成長できない」「地方公務員は市場価値が無い」という怨嗟が溢れています。
最近はリアルでも同じような発言を頻繁に聞きます。
特に20代前半の若手職員、しかもエリート部署にいる期待の星たちが、こぞって自分を卑下しているのです。

確かに役所組織が教育してくれるのは「役所内固有の調整スキル」に限られ、世間一般で通用する能力を育んでくれるとは思えません。
しかし僕は、組織が成長の機会を恵んでくれないことと、成長できないことは、イコールではないと思っています。

公務員試験を突破したという事実をもって、地方公務員は相当に勉強(インプット)が得意な人種であることが保証されています。
そのため、役所組織の教育機能に期待せず、自発的に勉強すれば、それなりに成長できるはずです。

公務員試験に合格した=インプットが得意

地方公務員は皆、公務員試験という結構面倒な試験を突破しています。
時間さえかければ誰でも合格できるわけではありません。
それなりに地頭があって、勉強を継続できるタイプでないと、突破できないと思います。

つまり地方公務員は、そこそこ勉強が得意な人種と言ってしまって差し支えないでしょう。
 
なかでも試験勉強のような、
  • 与えられた課題を潰していく
  • 長期間にわたりこつこつと努力を積み重ねていく
タイプの勉強では、公務員試験突破という事実をもって、相当に得意だと証明されています。
この優位性を就職後にも活かしていけば、公務員試験に合格したように、結果を出せるはずです。

その反面、自ら課題と教材を見つけるタイプの勉強は苦手なのかもしれません。
こういう勉強が得意だと、自分の興味関心がはっきりしていきます。
仕事においてもやりたいことが明確なので、地方公務員のような何でも屋は志望しないでしょう。

わざわざ公務員を志す時点で勉強好き

就職のための手段として見ると、公務員試験は非常にコスパが悪いです。
少なくない時間とお金をかけて勉強しなければいけませんし、これらのコストを投じたとしても、確実に就職(合格)できるとは限りません。
時間を拘束されるせいで、民間就活のような他の選択肢も奪われます。
しかも合格したとしても、中の下くらいの待遇しか得られないのです。

民間就活オンリーであれば、お金も時間もほとんどかかりません。タダで面接を受けまくれば済みます。
そんな簡便な手段があるにもかかわらず、お金も時間も費やして、あえて試験勉強しているのが公務員志望者です。
そもそも勉強嫌いであれば、こんなに非合理的で苦痛を伴う選抜方法を選ぶわけがありません。
就職活動にあたり、公務員試験を視野に入れている時点で、それなりに勉強好きなのです。

自分では「勉強嫌いだ」と思っている方もいるかもしれませんが、それでも社会全体で相対的に見たら、相当に勉強好きな部類に入っているはずです。

好き&得意なんだから、やらなきゃ損

つまるところ、地方公務員は、勉強(特に長期的にインプットを続けるタイプ)が好きな上に得意だといえます。
「公務員は成長できない!」とか言って卑屈になっている暇があれば、何でもいいので勉強してみればいいのです。
好きだから楽しいし、得意だから結果が出せるはずです。

どれだけ勉強しても一切リターンが無いという悲しい現実は一旦忘れましょう。
無駄な努力、無意味なレベル上げに映るかもしれませんが、楽しければいいのです。