ゴールデンウィーク明けの役所、もうやばいとしか言いようがありません。

特に苦情対応が質・量ともにベリーハードな状態です。
本当に困っている人だけでなく、ゆすりたかりみたいな人(以下「ゆすり手」)も明らかにいます。
ひたすら難癖をつけて怒鳴って威圧してきたり、『影響力の武器』で見たことあるような各種テクニックをあからさま使ってきたり……
ゴネ得しようとする魂胆が見え見えです。

役所という立場上、誰であれ誠実に対応すべきではありますが、誠実一辺倒だと食い物にされかねません。
特に県庁職員の場合だと、不用意な発言は市町村役場を困らせます。
「県庁はOKと言った(実際には言っていない)のに、なんでできないんだ!」というゴネ方の指南を与えかねないのです。

感情に絆されずダメなものはダメと断じるためには、常に冷静である必要があります。
そのためには、失礼を感じさせない程度に防御姿勢を取ることもやむなしでしょう。

僕が普段から意識していて、誰でもすぐにできる防御策として、呼吸姿勢があります。

ゆっくり深く呼吸する

緊張したら深呼吸。誰もが知っているテクニックです。
スポーツでも呼吸法は基本中の基本です。
苦情対応でも同様で、深くゆっくりと呼吸することで、精神が落ち着きます。
 
呼吸のペースは、無意識のうちに心身に影響してきます。

僕の友人(とある武道の全国レベルの選手)が言うには、「電車内で急な便意に襲われても、深くゆっくり呼吸すれば1駅分くらいは抑えられる」とのこと。
これは極端な事例ですが、呼吸を意図的に操作することで、心身ともにある程度はコントロールできるのです。
僕もやってみたら1分くらいは我慢できました。本当に焦りが引いて落ち着くんですよ。

プロのゆすり手は、相手の呼吸を支配します。
基本的には呼吸を浅くして冷静さを崩そうとしてきます。
例えば、「おい聞いてんのか!返事は!」等と発破をかけて相手が頻繁に相槌を打つように威圧することで、聞き手が深く呼吸するのを妨げ、浅く短い呼吸を繰り返すように仕向けたり。

堂々と深呼吸したらさすがに失礼にあたります。
相手に気づかれない程度に、数分に一度は意識的にゆっくり深く呼吸すると良いでしょう。

背筋を伸ばし姿勢を正す

正しい姿勢を取ることも重要です。
姿勢が悪いと脳に血が行き渡らず、冷静さを欠く原因になり得ます。

プロのゆすり手は、相手の姿勢も支配してきます。
相手に負い目を感じさせたり威圧したりして、背中を丸め縮こまるように仕向けてきます。
こうやって脳の働きを弱め、思考・判断を歪めようと試みるのです。


ゆすり手に屈して便宜供与してしまうと、他の善良な人々が不利益を被ることになります。
こういう輩の対応は時間の無駄だという職員も多いですが、個人の悪意から社会秩序を守る立派かつ価値ある仕事だと僕は思います。