【2020.6.24追記】
噂の事前面談会ですが、やはりルール無用の長時間拘束・深夜営業らしく「ああやっぱり」という感じです。
本省はこれが平常運転です。県庁でさえ、本省から「解散指示あるまで待機」と連絡があって夜明けまで帰れない事態がよく発生しています。

今年の受験生はある意味ラッキーかもしれません。
普通なら入省するまでわからない(東京大学みたいなOBがたくさんいるところは別として)、本省のリアルな職場の雰囲気が垣間見れたのです……

【追記ここまで】


前回の記事で紹介したとおり、今年の公務員試験では国家総合職と地方上級の併願が難しいです。
参考:【懸念】2020年は国家公務員(総合職)と地方上級の併願は事実上困難な気がする

しかも今年は新型コロナウイルス感染症のせいで説明会がありません。
そのため、どっちの選択肢もよく理解しないうちに決断を迫られることになりかねません。

過去にも記事にしていますが、僕は国家公務員の激務っぷりが怖くて地方に逃げた人間です。
この判断は大正解でした。自信を持って断言できます。 

そんなクソ雑魚メンタルの僕からの提案です。

弊ブログをご覧ということは、国家公務員だけでなく地方公務員も興味があるのでは?
それなら国家総合職という選択肢をちょっと見つめなおしてみませんか?

短時間睡眠での激務に耐えられますか?

そもそもこんな記事を書いているのは、安易に国家総合職を選んでしまうと、あまりの激務っぷりに心身をやられてしまう危険があるからです。

どこの省庁でも国家総合職の方は激務を強いられています。
僕自身は本省勤務経験はありませんが、現役官僚の友人知人や、本省出向経験のある同僚など、本省の実態を知る人に囲まれています。
皆さん口を揃えて、それはもう激務としか言いようがないエピソードを語ってくれます。

僕のような木っ端地方公務員でも、本省職員の勤務時間がめちゃくちゃなのは、はっきり見てとれます。
本省の方から、365日24時間、どんなときにもメールや電話が飛んでくるからです。

金曜日の夕方に提出した調査ものに対し、日曜日の明け方に「追加調査やります、月曜9時までに回答求む」という返信が届いて月曜日に絶句するなんてパターンは日常茶飯事。
自分は未経験ですが、「どうして土日に電話に出なかったのか」と週明けに叱られるケースも多数聞きます。

省庁内で完結するならまだしも、本来なら指揮命令権限の無いはずの地方自治体職員にまで365日24時間稼働を求めざるを得ないのです。
切迫したスケジュール、組織内プレッシャーの凄まじさがにじみ出ています。

社畜の徹夜は一味違う

国家総合職にとって、深夜残業は必須スキルです。
「徹夜慣れしているから大丈夫」という自信がある方もいるでしょう。
ただし、仕事での夜更かしは、学生時代までに経験した夜更かしとは別物です。


●人に囲まれている、コミュニケーションを伴う夜更かし
省庁での深夜労働は、一人で黙々と作業するだけではありません。
上司や同僚と一緒に、日中と同じようにコミュニケーションを取りながらの仕事が続きます。
気心の知れた家族や友人とではなく、職場の同僚とずっと一緒という環境。これが予想以上に堪えます。

●いつ始まるか、いつ終わるか全くわからない
省庁に限らず、役所の徹夜仕事は、いつも突然に始まります。
だいたい外部から持ち込まれるものです。
つまり、いつ突然深夜労働を強いられるかわからないし、いつ終わるかもわからないのです。

こういう「見通しの不透明さ」をストレスに感じる人は結構います。
徹夜そのものは平気でも、毎日常に「今日は徹夜かもしれない」という可能性をちらつかせられるのがストレスになるのです。


このような労働環境を知って、僕は国家公務員を諦めました。
ただし、ちゃんと適応できている人も少なからずいます。
ハードだからこそ得られるものがあることも事実です。
そういう方々に支えられているのが今の中央省庁なのでしょう。本当に感謝しかありません。

「国家公務員」ではなく単に「公務員」になりたいだけなら国家総合職は再考したほうがいい

とにかく公務員になりたくて、手当たり次第に試験を受けている方もいるでしょう。
こういう方は一度冷静に考え直してみたほうがいいと思います。
 
特に、難関大学に通っていて、周りがみんな国家総合職を受験しているという理由だけで、強く志望しているわけではないけどとりあえず受験を考えている方。
採用された後、本当にきついと思います。

公務員を志望する理由を、改めて考えてみてください。
その志望理由が国家総合職でしか叶わないのであれば、堂々と国家総合職試験に臨んでください。応援します。

加えて消去法でも考えてみてください。
消去法でも国家総合職しか残らないのであれば本物です。
ただし、国家総合職以外の選択肢も消せないのであれば、ハードな労働環境に挑戦できるのかどうかを再考してみてください。
  • 住民対応やりたくない
  • 自治体職員はレベルが低いから一緒に働きたくない
  • 30代後半まで部下持てないなんてあり得ない
  • 役所に骨を埋めるつもりはない、地方公務員だと転職できなくなる
まずはこのあたりの条件からチェックしてみては?

「地方自治体は今後破綻するリスクが高く身分保証されるとは限らない」という理由で、国家公務員を志している方もいるでしょう。
確かに自治体が破綻して、解雇されたり待遇が大幅悪化されるリスクはあります。

しかし、過労が原因で自分が潰れてまともに働けなくなるリスクは、国家公務員の方が圧倒的に高いです。

失職リスクを考慮するなら、都庁はじめ財政的に豊かな都会自治体の方が、トータルで見て安全です。
勤務先がどれだけ盤石であろうとも、自分が潰れてしまえば、働けないのです。

この記事を読んでどう思いました?

この記事への直感的な感想も、重要なチェックポイントだと思います。

「はぁ……やっぱ地方公務員はだらしないし頼りないんだよな。こんな奴に行政運営は任せておけない。やはり国がしっかりしないと駄目だわ。」と思った方。
貴殿こそ国家公務員たるべき器の持ち主です。


「地方公務員だと平凡な人生で終わりそうだけど、国家公務員になれば何か新しい人生が始まりそう!この期待を捨てきれないんだ!」という方。
健康を賭け金として差し出せるか、考えてみてください。
国家総合職として働くほうが成長できるでしょうし、大きなことを成し遂げられるでしょう。
ただし、激務のあまり心身を壊すリスクを忘れないでください。

加えて、地方公務員であっても全国スケールで活躍している方もいます。ごくわずかですが。
大半の地方公務員は平凡な人生を歩むでしょうが、偉業を成し遂げることが不可能とは限りません。
むしろ余暇時間が確保できるので、独力で挑戦するような事柄なら、地方公務員のほうがやりやすいかもしれません。