インターネット上には、地方公務員になったことを後悔している方が大勢います。
後悔を通り越して退職する方もいるくらいです。

転職しやすい20代のうちならまだしも、30歳を過ぎて選択肢が狭まっているにも関わらず「やっぱ民間のほうが良かったかも……」という迷いや後悔をこじらせていると、人生への後悔がどんどん積もっていくばかりで、精神衛生上よくないと思います。
なるべく若いうちに迷いを断ち切って、後悔のないようにしたほうが建設的です。

かくいう僕も、これまで散々書いてきたとおり、就職前は都庁を再受験しようかと迷いました。



ただ実際に働き始めてからは一度も後悔していません。
地方公務員という選択肢が最善だったと思っています。

僕のスペックだと地方公務員以上の待遇は望めない

「待遇が悪い」と嘆く現役地方公務員は結構いるように思いますが、こういう不満を僕はあまり感じません。
自分の能力で就業できる職業のうち、最高待遇の職業が地方公務員なのだと思っています。

地方公務員よりも高待遇の職場はいくらでもあります。
僕が住んでいる地域でも、役所より給料も休みも多い職場がいくつもあります。
大学の同級生でも、東京で頑張っている人の中には、すでに年収1,000万円超えも出てきました。

こういう環境が羨ましいのは事実です。
しかし僕は、手の届かないものとして完全に諦めています。

僕は民間企業への就活活動で敗退して、かろうじて県庁に滑り込んだ人間です。
つまり、一度は県庁より上位ランクの環境へチャレンジしたものの、届かなかったのです。

この事実のおかげで、より高待遇な環境への憧れが生じません。
きっぱり諦めがついています。






仕事に対して「やりがい」を期待していない

地方公務員への就職を後悔している方のほとんどが、「地方公務員の仕事はやりがいがない」と嘆いています。

僕の場合、あくまで生活費を稼ぐ手段であり、やりがいはあればいい程度の要素です。
そもそも働きたくありませんし、仕事を通じて自己実現しようとも思っていません。
たとえどんな仕事をしようとも、このスタンスは変わらないでしょう。

もしかしたら、一生を賭したくなるような魅力的な仕事がどこかにあるのかもしれません。
しかし、本当にあるのかどうかすらわからない「青い鳥」のような存在に恋い焦がれるより、日々できる範囲で生活を改善させていくほうが、僕は好みです。

人生において、仕事に捧げる時間は結構な割合を占めます。
平日8時間勤務だけだとしても、だいたい1週間の4分の1を捧げることになります。
この時間を充実させるべく、やりがいのある仕事を探し求めるのも大いにアリでしょう。
ここは好みだと思います。





つまるところ、
  • 自分の職業人としての能力に見切りをつけていて、「地方公務員よりも上のステージで輝けるかも?」という可能性を一切感じていません。
  • そもそも「職業人として輝きたい!」という希望も希薄です。
この二重の諦観のおかげで、後悔を感じないのだと思います。

こういう割り切りができるなら、青く見える隣の芝に悩まされずに済むと思います。