どこの自治体も、そろそろ異動希望の調査がある頃合いでは?
僕は今年の4月に異動したばかりですが、「とにかく出先機関に異動したい」と回答するつもりです。
今の部署に不満があるわけではありません。
1年スパン異動を繰り返しているので、久々に同じ部署に腰を落ち着けたい気持ちもあります。
1年スパン異動を繰り返しているので、久々に同じ部署に腰を落ち着けたい気持ちもあります。
しかし今後の自分のキャリアのため、そして組織のために、僕は早急に出先機関に転出するべきだと思っています。
40代以降はずっと出先機関
同期入庁職員の出世ヒエラルキーが概ね決まり、僕が本庁で出世する可能性はほぼゼロに固まりました。
係長以上のポジション、つまり部下を持つ役割を本庁で拝命することはあり得ないと思われます。
僕の勤務先の場合、本庁勤務のヒラ職員は、せいぜい30代までです。
僕もこの流れに従い、40代以降はずっと出先勤務になると思われます。
出先機関であれば、部下を持つ機会もあるでしょう。
しかし僕は、これまで出先機関で勤務したことが一切ありません。ずっと本庁にいました。
そのため、出先機関の仕事に関しては、中身も進め方も職場の雰囲気も一切わかりません。
自分が出世コースから漏れたと自覚した際、「出世コースであれば不可避であるストレスフルな調整業務から逃げられた!」と歓喜したものの、同時に「出先機関にいきなり放り込まれて右往左往するかもしれないのか……」という不安に駆られました。
ヒラ職員である今のうちであれば、「あの人いい歳してこんな簡単なことも知らないんだ」と嘲笑されるだけで済みます。
失敗しても損害は大きくありません。所詮下っ端です。
しかし、もし40歳手前で初めて出先機関に配属されて、しかも部下を持つポジションだったら、僕の失敗の影響は僕一人に止まりません。
部下をはじめ方々に迷惑をかけることになりますし、組織の名前にも傷をつけます。
つまるところ、職員人生の後半はずっと出先機関で過ごすことになる(しかも責任ある立場を務めるかもしれない)んだから、今のうちから経験を積ませてほしいのです。
このままだと大惨事を引き起こしかねません。ものすごく不安です。
本庁感覚を伝えたい
僕が出先機関に行けば、出先勤務の若手職員の成長にも貢献できると思っています。
出先機関(特に大きなところ)では、自分より若い職員も大勢います。
彼ら彼女らの多くは、本庁での勤務経験がありません。
そのため、本庁職員が置かれている状況を理解できず、本庁からの指示や依頼をとにかく疎む傾向が強いです。
マスコミ対応がその典型です。
取材対応に必要なデータを至急送るよう出先機関職員にお願いすると、たいていかなり渋られます。
「どうしてマスコミを優遇しなければいけないのか、自分たちの平時の仕事を軽んじるのか」と言わんばかりの剣幕です。
本庁勤務経験があれば、マスコミには即時対応しないと揉めることを知っています。
対応が遅れると「対応が遅い、きっと裏に何か隠している」と騒ぎ立てられますし、そもそもマスコミから取材がある時点で、そのトピックに関して誰か黒幕が存在しています。
すぐに現状を調べ上げて幹部に報告して臨戦体制を整えておかないと、その黒幕が本格的に動き出した際に手遅れになってしまいます。
僕のような本庁勤務経験が長めの職員であれば、「マスコミ」と聞いた瞬間に上述のような連想がひらめいて、ヒラ職員の慌てふためく様子と、眉間に皺を寄せて嫌な汗を滲ませる管理職の姿が浮かんできます。
この感覚を出先勤務の若手職員に教えてあげることが、彼ら彼女らの成長に繋がり、ひいては組織のためにもなると思うのです。
この感覚を出先勤務の若手職員に教えてあげることが、彼ら彼女らの成長に繋がり、ひいては組織のためにもなると思うのです。
特に僕の場合、本庁のいろんな部局を経験させてもらったおかげで、いろんな事態を目にしてきました。
本庁の感覚を出先の若手職員に伝える役割なら、我ながらなかなかの適任だと思っています。
出先機関経験を経て本庁に来た職員は、口を揃えて「出先にいた頃は本庁の意図がわからなくてイライラしたし、本庁職員に対して暴言を吐いてしまったこともある」と悔いています。
こういう職員間のすれ違いや、結果として生じかねないトラブル・後悔を未然防止すべく、自分の感覚や経験を若手職員に伝えることが、結果として組織への貢献になると思います。
というわけで、出先機関への異動、特に農林事務所か整備事務所(土木)を希望しています。
いずれも大所帯で、本庁経験のない若手職員もたくさんいますし、何より埋没できるので精神的に楽です。
来年度すぐに異動できなくとも構いません。同じ希望を来年度も提出するだけです。
信念を貫く、ブレないことが大事だと思っています。
コメント
コメント一覧 (22)
出先勤務、なかなかいいですよ〜笑
私は西日本の県庁で、トップを争うほどのド田舎農水系出先勤務をした後、関東某県庁に転庁しましたが、総務系の中枢中の中枢部署に配属…一体私の何を見て配属させたのやら。
振り返れば、最終面接で「あなた、希望部署に出先しか書いていないけど、もっとこう…本庁で働きたい!みたいな気概はないの?」と言われ、それが原因かなと…。或いは今流行りの「女性活躍」だとかで詰め込まれたのかなァとも…いい迷惑です。
出先だと、公務員である以前に人間として「?」みたいな職員が相当な割合でいて、そういう人種への対応にかなり労力を費やされました。そこにストレスを感じず、楽しめるなら出先勤務は最高です!
自分も人間性が相当アレな自覚があるので、そういう方々はどうともないです。やはり出先に行くしかない……!
若手女性の本庁配属傾向、うちの県庁でも最近明らかです。
産休入らない限りはずっと本庁にいる気がします。
相対的に本庁のほうが面倒見のいい職員が多いので、ちゃんと育成したいという意図もあるのでしょうが……何より当人の希望が大事ですよね。
前の方も仰ってますが、出先機関には確かに人間として?な職員が一定数存在し、このような人の対応に頭を悩ませる事が多々あります。
一方で、土木事務所や農林事務所のような技術職の職場のみならず、県税事務所のような一般行政職の職場でも、いわゆる「その仕事のプロ」が多く、彼ら彼女らは本庁、特に人事課や総務課からの事務的対応や指示を嫌い、あまつさえそれを嘲笑し無視する向きもあります。
同じ県職員でも本庁と出先では違う会社くらい意識が違うと私の経験から感じています。むろんそれぞれ違う大変さがある事は分かります。
出先機関に異動したら、「現場で起きている問題を解決する対応」を第一義で行動することが、出先機関のベテランたちから信頼を得る第一歩かと思います。
偉そうにすみません。ただ少なくとも出先機関が長い技術職の一人の意見として留めていただければと
本庁にいると「問題をあえて放置することが解決策」みたいな対応をとるケースもけっこうある(弊ブログの内容もこういう思想に毒されているかも……)ので、意識的に考えを改めねばと思っています。
やや遅きに失した感はありますが、僕もどちらかというと「特定業務のプロ」に名を連ねたいほうなので、実際に出先機関へ異動できたら、今まで以上にちゃんと仕事していきたいです。
それが今となってはどんどん先細りの一方。
出世する旨味はもはやなく、大して変わらない給与格差のために人生の時間と気力を注ぐことのコスパの悪さは凄まじいものがあると思われます。
非金銭的な価値(やりがいとか)を見出せない限りは、出世の対価はごくわずかなのでしょう。
見返りがわずかなのに、出世コースで頑張っておられる職員各位には尊敬が絶えません。
今、思いかえすと地方局や出先も一度は経験してみたかったですが、ボロボロの官舎や諸手当の激減など、実際に現場を見ると躊躇する要因も多く、おっしゃる通り「意識の違い」で本省からの出向者は「お客様」であり、地方局の「身内」の意識とはだいぶ異なることも多く、見えない壁により、その実現には至りませんでした。
公務員生活で「東京」しか行政経験をしなかったのは、少し残念だったかもしれません。「地方の良さ」や「第二の故郷」的な味わいを嗜んでいたら、また人生が違ったかもしれないと思うと、ちょっと心残りです。
自治体の場合、出先も本庁も待遇面では同一なので、デメリットなく「出先に行きたい!」と思えるところです。
ただこれから定年延長が本格化すると、出先が高齢職員ばかりになり、若者は「高齢職員のお世話役」になるのでは…という懸念もあります。
「高齢職員×5人の係の係長」とかはちょっと勘弁願いたいです。
今は議会関係の所属におり、残業なんかもできないなーと思っている県庁職員9年目です。
やはり、子育てなどをしていると出世などはなかなか難しいのかななんて考えているのですが、本庁の課長レベルでもなれないものなんですかね?
いっそ税務のように専門部署の方がいいのか迷うところです笑
筆者さんは出先を回るだろうなと思っているとのことですが、どの辺りでそう感じたかお教え願えればなと思います!
今は議会関係の所属におり、残業なんかもできないなーと思っている県庁職員9年目です。
やはり、子育てなどをしていると出世などはなかなか難しいのかななんて考えているのですが、本庁の課長レベルでもなれないものなんですかね?
いっそ税務のように専門部署の方がいいのか迷うところです笑
筆者さんは出先を回るだろうなと思っているとのことですが、どの辺りでそう感じたかお教え願えればなと思います!
しっかり育児されてるのはむしろ加点要素だと思います。家庭に時間を割かなきゃいけないのに一定のパフォーマンスを上げ続けられるのであれば、それだけで高評価な気がします。
出先のほうが概してまったりしてますが、若いうちは上昇志向もありますし、ずっと出先だと腐りそうです
①総務系
②窓口系(用地、県税)
の2パターンがありますね。
スペシャリスト志向なら、②を狙うほうが良いのですが、人を選ぶので難しいところです。
ウチの県庁は、若手は基本本庁に配属し、そこから適性を見つつ適宜出先に流していく方式をとってます。30台前半で早くも出先プロパー化する職員が出てきますね。
私の県庁の場合高卒採用者で本庁ばかり働いてる人もたくさんいるし逆に大卒採用者で出先ばかりどさ回りしてる人もいます
キモオタクさんの県庁は学歴や採用区分がどれくらい関係ありますか?
ここら辺は自治体ごとの考え方なんですかね
私の県庁の場合高卒採用者で本庁ばかり働いてる人もたくさんいるし逆に大卒採用者で出先ばかりどさ回りしてる人もいます
キモオタクさんの県庁は学歴や採用区分がどれくらい関係ありますか?
僕の勤務先県庁はこれまでガンガン出先機関を統廃合してきたせいで、そもそも出先ポストが少なく、特殊な事情(育児介護の都合で本庁勤務できない、人間関係トラブル起こして本庁に居られない、病休明け等)が無い限りは、なかなか出先に行けません。健康な人は採用からずーっと本庁勤務するのが普通です。
このような事情のため、学歴や採用区分はほぼ関係ないと思います。