これまでのところ、今年の冬はそれほど冷え込まず過ごしやすい日が続いています。
公務員になってからは暖冬にありがたみを感じるようになりました。

冷房と同じく、役所は暖房が万全ではありません。さらに職員個人の防寒対策にも制約が課せられます。
外気が暖かいかどうかは文字通り死活問題なのです。

暖房は定時内のみ

役所の暖房はだいたい集中管理で、定時内しか稼働していません。
冷房と同様の運用です。

僕の勤務先の場合、庁舎管理担当部局から許可をもらえれば定時外や休祝日にも暖房を点けられるらしいのですが、許可が下りたという事例は聞いたことがありません。
ちなみに防災部局の宿直は許可されていませんでした。

それでも県庁は、市町村役場と比べれば相当暖かいほうだと思います。

市町村役場の多くは吹き抜け構造でワンフロアが広く、エントランスのある1階にもオフィススペースが広がっています。
1階には窓口業務担当課が並んでおり、エントランスとオフィススペースの間に壁はありません。
つまり、外気がオフィススペースに直接流れ込んでくるのです。

一方、県庁は縦に長い建物が多く、エントランスとオフィススペースのフロアが異なるため、外気が直接オフィススペースに流れ込んでくることは構造上ありません。
そのため市町村役場よりも暖房が効きやすいと思われます。

防寒装備は「スーツの下に着れるもの」限定

公務員の身なりは住民から厳しく監視されています。

窓口に来た方から「奥にいるあの職員、ネクタイの柄が派手すぎる。人事担当者から注意させろ」等と指摘されることは日常茶飯事ですし、定期的に庁舎内を巡回して職員に直接指導を始める方もいます。
時折、役所に書類を持ってきただけの民間企業の方が職員と勘違いされて「どうしてお前は徽章をつけていないのか」等と住民に糾弾されている場面に遭遇します。本当に気の毒です。
 
このブログを読んでいる民間企業の方がどれだけいるかはわかりませんが、役所に来るときは社章なり名札なりを身につけたほうが安全だと思います。
何もつけていないと公務員と混同されて、住民から絡まれるかもしれません。


不用なトラブルを避けるべく、男性職員は基本的にスーツの上着を常時着用せざるを得ません。
建設土木系・農林系の部署であれば作業着でも許されますが、大半の部署はスーツしか選択肢がありません。

そのため防寒対策は、スーツの下に着込めるものに限定されます。
保温性のある高機能下着類や、薄手のニットものですね。


冬の市町村役場は本当に寒いです。
これまで何度も訪問してきましたが、コートが脱げません。
反対に市町村職員が冬の県庁に来ると、口を揃えて「暖かい」と感激されます。

公務員志望の方で、冷え性が深刻な方、冷やしてはいけない部位や臓器を抱えている方は、市町村役場よりも県庁のほうが無難かもしれません。