新年度が始まって1ヶ月半が経過し、俗にいう「5月病」真っ盛りのシーズンがやってきました。
新しい環境に慣れてくるにつれて、いまの職場に嫌気が差してきた方もいるでしょう。
もしかしたら地方公務員という職業そのものに違和感を覚え始めている方もいるかもしれません。
あくまで僕個人の信条ですが、人生において一番勿体ないのは「不満を抱きつつも行動せずにイライラしている時間」だと思っています。
不満の原因を特定するなり、できる範囲で対策を打つなり、わずかでも状況が改善するよう行動したほうが有意義だと思います。気分転換にもなりますし。
「辞めたい」という不満に対しても同様です。
「組織が駄目」「待遇が悪い」などと愚痴っている時間を、なんらかの行動に移したほうが有意義だと思います。
役所の場合、辞めたくなる原因の解決は困難です。
独力ではどうしようもなく、諦めたほうが無難でしょう。
対策するとすれば、自分自身が抱いている「辞めたい」という感情を前向きに処理することです。
地方公務員を辞めた後に「やりたいこと」があるのならば、それに向かって着々と準備すればいいと思います。
転職や独立開業したいのであれば、新しい職に必要な能力を磨けばいいですし、早期リタイアしたいのであれば蓄財に励めばいいでしょう。答えは出ています。
「やりたいこと」が特に無いのであれば、それを探したり、退職後に何をしようとも活かせる汎用的な知識・技能習得にチャレンジしてみればいいでしょう。
手段は色々ありますが、僕の一押しは「ファイナンシャルプランナー」と「情報処理技術者」の資格取得です。
役所外では必須
言わずもがな、ファイナンシャルプランナー(FP)はお金に関する資格で、情報処理技術者はITに関する資格です。
今の世の中、この2分野と無縁な業界はありません。
公務員を辞めて別業界で働くのであればほぼ確実に必要となる、まさに汎用的な知識だと思います。
特にFPは、2級レベルの知識は不可欠だと思います。
過去に僕がFP2級に合格した際、金融業界の友人から「今更2級w」と嘲笑されたことを書きました。
その後もいろんな業界の友人知人と交流していく中で、民間勤務であればだいたい皆さん金融の知識をお持ちであることを理解しました。
それなりに大きい企業であれば、研修や実務を通して標準的に身につくようです。
情報処理技術者も同様です。
僕はオタクなのでそれなりにIT関係には詳しいつもりでいたのですが、実際に情報処理技術者試験の勉強をやってみて、ようやく自分の無知に気がつきました。
一方、民間勤務の方はちゃんと研修を受けていて、機器やサービスの背後にある原理や仕組みを知っています。
さらに役所とは違って新しい機器やサービスを利用しているので、最新の情勢にも詳しいです。
「お金」と「IT」に関しては、意識的に勉強しない限り、地方公務員は世間からどんどん遅れをとってしまいます。
むしろ、30代にもなってこれらをろくに知らないままでもそれなりに働ける役所が異質なのかもしれません。
役所を離れて働くつもりがあるなら、辞める前からキャッチアップしていかなければいけないと思います。
新しい世界が開けて「やりたいこと」が見えてくる
「お金」と「IT」の勉強は、「やりたいこと」探しにも資すると思っています。
新卒で地方公務員になった方(公務員専願だった方は特に)の場合、「お金」も「IT」も未知の世界でしょう。
知らないことを勉強するのは、最初はすごく大変です。
しかし、知らないからこそ、理解できたときには一気に知識の幅が広がり、視野が開けます。
つまり地方公務員は、「お金」「IT」に疎いからこそ、これらを知ることで世界が広がり、「やりたいこと」を見つける手掛かりになるかもしれないのです。
さらに、「お金」と「IT」の知識は、日常生活や役所勤務でも役立ちます。
地方公務員を辞めなくても無駄になりませんし、地方公務員と両立できる「やりたいこと」にたどり着けるかもしれません。
地方公務員なら「土台固め」が得意なはず
「お金」と「IT」の知識と一口に言っても、学び方は色々あります。
僕がFPと情報処理技術者という「資格取得」をおすすめするのは、2つ理由があります。
一つ目は手軽さです。
資格取得はノーリスク・ローコスト・ミドルリターンな手段です。
最近流行りの「オンラインサロン」や「スクール」に入るよりもずっと安上がりですし、いつでもどこでも、誰でも実践可能です。
途中で挫折したとしても、損するのは参考書代(せいぜい4,000円程度)くらいで、それほど痛くもありません。
もう一つは公務員としての現状の立場が活かせるところです。
退職前の自己研鑽といえば、「マーケティング」「ライティング」「プログラミング」「動画編集」みたいな実践的スキルのほうが一般的なのかもしれません。
資格取得はあくまで土台に過ぎず、資格があれば稼げるわけではありません。
ただ、今は地方公務員という安定した身分があるわけで、「稼ぐための実践的スキル」を身につけなければ食いっぱぐれるわけではありません。
ゆっくり土台を固めてから実践的スキルを身につけるという「余裕」があるのです。
さらに、過去の記事でも触れましたが、地方公務員は「公務員試験」というそこそこ難関の試験を突破した人間であり、世間一般よりも筆記試験が得意です。
ひいては「試験勉強という形での自己研鑽」が得意とも言えるでしょう。
この強みを活かさない手はありません。
わずかでも「地方公務員やめるかも」と思っているのであれば、なるべく早いうちに役所外の世界を知ったほうがいいと思います。
僕くらいの年齢(30歳過ぎ)になってから民間コンプレックスを発症してしまうと本物の地獄が始まります。
コメント
コメント一覧 (2)
私も某県庁職員であり、大学卒業してストレートで入庁し、四半世紀が経過、管理職も5年目になりました。若いころ、退職派遣で2年間METIに転籍しており、残りの半分以上を財政部門、さらにそのうち半分は、ファンドマネージャーとして過ごしています。
思うところあり、今年から匿名で2つのブログを書いていますが、自分の仕事のことは書いてきませんでした。ただ、別にブログを立ち上げて、身元を特定されない、守秘義務に反しない範囲で、情報発信していきたいと考えています。
そこで参考になるような現役公務員の方のブログを探しましたが、思った以上に本線上で定期更新されているブログは少なく、運営者様の記事のクオリティの高さが際立っており、大変参考になりました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
「閑職本庁職員」という立場を突き詰めていったところ、単なる事実の羅列からちょっと外れて、現在のような事実+私見スタイルに落ち着きました。
確かに現役公務員の方だと、4月の人事異動のタイミングで更新をやめてしまうパターンが結構多い気がしています。
管理職目線での私見、僕も大変興味があります。
部局長のヒアリングを受けると、実務経験を踏まえた「べき論」を聞けることがあり、いい意味で度肝を抜かされることも多々あり、勉強になります。