個人的に今年一番のホットニュースである「ぐんまちゃんアニメ化」の続報が出ました。
役所はとにかく他自治体の事例を気にする組織です。
斬新な取組みであればあるほど。
斬新な取組みであればあるほど。
広報や観光の担当者の中には、この事例について上司から「分析しろ」「資料を作れ」と指示されている方もいるかもしれません。
インターネットで調べれば
- 地元出身の声優さんをメインキャストに据えている
- 自治体が「製作・著作」としてクレジットされるアニメは珍しい
くらいの事実ならすぐわかると思いますが、僕みたいなオタクを除き、どれくらいすごいことなのかという感覚的な部分はピンとこないかもしれません。
資料を作ってヒアリングしても、「どんな効果が見込まれるのか?」「うちの自治体でも真似できるのか?」「成功するのか?」と詰められたら、回答に窮するでしょう。
7月11日時点で公表されている情報をもとに、「僕だったらこう説明するだろうな」というヒアリング用のカンペを作ってみました。
メインキャストがガチ
メインキャストの3名(高橋花林さん、内田彩さん、小倉唯さん)はめちゃくちゃ有名です。
断言できます。
声優業には「アニメ畑」「吹き替え畑」「ナレーター畑」のような活動領域がありますが、メインキャストの3名は皆さんアニメ畑です。
かつ、単に声をあてるのみならず、歌手活動も活発に行っており、マルチタレントと言っても良いでしょう。
さらに内田彩さんは、μ’sの一人として紅白歌合戦にも出場しています。
代表作やディスコグラフィのような指標で示すことも可能ですが、このブログの主要読者層は関心がない情報だと思うので省略します。
とにかく名実ともに「豪華キャスト」であることに間違いありません。
お三方とも声は可愛い系(しかも正統派美少女というよりはちょっと変な声路線、特徴が強い)なので、マスコットキャラクターを演じるのにもぴったりだと思います。
かつ絶妙にファン層が被っていないのも高ポイントです。
お三方とも声は可愛い系(しかも正統派美少女というよりはちょっと変な声路線、特徴が強い)なので、マスコットキャラクターを演じるのにもぴったりだと思います。
かつ絶妙にファン層が被っていないのも高ポイントです。
一朝一夕で成った企画ではない(推測)
群馬県庁と地元出身声優さんとの繋がりは、今回のアニメ化のずっと前から連綿と続いていたものと思われます。
少なくとも内田彩さんのTwitterアカウントには、かなり前から「ぐんま特使」であることが書かれています。
一昨年、東京・銀座にあるアンテナショップ「ぐんまちゃん家」を訪問したのですが、内田彩さんソロ名義のCDを取り扱っていて、とても驚きました。
アンテナショップという極めて競争率の高い売場でスペースを確保できるほど、一昨年の時点で深いつながりを構築していたのでしょう。
自治体がメディアタイアップするときにありがちな、広告代理店にお金を積んでゴリ押するパターンには到底見えません。成るべくして成ったという感じがします。
「物語性」への挑戦
今回のアニメ化の最大のインパクトは、「自治体のマスコットキャラクターに物語性を付与」したことだと思っています。
アニメ化されるということは、キャラクター達が織りなすストーリーが綴られるということであり、エピソードの積み重ねにより、キャラクター達の設定・奥行きが増していきます。
これが「物語性」です。
「物語性」は、もちろん制作側が主導権を握って作っていくものですが、受け手側によってもかなり左右されます。
制作側が狙ったとおりに受け手側が解釈してくれるとは限りません。
ファンの誤読がバズって炎上騒ぎに発展するケースもあります。
さらに「物語性」は、好き嫌いが分かれる要素でもあります。
大多数が高く評価していても、ごく一部からは強烈に嫌われていたり……逆もまた然りです。
つまるところ「物語性の付与」は、どれだけ頑張っても成功するとは限らないし、何より「全員が喜ぶ」ことはほぼあり得ないのです。
これまでの自治体キャラクターの運用は、粗探しや政治利用を回避すべく、とにかく設定を少なく物語性を排除していました。
極論、ロゴマークと大差ありません。
長期間運用することが前提である自治体マスコットキャラクターにとって、「物語性の付与」はかなりリスクの高い行為です。
これまで積み上げてきたキャラクターイメージが崩壊するかもしれませんし、悪意をもって物語性を解釈し難癖をつけてくる人も現れるでしょう。
自治体キャラクター運用の新境地なるか?
リアルでのパフォーマンスでは、結局くまモンに勝てません。
僕も何度か生で見たことがありますが、明らかに別格です。
動きのキレがいいというレベルを通り越して、観衆の心を揺さぶってきます。
しかも最近は新型コロナウイルス感染症のせいでリアルイベントが中止になり、キャラクターが活躍できる機会も減っています。
このまま従来通りの運用を続けていても、ジリ貧であることは間違いありません。
だからこそ群馬県はチャレンジしたのでしょう。
アニメという媒体を使うのであれば、ここまでは最善に近い展開だと思います。
あとは本編がどうなるか次第です。
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