2021年も終わりが見えてきました。
都道府県庁だと、そろそろ霞が関出向へのお声かけが始まる頃合いでしょう。
このブログでも度々触れているとおり、本省出向のお誘い=高評価の証です。
打診されたことを、まずは誇りに思って良いと思います。
いろいろ噂の絶えない霞が関出向ですが、自治体以外の環境で働ける貴重な機会であることは間違いありません。
しかも自治体勤務よりも圧倒的に多量の業務をこなすことになるため、否が応でも鍛えられます。
上昇志向のある方なら、ぜひ利用すればいい機会だと思います。
「ひたすら雑用させられるだけ」という前評判もありますが、実際に経験した人からは「いい経験だった」と聞きます。
ただ、霞が関出向に多大な期待を寄せすぎると、かえってがっかりするかもしれません。
出向経験者から聞く限りでは、霞が関出向によって実務能力は大いに鍛えられるものの、
といった抜本的成長までは至らない、つまり地方公務員よりも上位存在に転生できるわけではないらしいのです。
※この記事の内容は100%伝聞です。僕自身の経験談ではありません。
実際のところは出向経験者の先輩に聞くのが一番手っ取り早くて正確だと思われますが、昨今の新型コロナウイルス感染症のせいでなかなかしっぽり話を聞く機会も設けられず迷う方もいそうだな……と思い、僭越ながら本記事をしたためた次第です。
まずはじめに、霞が関出向の実態を整理していきます。
出向者の前任者は、基本的に出向者です。
ポストが固定されているため、担当する業務もほぼ固定されます。
出向者が担当する業務は「過去ずっと出向者が回してきた業務」です。
「出向者でもトラブルなくこなせている程度の業務」だとも言えます。
そのため、「主査の仕事を新規採用職員が引き継いだ」みたいな、自治体だとよくある身の丈に合わない業務を任されるケースはごくわずかなのだと思われます。
(退職派遣だと4年コースもあるらしいですが……)
国からすれば残業させてもいい臨時職員みたいなものです。
そんな職員に任せられる業務は自然と限られてきます。
新たな判断を要する業務は任せず
といった答えのある業務が多いようです。
「答えのある業務」という表現だとなんだか楽そうに思われるかもしれませんが、分量がとてつもなく多く、中身も細かく、さらには要求水準も高いので、作業量はどうしても多くなりますし、労働時間も長くなります。
しかしそれでも「やれば終わる」ものが大半です。
「閃かないと進まない」とか「専門知識がないと手が付けられない」ものではありません。
のような業務が典型でしょう。
「プライドを賭けた省庁間バトルこそ霞が関の本質」というイメージが強いですが、こういう仕事は基本的にプロパー職員の役目で、こういう仕事まで任せてもらえる出向者は少数のようです。
とはいえここ数年で、少なくとも出向者の処遇はだいぶ改善されているようです。
一昨年に某省へ出向した職員曰く、年間残業は900時間程度で、彼の歴代前任者たちと比べても過去最少でした。(ちなみにピークは平成24〜25年頃で約1800時間、東日本大震災直後はどこもえぐかったようです)
残業時間の減少傾向は彼だけでなく、ほかの出向者も同様だったとのこと。
「やたらと『本省出向はやばい』と騒ぎ立てる人がいるが、多分認識をアップデートできていない、県庁の繁忙部署のほうが残業してるしストレスでかい」と話していました。
出向経験の話題になると、皆さん口を揃えて「人に恵まれた、運がよかった」と話します。
実際のところ、出向先で潰れてしまう職員も少なからずいるようです。
その原因のほとんどは人間関係、特にクラッシャー上司です。
配属先の人間関係は完全に運であり、出向者にはどうしようもありません。
霞が関への出向では、自治体ではなかなか味わえないレベルの多忙を経験させられます。
とにかく多くの仕事をこなし、仕事について考えまくることで、自らの「仕事観」「仕事の進め方」をアップデートする絶好の機会になるでしょう。
特にこういったものは確実に鍛えられます。日々の仕事が高負荷トレーニングとなり、知らぬ間にどんどん成長していけるようです。
僕の同期は「精神と時の部屋みたいなもの」と話していました。
自治体勤務だと、こういう役所の仕事に対してパッションを燃やしている方、いわば公務ガチ勢にはなかなか出会えません。
(官民問わず「地域活性化ガチ勢」ならむしろ地方自治体の方が出会いやすいのですが……)
本省出向を終えて自治体に戻ってきた後にも延々と続いていく公務員人生において、公務ガチ勢の生き様は、きっと精神的な支えになると思います。
出向期間中は東京23区勤務扱いになり、地域手当は20%で計算されます。
さらに残業代も(ちゃんと支給されれば)凄まじい額になります。
もし僕が霞が関に出向して900時間残業した場合、年収はだいたい600万円くらいになります。
昨年の年収が約440万円だったので、1.3倍強に増えます。凄まじいです。
かつての上司(当時41歳)は、「20代で出向したときの年収をいまだに超えられない……」とぼやいていました。そのくらい跳ね上がるらしいです。
霞が関出向者が自治体に戻ってきた後は、出向先省庁関係の部局に配属されるとは限りません。
僕の勤務先自治体の場合だと、どんな省庁に出向していても関係なく、総務系・調整系の部署ばかりに配置されます。
せっかくの出向が勿体無いような気がしていたのですが、改めて話を整理してみると、そもそも「勿体無がるほどの貴重な財産」を得ているとは限らない気もしてもいます。
ただ一緒に仕事をするのみならず、「相当な困難を一緒に乗り越える」とか「人間的に馬があう」といったプラスアルファの要素がなければ、印象に残らないと思われます。
印象に残らなければ、パイプの築きようがありません。
加えて、プロパー国家公務員は、地方公務員よりも異動が多いです。
出向期間中の1年や2年に頑張って人脈を築いたところで、そのときのメンバーがいつまでも本省に残っているとは限りません。
活用できるとしてもせいぜい数年なのでしょう。
単に出向期間中にミスなく仕事を回すだけであれば、知識がなくともなんとかなります。
ただ生き抜くだけでぐんぐん伸びる「事務処理能力」とは異なり、「専門知識」はただ目の前の仕事をしているだけでは身につかず、自発的に勉強しない限りはさほど伸びないのです。
大学教授のような知の頂点に立つ人から、文字の読めない人まで……とにかく幅広い層と意思疎通するためのコミュニケーション能力、いわば異文化コミュニケーション能力が求められます。
一方、霞が関出向で関わる人たちは、基本的に皆さん優秀です。
仕事において求められるコミュニケーション能力は、情報を早く・正確に・大量にやりとりすることに主眼が置かれると思います。
つまり、霞が関出向期間中は、地方公務員に必要な「異文化コミュニケーション能力」が必要とされず、ゆえに訓練されないのです。
霞が関的なコミュニケーションも勿論重要(むしろエリート界隈ではこちらが王道)なのですが、地方公務員実務に直結するとは思えません。
多くの方にとって、霞が関出向を受諾するかどうかの判断基準は、以下の二つに集約されると思います。
そのため、「これまで経験したことのない分野だから」などの業務内容的な懸念はさほど考慮する必要は無く、「残業に耐えられるか」「睡眠を削っても大丈夫か」といった体力面・健康面から検討すればいいと思います。
後者に関しては、「圧倒的な事務処理能力」という地方公務員人生において一生役立つスキルが確実に得られます。
これはどんな部署に配属されようとも、 どんな役職に就こうとも、必ず役立ちます。
ただ、事務処理能力以外の要素を開花させたいという希望、例えば
これらを目当てに出向しても、肩透かしを食らうかもしれません。
むしろ出向期間中は、労働がハードなせいで生活に余裕がなくなり、こういった要素を伸ばす余力が残っていないかもしれません。
霞が関出向によって達成できるのはあくまでも「地方公務員としての成長」です。
典型的な地方公務員の枠に納まりたくない人、いわゆる「スーパー公務員」や「稼げるスキル」を志向する方は、出向するよりも独自路線を突っ走ったほうがいいと思います。
都道府県庁だと、そろそろ霞が関出向へのお声かけが始まる頃合いでしょう。
このブログでも度々触れているとおり、本省出向のお誘い=高評価の証です。
打診されたことを、まずは誇りに思って良いと思います。
いろいろ噂の絶えない霞が関出向ですが、自治体以外の環境で働ける貴重な機会であることは間違いありません。
しかも自治体勤務よりも圧倒的に多量の業務をこなすことになるため、否が応でも鍛えられます。
上昇志向のある方なら、ぜひ利用すればいい機会だと思います。
「ひたすら雑用させられるだけ」という前評判もありますが、実際に経験した人からは「いい経験だった」と聞きます。
ただ、霞が関出向に多大な期待を寄せすぎると、かえってがっかりするかもしれません。
出向経験者から聞く限りでは、霞が関出向によって実務能力は大いに鍛えられるものの、
- 法学や経済学のような基礎的素養が身につく
- 出向先省庁に関係する専門知識が身につく
- 霞が関内や業界関係者との人脈ができる
といった抜本的成長までは至らない、つまり地方公務員よりも上位存在に転生できるわけではないらしいのです。
※この記事の内容は100%伝聞です。僕自身の経験談ではありません。
実際のところは出向経験者の先輩に聞くのが一番手っ取り早くて正確だと思われますが、昨今の新型コロナウイルス感染症のせいでなかなかしっぽり話を聞く機会も設けられず迷う方もいそうだな……と思い、僭越ながら本記事をしたためた次第です。
ひったすら業務量が多いけど……
まずはじめに、霞が関出向の実態を整理していきます。「これまで出向者が回せてきた仕事」を担当する
どの省庁であれ、出向者のポストは固定されています。出向者の前任者は、基本的に出向者です。
ポストが固定されているため、担当する業務もほぼ固定されます。
出向者が担当する業務は「過去ずっと出向者が回してきた業務」です。
「出向者でもトラブルなくこなせている程度の業務」だとも言えます。
そのため、「主査の仕事を新規採用職員が引き継いだ」みたいな、自治体だとよくある身の丈に合わない業務を任されるケースはごくわずかなのだと思われます。
「答えのある業務」が多い
出向者は基本的に1年、長くても2年間しか在籍しません。(退職派遣だと4年コースもあるらしいですが……)
国からすれば残業させてもいい臨時職員みたいなものです。
そんな職員に任せられる業務は自然と限られてきます。
新たな判断を要する業務は任せず
- 前任者の記録を見れば大体こなせる業務(広義のルーチンワーク)
- ルールががっちり決まっており、調べればわかる業務(制度の運用など)
といった答えのある業務が多いようです。
「答えのある業務」という表現だとなんだか楽そうに思われるかもしれませんが、分量がとてつもなく多く、中身も細かく、さらには要求水準も高いので、作業量はどうしても多くなりますし、労働時間も長くなります。
しかしそれでも「やれば終わる」ものが大半です。
「閃かないと進まない」とか「専門知識がないと手が付けられない」ものではありません。
「自治体相手の業務」が多い
前項の「答えのある業務」の中には、自治体相手の業務も多いです。- 毎年実施している全国調査
- 制度運用の疑義回答
のような業務が典型でしょう。
「プライドを賭けた省庁間バトルこそ霞が関の本質」というイメージが強いですが、こういう仕事は基本的にプロパー職員の役目で、こういう仕事まで任せてもらえる出向者は少数のようです。
処遇はかなり改善されてきている
霞が関勤務=超多忙という実態は、もはや公務員界隈のみならず全国民の共通認識です。とはいえここ数年で、少なくとも出向者の処遇はだいぶ改善されているようです。
一昨年に某省へ出向した職員曰く、年間残業は900時間程度で、彼の歴代前任者たちと比べても過去最少でした。(ちなみにピークは平成24〜25年頃で約1800時間、東日本大震災直後はどこもえぐかったようです)
残業時間の減少傾向は彼だけでなく、ほかの出向者も同様だったとのこと。
「やたらと『本省出向はやばい』と騒ぎ立てる人がいるが、多分認識をアップデートできていない、県庁の繁忙部署のほうが残業してるしストレスでかい」と話していました。
最大のリスクは「クラッシャー上司」
僕の周りには、幸いにも出向でダウンした職員はいません。出向経験の話題になると、皆さん口を揃えて「人に恵まれた、運がよかった」と話します。
実際のところ、出向先で潰れてしまう職員も少なからずいるようです。
その原因のほとんどは人間関係、特にクラッシャー上司です。
配属先の人間関係は完全に運であり、出向者にはどうしようもありません。
得られるもの:圧倒的事務処理能力とお金
霞が関への出向では、自治体ではなかなか味わえないレベルの多忙を経験させられます。とにかく多くの仕事をこなし、仕事について考えまくることで、自らの「仕事観」「仕事の進め方」をアップデートする絶好の機会になるでしょう。
圧倒的事務処理能力
ひたすら多量の業務を遂行する過程で、自然と事務処理能力が鍛えられます。- タスク管理能力
- エクセルスキル(マクロを身につける人も多いらしい)
- イージーミスを減らすためのちょっとした工夫
特にこういったものは確実に鍛えられます。日々の仕事が高負荷トレーニングとなり、知らぬ間にどんどん成長していけるようです。
僕の同期は「精神と時の部屋みたいなもの」と話していました。
圧倒的パッション
出向経験者いわく、プロパーの本省職員は仕事への情熱が桁違いで、文字通り「国を動かしている」という自負と責任感がある、とのこと。自治体勤務だと、こういう役所の仕事に対してパッションを燃やしている方、いわば公務ガチ勢にはなかなか出会えません。
(官民問わず「地域活性化ガチ勢」ならむしろ地方自治体の方が出会いやすいのですが……)
本省出向を終えて自治体に戻ってきた後にも延々と続いていく公務員人生において、公務ガチ勢の生き様は、きっと精神的な支えになると思います。
圧倒的収入
収入面への影響も大きいです。出向期間中は東京23区勤務扱いになり、地域手当は20%で計算されます。
さらに残業代も(ちゃんと支給されれば)凄まじい額になります。
もし僕が霞が関に出向して900時間残業した場合、年収はだいたい600万円くらいになります。
昨年の年収が約440万円だったので、1.3倍強に増えます。凄まじいです。
かつての上司(当時41歳)は、「20代で出向したときの年収をいまだに超えられない……」とぼやいていました。そのくらい跳ね上がるらしいです。
得られないもの:いろいろ
霞が関出向者が自治体に戻ってきた後は、出向先省庁関係の部局に配属されるとは限りません。僕の勤務先自治体の場合だと、どんな省庁に出向していても関係なく、総務系・調整系の部署ばかりに配置されます。
せっかくの出向が勿体無いような気がしていたのですが、改めて話を整理してみると、そもそも「勿体無がるほどの貴重な財産」を得ているとは限らない気もしてもいます。
本省とのパイプ(人脈)
プロパー職員にとって、出向者は「大勢のうちの一人」にすぎません。ただ一緒に仕事をするのみならず、「相当な困難を一緒に乗り越える」とか「人間的に馬があう」といったプラスアルファの要素がなければ、印象に残らないと思われます。
印象に残らなければ、パイプの築きようがありません。
加えて、プロパー国家公務員は、地方公務員よりも異動が多いです。
出向期間中の1年や2年に頑張って人脈を築いたところで、そのときのメンバーがいつまでも本省に残っているとは限りません。
活用できるとしてもせいぜい数年なのでしょう。
専門知識
先述したとおり、出向者が担当する業務には必ずしも専門知識が求められるわけではありません。単に出向期間中にミスなく仕事を回すだけであれば、知識がなくともなんとかなります。
ただ生き抜くだけでぐんぐん伸びる「事務処理能力」とは異なり、「専門知識」はただ目の前の仕事をしているだけでは身につかず、自発的に勉強しない限りはさほど伸びないのです。
コミュニケーション能力
地方公務員の仕事では、いろんな層の人と関わります。大学教授のような知の頂点に立つ人から、文字の読めない人まで……とにかく幅広い層と意思疎通するためのコミュニケーション能力、いわば異文化コミュニケーション能力が求められます。
一方、霞が関出向で関わる人たちは、基本的に皆さん優秀です。
仕事において求められるコミュニケーション能力は、情報を早く・正確に・大量にやりとりすることに主眼が置かれると思います。
つまり、霞が関出向期間中は、地方公務員に必要な「異文化コミュニケーション能力」が必要とされず、ゆえに訓練されないのです。
霞が関的なコミュニケーションも勿論重要(むしろエリート界隈ではこちらが王道)なのですが、地方公務員実務に直結するとは思えません。
出向するか否かの判断基準
多くの方にとって、霞が関出向を受諾するかどうかの判断基準は、以下の二つに集約されると思います。- 耐えられるのか
- 自分のためになるのか/何が得られるのか
そのため、「これまで経験したことのない分野だから」などの業務内容的な懸念はさほど考慮する必要は無く、「残業に耐えられるか」「睡眠を削っても大丈夫か」といった体力面・健康面から検討すればいいと思います。
後者に関しては、「圧倒的な事務処理能力」という地方公務員人生において一生役立つスキルが確実に得られます。
これはどんな部署に配属されようとも、 どんな役職に就こうとも、必ず役立ちます。
ただ、事務処理能力以外の要素を開花させたいという希望、例えば
- 人脈を作りたい
- 専門性を身に付けたい
- 視野を広げたい
これらを目当てに出向しても、肩透かしを食らうかもしれません。
むしろ出向期間中は、労働がハードなせいで生活に余裕がなくなり、こういった要素を伸ばす余力が残っていないかもしれません。
霞が関出向によって達成できるのはあくまでも「地方公務員としての成長」です。
典型的な地方公務員の枠に納まりたくない人、いわゆる「スーパー公務員」や「稼げるスキル」を志向する方は、出向するよりも独自路線を突っ走ったほうがいいと思います。
コメント
コメント一覧 (20)
マジのクラッシャー上司に当たってしまったのでやめるとこでした。
ハラスメント系の人も多いですが、それ以上に放置系の人も多いと聞きます。
ある程度経験を積んでからであれば放置されても大丈夫でしょうが、採用4年目くらいのヤングな職員が出向して放置されたら、それも相当ストレスだと思います……
楽しく記事を読ませていただきました。
人間関係に関しては、プロパー職員は確かにいい人ばかりですが、気難しい人が多い印象です。
なお、今の上司は放置系ですね。
自分の無能振りを遺憾なく発揮しているので、地元自治体にはどのように伝わっているか不安です。
自分語り失礼しました。
実態を知らない僕が言うのもおこがましいですが、多忙ため慢性的に睡眠不足でしょうし、気難しい態度になっても仕方ない環境なのだと思います……
出向先省庁と出向元自治体との関係も謎が深いです。
例えばもしダウンしてしまった場合、どっちが責任を負うのか(潰した省庁側が謝るのか、人選をミスったということで出向元が謝るのか)個人的に気になります。
優秀な人だったのにわずか1年もしないで潰されたので相当激務耐性と強いメンタルが無いと簡単な気持ちでは行ってはいけないんだなと思いました。
本省出向するくらいなら転職して東京の公務員になった方が良いと思う。本当に
「本省出向はいいぞ」と話している声は、典型的な生存バイアスだと思って、割り引いて聞くことにしています。
やられてしまった人は声すら上げられませんし…
経験者の方にお伺いしたいのですが、何月に内示の通知がありましたか?
これはあくまで推測ですが、自治体によっては出向者を決めるのが遅いので、国側としても人事を固められず、結果的にコメ主さまのような早くに決まっている方を待たせているのでは?と思われます。(他の方のブログで「2月下旬に打診された」なんて記述もありました)
ご無事をお祈りします……
そうですか...ありがとうございます。
では、今から引き継ぎは始めても良さそうですね。
歴代属人化してしまってる業務なので、早いうちにやってしまいます。
何かと神格化されがちな本省出向ですが、万難を排して掴むべきチャンスか?と言われると、正直それほど尊いものでもなさそうですし(完全伝聞ですが……)、正しい判断だったと思います。
実際に出向するのは組織から評価が高い職員で、やはり真面目ゆえにインターネットで情報発信なんかやらない方が多いのか、出向経験談って少ないですよね……僕ももっとリアルな体験談を読んでみたいです。
本省にいたノンキャリア職員からすれば、出向組はやはり皆さん優秀であり、地方自治体・企業のエース級(またはそれに近い人材)であり、ふつーのノンキャリアレベルからみても、貢献的な意識も高く、出身母体を背負ってきている(東京に来てるからにはなにかしらお土産を持って帰りたい)と思っているはずです。
出向者でも激務は確かだと思いますが、国会対応や予算要求、各省庁との折衝など、まさに霞が関のコアのドロドロな部分で、全方位的に大活躍するような方は稀だと思います。もちろん優秀で幹部からご指名を受けられるぐらいの出向者もいるし、そんな彼らは何をやらせても仕事できますので、青天井で激務になると思います。(それを承知で引き受けるツワモノがいるのもこの世界の選ばれしエリート)
人脈が広がる、給料が増える、経験が増えるなど、メリットは多いと思います。しかし、スキルが上がるかどうかは微妙です。(所詮は役所仕事ですからやっつけ仕事でしかありません)若いうちなら一度は経験しても、大きな損はないかもしれません。霞が関には地方には無い独特のヒエラルキー文化があります。このことに興味があって、順応できるタイプであれば、たくさんの人脈を作り、その後の仕事や人生(ひいては転職や独立にも)に活かしていくのではないかと思います。
そのため周囲は「よほどのトラウマを抱えてきたのか」と勘繰って、本省出向を恐ろしく思っています。
この記事、公開当時から常に高いPVを稼いでおり、このブログ内では相当読まれているほうです。
今回「本省職員からみた出向者評」という貴重なコメントを頂けたおかげで、一層読者の参考になってくれるはずです。ありがとうございます。
本省(霞が関)というところは、特に政治案件や利害関係の調整や斡旋など、非常に微妙でダークな側面を取り扱うことも多くて、表に出せばたちまち問題になってしまうような案件も少なくありません。(県庁出向者にそこまでの面を求めるブラック官庁はさすがに無いと思われw)
財務省や総務省や経済産業省などの事件を見ても、例を上げたらキリがありませんよね。(無論あんなヤツらばかりではありませんよw)
よくも悪くも国家権力に近い霞が関の公務員は、政治の闇にも翻弄されやすい弱い立場にあります。中国共産党のことを「独裁」だと決して言えないぐらいの息苦しい事情が、日本の霞が関の内側にも確実にあるでしょう。
もし、キャリア官僚が国外に留学に行くなら、今や欧米に行くより北京に行く方がはるかに得るものは多いのではないかと思います。が、中枢に近い所に行けば総じて口が堅く重くなり、留学期間中の体験談は話したがらないかもしれません。
それでも、行かないと分からない事情や空気というのは非常に価値があり、決してテレワークでは知り得ない秘匿な情報であり空間だと思います。こういう生の現実を知っているのと知っていないのでは、この先に生きていく上で大きく違いだろうと思います。そういう意味での人間としての視野は大いに広がると思います。
勿論、政策企画の一端を垣間見えるだけでも意味はあると思いますが、コアの業務に触れられず、手間がかかるだけの予算の執行業務とロジ回しで出向期間が終わる人が少なくないことを考えると、本省出向のメリットはケースバイケースですね。
自治体職員側からすれば、霞が関の雰囲気を傍目で見るだけでも刺激になるので、こういう役割分担論でも十分win-winだと思います。
そういうの聞くと、当たり前ではありますが、政策企画能力の向上には役に立ちにくいのかもしれないです
総務自治は自治体との関係を大事にすることもあって積極的にネットワーキングしてくれることはあるようです。ただ、他の省庁ではあまり自治体派遣者に対する関心は高くなく、民間からの派遣者の方が注目されてましたね。こき使われただけで、個人的にはあまりいい思い出はなかったです。
キャリアの方々と自治体職員には共通点もほぼ無いですし、コミュニケーションもお互い取りづらいんだろうなと勝手に想像しています。ただでさえ仕事で忙しい中、高々1年でいなくなる異人種に対して丁寧に接する余裕も無いんでしょうね……