試験当日に寝坊して不戦敗という大失態から1年を経て、基本情報技術者試験にリベンジしてきました。
結果は多分合格です(午前午後ともにスコア8割超)。
1年間の浪人生活(笑)が報われてホッとしています。
「デジタル人材」という単語が官民問わず連呼される昨今、ひょっとしたら情報処理技術者試験に関心のある地方公務員もいるかもしれません。
本来のスケジュールよりも1年間余計に勉強したというイレギュラーケースではありますが、参考までに所感を記しておきます。
インターネット上では、基本情報技術者試験はさほど難関扱いはされていません。
資格偏差値サイトでは偏差値49くらいですし、「朝ちゃんと起きて試験会場に行くのが最大のハードル」なんて揶揄もされています。
僕も正直、甘く見ていました。
しかし実際は……長くてつらい道のりでした。
少なくとも宅地建物取引士試験よりずっと大変でしたし、勉強時間も倍以上かかりました。
苦戦の理由は明白です。
これまでまともに情報関係の勉強をしたことが無かったために、基礎が全然無かったからです。
これまで僕が挑んできた宅建やマンション管理士は、なんだかんだ法律の試験です。
地方公務員試験対策で一度しっかり勉強しているうえ、日々の業務でも法律に触れているおかげで、それなりに基礎が固まっています。
一方、情報関係の知識は、これまで試験で問われたことがなく、まともに腰を据えて勉強したこともありません。
ゆえに基礎が全然できておらず、そもそも「独学するための最低限のリテラシー」すら持ち合わせていない状況だったわけです。
正直、今でもよくわかっていません……
それでも試験自体は合格できましたし、得るものは少なくなかったと思います。
僕の経験談に入る前に、基本情報技術者試験の概要に触れておきます。
今はCBT試験になり別日に受験するのですが、かつて1日で両方を受験していた名残から、このように呼ばれています。
それぞれの試験の概要は以下をどうぞ。
ざっくりいうと、午前試験では知識と計算力、午後試験ではさらに国語力も問われます。
午前試験と午後試験で、それぞれ別方向の対策が必要です。
情報工学を支える理系アカデミック要素、IT関係の経営実務、総務省や経済産業省の政策など、いろいろな分野から出題されます。
しかもIT関係の分野はリアルタイムで急速に進化しており、日々新しい単語や概念が登場します。
もともと広い試験範囲が、今もなお膨張を続けているのです。
満点を取るのは不可能だと思います。
ただし、午前試験・午後試験ともに合格ラインが「100点満点中60点」と低めです。
最大で4割間違えても合格できるわけで、完璧を目指す必要が薄い試験だといえるでしょう。
「テクノロジ」は文字通り技術に関する出題です。
IT関係の知識や、IT技術を下支えしている数学などを指します。
午前試験でも午後試験でも、一番ウェイトが大きいのが「テクノロジ」です。
「マネジメント」は、プログラム開発やITシステム導入・運用の実務に関する出題です。
基本的に暗記ゲーなのですが、地方公務員的には一番縁遠い分野かもしれません。
「ストラテジ」は、企業経営に関する知識を指します。
経営学の概念や経営指標、労働関係法務など、ITとはあんまり関係ない分野です。
FP試験を経験していれば余裕です。
続いて、地方公務員バージョンの試験対策方法を考えていきます。
対象は僕みたいなIT素人を想定しています。
午前試験の対策は、ひたすら過去問を解き続けるのがベストです。
これまでの試験回では、過去問の焼き直しみたいな問題が多く、問われやすい論点が決まっています。
あんまり古すぎる問題は再出題されないみたいなので、過去10年分くらいをみっちり解きまくればいいと思います。
ただし前述したとおり、いきなり過去問を解こうとすると、問題文の意味が理解できないと思います。
そのため、過去問に挑む前に、軽く(薄く広く)知識をつける必要があります。
おすすめのテキストはこちら。
市販されているテキストの中では、一番わかりやすく咀嚼されていて、初学者向けだと思います。
これを読みつつ、読み終えたパートの過去問を少しずつ解いていきます。
序盤は本当にきついです。とにかく頭に入ってこないし残りません。
「賽の河原で石を積むのってこんな感じなのかな」と本気で思いました。
それでも続けているうちに問題は解けるようになります。
理解は後回しにして、「こういうものだ」と割り切って問題演習を続けるほうが効率も良いし、精神衛生上も好ましいと思います。
基本情報は「6割正解」で合格する試験です。
最初から完璧を目指す必要どころか、最終的に完璧でなくとも合格は可能です。
キリキリせずにとにかく進めていくことが重要だと思います。
余裕があれば、網羅性の高いテキストも手元に置いて随時参照すれば、より良いと思います。
僕はこれを使いました。
最初から応用情報も受けるつもりでいたので、「大は小を兼ねる」感覚で応用情報の参考書を選びましたが、最初の2ヶ月くらいは意味不明で全然参照しませんでした……
地方公務員の場合、最大の難所は離散数学(二進数など)でしょう。
たいていのテキストでは、離散数学が最初の章で説明されていると思いますが、もし理解できないようだったら、一旦飛ばしてしまっても構わないでしょう。
ただ、離散数学を完全に捨ててしまうと、合格は一気に難しくなると思います。
出題数が結構多いですし、何より情報技術を支える基礎そのものだからです。
過去問演習はこちらのサイトのお世話になりました。
凄すぎるサービスです。
「セキュリティ」や「ネットワーク」など、情報処理技術者試験で問われる分野ごとに設問があり、必須問題と選択問題があります。
午後試験対策も過去問を解くのがベストだと思います。
午前試験とは異なり同じ問題は出題されませんが、「問題文の読み方」や「解き方」はおおよそ同じだからです。いわゆる「慣れ」が大事です。
最大の敵は必須問題の「アルゴリズム」です。
架空のプログラムを読んで、その挙動を理解することが求められます。
問題自体は国語なのですが、問題文の一部が日本語ではなくプログラム言語というイメージです。
この問題は地味に配点が大きく、100点中の25点を占めます。捨てるのは厳しいです。
しかし、プログラミングに触れたことのない人にとっては、謎の英数字が並んでいる暗号にしか見えません。
地方公務員的には、離散数学と並ぶ難所だと思います。
試験対策としては、読み方自体を勉強するしかありません。
特に「よく使われる処理」に慣れてくると、徐々に読解できるようになってきます。
僕はこのテキストで勉強しました。(イラストを描かれているIxy先生のファンなので本書一択)
これを読んで「問題文の読み方」の基礎を学んだ後、過去問にチャレンジしていくうちに、半分くらいは解けるようになりました。
試験当日までに過去5年分(10回分)を解きましたが、本番でも結局半分くらいしか正答できませんでした。
それでも他の問題でちゃんと得点して合格できたので、諦めずに部分点を狙っていく方向で頑張るしかありません。
ひとつは問2〜問5で、いずれか2問を選択して解答します。
午前試験の延長線上のような問題で、問題文さえちゃんと読み解ければ、午前試験と同じ感覚で解けます。
出題される分野はだいたい決まっています。(テクノロジ系から3題、マネジメント・ストラテジ系から1題)
地方公務員の場合、国語試験要素の強いマネジメント・ストラテジ系問題は確実に選択するとして、テクノロジ系からどれを選択するのかが悩ましいところです。
過去問を一通り解いてみて、解きやすい分野を選び、それを集中的に対策すればよいでしょう。
テクノロジ系の中では、僕は「ソフトウェア・ハードウェア」「ネットワーク」だけ対策しました。
というか他が解けませんでした……
もうひとつは問7〜問11で、いずれか1問を選択して解答します。
こちらは午前試験とは全然関係がなく、プログラム言語について問われます。
プログラミング未経験者の場合は「表計算」一択だと思います。
これはエクセルっぽい架空のソフトについて問われるもので、vlookup関数の使い方を知っていれば手堅く5割正答できます。
残りの5割は「アルゴリズム」対策をしていけば自然と解けるようになります。
元々の僕の計画では、
情報処理技術者試験の勉強に要した時間を単純に足し上げると、15ヶ月で240時間になりました。
基本情報対策に相当する時間だけに絞ると、だいたい160時間です。
一番時間を要したのが基本情報午前対策の1周目(キタミ式を読みながら過去問8年分を1週)で、ここまでで60時間近くを要しています。
インターネット上には「2週間で受かる」みたいな記事もありますが、初学者が安定して合格するためには、どうしても150時間程度はかかってしまうと思います。
とにかく過去問を回し続ければ合格できる試験だとは思いますが、初学者はまず最低限の知識をつけないと、そもそも問題文を読解できず過去問を回せないからです。
2021年度の試験以降、基本情報技術者試験はCBT方式で実施されています。
大学入試みたいに大部屋で一斉に受験するわけではなく、ひとりひとり個別ブースに入ってパソコンを使って回答します。
他の受験生を見ていると、とにかくみなさんお若い。
明らかに20代前半の人が過半数を占めています。学生も多そうです。
当日はかなりアウェー感がありました。
この試験には受験票が存在せず、代わりに、受験当日は顔写真付きの身分証明証(運転免許証やマイナンバーカードなど)を持参する必要があります。忘れてきたら受験できません。
「受験票を紛失する」というリスクを回避できる一方で、「身分証を忘れてくる」という新たなリスクを抱えるわけです。
僕が受験した会場では、午前試験・午後試験ともに、身分証を忘れて受験できず敗走していった方がいました。本当に辛そうな、悲しそうな顔をして帰っていっていました……
細かい試験内容は規約上対外厳秘なので、書けるのはここまでです。
いろいろコメントしたいことはあるのですが……
先月下旬、来年春(2023年4月)から基本情報技術者試験を見直すというプレスリリースが出されました。
現行の方式は今年の秋まで、つまり残り1回のようです。
ざっと内容を見たところ、午前試験はこれまでと大差ない一方で、午後試験の形式が大きく変わり、
サンプル問題に挑戦してみたところ、日本語を読み解くタイプの問題が消滅した代わりに、プログラム言語の読解問題が増えている感じでした。
太刀打ちできないほど難しいわけではない(これまでの「アルゴリズム」試験並み)とはいえ、読解に時間がかかり、試験時間内に解き切れる気がしません。
IT未経験の地方公務員がどうしても基本情報技術者試験に合格したいのであれば、今年の秋試験に挑戦するほうが無難だと思います。
ひょっとしたら今後、「地方公務員なら国語要素の強い応用情報のほうが受かりやすい」という時代が来るのかもしれません……
結果は多分合格です(午前午後ともにスコア8割超)。
1年間の浪人生活(笑)が報われてホッとしています。
「デジタル人材」という単語が官民問わず連呼される昨今、ひょっとしたら情報処理技術者試験に関心のある地方公務員もいるかもしれません。
本来のスケジュールよりも1年間余計に勉強したというイレギュラーケースではありますが、参考までに所感を記しておきます。
ガチの初学ってこんなに大変なのか
インターネット上では、基本情報技術者試験はさほど難関扱いはされていません。資格偏差値サイトでは偏差値49くらいですし、「朝ちゃんと起きて試験会場に行くのが最大のハードル」なんて揶揄もされています。
僕も正直、甘く見ていました。
しかし実際は……長くてつらい道のりでした。
少なくとも宅地建物取引士試験よりずっと大変でしたし、勉強時間も倍以上かかりました。
苦戦の理由は明白です。
これまでまともに情報関係の勉強をしたことが無かったために、基礎が全然無かったからです。
これまで僕が挑んできた宅建やマンション管理士は、なんだかんだ法律の試験です。
地方公務員試験対策で一度しっかり勉強しているうえ、日々の業務でも法律に触れているおかげで、それなりに基礎が固まっています。
一方、情報関係の知識は、これまで試験で問われたことがなく、まともに腰を据えて勉強したこともありません。
ゆえに基礎が全然できておらず、そもそも「独学するための最低限のリテラシー」すら持ち合わせていない状況だったわけです。
- わからない単語だらけでテキストの文章が頭に入ってこない
- テキストの図やイラストが何を表現しているのかイメージが湧かない
- 理解できたような気がしても数日後には忘れている(記憶の定着が悪い)
正直、今でもよくわかっていません……
それでも試験自体は合格できましたし、得るものは少なくなかったと思います。
国語力も結構問われる
僕の経験談に入る前に、基本情報技術者試験の概要に触れておきます。午前試験と午後試験
基本情報技術者試験は、午前試験と午後試験の2パートに分かれています。今はCBT試験になり別日に受験するのですが、かつて1日で両方を受験していた名残から、このように呼ばれています。
それぞれの試験の概要は以下をどうぞ。
ざっくりいうと、午前試験では知識と計算力、午後試験ではさらに国語力も問われます。
午前試験と午後試験で、それぞれ別方向の対策が必要です。
「広く薄く」が求められる試験
基本情報技術者試験は、試験範囲がものすごく広いです。情報工学を支える理系アカデミック要素、IT関係の経営実務、総務省や経済産業省の政策など、いろいろな分野から出題されます。
しかもIT関係の分野はリアルタイムで急速に進化しており、日々新しい単語や概念が登場します。
もともと広い試験範囲が、今もなお膨張を続けているのです。
満点を取るのは不可能だと思います。
ただし、午前試験・午後試験ともに合格ラインが「100点満点中60点」と低めです。
最大で4割間違えても合格できるわけで、完璧を目指す必要が薄い試験だといえるでしょう。
テクノロジ・マネジメント・ストラテジ
IPAが実施している情報技術者試験では、出題分野を「テクノロジ」「マネジメント」「ストラテジ」の3つに区分しています。「テクノロジ」は文字通り技術に関する出題です。
IT関係の知識や、IT技術を下支えしている数学などを指します。
午前試験でも午後試験でも、一番ウェイトが大きいのが「テクノロジ」です。
「マネジメント」は、プログラム開発やITシステム導入・運用の実務に関する出題です。
基本的に暗記ゲーなのですが、地方公務員的には一番縁遠い分野かもしれません。
「ストラテジ」は、企業経営に関する知識を指します。
経営学の概念や経営指標、労働関係法務など、ITとはあんまり関係ない分野です。
FP試験を経験していれば余裕です。
地方公務員(IT関係未経験)の場合は「諦めない」のが一番大事
続いて、地方公務員バージョンの試験対策方法を考えていきます。対象は僕みたいなIT素人を想定しています。
午前対策……過去問演習が全て、演習するための準備段階が一番きつい
午前試験の対策は、ひたすら過去問を解き続けるのがベストです。
これまでの試験回では、過去問の焼き直しみたいな問題が多く、問われやすい論点が決まっています。
あんまり古すぎる問題は再出題されないみたいなので、過去10年分くらいをみっちり解きまくればいいと思います。
ただし前述したとおり、いきなり過去問を解こうとすると、問題文の意味が理解できないと思います。
そのため、過去問に挑む前に、軽く(薄く広く)知識をつける必要があります。
おすすめのテキストはこちら。
市販されているテキストの中では、一番わかりやすく咀嚼されていて、初学者向けだと思います。
これを読みつつ、読み終えたパートの過去問を少しずつ解いていきます。
序盤は本当にきついです。とにかく頭に入ってこないし残りません。
「賽の河原で石を積むのってこんな感じなのかな」と本気で思いました。
それでも続けているうちに問題は解けるようになります。
理解は後回しにして、「こういうものだ」と割り切って問題演習を続けるほうが効率も良いし、精神衛生上も好ましいと思います。
基本情報は「6割正解」で合格する試験です。
最初から完璧を目指す必要どころか、最終的に完璧でなくとも合格は可能です。
キリキリせずにとにかく進めていくことが重要だと思います。
余裕があれば、網羅性の高いテキストも手元に置いて随時参照すれば、より良いと思います。
僕はこれを使いました。
最初から応用情報も受けるつもりでいたので、「大は小を兼ねる」感覚で応用情報の参考書を選びましたが、最初の2ヶ月くらいは意味不明で全然参照しませんでした……
地方公務員の場合、最大の難所は離散数学(二進数など)でしょう。
たいていのテキストでは、離散数学が最初の章で説明されていると思いますが、もし理解できないようだったら、一旦飛ばしてしまっても構わないでしょう。
ただ、離散数学を完全に捨ててしまうと、合格は一気に難しくなると思います。
出題数が結構多いですし、何より情報技術を支える基礎そのものだからです。
過去問演習はこちらのサイトのお世話になりました。
凄すぎるサービスです。
午後問題……アルゴリズムさえなんとかなれば大丈夫
午後問題は、そこそこ長い問題文を読んでから正解の選択肢を選ぶという形式で、公務員試験の「判断推理」「資料解釈」みたいなものです。「セキュリティ」や「ネットワーク」など、情報処理技術者試験で問われる分野ごとに設問があり、必須問題と選択問題があります。
午後試験対策も過去問を解くのがベストだと思います。
午前試験とは異なり同じ問題は出題されませんが、「問題文の読み方」や「解き方」はおおよそ同じだからです。いわゆる「慣れ」が大事です。
最大の敵は必須問題の「アルゴリズム」です。
架空のプログラムを読んで、その挙動を理解することが求められます。
問題自体は国語なのですが、問題文の一部が日本語ではなくプログラム言語というイメージです。
この問題は地味に配点が大きく、100点中の25点を占めます。捨てるのは厳しいです。
しかし、プログラミングに触れたことのない人にとっては、謎の英数字が並んでいる暗号にしか見えません。
地方公務員的には、離散数学と並ぶ難所だと思います。
試験対策としては、読み方自体を勉強するしかありません。
特に「よく使われる処理」に慣れてくると、徐々に読解できるようになってきます。
僕はこのテキストで勉強しました。(イラストを描かれているIxy先生のファンなので本書一択)
これを読んで「問題文の読み方」の基礎を学んだ後、過去問にチャレンジしていくうちに、半分くらいは解けるようになりました。
試験当日までに過去5年分(10回分)を解きましたが、本番でも結局半分くらいしか正答できませんでした。
それでも他の問題でちゃんと得点して合格できたので、諦めずに部分点を狙っていく方向で頑張るしかありません。
選択問題は文系問題と表計算
午後試験には選択問題が2ヶ所あります。ひとつは問2〜問5で、いずれか2問を選択して解答します。
午前試験の延長線上のような問題で、問題文さえちゃんと読み解ければ、午前試験と同じ感覚で解けます。
出題される分野はだいたい決まっています。(テクノロジ系から3題、マネジメント・ストラテジ系から1題)
地方公務員の場合、国語試験要素の強いマネジメント・ストラテジ系問題は確実に選択するとして、テクノロジ系からどれを選択するのかが悩ましいところです。
過去問を一通り解いてみて、解きやすい分野を選び、それを集中的に対策すればよいでしょう。
テクノロジ系の中では、僕は「ソフトウェア・ハードウェア」「ネットワーク」だけ対策しました。
というか他が解けませんでした……
もうひとつは問7〜問11で、いずれか1問を選択して解答します。
こちらは午前試験とは全然関係がなく、プログラム言語について問われます。
プログラミング未経験者の場合は「表計算」一択だと思います。
これはエクセルっぽい架空のソフトについて問われるもので、vlookup関数の使い方を知っていれば手堅く5割正答できます。
残りの5割は「アルゴリズム」対策をしていけば自然と解けるようになります。
勉強時間は150時間くらい欲しい
元々の僕の計画では、- 2021年1月に情報処理技術者試験の勉強スタート
- 2021年5月に基本情報受験
- 2021年10月に応用情報受験、ダメなら2022年4月も受験
情報処理技術者試験の勉強に要した時間を単純に足し上げると、15ヶ月で240時間になりました。
基本情報対策に相当する時間だけに絞ると、だいたい160時間です。
一番時間を要したのが基本情報午前対策の1周目(キタミ式を読みながら過去問8年分を1週)で、ここまでで60時間近くを要しています。
インターネット上には「2週間で受かる」みたいな記事もありますが、初学者が安定して合格するためには、どうしても150時間程度はかかってしまうと思います。
とにかく過去問を回し続ければ合格できる試験だとは思いますが、初学者はまず最低限の知識をつけないと、そもそも問題文を読解できず過去問を回せないからです。
試験当日:顔写真付き身分証明証だけはお忘れなく
2021年度の試験以降、基本情報技術者試験はCBT方式で実施されています。大学入試みたいに大部屋で一斉に受験するわけではなく、ひとりひとり個別ブースに入ってパソコンを使って回答します。
他の受験生を見ていると、とにかくみなさんお若い。
明らかに20代前半の人が過半数を占めています。学生も多そうです。
当日はかなりアウェー感がありました。
この試験には受験票が存在せず、代わりに、受験当日は顔写真付きの身分証明証(運転免許証やマイナンバーカードなど)を持参する必要があります。忘れてきたら受験できません。
「受験票を紛失する」というリスクを回避できる一方で、「身分証を忘れてくる」という新たなリスクを抱えるわけです。
僕が受験した会場では、午前試験・午後試験ともに、身分証を忘れて受験できず敗走していった方がいました。本当に辛そうな、悲しそうな顔をして帰っていっていました……
細かい試験内容は規約上対外厳秘なので、書けるのはここまでです。
いろいろコメントしたいことはあるのですが……
地方公務員が確実に合格するなら2022秋試験がラストチャンス?
先月下旬、来年春(2023年4月)から基本情報技術者試験を見直すというプレスリリースが出されました。現行の方式は今年の秋まで、つまり残り1回のようです。
ざっと内容を見たところ、午前試験はこれまでと大差ない一方で、午後試験の形式が大きく変わり、
- 僕がさっき「最大の敵」と表現した「アルゴリズム」の配点が増える
- 得点源になる「マネジメント・ストラテジ」や「表計算」がなくなる
サンプル問題に挑戦してみたところ、日本語を読み解くタイプの問題が消滅した代わりに、プログラム言語の読解問題が増えている感じでした。
太刀打ちできないほど難しいわけではない(これまでの「アルゴリズム」試験並み)とはいえ、読解に時間がかかり、試験時間内に解き切れる気がしません。
IT未経験の地方公務員がどうしても基本情報技術者試験に合格したいのであれば、今年の秋試験に挑戦するほうが無難だと思います。
ひょっとしたら今後、「地方公務員なら国語要素の強い応用情報のほうが受かりやすい」という時代が来るのかもしれません……
コメント
コメント一覧 (2)
「日本人はインテリジェンスがない」とよく揶揄されますが、日本社会がムラ社会で内向き理論に終始し、外からの有用な情報でさえ脳内遮断する前例踏襲癖があると言われてました。
霞が関の世界でも、まさに各種統計業務での不正問題頻発で、統計やデータ分析の仕事が過去からいかに軽視されてたか?公にもバレてしまい、今さら外部人材を求めているというw (官僚機構って頭脳集団じゃなかったのか?)
役所内外で求められている資格(能力)かもしれません。その活かし先は多岐に渡りそうです。
(参考情報)
「分析やってます」の大半は処理なんです 本質なきデータ分析がはびこるワケ(ITmedia)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/31/news013.html
政府統計部門における外部人材の採用について(総務省HP)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/toukei/gaibujinzai/index.html
実際に勉強してみて、自分がいかにIT業界のことを知らないか痛感しました……
昨今「自治体にもデジタル人材が必要」みたいなことが声高に叫ばれていますが、「デジタル人材」の内訳は実際のところ多岐にわたっていて、役所に必要なスキルがどんなものか具体的にイメージしたうえで叫んでいる人がどれほどいるのか、不安にもなりました……