「地方公務員はAIに仕事を奪われて路頭に迷う」と警鐘が鳴らされ始めてから結構な時間が経過しました。
AIの進歩は凄まじく、誰でも手軽に使えるサービスが続々登場していますが、残念ながら役所には今のところチャットボットくらいしか導入されていません。
「仕事を奪われる」どころか、むしろチャットボットに関する苦情対応という新しい仕事が増えているくらいです。

地方公務員と同じくブロガー(ライター)も、「AIに代替される」と脅されています。
インターネット上に存在する膨大な文章をAIに学習させることで、条件さえ指定すれば「それっぽい」文章を量産できるので、わざわざ人間が時間と労力をかけて執筆する必要が無くなるのだとか。

ただ、学習材料となる文章量が少ないであろう地方公務員ネタの場合でも、AIはちゃんと対応できるのでしょうか?
実際に文章作成サービスを試してみました。

PlayAi

まずは「PlayAi」というサービスを使ってみます。
ボックス内に文章を放り込むだけで続きを書いてくれる、非常に使いやすいサービスです。
このサービスに、このブログの過去記事の冒頭部分を読み込ませて、続きを書いてもらいます。

使うのはこの記事。
(いくつかの記事で試してみたのですが、一番出来が良かったものを紹介します。)



<読み込ませた文章>

自分が出世コース入りしているのかどうか、30歳を過ぎる頃になれば自然と分かってきます。
同期職員の間でも業務内容の差が広がり、忙しい職員と暇な職員にはっきり分かれるからです。

過去にも紹介したとおり、出世コースに入るか否かは20代のうちに確定すると僕は考えています。

役所の出世コースは明確で、「誰が出世コースに乗っているのか」は人事録を数年分見ればおおよそわかります。

出世競争最大の謎であり役所人事の神秘は、その前段階である出世コース入りを賭けた2次選抜過程です。
誰が参戦しているのか傍目にはわかりませんし、戦っている当人すら自覚が無いかもしれません。

今回はこの「2次選抜」の真相に迫ってみます。


<ここからAI>

この記事では、私がどのようにして彼らと仕事をするようになったのか、そして彼らがどのようにしてそこにたどり着いたのかをご紹介します。
長い記事になりそうなので、2つのパートに分けます。これらのパートは、以下のように書かれました。
 
パート1: 資格、面接、事前承認
第2部:二次選考のプロセス
この記事では、様々な情報源(無料、有料)を使用しましたが、なぜその情報源を選択したかを説明します。また、二次選考の流れや、どうすれば参加できるかを説明します。

資格について
行政職に就くための一番の資格は、困難な状況下でも働ける能力です。
近年では、ストレスの多い状況下でも働きやすいと言われています。
しかし、役所も年々変わってきており、それは条件も変わってきていることを意味します。
そのため、昔よりも資格を取ることが大切になっています。

最も重要な資格は、正しい姿勢を持っていること、そして正しい姿勢だけを持っていることです。
働くべき時に働けるだけではダメなのです。働かなくてもいいときに働けることも必要です。
常にスポットライトを浴びたいタイプの人は、自分のステータスを落とすようなことはしたくないでしょう。

しかし、それだけではありません。
行政の仕事にはレベルがあり、それぞれのレベルに見合った能力が必要なのです。
例えば、内務省で働きたいのであれば、家を空けるときに自分を養える能力が必要です。
内務省で働きたいのであれば、家にいるときに食事を提供できるようにしなければなりません。
内務省で働きたいなら、家を空けるときに家族を養うこともできなければならない。
これらの条件を満たせるかどうかが重要なのです。

応募する部署の条件を満たすにはいくつかの方法があり、それらの方法を「資格」と呼びます。
最も一般的な資格は、そのポジションの最低条件です。
各役職の要件は異なる場合があります。
例えば、公共サービス委員会の委員というポジションに応募するのであれば、以下の最低条件を満たす必要があります。
 

翻訳調?

出世の話ではなく採用試験の話になってしまいました。「選抜」という単語がまずかったのでしょうか?
とはいえ、前半部分は結構いいこと書いてませんか?

>行政職に就くための一番の資格は、困難な状況下でも働ける能力です。
>最も重要な資格は、正しい姿勢を持っていること、そして正しい姿勢だけを持っていることです。
>働くべき時に働けるだけではダメなのです。働かなくてもいいときに働けることも必要です。

このあたりは特に考えさせられます。

全体的に翻訳ソフト感があるので、海外サイトの文面を使ってAIに学習させたのかもしれません。


AIのべりすと

次に使うのは「AIのべりすと」というサービスです。
名前のとおり小説を書くことに主眼が置かれたサービスですが、小説以外の文体も書けます。
無料で使えますが、ユーザー登録が必要です。

こちらのサービスにも、このブログの過去記事の冒頭部分を読み込ませて、続きを書いてもらいます。
使うのはこの記事。
(こちらもいくつかの記事で試しており、一番出来が良かったものを紹介します。)




<読み込ませた文章>

何気に出世関係の記事が常時人気の弊ブログ。
地方公務員ブログを読むような現役職員って、「人生のコスパが悪いから出世したくない」とか「出世よりも『やりたい仕事』を優先したい」という考えの方のほうが多い印象ですが……なんだかんだで出世にも関心があるのでしょうか?

入庁からそれなりに月日が経過して、同期入庁職員からは財政課も人事課も輩出されてしまいました。
とりあえず、僕たちの出世レースはひと段落したところだと思われます。

「鉄は熱いうちに打て」ということで、ここで一旦、筆者が見た20代の出世レースを振り返ってみようと思います。

<ここからAI>

※筆者は公務員試験未経験者のため、行政職(I種)と一般職(II種)の区別や採用区分の違いなどについては割愛させていただきます。
 
■1年目・新卒配属時(財政課)
まずは財政課の新入職員時代についてお話しします。
財政課では主に地方債の管理業務を行っていました。
地方債というのは簡単に言うと借金のことですね。
この借金には大きく分けて二種類あります。
一つ目が起債と言われるもので、地方自治体が民間企業などにお金を借りることを言います。
もう一つが借換債と言いまして、借り換えのための資金のことです。
どちらも国の補助金が入るため、財政課の職員の主な役割はその補助額を調整すること。
具体的には、地方債の発行額を決めたり、償還計画を立てたりすることです。
このあたりの事務作業はかなり煩雑なのですが、この部署に配属されることは地方公務員としてはかなり恵まれた環境と言えるでしょう。

■2年目・異動時(財政課)
2年目の秋に異動となりました。
異動先は財務部財政課というところでした。
財政課とはうってかわった地味な職場です。
主な業務内容は国債管理および地方債の審査。
いわゆる財務官僚がするような仕事をしていたわけですね。
ちなみに、国税庁でも同じようなことをしているらしいです。
財務部財政課では、国債を格付け会社に委託して格付けしてもらうのですが、その際には財務省から出向してきた方々にアドバイスを受けながら作業をしています。
また、年度末になると、財務省の方々と意見交換会を行います。
そこで出た話をもとに、年度予算案を作成するというのが主なお仕事でした。

■3年目・異動時(税務課)
3年目の春に異動しました。
異動先は再び財政課に戻り、今度は税務課へ。
主に法人課税関係の事務を担当していました。
こちらはいわゆる霞ヶ関の仕事で、法人課税の法律改正があった際には国会対応をしたり、企業への説明に出向いたりすることもありました。
あとは決算書の内容を確認したり、税金を納める法人さんを訪問して話を聞いたりすることもありましたね。
 
■4年目・異動時(財政課)
4年目はまたまた財政課に戻りました。
今度こそは異動なしでずっと財政課勤務になると思ってたので嬉しい限りです。
 
そんなこんなで新入職員時代は終わり、いよいよ本格的に公務員として働き始めます。
これからは、各自治体ごとに異なる制度の中で、どのように仕事を進めていけばいいのかを模索していくことになるでしょう。
 
さて、新入職員時代の思い出を振り返ると言っておきながら、いきなり財政課編になってしまったんですが……まあ、それはそれでいいでしょう! ここからは各自治体ごとの事情も踏まえつつ、新入職員時代の話を続けていきたいと思います。
※次回更新は5/16(木)予定です。

まじでAIに職を奪われるかもしれない

ちゃんとした日本語文章として成立しています。AIすげえ!
1文1文の繋ぎ方がすごく自然で、句読点の打ち方も過不足なく、僕が書く記事よりも明らかに読みやすくて敗北感を覚えています……
体裁的にもブログ記事らしく仕上がっています。

内容的にはツッコミどころ満載ですが、ちゃんと自治体(ちょっと地方財務局も混じってるっぽいですが)を舞台に作文してくれているのは普通にすごいと思います。
文章の流れが自然すぎるために、公務員以外の人が読んだら、どこが間違っているのか気づかないかもしれません。

人間とAIの役割分担

「AIのべりすと」本当にすごいです。
文章の読みやすさだけでいえば、それなりに練習したWEBライター並みだと思います。

「仕事のやりがい」や「経験談」みたいな、あくまで主観的意見であり、間違いの存在しない話題であれば、「AIのべりすと」でも十分読み応えのある記事が書けそうです。

反対に、
  • データや学説を根拠にして推論する
  • 固有名詞を多用する
  • テーマがマイナーすぎてAIがついてこれない
こういった文章は苦手なようで、まだまだ人間のほうが有利だと思われます。
根拠となるファクトや、最も伝えたい結論部分は人間が書いて、その中間の「つなぎ」部分をAIに書いてもらう……という役割分担がうまくできれば、現時点の無料サービスでも十分に活用できそうです。

おまけ:採用パンフレットを書いてもらう

役所がリリースする文章の中でも、ひときわ抽象的で主観的なのが採用パンフレット中の「職員の声」です。
AIの傾向を見るに、「志望動機」「やりがい」みたいな主観的意見は十分対応できそうなので、試しに「AIのべりすと」に書いてもらいました。
ついでにイラストもAIに描いてもらって、体裁を整えると……

先輩職員AI.001
AIだけでそれっぽいものが作れてしまいます。本当に末恐ろしいです。