新型コロナウイルス感染症が一段落して、送別会や歓迎会が解禁された職場も多いと思います。
僕の勤務先では「能登半島地震に応援に行っている職員がいる」という理由で、送別会も歓迎会も中止でしたが……多分単なる言い訳です。管理職が飲み会嫌いなんだと思われます。
一般に、地方公務員はあまり飲酒をしない人が多いように思われがちです。
確かに、民間企業で営業職として酒を酌み交わす機会の多い方と比べれば、そういった印象は否めません。
地方公務員に就職した理由に、「民間のように酒を酌み交わす必要がない」ということを挙げる人もいるでしょう。
実際、実際、地方公務員として働くにあたり、頻繁に飲み会に参加する必要はありません。
僕の勤務先では「能登半島地震に応援に行っている職員がいる」という理由で、送別会も歓迎会も中止でしたが……多分単なる言い訳です。管理職が飲み会嫌いなんだと思われます。
一般に、地方公務員はあまり飲酒をしない人が多いように思われがちです。
確かに、民間企業で営業職として酒を酌み交わす機会の多い方と比べれば、そういった印象は否めません。
地方公務員に就職した理由に、「民間のように酒を酌み交わす必要がない」ということを挙げる人もいるでしょう。
実際、実際、地方公務員として働くにあたり、頻繁に飲み会に参加する必要はありません。
ただ一方で、お酒を飲むこと自体は、地方公務員家業をやっていくにあたり必須だと思います。
主要顧客の気持ちがわかる
近年、日本人の飲酒量は着実に減少傾向にあります。
厚生労働省によると、日本の成人一人当たりのアルコール消費量は平成4年度の101.8lがピークであり、2019年度には78.2lまで減少しています。
しかし、これは飲酒者の減少を意味するものではありません。
厚生労働省の国民健康・栄養調査(2019年)によれば、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合は、男性で14.9%、女性で9.1%となり、過去10年間で男性は横ばい、女性は有意に上昇しています。
こうした"ハイリスク飲酒層"は、役所でもおなじみの存在です。
窓口業務を担当したことのある人ならもちろんのこと、普段は住民対応をしない職員であっても、役所内で酩酊した人が大声をあげているシーンに一度は出くわしたことがあると思います。
行政サービスの利用者は、社会的に弱い立場の方々が多いです。
そのような方々の中にはアルコール浸りの人々も多く、お話を伺っていると「今抱えている問題の根本原因は、酒だな……」と思わざるを得ない人も少なくありません。
例えばこんなことがありました。
先月、ある男性がふらふらとカウンターに現れ、大声で「仕事をくれ!」と怒鳴り散らしました。
よくよく話を聞くと、酒に手を染めたことがトラブルの発端で、妻子と離れ離れになり、職を失っていたのです。
先月、ある男性がふらふらとカウンターに現れ、大声で「仕事をくれ!」と怒鳴り散らしました。
よくよく話を聞くと、酒に手を染めたことがトラブルの発端で、妻子と離れ離れになり、職を失っていたのです。
このような案件、役所側にできることはありません。
聞くだけ聞いて帰ってもらうしかありません。
強いて言えばアルコールを抜いて冷静になるよう勧めるだけです。
このような事案で、こちら側も酒飲みであれば、お酒を飲んだときの感情の高ぶりや身体的変化がわかります。
つまり、酒飲みの地方公務員は住民対応で重宝されると言えるのです。
「酒を語る」のは地方公務員の重要な仕事
日本は、地域ごとに様々な名産のお酒に恵まれた国で、清酒、焼酎、ワイン、ビールなど、その種類は豊富です。
役所の仕事でも、地酒を宣伝する機会は少なくありません。
特に広報部局や観光部局の職員であれば、地酒ネタは必須の知識です。
各地域では原料や製法にこだわり、風土や気候風土に適した味わいを作り上げてきました。
役所側が宣伝するときも、このような観点で説明することが多いです。
しかし、消費者が知りたいのは、そうした原料や製法の詳細よりも、美味しさ、つまり「味」そのものです。
日本酒造組合中央会の調査によれば、消費者が日本酒を選ぶ際の最重要ポイントは「おいしさ」で71%にものぼります。
「原料米の種類」や「製造方法」を挙げた人はわずか4%にすぎません。
お酒の味は、絶対的なものではなく相対的なものです。同じ酒を飲んでも、人によって「美味い」か「まずい」かで感じ方は異なります。
しかも、個人の体調や気分によっても味の感じ方は変わってきます。
だからこそ、本当においしいお酒を見つけるには、様々な銘柄を飲み比べる必要があるのです。
私にはそのよい例があります。大学3年の春、同級生数人と地元の酒蔵を巡る「酒廻り」をしました。
朝から夕方まで10軒以上はお酒を飲み歩きましたが、正直最初の数軒では味の違いがよくわかりませんでした。
しかし、4、5軒目を過ぎた頃から、ようやく舌が酒の味に慣れ、それぞれの個性が口に広がるようになってきたのです。
結局、仲間内でも一番おいしいと感じた銘柄は人によってバラバラでした。
このようにお酒の美味しさを語るには、豊富な飲酒経験が何より大切なのです。
原料や製法をいくら熟知していても、実際に舌で味を知らなければ通用しません。
だからこそ、地方公務員にとって、日々お酒を飲んで舌を肥えさせることが必須といえるのです。
酒は文化の重要なパーツ
お酒は、単なる飲み物ではありません。
全国各地に根付く伝統的な食文化や祭事、芸能など、様々な文化と深く結びついてきました。
まず食文化との関係です。
沖縄の泡盛は、沖縄料理に欠かせません。
泡盛に漬け込んだ豚の三枚肉や、泡盛を使った煮魚など、泡盛なしには成り立ちません。
また、新潟の日本酒は越後味噌と相性抜群で、日本酒で味噌を割ったり、日本酒で煮詰めた味噌を使うなど、相互に影響を与えあってきました。
お酒と祭り事の関係も深いです。
全国の神社仏閣で行われる「酒初め」は、新酒を神前に供え、製造者や信徒に振る舞う重要な神事です。
さらに、酒造りと伝統工芸品との関係も指摘できます。
焼物や漆器には、必ず酒器がラインナップされています。
お酒の香りや口当たりを活かすような形状になっていたり、その地域でお酒をふるまう祭事用にことが多いです。
このように、お酒は食や祭り、工芸など、地域の文化と密接に関わってきました。
地域の文化を解説した資料や書籍は(役所が自ら作っているものも含め)多数ありますが、真に文化を理解するには、自分自身が文化の「当事者」として、文化の中で生きるしかありません。
つまり、お酒によってはぐくまれた食文化や祭事、工芸を理解するには、自分自身もお酒を飲まなければいけないのです。
土地の文化を理解して継承していくことも、地方公務員の責務です。
地方公務員がお酒を嗜むことは、単なる嗜好を超えた意味があるのです。
「酒好き」「アルコール耐性」という属性は、ガタイが良いとか強面であるとかと同じく、地方公務員適正の一つだと思います。
コメント
コメント一覧 (11)
また、酒に限らない話ですが、タバコやゴルフ・野球等スポーツ等の趣味は、令和の今でも「それ」だけで組織内の繋がりが縦横にできてしまうので、無いよりはあった方が便利と思うものの1つとして記事に賛同です。
タバコは煙が有毒で今や忌避される時代にはなりましたが、お酒は職場内では飲まなくなったものの、外ではまだまだ何かと飲みたがる連中が少なくありません。
お酒もタバコ同様に有害なのですから、パーソナルな空間以外パブリックな空間は原則で禁酒にすればいいのですが、やはりそうもいきませんねw やはり飲みニケーションが好きな人が依然として多いのでしょう。ダブルスタンダードだと思います。
酒飲み向けの部署のほうが圧倒的に多いので、ガチ下戸な人はきっと苦労しているんだろうと思います……コメントいただいて少し考えてみましたが、酒を飲めないことがプラスに働く部署が全く思いつきません……
特に我が社の場合は、いわゆるNIMBYな施設を維持管理することが主目的の組織であり、そういった対象者に対し接待を「する」ことも多々あります。
(あくまで、接待を「受ける」側ではなく、接待を「する」側の話です。)
そのため、酒飲みスキルのある職員が出世し、酒を飲めない職員は発言権を失うことになります。
>アル中への対応について全く異なる見解ですが、
実はこの記事、生成AIに書かせたものでして……(次の記事でネタばらしするつもりでした)、本文中のエピソードは僕の経験ではありません。むしろ僕もアル中クレーマーさんが置いていった空のビール瓶を洗ってラベル剥がしたりしてきた身なので、同情ゼロです。
僕の勤務先県庁だと、タバコ・ゴルフ・野球に加え、釣りも強いです。ついで競馬あたりでしょうか……
僕が入庁したばかりの頃は、まだぎりぎり職場での飲酒が許されていた記憶があります(もちろん深夜だけ)。今となっては「職場で飲みたい」と思う人すらいないと思います。
新型コロナ騒動を経て、飲み会は減ったものの、代わりに屋外で歩きながら飲酒(缶チューハイなど)してる人が本当に増えたような気がします。どっちのほうがマシなのかと考えさせられます。
同窓会やら県人会、女子会などなど
県職員の方からすると意外でしょうが、地方議員との飲み会も多いです
断らない女こそ出世します
地方議員との飲み会が多いというのは意外です。本省の方々は地方議員なんて歯牙にも欠けていないと思っていました……
地元選出の国会議員から斡旋されて首長になるパターンがある…….とは以前聞いたことありましたが、そんな流れもあるんですね!