新規採用職員の皆様も、そろそろ「出先」と「本庁」の違いを理解しつつある頃合いではないかと思います。
そのため、「教わる」ことができない新人は、まず誰かの「真似」をすることになります。
ここで、「誰の真似をするか」が非常に重要になってきます。
きちんとしたお手本たりうる優秀な職員の真似をできれば問題ありませんが、周囲に変な職員しかいない場合には、間違った仕事の進め方を習得してしまうことになりかねません。
質の高い人脈を築けるのも、出先ではなく本庁だと思います。
採用されたばかりの頃は、「出先機関=当たり」「本庁=ハズレ」なんだろうと漠然と思っている人が大多数だと思いますが、この半年間の自分の経験を踏まえ、異なる感想を抱いている方もいるでしょう。
とはいえ、「本庁勤務のほうがむしろアタリ!」などと宗旨替えする人はごく稀で、出先配属の人は「やっぱ当たりだわ」と胸を撫で下ろし、本庁配属の人は「なんで自分はこんな不幸な目に遭わされてるんだ……」と嘆いているのではないかと思います。
僕自身、初任で本庁配属になり、出先に行った同期よりも圧倒的に残業も休日出勤も多くて、ゲンナリしていた記憶があります。
ただ今となっては、新人の頃に本庁配属されて良かったと思います。
新人の頃に築いた人間関係ーーつまり人脈に、今かなり助けられているからです。
「実力」の7割くらいは「人脈」なのではないか
役所の事務職は、専門知識や技能がさほど求められない代わりに、他者と上手くコミュニケーションをとって仕事を円滑に進めることが求められます。
特に組織内部の人、庁内の別職員とのコミュニケーションは、担当業務が何であれ日常的に発生します。
つまり、組織内部のコミュニケーションがうまくとれる人は、どんな部署に配属されても、どんなポジション・職位であろうとも、優位に仕事を進められます。
このためには、頭の回転速度やトーク力のような所謂「コミュニケーション能力」に加えて、人間関係のストック……つまり人脈も重要です。
組織内部に味方が多ければ多いほど、間違いなくコミュニケーションは取りやすくなります。
ない世界では、個々人の能力よりも、いかにスムーズに組織を動かし、仕事を進めていくかのほうが業務遂行に直結するからです。
特に組織内部の人、庁内の別職員とのコミュニケーションは、担当業務が何であれ日常的に発生します。
つまり、組織内部のコミュニケーションがうまくとれる人は、どんな部署に配属されても、どんなポジション・職位であろうとも、優位に仕事を進められます。
このためには、頭の回転速度やトーク力のような所謂「コミュニケーション能力」に加えて、人間関係のストック……つまり人脈も重要です。
組織内部に味方が多ければ多いほど、間違いなくコミュニケーションは取りやすくなります。
ない世界では、個々人の能力よりも、いかにスムーズに組織を動かし、仕事を進めていくかのほうが業務遂行に直結するからです。
専門知識がある職員よりも、庁内で顔の広い職員の方が評価されますし、仕事もしやすいです。
新規採用職員として本庁勤務することが、量・質ともに有益な人脈を築けます。
「量」も「質」も本庁のほうが有利
役所内における人脈には、「量」「質」の2つの側面があると思います。
人脈の「量」とは、知り合いの多さです。
知り合いがたくさんいるほうが何事も進めやすいのは、言うまでもないでしょう。
人脈の量を稼ぎやすいのは、圧倒的に本庁勤務です。
出先機関と比べて本庁は単純に職員数が多いですし、業務内容的にも他課との調整業務が多く、多くの職員と関わることになります。
自発的に動かなくても自然と人脈が広がっていくのです。
人脈の「質」とは、役立つ職員と知り合うことです。
役立つ人というのは、具体的には、以下のような職員です。
- 助けてくれる人
- これから出世していく人
- 学ぶところの多い人、お手本になる人
「仕事ができて、かつ人格的にも優れている職員」と言い換えても良いでしょう。
特に若いうちは、お手本にできる優秀な先輩職員と出会うことが非常に重要だと思います。
地方公務員は、研修や教育を受ける機会が皆無に等しく、OJTもあまり機能していません。
そのため、「教わる」ことができない新人は、まず誰かの「真似」をすることになります。
ここで、「誰の真似をするか」が非常に重要になってきます。
きちんとしたお手本たりうる優秀な職員の真似をできれば問題ありませんが、周囲に変な職員しかいない場合には、間違った仕事の進め方を習得してしまうことになりかねません。
30代以上になると、職員の選別もだいぶ進んできて、同世代の中でも比較的優秀な職員が本庁に残るようになります。
そのため、出先にいるよりも、本庁にいる方が、優秀な職員と出会える可能性が高いです。
「新人ボーナス」で好感度を荒稼ぎ
人脈を築くためには、単に人と出会うだけでは不十分です。
相手から好感を持ってもらうことが重要であり、敵とみなされるようなことがあれば、逆に人脈を築くどころか悪影響を及ぼしてしまいます。
特に仕事の世界では、信頼関係が好感の基盤となるため、相手に「この人とはまた一緒に仕事したい」と思ってもらうことが不可欠です。
相手から好感を持ってもらうことが重要であり、敵とみなされるようなことがあれば、逆に人脈を築くどころか悪影響を及ぼしてしまいます。
特に仕事の世界では、信頼関係が好感の基盤となるため、相手に「この人とはまた一緒に仕事したい」と思ってもらうことが不可欠です。
新人の場合、この好感を得ることは容易です。
多少のミスがあっても「新人なら仕方ない」と寛容に見てもらえることが多いからです。
また、近年の傾向として、若手が仕事に対して消極的な印象を持たれやすいため、やる気を見せるだけでも良い印象を与えることができます。
少しの積極性や努力を見せることで、周囲に「あの新人は頑張っている」と評価され、自然と好感度が高まります。
多少のミスがあっても「新人なら仕方ない」と寛容に見てもらえることが多いからです。
また、近年の傾向として、若手が仕事に対して消極的な印象を持たれやすいため、やる気を見せるだけでも良い印象を与えることができます。
少しの積極性や努力を見せることで、周囲に「あの新人は頑張っている」と評価され、自然と好感度が高まります。
たとえ認知されなくても有益
ただし、往々にして優秀な職員には仕事が集中し、わざわざ新人を個別に認知する余裕は無いかもしれません。
当然のことながら、お互いがお互いの存在を認知しなければ、人脈たり得ません。
「自分だけが相手のことを一方的に知っている」という状態は、正確には人脈とは言えません。
しかし、認知されることが全てではありません。
新人にとって最重要の恩恵、つまり優秀な職員から得られる「学び」は、相手が自分を認識していなくても享受できるものです。
優秀な人々の仕事ぶりを観察し、彼らから無意識のうちに得られる知識やスキルは、新人にとって貴重な経験となります。こうした学びの積み重ねが、長期的に自分のキャリアにプラスとなるのです。
当然のことながら、お互いがお互いの存在を認知しなければ、人脈たり得ません。
「自分だけが相手のことを一方的に知っている」という状態は、正確には人脈とは言えません。
しかし、認知されることが全てではありません。
新人にとって最重要の恩恵、つまり優秀な職員から得られる「学び」は、相手が自分を認識していなくても享受できるものです。
優秀な人々の仕事ぶりを観察し、彼らから無意識のうちに得られる知識やスキルは、新人にとって貴重な経験となります。こうした学びの積み重ねが、長期的に自分のキャリアにプラスとなるのです。
したがって、相手に認知されるかどうかに焦点を当てるよりも、自分がどれだけの意欲を持って学び、成長し続けるかが、最終的には重要な鍵となるでしょう。
世間的にはいまだに、公務員の仕事=書類にハンコを押す単純作業……という印象を持たれていますが、このような単純作業は、最近は外注したり、会計年度任用職員に任せることがほとんどです。
その代わり、正規職員の業務に占めるコミュニケーションの割合が、どんどん大きくなっています。
その代わり、正規職員の業務に占めるコミュニケーションの割合が、どんどん大きくなっています。
このような状況において、もちろん一番重要なのはコミュニケーション能力になりますが、ストックとしての人脈もまた重要です。
これからの役所は、ますます単純作業が減っていって、同時に庁内人脈が重要になっていくと思います。
そのためには、新人ボーナスをフル活用して、若いうちから人脈形成しておくことが重要だと思うのです。
本庁配属の方は、恵まれた環境にいることをフル活用してもらえればと思います。
本庁配属の方は、恵まれた環境にいることをフル活用してもらえればと思います。
コメント
コメント一覧 (8)
あと、本庁も課内・係内で仕事が完結する仕事と他部局とも連携する仕事があり、出先も出先完結型と本庁との連絡調整型があると思います。
私は最初、本庁課内完結型(係内予算担当)、次に出先本庁連絡調整型(総務担当係長)、今本庁他部局連携型(部局予算担当係長)です。
順にコミュニケーション業務が増加して、今の他部局連携型が財政課様、係内予算担当が主に相手で大変です…
内部調整の仕事を、そのようにさらに細かく類型化するという視点はありませんでした。よく観察して分類・分析してみると面白そうです。
本気で出世したい若手職員には、ぜひ最初の配属先で、本庁課内完結型の仕事をマスターするくらいの意気込みでいてほしいなと思います。
日本は2001年に省庁再編が行われましたが、それまでなら比較的に顔パスで各局間の調整業務を容易に行えたことも省庁合併による組織肥大化により、各局担当窓口の顔やそれぞれの業務内容や重複分野を把握しきれなくなり、四苦八苦した記憶があります。
いわゆる発達障害の傾向がある人では本省や本庁で大きく活躍するのにはかなり無理があると感じます。
地方は地方で問題が山積みなのですが、気質が内向きで内部調整や同時並行的な仕事が苦手な人は地道にできる仕事を淡々とやれる部署が良いと思うのですが、そんな「単調な仕事は外注化されたり人員が減らされて人材の活用や行き場が無くなる」ことで人事や定員に悩んでいるのも実情です。
この構図、日本の職場官民全ての構造的な問題でもあり、そのような仕事がなくなることで発達障害や自閉的な傾向のある人がさらに病みやすくなっているのが昨今の実情かなとも思っています。
地方自治体の場合は、発達障害傾向のある人ほど本庁に配属されがちかもしれません。対住民の仕事が多い出先機関では、住民とトラブル起こして大ごとに発展しかねませんが、本庁の内部調整業務であれば職員間の口論くらいで済みますし、ほかの職員もカバーしやすいです。もちろんほかの職員の負担がひどく重くなるわけですが……
県庁では職員に何か問題が生じると支庁ではなく本庁に閉じ込めるんですねw
中央では逆にキャリア人事も含めて出世競争やメンタルダウンで基本ラインを外れると地方に飛ばされることも多く、あの人は都落ちとかいう言い方はよくありますww
もっとも最近は本省にずっといると優秀な人でも心が壊れるので、あえて地方に鞍替えする人も過去いました。
出身地の基礎自治体などにUターンしてる人は「霞が関よりは働く環境はマシだろう」という合理的判断で本省を捨てる覚悟での下野だと思います。
成長の正のループは間違いなく存在すると僕も思います。(その逆もまた然り……)
庁内の扱い(評価)が良ければ良いほど、仕事自体はハードになりがちですが、同時に仕事しやすくなる効果もあり、人によっては充実しているんだろうなと思います。
比較的優秀な職員が本庁に集まってるからこそ、問題のある人を多少置いてもカバーが効く……という意図もあるのだろうと思います。僕の勤務先県庁では「この課って20人くらいいるけど、実働してる職員は半分未満では?」みたいな部署も……