<前回のあらすじ>
長きにわたり膠着状態が続いた婚活に終止符を打つべく、結婚相談所の門を叩いたキモオタク。
事前ヒアリング、写真撮影、プロフィール文作成などなどの諸手続きを経て、ついに登録を果たします。
結婚相談所に限らず、こういう出会いの場では、とりあえずマッチング申請を送りまくるのが定石なのですが……「地方公務員という肩書きだけで、最初はそれなりにマッチング申請があるはずなので、まずはその人たちと会ってみて経験値を積んでみては?」というコンシェルジュさんからのしたたかな提案に従い、まずは様子見から入るのでありました。
今の世の中、「地方公務員」という肩書きに対したブランド価値はありません。
むしろマイナスイメージのほうが強いんじゃないかと思うくらいです。
しかも僕の居住県は民間企業が元気で、地方公務員より年収が良い企業もざらにあります。イメージ的にも金銭的にも、地方公務員男性と結婚するメリットが思いつきません。
このため、「地方公務員という肩書き目当てでマッチング申請してくる人が一定数いる」というコンシェルジュさんの自説も、正直なところ半信半疑でした。
そう思って様子見をしていたら……実際にマッチング申請が続々と届きました。
僕のプロフィールがデータベースに登録されて、女性側から検索・閲覧できるようになった初日だけで4人、1週間で計8人からマッチング申請がありました。
申請を承諾すれば、それでマッチング成立。
結婚相談所用語で「お見合い」という、当人どうしの顔合わせに進みます。
申請をくれた方々の写真やプロフィールを見て、承諾するかどうかを検討していくわけですが、みなさん無難すぎて甲乙つけられません。
そのため、40歳以上の方を一律NGにして、他の方は全員承諾することにしました。
結果的に、登録から1週間で4人とのマッチングが成立。
10月中下旬の土日が全てお見合いで埋まってしまいました。
まさにコンシェルジュさんの推測通りの展開になりました。やはりプロはすごいです。
さてここからはお待ちかね、どんな人たちとマッチングしたのかを紹介していきます。
お人柄を描写するにあたり、読者各位がイメージを膨らませやすいよう、たびたびフィクションのキャラクターの名前を喩えとして使います。本当は芸能人とかのほうが良いのでしょうが、全然わからないので……
相当キモい表現であることは承知していますが、ここは「キモオタク地方公務員のブログ」なのでどうかご容赦ください。
県内国公立大学を卒業後、国家一般職の地方採用に合格後、そのまま働き続けている……という、非常に堅実な経歴の方です。
外見も堅実そのもので、髪は黒色のミディアムショート、銀色メタルフレームの丸眼鏡というミセス風アイテムを使用しているものの、色白で丸顔気味なので年齢よりも若く見えます。
プロフィールによると、趣味は映画鑑賞とカフェ巡りとショッピング。
コンシェルジュさん曰く「いわゆるテンプレを並べているだけなので、きっと無趣味に近いのだと思いますよ〜。」とのこと。結婚相談所のプロフィール文にも、公文書みたいな独特の用語法があるようです。
お会いした場所は、県内ターミナル駅近くのホテルのラウンジ。
結婚相談所側が席を予約してあるので、名前を告げて入店します。
午前中の早めの時間だったので、他にはお客さんおらず、ほぼ貸切状態でした。
結婚相談所のルール上、男性側は15分前までに会場に到着して、女性を待っていなければいけません。
お相手のプロフィールを読み返しながら待つこと5分。設定された開始時刻の10分前に、お相手も来られました。プライベートでも10分前行動を実践しているあたり、ますます堅実です。
見た目もプロフィール写真のとおり。心奪われるほど綺麗というわけではありませんが、悪い印象でもありません。
服装は役所内でよく見かけるオフィスカジュアル姿で、アクセサリー類は一歳身につけていません。ネイルもなし。靴はパンプスでヒールなし、実用性重視です。
正直なところ、20代のうちに普通に職場結婚してそうなのに、どうしてこの年齢まで独身なんだろう……と疑問を抱きました。
お互いに飲み物を注文して、「お見合い」スタート。
まずはお互いに簡単に自己紹介をしていきます。
僕のほうから仕事とかを紹介していくのですが……
お相手は軽く頷きながら、特にリアクションを挟むことなく、ひたすら聞くだけ。
しかもずっと真顔。目元も口元も笑っていません。
かといって僕に無関心というわけでもなさそうで、一方的に喋る僕のほうをまっすぐ見つめてきます。
採用面接を受けているかのような心持ちで自己紹介を終えました。
その後もずっと僕ばかり喋り続けて、なんとか1時間が終了。
お互いに公務員という共通点に頼り、仕事あるあるネタで時間を稼ぎました。
プロフィールを拝読した時点で「きっと物静かな人なんだろうな」と想像はしていましたが、想定外でした……
コンシェルジュさんからは「女性からうまく会話を引き出して、男性側は聞き役にまわるのがセオリーですよ!」と事前に教わっていたものの、全く実践できないまま終わりました。
しかし感触は悪くありませんでした。僕の話を聞いているお相手は、決してつまらなさそうには見えず、終わりに近づくにつれてお相手のリアクションも増えてきたからです。
次回があればもうちょっと会話が成り立ちそうな気がしたので、僕からは仮交際OKで報告。
お相手からもOKの報告あり、仮交際が成立しました。
以下、この方のことは「長門さん(仮称)」で表記します。
『涼宮ハルヒの憂鬱』初期の長門有希っぽいからです。
2人目:やさぐれ系(同い年、大卒、教員)
2人目にお会いしたのは小学校の先生。
この人も趣味が「カフェ巡り」だけで、情報をあまりオープンにしていません。
身長は165cmと高めなほか、外見的には特に特徴ありません。
待ち合わせ時刻ぴったりに到着したお相手。
開幕から明らかにテンションが低い。申し訳ないですが消化試合感を感じました。
この方から「お見合い」の申請を貰ってから3週間くらいが経っていたので、この間にきっと別の良い人を見つけたのだろうと思います。
今回もお互い自己紹介から始めていきますが、長門さん(仮称)のケースとは違ってちゃんと会話のキャッチボールが成立します。
お相手のテンションはずっと低いままですが、一方的に喋り続けなくていいのは本当に楽です。
むしろお相手のやる気が無いせいで、こちらもリラックスして話せました。
自己紹介から派生する話題だけで20分くらい会話できたのは、我ながら上出来だったと思います。
その後はずっと最近の教員事情について愚痴を聞かされました。
僕が県職員だと名乗った瞬間に「文科省とか教育委員会って本当に最悪の連中!!!」と毒を吐き始め、それから愚痴が止まらなくなったのです。
一番熱く語っていたのが外部人材の話でした。
ここ数年、教員の業務負担軽減のため、スクールサポートスタッフやICT支援員のような、教員免許を持っていない外部人材が学校に入るようになっていますが、そういう人たちが使えないどころか有害だとのこと。
教員や保護者、児童達とトラブルを起こすのは日常茶飯事、児童への淫行まがいの言動も少なくなく、学校敷地内でタバコを吸う人なんかもザラにいるらしいです。
「教員の仕事も責任も増えてるんだから、その分だけ教員の人数を増やせばいいんだって。なんでこんなシンプルなことがわかんないのかな役所の人間は!!!」と何度も繰り返していました。
仮交際はNGで回答。
お相手からもNG回答で、この人との関係は1回きりで終了です。
口は悪いものの、SNS上によくいる現状を悲観して冷笑するような人ではなく、教育のことを本気で考え、どうすればいいのか真剣に考えている方でした。
配偶者としては置いといて、自分の子どもの担任の先生としてはこういう人がいいのかも……と思いました。
長門さん(箇所)と同じ公務員ですが、雰囲気は全然違います。
こちらの方はかなり飾り気があり、髪も柔らかくパーマをかけたセミロング。
地方公務員の中でも相当派手なほうです。市役所の窓口なんかだとクレームが来かねないレベルだと思います。
果たしてどんな部署に勤務している人なのか、婚活以外の部分でも興味を惹かれます。
さらに、外見だけで言えば今回マッチング申請を貰った方々の中でも一番可愛らしい人でした。
お見合い当日。
外見はプロフィール写真のとおり、むしろ写真よりも可愛らしい感じです。30代には見えません。
おしゃれ具合も写真以上で、ピアスあり、ネイルもバッチリ。やはり地方公務員らしくありません。
自己紹介もそこそもに、お相手から「勤務先自治体はどこか」という話題を切り出されます。
「県庁です」と答えると……まさかのお相手も県職員、出先機関の会計年度任用職員でした。
お相手が勤務している出先機関は、一般県民が来るような場所ではなく、多少華美な格好をしていても差し支えないところです。一人勝手に腑に落ちていました。
一方で、にわかにテンションの上がるお相手。
「じゃあツヨシとかトシカズのこと知ってます?」
何人か職員の名前を出されますが、あいにく下の名前までは覚えていません。
苗字ならわかるかもと伝えるも、「苗字のほうは覚えてません」とのこと。
男性職員のことを下の名前で識別しているとは、一体どういうことなのでしょうか……?
ますます興味を惹かれます。
さらに話を進めていくと、どうやら今年の3月までは民間企業で働いていたのですが、上司と折り合いが悪くなって退社したとのこと。ちょうど募集していた会計年度任用職員の枠に滑り込んで急場を凌ぎつつ、次の職場を探しているそうです。どうりで地方公務員っぽくないわけです。
あとは僕と同い年の兄がいるらしく、ちょっと古い少年漫画の話題で盛り上がりました。
結婚相談所での婚活を始めて、普通に雑談できたのはこの人が初めてでした。
お相手も兄がいるおかげで「ちょっと年上の男性」との会話は慣れているようで、かなり自然体だったように思います。
僕からは仮交際OKで回答。お相手からもOKを貰え、仮交際成立しました。
以下、この方のことは甜花ちゃん(仮)と表記します。
マイペースで図太いところが大崎甜花っぽいからです。
高卒の国家公務員といえば、地方公務員とは段違いの狭き門です。これまで一人もお目にかかったことのない人種ゆえ、どんな人なのか強く興味がありました。
趣味として「漫画を読むこと」と書かれているのも安心材料でした。僕もそれなりに守備範囲広いほうのはずなので、話題が尽きて沈黙する羽目は回避できそうです。
実際にお会いしてみると……すごく細身。いや痩身というべきかもしれません。健康面が心配になるほどほっそりとしていました。
しかしそんな外見に反して、エネルギーに満ち溢れる方でした。
表情は常に笑顔で、マシンガントークが止まりません。
県内トップの進学校出身で、途中までは旧帝大志望で受験勉強を頑張っていたらしいのですが、途中で「とりあえず大学行くのが普通になりつつあるから、逆に高卒でバリバリ働いた方がキャリア的に価値あるのでは?」と思い、大学進学を止めて国家公務員になったとのこと。
さらには働きながら司法書士にも合格したそうです。
こういうエピソードを聞くまでもなく、地頭の良さは明白でした。
とにかく会話のペースが早い。僕が咀嚼する前に次の話題に移ってしまいます。
途中からは、お相手がハマっている『東京卍リベンジャーズ』の話題になりました。
僕が未読だと伝えると、あらすじと魅力ポイントを解説してくれました。
その解説がまた本当に上手で、しっかり練って作った書評を読み上げているんじゃないかというくらい構成が完璧で、内容も網羅的でした。
ほとんどお相手のお話を聞くだけで1時間が終了。
お相手の底知れなさに興味が尽きず僕からは仮交際OKを出しましたが、お相手からはNG。
きっと僕がついてこれなかったのがつまらなかったのでしょう。これは仕方ありません。
ここまでが10月の戦績です。
4人と「お見合い」して、2人と「仮交際」に進むことができました。
先述したとおり、「仮交際」の成立率は3割ほどらしいので、そこそこ順調なスタートを切れたといえるでしょう。
ここまでで5500文字。だいぶ長くなってしまったので一旦切ります。
引き続き11月も新たに「お見合い」しつつ、「仮交際」も進めていくので、さらに中身は濃くなっていきます。年内中に書き切れるかこれ……?
長きにわたり膠着状態が続いた婚活に終止符を打つべく、結婚相談所の門を叩いたキモオタク。
事前ヒアリング、写真撮影、プロフィール文作成などなどの諸手続きを経て、ついに登録を果たします。
結婚相談所に限らず、こういう出会いの場では、とりあえずマッチング申請を送りまくるのが定石なのですが……「地方公務員という肩書きだけで、最初はそれなりにマッチング申請があるはずなので、まずはその人たちと会ってみて経験値を積んでみては?」というコンシェルジュさんからのしたたかな提案に従い、まずは様子見から入るのでありました。
本当にマッチング申請が続々と届く
今の世の中、「地方公務員」という肩書きに対したブランド価値はありません。むしろマイナスイメージのほうが強いんじゃないかと思うくらいです。
しかも僕の居住県は民間企業が元気で、地方公務員より年収が良い企業もざらにあります。イメージ的にも金銭的にも、地方公務員男性と結婚するメリットが思いつきません。
このため、「地方公務員という肩書き目当てでマッチング申請してくる人が一定数いる」というコンシェルジュさんの自説も、正直なところ半信半疑でした。
そう思って様子見をしていたら……実際にマッチング申請が続々と届きました。
僕のプロフィールがデータベースに登録されて、女性側から検索・閲覧できるようになった初日だけで4人、1週間で計8人からマッチング申請がありました。
申請を承諾すれば、それでマッチング成立。
結婚相談所用語で「お見合い」という、当人どうしの顔合わせに進みます。
「お見合い」では、ホテルのラウンジのようなオープンスペースで、珈琲やお茶を片手にお話しします。(コロナ禍以降はオンラインでの「お見合い」も可能になりました)
時間は「1時間以内」と決まっており、終わった後にどこか一緒に行くのはNGです。
連絡先を聞くのもダメ、ボディタッチはもちろん隣に座るのもダメです(必ずテーブル越しに対面しなければいけません)。
あくまでも「とりあえず1回会ってみる場」として設定されています。
ガチガチにルールで縛られている場なので、お互いに安心して、たとえ揉めても後腐れなく別れられるようになっています。
費用は全額、男性側負担。僕の場合だと交通費込みで1回2,500円くらいかかります。
男性は服装も指定されており、上下スーツかつネクタイ必須です。
お見合いが終わったら、お相手と次のステージ(仮交際)に進みたいかどうかを相談所に報告します。
男女双方から「進みたい」という意思表示がなされたら、「仮交際」成立。
当事者どうしの電話・メッセージのやり取りが解禁され、次に会う機会を設定することになります。
どちらからNGを出せば、その相手との関係は終了です。二度と会えません。
「仮交際」の成立率は、だいたい3割くらい。
4人と「お見合い」して、1回成立すれば上出来とのことでした。
申請をくれた方々の写真やプロフィールを見て、承諾するかどうかを検討していくわけですが、みなさん無難すぎて甲乙つけられません。
そのため、40歳以上の方を一律NGにして、他の方は全員承諾することにしました。
結果的に、登録から1週間で4人とのマッチングが成立。
10月中下旬の土日が全てお見合いで埋まってしまいました。
まさにコンシェルジュさんの推測通りの展開になりました。やはりプロはすごいです。
お見合い
さてここからはお待ちかね、どんな人たちとマッチングしたのかを紹介していきます。お人柄を描写するにあたり、読者各位がイメージを膨らませやすいよう、たびたびフィクションのキャラクターの名前を喩えとして使います。本当は芸能人とかのほうが良いのでしょうが、全然わからないので……
相当キモい表現であることは承知していますが、ここは「キモオタク地方公務員のブログ」なのでどうかご容赦ください。
1人目:物静かなお姉さん(年上、大卒、国家公務員)
最初にお見合いすることになったのは、1歳年上の国家公務員の方。県内国公立大学を卒業後、国家一般職の地方採用に合格後、そのまま働き続けている……という、非常に堅実な経歴の方です。
外見も堅実そのもので、髪は黒色のミディアムショート、銀色メタルフレームの丸眼鏡というミセス風アイテムを使用しているものの、色白で丸顔気味なので年齢よりも若く見えます。
プロフィールによると、趣味は映画鑑賞とカフェ巡りとショッピング。
コンシェルジュさん曰く「いわゆるテンプレを並べているだけなので、きっと無趣味に近いのだと思いますよ〜。」とのこと。結婚相談所のプロフィール文にも、公文書みたいな独特の用語法があるようです。
お会いした場所は、県内ターミナル駅近くのホテルのラウンジ。
結婚相談所側が席を予約してあるので、名前を告げて入店します。
午前中の早めの時間だったので、他にはお客さんおらず、ほぼ貸切状態でした。
結婚相談所のルール上、男性側は15分前までに会場に到着して、女性を待っていなければいけません。
お相手のプロフィールを読み返しながら待つこと5分。設定された開始時刻の10分前に、お相手も来られました。プライベートでも10分前行動を実践しているあたり、ますます堅実です。
見た目もプロフィール写真のとおり。心奪われるほど綺麗というわけではありませんが、悪い印象でもありません。
服装は役所内でよく見かけるオフィスカジュアル姿で、アクセサリー類は一歳身につけていません。ネイルもなし。靴はパンプスでヒールなし、実用性重視です。
正直なところ、20代のうちに普通に職場結婚してそうなのに、どうしてこの年齢まで独身なんだろう……と疑問を抱きました。
お互いに飲み物を注文して、「お見合い」スタート。
まずはお互いに簡単に自己紹介をしていきます。
僕のほうから仕事とかを紹介していくのですが……
お相手は軽く頷きながら、特にリアクションを挟むことなく、ひたすら聞くだけ。
しかもずっと真顔。目元も口元も笑っていません。
かといって僕に無関心というわけでもなさそうで、一方的に喋る僕のほうをまっすぐ見つめてきます。
採用面接を受けているかのような心持ちで自己紹介を終えました。
その後もずっと僕ばかり喋り続けて、なんとか1時間が終了。
お互いに公務員という共通点に頼り、仕事あるあるネタで時間を稼ぎました。
プロフィールを拝読した時点で「きっと物静かな人なんだろうな」と想像はしていましたが、想定外でした……
コンシェルジュさんからは「女性からうまく会話を引き出して、男性側は聞き役にまわるのがセオリーですよ!」と事前に教わっていたものの、全く実践できないまま終わりました。
しかし感触は悪くありませんでした。僕の話を聞いているお相手は、決してつまらなさそうには見えず、終わりに近づくにつれてお相手のリアクションも増えてきたからです。
次回があればもうちょっと会話が成り立ちそうな気がしたので、僕からは仮交際OKで報告。
お相手からもOKの報告あり、仮交際が成立しました。
以下、この方のことは「長門さん(仮称)」で表記します。
『涼宮ハルヒの憂鬱』初期の長門有希っぽいからです。
2人目:やさぐれ系(同い年、大卒、教員)
2人目にお会いしたのは小学校の先生。この人も趣味が「カフェ巡り」だけで、情報をあまりオープンにしていません。
身長は165cmと高めなほか、外見的には特に特徴ありません。
待ち合わせ時刻ぴったりに到着したお相手。
開幕から明らかにテンションが低い。申し訳ないですが消化試合感を感じました。
結婚相談所の「お見合い」は、キャンセルすると違約金が発生します。
そのため例えば、「お見合い」を申し込んだ後に別の人といい感じに関係が進んで、新しい出会いはもう不要になったとしても、前に申し込んだ「お見合い」をキャンセルするには違約金が必要になります。
こういう場合、違約金を払ってキャンセルするか、お断りする前提で「お見合い」に臨むことになります。後者のケースがまさに「消化試合」にあたります。
この方から「お見合い」の申請を貰ってから3週間くらいが経っていたので、この間にきっと別の良い人を見つけたのだろうと思います。
今回もお互い自己紹介から始めていきますが、長門さん(仮称)のケースとは違ってちゃんと会話のキャッチボールが成立します。
お相手のテンションはずっと低いままですが、一方的に喋り続けなくていいのは本当に楽です。
むしろお相手のやる気が無いせいで、こちらもリラックスして話せました。
自己紹介から派生する話題だけで20分くらい会話できたのは、我ながら上出来だったと思います。
その後はずっと最近の教員事情について愚痴を聞かされました。
僕が県職員だと名乗った瞬間に「文科省とか教育委員会って本当に最悪の連中!!!」と毒を吐き始め、それから愚痴が止まらなくなったのです。
一番熱く語っていたのが外部人材の話でした。
ここ数年、教員の業務負担軽減のため、スクールサポートスタッフやICT支援員のような、教員免許を持っていない外部人材が学校に入るようになっていますが、そういう人たちが使えないどころか有害だとのこと。
教員や保護者、児童達とトラブルを起こすのは日常茶飯事、児童への淫行まがいの言動も少なくなく、学校敷地内でタバコを吸う人なんかもザラにいるらしいです。
「教員の仕事も責任も増えてるんだから、その分だけ教員の人数を増やせばいいんだって。なんでこんなシンプルなことがわかんないのかな役所の人間は!!!」と何度も繰り返していました。
仮交際はNGで回答。
お相手からもNG回答で、この人との関係は1回きりで終了です。
口は悪いものの、SNS上によくいる現状を悲観して冷笑するような人ではなく、教育のことを本気で考え、どうすればいいのか真剣に考えている方でした。
配偶者としては置いといて、自分の子どもの担任の先生としてはこういう人がいいのかも……と思いました。
3人目:その度胸は将来のお局候補(年下、大卒、地方公務員)
3人目にお会いしたのは、2歳年下の地方公務員。長門さん(箇所)と同じ公務員ですが、雰囲気は全然違います。
こちらの方はかなり飾り気があり、髪も柔らかくパーマをかけたセミロング。
地方公務員の中でも相当派手なほうです。市役所の窓口なんかだとクレームが来かねないレベルだと思います。
果たしてどんな部署に勤務している人なのか、婚活以外の部分でも興味を惹かれます。
さらに、外見だけで言えば今回マッチング申請を貰った方々の中でも一番可愛らしい人でした。
お見合い当日。
外見はプロフィール写真のとおり、むしろ写真よりも可愛らしい感じです。30代には見えません。
おしゃれ具合も写真以上で、ピアスあり、ネイルもバッチリ。やはり地方公務員らしくありません。
自己紹介もそこそもに、お相手から「勤務先自治体はどこか」という話題を切り出されます。
「県庁です」と答えると……まさかのお相手も県職員、出先機関の会計年度任用職員でした。
お相手が勤務している出先機関は、一般県民が来るような場所ではなく、多少華美な格好をしていても差し支えないところです。一人勝手に腑に落ちていました。
一方で、にわかにテンションの上がるお相手。
「じゃあツヨシとかトシカズのこと知ってます?」
何人か職員の名前を出されますが、あいにく下の名前までは覚えていません。
苗字ならわかるかもと伝えるも、「苗字のほうは覚えてません」とのこと。
男性職員のことを下の名前で識別しているとは、一体どういうことなのでしょうか……?
ますます興味を惹かれます。
さらに話を進めていくと、どうやら今年の3月までは民間企業で働いていたのですが、上司と折り合いが悪くなって退社したとのこと。ちょうど募集していた会計年度任用職員の枠に滑り込んで急場を凌ぎつつ、次の職場を探しているそうです。どうりで地方公務員っぽくないわけです。
あとは僕と同い年の兄がいるらしく、ちょっと古い少年漫画の話題で盛り上がりました。
結婚相談所での婚活を始めて、普通に雑談できたのはこの人が初めてでした。
お相手も兄がいるおかげで「ちょっと年上の男性」との会話は慣れているようで、かなり自然体だったように思います。
僕からは仮交際OKで回答。お相手からもOKを貰え、仮交際成立しました。
以下、この方のことは甜花ちゃん(仮)と表記します。
マイペースで図太いところが大崎甜花っぽいからです。
4人目:我が道こそが王道(年下、高卒、国家公務員)
次にお会いしたのは、またまた国家公務員。年齢は2歳年下です。高卒の国家公務員といえば、地方公務員とは段違いの狭き門です。これまで一人もお目にかかったことのない人種ゆえ、どんな人なのか強く興味がありました。
趣味として「漫画を読むこと」と書かれているのも安心材料でした。僕もそれなりに守備範囲広いほうのはずなので、話題が尽きて沈黙する羽目は回避できそうです。
実際にお会いしてみると……すごく細身。いや痩身というべきかもしれません。健康面が心配になるほどほっそりとしていました。
しかしそんな外見に反して、エネルギーに満ち溢れる方でした。
表情は常に笑顔で、マシンガントークが止まりません。
県内トップの進学校出身で、途中までは旧帝大志望で受験勉強を頑張っていたらしいのですが、途中で「とりあえず大学行くのが普通になりつつあるから、逆に高卒でバリバリ働いた方がキャリア的に価値あるのでは?」と思い、大学進学を止めて国家公務員になったとのこと。
さらには働きながら司法書士にも合格したそうです。
こういうエピソードを聞くまでもなく、地頭の良さは明白でした。
とにかく会話のペースが早い。僕が咀嚼する前に次の話題に移ってしまいます。
途中からは、お相手がハマっている『東京卍リベンジャーズ』の話題になりました。
僕が未読だと伝えると、あらすじと魅力ポイントを解説してくれました。
その解説がまた本当に上手で、しっかり練って作った書評を読み上げているんじゃないかというくらい構成が完璧で、内容も網羅的でした。
ほとんどお相手のお話を聞くだけで1時間が終了。
お相手の底知れなさに興味が尽きず僕からは仮交際OKを出しましたが、お相手からはNG。
きっと僕がついてこれなかったのがつまらなかったのでしょう。これは仕方ありません。
順調な滑り出し
ここまでが10月の戦績です。4人と「お見合い」して、2人と「仮交際」に進むことができました。
先述したとおり、「仮交際」の成立率は3割ほどらしいので、そこそこ順調なスタートを切れたといえるでしょう。
ここまでで5500文字。だいぶ長くなってしまったので一旦切ります。
引き続き11月も新たに「お見合い」しつつ、「仮交際」も進めていくので、さらに中身は濃くなっていきます。年内中に書き切れるかこれ……?
コメント
コメント一覧 (4)
仮交際50%はかなりの好成績だと思います。仮交際後のデート編の内容も楽しみにしています。
まさかの圧倒的同業者率に本当に驚きました。同業者だから申請してくるのか、それとも公務員未満のしょぼい男性しかいないのか、真相はわかりません……
当方は未婚ですが、前職は職場結婚が多く、当方が知る限り結婚のためにマッチングアプリ(古くはいわゆる出会い系サイト)のような「不真面目」な手段に手を出す者は皆無だった印象です。
(そんなものを使うこと自体が信用失墜行為に当たると上司や人事当局から疑われかねないからだと思います。結婚相談所のような真面目な場は別論と考えますが、それでも前職で結婚相談所経由の出会いも少なかったようです。)
僕の職場でも、「結婚相談所経由で結婚した」という人は皆無です。
実際に少ないのもありますが、口外せずに隠している人も多いのだろうと思います。
マッチングアプリも結婚相談所も、結婚の方法としては「負け組」(恋愛結婚のような王道の方法では結婚できなかった人が邪の道に手を染めて結婚にありついた)という認識が僕の周りでは未だ強く、こういうサービスを使うこと自体が一種のスティグマとして捉えられています。