遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
例年であれば暇すぎてブログ記事の書き溜めをしていた年末年始ですが、今回は婚活のせいで非常に忙しく、年始の挨拶すらできないまま10日も経過してしまいました。

毎年、新年1発目の記事は「地方公務員界隈の今年の展望予測」をお送りしております。
ちなみに去年は「地方公務員の給与は高すぎるとの批判を浴び続けそう」でした
当たらずも遠からず、といったところでしょうか?

今年は……インターネット上の住民運動が活発になり、その対応に手を焼く一年になると思っています。

ネットの力が(今更ながら)注目を浴びた2024年

2024年10月に実施された兵庫県知事選挙と衆議院総選挙では、どちらもインターネット上での選挙戦が結果に大きく影響したと報じられてます。
選挙区ごとに事情は様々なのでしょうが、全体としてこのような特徴があるのは間違いないと思います。

もちろん、「インターネットを使ったから勝った」という単純な話ではなく、インターネットをうまく使いこなしたから勝利したのだと思います。しかし、具体的にどのような使い方をしたのかまでは報じられていません。
そのため、少なくない人(特にインターネット文化に親しみのない人)が、「ネットを使えば世論を動かせる」とシンプルに理解しているんじゃないかと思います。

ここ最近、婚活の話題作りのためにテレビドラマを見るようにしているのですが、現代が舞台のドラマだと、あらゆる作品で「SNS上でバズる」シーンが出てきます。
そして大抵の作品で、SNSでのバズシーンは起承転結の「転」にあたります。バズることによって事態が好転したり暗転したりします。

実際のところ、インターネットの活動を通して世論を動かすには、膨大な人手・お金・ノウハウが必要です。テレビドラマのように、多少バズった程度で激変するわけではありません。
しかし、インターネットを使って現に世論を動かしている人たちが具体的に何をしているのかは明らかにされておらず、一般的には「バズらせる」以外の方法がよくわからないのも事実です。

そのため、「ネットを使う=バズらせることが重要」「とにかくバズらせれば世論を動かせるかもしれない」と認識している人が大多数なのではと思います。
そして、2024年の選挙戦の結果を見て、「バズらせることの威力の大きさ」を確信したのではないかと思います。

バズ狙い連中との戦いが激化

地方公務員という立場では、「ネット上でバズらせれば役所に勝てるかも」というワンチャン狙いの戦いを仕掛けられることが、これまで以上に増えると思います。

例えば、ホームページ上の記述を恣意的に切り取ってSNS上で晒したり、特定の人にしか渡らないはずの資料を公表されたり……でしょうか。

実際、僕が所属している課でも、似たような事案が昨年末に発生しました。
政策研究家を名乗る方が、ホームページ上で公表している補助金要綱の一部を抜粋して、あたかも補助対象が特定地域にだけ限定されているかのように見せかけ(実際は県内全域が対象)、ツイッター上で「こんな欠陥制度は許されない」と投稿したのがそこそこバズり、翌日には10件ほど苦情メールが届きました。
この事案のせいで、部局長に報告するための資料を作ったり、広報担当課と対策を相談したりする羽目になり、1.5営業日を奪われました。ただでさえ予算業務で忙しいのに……

このような事案が、今年は増えていくような気がしています。

僕が経験したこの案件は、役所側に全く非が無かったので、堂々と対応できました。
しかし、役所側にわずかでも非がある場合には(誤解を招きそうな紛らわしい文面だった等)、対応は難しいと思います。

「世の中は悪意に満ちている」という認識を常に忘れず、ガチガチに守りを固めていくことが、これまで以上に重要になるのだろうと思います。