高知市役所が来年度から研修を大幅に縮小する方向で動いています(以下PDFの26ページ目)
https://www.city.kochi.kochi.jp/uploaded/life/254392_1063460_misc.pdf
財源確保施策の最初に「研修や講演会に係る講師謝金を削減」が掲げられており、これだけで約1800万円も削減するとのこと。去年の9月に一度「研修講師を市職員に限定して講師料を削減」と報じられていた内容が、実際の予算案にも盛り込まれたようです。
https://www.city.kochi.kochi.jp/uploaded/life/254392_1063460_misc.pdf
財源確保施策の最初に「研修や講演会に係る講師謝金を削減」が掲げられており、これだけで約1800万円も削減するとのこと。去年の9月に一度「研修講師を市職員に限定して講師料を削減」と報じられていた内容が、実際の予算案にも盛り込まれたようです。
高知市では、財源不足を理由に、このほかにも事業を大幅縮小しているとのこと。
職員研修は市民生活に直接影響あるわけではなく、役所側の一存でカットできる(住民や議会との調整がいらない)「切りやすい」分野ですし、切られてもやむなしなのでしょう。
社会保障関係費が青天井で膨らんでいく中、財源に頭を悩ませるのは全国どこも同じなので、これから高知市のように研修を縮小する自治体が続々と現れそうです。
とはいえ、OJTがうまく機能していない実態を踏まえると、研修は今後も必要だと思います。
お金をかけずに効果のある研修をやっていくことが必要でしょう。
この観点で僕がかねてから有効だと思っているのが、超長時間労働の研修——災害発生直後などに発生するほぼ徹夜での勤務を、擬似的に体験する研修です。
地方公務員の真価が問われる「いざ」に備える
地方公務員という仕事は、いざという時には超長時間労働を強いられます。
典型的なのは大災害の発生時です。所属する部署に関わらず、避難所運営など昼夜問わず働く必要がある仕事に動員されることになります。近年だと、新型コロナウイルス感染症への対応で、超長時間労働を経験することになった人も多いと思います。
市町村職員であれば選挙対応も大変と聞きます。(町役場職員の妻いわく)ひとたび選挙管理委員会に招集されてしまえば、平常業務に上乗せして選管業務もこなすことになり、選挙が終わるまで土日含めて泊まり込むのが普通だとか……。選管でなくても、投票日前後にはほぼ全職員が動員されて、早朝から明け方まで投票所運営や開票作業に従事することになります。
ほかにも、議会対応や予算折衝、年度末の会計業務のような毎年恒例の長時間拘束系業務もあります。
2徹くらいの労働強度であれば、10年くらい地方公務員をやっていれば、どなたも少なくとも一度くらいは経験したことがあるのではないかと思います。
徹夜のような超長時間労働をすると、誰であれ仕事のパフォーマンスが落ちます。
ただ、どんな形で顕在化するかは人それぞれです。
- 文字情報が頭に入ってこなかったり(インプットに支障)
- 手が動かなくなったりミスが多くなったり(アウトプットに支障)
- イライラしやすくなったり(ストレス反応)
などなど、個性が表れます。
疲弊した際に表れてくる個性、つまるところ自分の弱点を自覚しないままでいると、致命的なミスを引き起こしかねません。
そのため、超長時間労働の際に自分はどのような変調をきたすのか、あらかじめ自覚しておくことは、働くうえで有効だと思います。
これが超長時間労働研修の目的です。
これが超長時間労働研修の目的です。
ちなみに僕の場合、スピードを優先しがちになり、チェックが甘くなります。
以前、災害対応と予算要求を並走せざるを得なくなった際、徹夜した後に作った予算要求書の要求額を1桁間違えていたことが後々判明して、上司と一緒に財政課へ謝罪行脚しに行きました。
この苦い経験を踏まえ、繁忙期に作った重要な書類は、ほかの人にダブルチェックしてもらうようにしています。
見出し1
僕がイメージする「超長時間労働研修」は、3日間でワンセットです。
まず初日。定時内は自分の職場で普通に仕事をします。
定時まで働いてから、研修所に移動。食事や入浴を済ませ、22時頃〜26時(AM3時)くらいまでグループワークをやってもらいます。早々と休むのはNGで、AM3時頃までは全員必ずワークしてもらいます。
グループワークの中身はなんでもいいのですが、5人くらいのグループを作って、調べ物をうえで何かしら発表する形式のものだとやりやすいかなと思います。
グループワークの中身はなんでもいいのですが、5人くらいのグループを作って、調べ物をうえで何かしら発表する形式のものだとやりやすいかなと思います。
2日目も、日中は自分の職場で普通に仕事をしてもらいます。
疲労感と眠気でパフォーマンスが落ちると思いますが、この状況を作り出すのが狙いです。
「コンディションが万全でない状態で日常業務をやろうとすると、どういう支障が出るのか」を体験してもらうのが、まさにこの研修の目的の一つだからです。
そして定時まで働いたら研修所に移動します。食事や入浴を済ませ、22時頃からまたグループワーク開始。今回もAM3時頃までは必ずワークしてもらいます。
メンバーの疲労が蓄積して、グループによってはヒリつくと思いますが、これもまた目的です。過酷な状態では自分のメンタルはどう変化するのか、そんな状態でも円滑にコミュニケーションを進めるにはどうすればいいか、身をもって経験して考えてもらいます。
3日目は、午前中にグループワークの成果を各グループから発表してもらい、午後からは帰ってもらいます。午後からは必ず帰って休んでもらうのもまた研修の目的です。長時間労働の反動がどのように身体に現れてくるのか、体感してもらうためです。
地方公務員人生として働き続けるのであれば、この程度(ほぼ2徹)くらいの長時間労働はいずれ経験することになります。いきなり本番を迎えるよりも、あらかじめ「研修」という安全な形で練習して、自分がどれくらいやれるのかを把握しておいたほうがいいと思います。
しんどい研修になると思いますが、2徹分の時間外勤務手当がもらえるのであれば僕なら喜んでやります。

コメント
コメント一覧 (2)
大災害を想定した徹夜研修はコンプライアンス上にも問題がありそうですが、東日本大震災などでは実際に対応した職員で休職者や自死もたくさん出て、私も当時ショックでしたし当時のマスコミでもかなり話題にしていました。当時の震災対応についての検証や問題提起など(最近はあまり見かけなくなってきたが?)うまく垣根を超えて情報を共有してもらいたいなと感じます。
研修をやる予算や時間がないことに加え、研修の企画立案に人員を割くのも難しいのでしょうね……研修自体が有益かどうかは置いといて、「職員教育にはリソースを割かない」というスタンス自体が、昨今の世の中では受けが悪い気がしており、採用に悪影響が出そうだな…と他人事ながら心苦しく思っています。
僕が能登半島地震の応援業務に派遣された際、「初めて避難所対応やって50時間ぶっ通しで働いたら血便が出た」みたいなことを話している職員が何人もいて、心身の限界を知らずにハードワークすることの危険を思い知りました。多少コンプラ違反になろうとも、いざという時に無知なまま特攻させられるよりはマシなのでは……というのが実務担当者の感覚です。