「NISA貧乏」というフレーズが話題になっています。



投資用資金を捻出するために生活が不安定になっている……という状況に警鐘を鳴らすためのフレーズのようですが、NISA含め金融商品への投資は消費ではなく「将来の消費に備えてお金を回している」だけなので、「貧乏」という言葉を使うのはどうも違和感があります。トータルの資産的には減っていないわけで……。
「NISA修行僧」あたりのほうが個人的にはしっくりきます。

若いうちのお金の使い方は、昔からよく議論されるテーマです。
「複利効果を発揮するために若い頃から積極的にリスク資産に投資すべき」という人もいれば、「若い頃は自己研鑽や経験・思い出づくりのためにガンガン使うべき」という人もいます。

若手地方公務員のお金の使い道について、これまで何度か記事にしたことがありますが、アラフォーに差し掛かり「若手」を完全に脱した今、改めて考えをまとめてみようと思います。

若いうちは蓄財を優先すべき(不動の結論)

僕は以前から「若いうちは蓄財を優先すべき」というスタンスです。
この考えは今も変わっていません。冒頭で取り上げた「NISA貧乏」は、賢い選択だとすら思います。





理由はただ一つ。
地方公務員程度の収入では、結婚や子育てといった「順当とされるライフイベント」をこなすだけでお金が尽きていき、結婚するまでの間でないと、そもそも貯蓄ができないからです。

7年前に「地方公務員2馬力家庭でも子どもが生まれたら赤字になる」という記事を書きましたが、今も状況は変わっていません。むしろ物価上昇の影響を直撃して赤字幅が拡大しています。

さらに、地価上昇や住宅費高騰も非常に激しく、マイホームを取得するとなると、住宅ローンの返済が家計を圧迫します。
もはや地方公務員は「新築で家を建てる」「マンションを一次取得する」という選択を諦めるべきではないかとすら思うくらいです。

つまり、地方公務員程度の収入では、真っ当なライフコースに乗ってしまうと、日々の生活費を賄うだけで精一杯で、蓄財に回す余力もなくなるのです。
このような窮地に追い込まれる前にちゃんと蓄財しておかないと、生活防衛資金すら確保できないおそれがあるのです。投資以前の問題です。

「裏金」で中年時代の精神衛生を確保する

生活費だけで収入が全部飛ぶということは、趣味や娯楽に使うためのお金もなくなるわけです。

どれだけ貧しい趣味生活を送っているか、ひとつ事例を紹介します。

最近、職場の読書サークルみたいなものに混ぜてもらうようになりました。
読書会を開いたりするわけではなく、図書館で借りようとするととんでもなく待たされるベストセラー系(最近だと『プロジェクト・ヘイル・メアリー』とか)を中心に、メンバーの誰かが購入して、回し読みをする集まりです。

なんでこういう集団が存在するかというと……本を買うお金が無いからです。
文庫本すら購入を躊躇する。これが既婚地方公務員のリアルな姿です。

一方、僕はオタクであり、コンテンツを摂取しないと死んでしまいます。
漫画や音声動画コンテンツ、イベント配信などなど……グッズは一切買わないとはいえ、年間15万円は欲しいところです。
僕も結婚したことで可処分所得が激減し、個人的趣味のために給与から15万円使うのは至難の技なのですが、「裏金ファンド」のおかげで生き延びられています。

僕は証券口座を2つ持っています。
ひとつは外国株中心の積立投資をしています。この口座で今も細々と新NISAを続けており、妻にも存在を明かしています。なお独身時代のような個別株投資する余力は無くなりました……
もう一つは配当利回り重視で日本株投資を運用しています。これが「裏金ファンド」で、妻には隠しています。結婚前に資金を移動して、年間20万円(税引後)の配当金が振り込まれるようになっています。

「裏金ファンド」は、僕の20代の節制の賜物です。
もしオタク趣味を卒業することがあっても、「自由に使える20万円がある」という精神的余裕は大きいと思っています。きっとプアーな中年時代を支えてくれるはずです。

僕みたいな裏金運用(笑)するかどうかは別として、「中年時代に消費するためのお金を確保する」という観点でも、若いうちの蓄財は重要だと思います。
世間的には「若いうちこそお金を使うべき」という風潮が強いですが、地方公務員みたいに「若いうちにお金を使うと中年期は全然使えなくなる」という制約条件がある場合は、必ずしもそう言い切れないと思います。