「公務員 名刺」で検索すると、公務員は自腹で名刺を作らなきゃいけないから出し惜しみする」という記述がたくさんヒットします。

たいていの自治体において、これは事実です。
国の場合も、かなり当てはまります。

もちろん、例外もあります。
僕のような観光系の部署であったり、産業振興系のような民間企業と共同で仕事を進める部署では、名刺は重要な仕事のツールです。バンバン配ります。

それでもやはり自腹です。

僕の場合、
今年に入って既に名刺印刷代だけで1万円以上使っています。
(過去の部署では、名刺はカラープリンターで自作していました)


地方公務員に名刺は不要?

地方公務員の多くは、
制度や法令を執行するための仕組みの一部として仕事をしています。そのため、名刺を差し出して職員個人のPRをする必要は薄いです。

たとえば、僕が建設業許可の窓口担当だとしましょう。
申請者にとって重要なのは、僕という個人ではありません。窓口という機能が重要です。
つまり、僕の役職がどうであろうと、名前がどうであろうと関係ないのです。いっそ機械であっても構いません。
単に連絡先が知りたいだけなら、電話番号表を配布しているので、それをお渡しすれば済みます。

……という説明を入庁当時に受けたのですが、いまいち共感できずにいます。
確かに窓口業務の担当者が名刺を渡す必要は無い(銀行の窓口担当がお客さんに名刺を渡さないのと同じ)とは思いますが、相手も名刺を出してくるのであれば、交換するのがマナーかなと思ってしまいます。

先に例外として挙げた観光や産業振興の仕事は、仕組みというよりも人間味が強いです。こういった業務では、担当者どうしの個人の付き合いが重要になるので、公務員もしっかりと自分をPRしなければいけません。


なぜ自腹なのか?

僕が勤める県庁では、過去の監査で「公務員は自分個人をPRする必要が無いので、名刺は不要。よって、公費で名刺を作るのは不適切」という指摘がなされて以来、名刺は自腹で作ることになりました。
外部有識者から断じられてしまうと、とことん弱いんですよね……
いつの監査なのかはわかりませんが、ここ10年くらいは自腹で作り続けているようです。

このあたり、他の自治体の事情も気になるところです。

最近は名刺という媒体が広告宣伝に使えるのでは?という可能性が注目されていて、広告宣伝ツールとして職員の名刺を作成してくれる自治体も出てきているようなので、うちも早くそうなってくれることを祈っています。

【2019.9追記】
名刺をもらう機会は結構多いんですよね。
ただ、もらって名刺は職場の共有物扱いになるので、僕は別途名刺管理アプリで保管しています。
収集癖持ちオタク地方公務員の名刺アプリ利用状況とは?