地方公務員の行政職は、いろいろな部署を経験します。
実際、自分も防災→総務(法規系)→観光と異動してきて、それぞれの部署の考え方の違いや、必要とされる知識やスキルの違いに驚きました。
過去の配属部署で学んだ内容が次に生きることは、あまりありません。
防災担当の時に必死に学んだ「暴風雨の中でもロープを川の対岸まで投げ届ける方法」なんかは、異動後は全く使いません。飲み会の話題としては大活躍の鉄板ネタなのですが……業務には役立っていません。
とはいえ、同じ役所内で働いていく以上、どの部署でも共通して必要となる知識・スキルも存在します。
その一つが「地名」、特に大字(おおあざ)知識です。
地名そのものは、インターネット検索すれば一瞬でわかります。
ただ、地名とその地域の大雑把な特徴を暗記していると、検索する手間が省けて業務効率が上がるだけでなく、対外的なコミュニケーションがうまく回ることが多々あります。
地方公務員は、自治体という空間を管理する仕事としての側面もあります。働くうえで、地名から離れることはできません。どこの部署でも、毎日地名が飛び交っています。
(物品調達やシステム担当だと、聞こえてこないのかも……)
僕の場合は、防災部署にいたころに、徹底的に叩き込まれました。
防災担当部署には、住民から様々な通報が寄せられます。
「○○町の歩道の手すりが危ない」「○○町▲丁目にハチの巣がある」……等々、地名+症状のセットが連日届きます。これらをずっと聞いているうちに、自然と地名知識が身についていきました。
自分の居住地や出身地を披露したとき、相手から特別な反応があると、不意に嬉しくなってしまうものです。
「ああ○○町ですか、水曜日しかやってないパン屋さんがあるところですよね」みたいに、間髪入れずに知っている風に返答されたら、ついつい相手に好印象を持ってしまうこと、経験があるのではないでしょうか?
仕事をしていても、同様の現象がよく発生します。
特に、観光系の仕事で外部団体や地域住民に接触するときには、効果抜群です。
観光業に関係している方は、たいてい地域に強い愛着を持っています。初回の顔合わせで少しマニアックな話題をこちらから切り出せば、単に仕事の必要に駆られてではなく、相手方に少なからず関心があることを示せ、ゆくゆくの良い関係形成につながっていると感じています。
どういう単位で地域を区切るのがベストかは、自治体によって異なるでしょうが、地方の県庁であれば大字単位が一番話題に上ると思います。市町村役場の場合は、もっと細かいかもしれません。
東京だと駅単位で区分するのが一般的ですが、地方だと広域的すぎます。
僕が大字を重視する理由は、単に経験則です。
防災部局に限らず、住民からの電話では、たいてい市町村名は省略され、いきなり大字を名乗られます。
ここで市町村名を尋ねると、「なんでわからないんだ」と怒られることも多々あります。
この経験から、同じ県内の人間に対しては大字でコミュニケーションをとるのが多数派なのだろうと、僕は考えています。うちの県だけかもしれませんが……
地方公務員として働いていると、聞き耳を立てていなくても、ディープなローカル情報が入ってきます。
今はただの雑木林になっている場所が、かつて広大な養豚場だったとか、明治期に資産家が道楽で造った公園だったとか……
いろんなジャンルのローカル豆知識を収集できるという意味では、部局をまたがる異動というのも楽しいのかもしれません。
実際、自分も防災→総務(法規系)→観光と異動してきて、
過去の配属部署で学んだ内容が次に生きることは、
防災担当の時に必死に学んだ「
とはいえ、同じ役所内で働いていく以上、
その一つが「地名」、特に大字(おおあざ)知識です。
地名そのものは、インターネット検索すれば一瞬でわかります。
ただ、地名とその地域の大雑把な特徴を暗記していると、
地名知識がどう活きるか:防災部局の場合
地方公務員は、
(物品調達やシステム担当だと、聞こえてこないのかも……)
僕の場合は、防災部署にいたころに、徹底的に叩き込まれました。
防災担当部署には、住民から様々な通報が寄せられます。
「○○町の歩道の手すりが危ない」「○○町▲
地名知識がどう活きるか:観光部局の場合
自分の居住地や出身地を披露したとき、
「ああ○○町ですか、
仕事をしていても、同様の現象がよく発生します。
特に、観光系の仕事で外部団体や地域住民に接触するときには、
観光業に関係している方は、
どうして大字単位なのか?
どういう単位で地域を区切るのがベストかは、
東京だと駅単位で区分するのが一般的ですが、
僕が大字を重視する理由は、単に経験則です。
防災部局に限らず、住民からの電話では、たいてい市町村名は省略され、いきなり大字を名乗られます。
ここで市町村名を尋ねると、「
この経験から、同じ県内の人間に対しては大字でコミュニケーションをとるのが多
地方公務員として働いていると、聞き耳を立てていなくても、ディープなローカル情報が入ってきます。
今はただの雑木林になっている場所が、
いろんなジャンルのローカル豆知識を収集できるという意味では、
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