民間企業と同じく、新規採用された地方公務員は、まずは初任者研修を受けることになります。

ただ、民間企業よりも量質ともにあっさりしている自治体が多いようです。


僕のときは、3日間の研修で、基本的なビジネスマナー講座と、県庁各部署の主要施策の講義があっただけで、「実務的なスキルは部署によって全然違うので、各配属先で先輩から教わってくれ」という説明がされていました。

研修として有益だったとは正直言い難いです。同期職員との顔合わせの機会だと思えばそんなものですが……


部署によって必要となるスキルが全然違ってくるのは事実です。
かと言って、どこの部署でも必要となる普遍的なスキルが存在しないかといえば、そんなことはありません。
実際に僕が5年間の勤務で3つの部署を回ってみて、どの部署でも必要となるスキルで、かつ勉強して早々に身につけるべきなものも、確かに存在すると思いました。


あくまで5年間の経験に基づくイキッた見解です。将来見返したら恥ずかしくなること覚悟の上で書いてみます。

※3/10 「天気予報の読み方」を追加しました。


法令の読み方

幸い、名著があります。こちらをまず通読して、なんとなく感覚を掴んでから、実務中に疑問に思うたびに参照すればよいでしょう。



新版もあります。



以下2冊も大変有用ですが、鵜呑みにはできないところもある(安易に反対解釈を適用できなかったり)ので、半年くらい経って慣れてきたら読むと良いでしょう。




公用文の書き方

公用文には、通常の文章とは異なる作文のルールがあります。

知らなくても業務自体はできるんですが、少しでも法的拘束力のある文書を作るときには、知っておいたほうが無難です。


こちらもガイドラインがあります。

まずは軽く目を通して、実務中に随意参照して身につけていけばいいでしょう。

文化庁ー公用文の書き方資料集
文化庁―国語施策情報

デジタルカメラの使い方

これだけちょっと毛色が違い、キモオタクっぽくなりますが、上二つと同じく必要です。

業務からインターネットを使った情報発信が欠かせなくなった今、どんなものにも写真素材が必要とされています。

いきなり一眼レフを渡されて「広報用の首長の写真をとれ」と言われることもあるでしょう。そのときに露出の仕組みを知らずにぶれまくった写真しか撮れずに大目玉を食らったケースを何度も見てきました。

このことは別記事で詳しく書きたいと思います。


天気予報の読み方(2018/3/10追加)

意外かもしれませんが、どんな部局の業務であっても、天気予報が結構な割合で絡んできます。
だれでも手軽に確認できる天気予報ですが、実はかなり独特の用語法が使われていて、性格に意味を理解できている人は少ないと思われます。
「降水量0ミリ」は「雨が降らない」ではなく「0.5ミリ未満の雨が降る」という意味だったり。

気象庁のホームページに用語法が載っているので、必要に応じて見ていけばよいと思います。
気象庁―予報用語

あとは、自分の勤める自治体の注意報・警報の基準を押さえておけば、ばっちりでしょう。
気象庁―警報・注意報発表基準一覧表



パソコンの使い方も入れようかなと迷いましたが、これは体系的に勉強するものというよりは、必要になったときに少しずつ身につけていけばいいのかなと思い、入れませんでした。

「どの部署でも役立つ『普遍的な』スキル」と言いつつも、回答者の異動歴によって全然答えが違うんだろうなとも思います。
僕は一度も庶務・経理を経験したことがないので、こういう回答になりましたが、一度でも担当していたら「何よりも簿記だよ簿記!」って言ってそうな気がしたり。
冒頭にも書きましたが、「あくまでも採用5年目の意見」ということでお願いします。