キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

カテゴリ: 公務員になるまで

地方公務員志望者にとって、「自分が本当に地方公務員に向いているのかどうか」は、非常に気になるポイントでしょう。

地方公務員になるには、筆記試験対策のために、貴重な時間とお金を投じなければいけません。
そのため、「せっかく就職したのに向いていなくて退職した」あるいは「向いていなくて毎日苦痛」という事態を避けたく思うのは必然でしょう。
楽しく働きつづけられなければ、いわば「投資に失敗」なのです。

地方公務員は部署によって業務内容が異なり、求められる能力も適性も異なります。
ある部署には向いていなくとも、別の部署にはピッタリ嵌ることも多いです。
「あいつ観光課は適任だったけど環境課には向いていないよね」みたいな会話は日常茶飯事です。

とはいえ、どんな部署でも影響してくる「普遍的な適性」も、僕は存在すると思っています。
なるべく網羅的に紹介していきたいと思います。


重要度★★★:心労祟って辞めざるを得ないかも……

まずは、役所という職場環境に致命的に向いておらず、休職・離職のリスクが高いタイプから触れていきます。

「地方公務員はガツガツしておらず穏やか」という印象を持っている方も多いかもしれません。
実際、地方公務員には穏健な人が多いと思います。

しかし、「働いている職員が穏やか」だからと言って、「役所という職場も穏やか」とは限りません。

役所勤務では、公務員以外の方々とも多々接触します。
「役所稼業で接触する公務員以外の方々」は、むしろ過激派・激情派が多いです。

「のんびりして穏やか」な職場を期待して地方公務員になった方は、面食らうと思います。
そして、意外と激しい職場環境に順応できなければ、働き続けられないでしょう。


粗暴な言動が無理

役所は常に外部からの暴力に晒されています。
形式は様々です。
窓口で暴れたり、電話越しで脅迫してきたり、出張先でモノを投げつけられたり……事例を挙げだすとキリがありません。

こういう粗暴な言動とは、どんな部署にいようとも遭遇します。
遭遇頻度は部署によってかなり異なるとはいえ、無縁な部署はありません。

たとえ役所外部とは一切関わりのない内部管理専門の部署であっても、「お前らが無駄な仕事を作るせいで現場の仕事が遅れるんだ、お前らは社会の癌だ!」みたいな罵倒が定期的に飛んできます。

実際に肉体的暴行を受けることまでは滅多にありませんが、
  • 怒鳴られる
  • 大きな物音を立てられる(机を叩く、椅子を蹴飛ばす等々)
  • モノを投げつけられる
  • 威圧的態度(机に足を乗せる、唾を吐く等々)
  • 暴行のポーズを見せられる(拳や杖を振り上げる、手指の関節をポキポキ鳴らされる、目の前で空き缶を握り潰す等々)
  • 睨まれる
  • 舌打ちされる
少なくともこのあたりの粗暴な言動とは、地方公務員として働く以上、新規採用時から退職するまで、ずーっと付き合わざるを得ません。



僕自身、就職前は「怖いなあ」と不安だったのですが、今のところはなんとかなっています。
役所には暴力対処のノウハウがきちんと蓄積されており、数をこなすうちにどんどん耐性が出来上がってきます。
暴力耐性という意味では、確実に成長できていると思います。



地方公務員として働き続けるには、暴力耐性は必須です。
普通に勤務していれば自然と身につきます。

ただ、物音にものすごく敏感だったり、暴力に対して強い忌避感がある方もいらっしゃると思います。
そういう方は確実に地方公務員に向いていません。
耐性が身につく前にトラウマを抱えてしまい、メンタルがもたないでしょう。
僕の勤務先県庁でも、これが原因で毎年1人は新人が辞めているようです。


感受性が強すぎる/共感しすぎる

行政サービスの主要顧客は「困っている人」「苦しんでいる人」です。
人生順調で健康でハッピーな方は、基本的に役所には用がありません。

この傾向は、部署を問わず共通します。
生活保護や国民健康保険のように「セーフティネット」として明確に位置付けられている行政サービスのみならず、産業振興や観光のような一見前向きな分野であっても、救済的要素の強い施策がたくさんあります。(制度融資あたりが典型でしょう)

そのため、地方公務員として働く中で出会う人は、何らかの苦悩を抱えている方が多いです。
彼ら/彼女らの苦悩を、施策を用いて解消することが、まさに地方公務員の仕事といえるでしょう。

他者の苦悩を解消するためには、まずその苦悩を知るところから始めます。
苦悩の原因となった哀しい過去、今まさに感じている負の激情、世の中の理不尽に対する怒りと嘆き……等々、たくさんの「暗い情報」をインプットしなければいけません。

というよりも、役所にいると「人々の苦悩」や「暗い情報」が自然と耳に入ってきます。

感受性が強く共感性の高い方は、日々舞い込んでくる「人々の苦悩」「暗い情報」を処理しきれない危険があります。
悲しいニュースを見聞きするたびに気が滅入ってしまうようなタイプの方は要注意です。
役所という職場は、その悲しいニュースを毎日無理やり聞かされるような環境です。

個々の案件に心を痛めていたら、どんな強者でも精神が保ちません。 
他者の苦悩に対して機敏すぎると、地方公務員は続けられないでしょう。


重要度★★:うまく仕事をこなせず辛いかも……

続いて、地方公務員の業務特性と能力的に合わないタイプに触れていきます。
「仕事ができない奴」との烙印を押され、肩身の狭い思いをしかねないタイプです。

文章を読むのが苦痛

公務員は毎日、大量の文章を読まなければいけません。
メール、法令、通知文、マニュアル、参考書籍、外部から提出された申請書などなど……文章の形式は色々、書き手も色々です。
読みやすい文章もあれば、小難しくてわかりにくい悪文もあります。

文章を読むのが苦痛であれば、地方公務員の仕事も苦痛そのものでしょう。
文章読解が苦手で時間がかかる方は、それだけ業務に時間がかかることになります。
文章が嫌いな方は、業務時間中ずっとストレスを感じるでしょう。
何より、文章の意味を理解できなければ、仕事が進みません。

地方公務員実務で触れる文章と比較すると、公務員試験の問題文のほうがはるかにわかりやすいです。
正解がひとつに定まるよう、細心の注意を払って作文されているからです。
「問題文を読むのが苦痛」と感じている方は、採用された後も苦労すると思います。


スケジュール管理(イレギュラー対処含む)が苦手

地方公務員の仕事の多くは、定量的な成果を求められません。
「やれば終わる」ものがほとんどです。
そのため、いかに「きちんとやる」か、無理なく無駄のない段取りを組むことが非常に重要です。

ここでいう段取りとは、一日または一週間程度の短期間の予定管理から、数年単位のプロジェクト全体の舵取りまで、あらゆる時間的スケールを含みます。
長期間の段取りスキルが必要な職員はごく少数でしょうが、短期間の段取りは職員全員に求められます。

段取りが重要……とはいえ、地方公務員の仕事はいつも他律的です。
役所の内(上司や他部署)からも、役所の外(住民やマスコミ)からも、急な案件がどんどん降ってきます。

そのため、どれだけ完璧な段取りを組んだとしても、すぐに崩されます。
たった1日でさえ目論見通りには過ごせません。予定の7割も達成できれば良い方でしょう。
当初の段取りが崩れても、柔軟に動いてリカバリーしなければいけません。

つまるところ、地方公務員であるなら、どんな部署に配属されようとも
  • 締切日から逆算して仕事の段取りを組み
  • それに従って仕事を進めていきつつ
  • イレギュラーが発生して段取りが崩れても臨機応変にリカバリーして
  • 締切には必ず間に合わせる
こういう一連の流れが連日発生します。

この流れを苦手に感じるタイプ、例えば
  • 計画を立てるのが苦手で万事行き当たりばったりなタイプ
  • 計画が狂うのが苦手で慌ててしまうタイプ
こういった方は、毎日強いストレスを感じるでしょう。
周囲からも、たとえ仕事の成果のクオリティが高くても、「困った人」扱いされかねません。


「外界をシャットアウト」しないと作業できない

役所という職場は、集中しやすい環境からは程遠いです。

まず何より雑音だらけです。
電話は鳴り放題ですし、常時誰かの喋り声(ときには怒鳴り声)が聞こえてきます。

視界にも余計なものがたくさん映ります。
周囲には他の職員が大勢いてお互いに挙動が丸見えです。
職員以外のお客さんもいらっしゃいます。

このような環境下のため、多くの地方公務員は「集中」をそもそも諦めており、せいぜい50%くらいの集中力で仕事をこなせるように最適化されていると思います。
集中せずとも、「ながら作業」で大抵の仕事を回しているのです。

「物音や他人が気になると集中できず、集中しないと作業が手につかない」というタイプの方は、役所だとかなり苦労すると思います。

集中力全開でバリバリ仕事をしたいのであれば、そういう労働環境がきちんと整っている民間企業に進んだほうが幸せだと思います。
喫茶店や図書館でイヤホンをつけて公務員試験の勉強をしている若人を見かけるたび、お節介ながらも「イヤホン外してノイズの中で勉強したほうが実務でも役立つんだろうけどな……」と心配になります。

重要度★:楽しい役所生活を送れなさそう……

「地方公務員はつまらない人間ばかり」とか「つまらない人間しかいないから役所組織もつまらない」みたいな意見をよく見かけますが、僕を含めて「地方公務員の生き様」や「役所組織のメカニズム」を面白がっている人は結構います。

役所そのものを面白がれなければ、地方公務員生活の充実度はかなり下がってしまうと思います。

他人に興味がない

役所はそれなりに大所帯の組織です。
人間観察が趣味というタイプにとっては動物園のように楽しめるでしょう。
特に「出世レース観戦」「キーパーソン観察」は、個人的にものすごく面白いです。

役所は年功序列の組織で、よほどのことがない限り年齢横並びで昇進していくのですが、それでも出世レースは確実に存在しています。
同じ役職の中でも明確に序列があり、例えば同じ「主任」であっても、主要ポストの主任とどうでもいい主任は、職責の重さも庁内発言力も段違いです。

そして役所は、少数の「主要ポスト」職員がモーターとなり、他の大多数の職員を歯車として回しているような組織です。
主要ポストに誰が就くか次第で、業務量も判断内容も雰囲気も一変します。

つまるところ、他の職員に関心を持てば持つほど、役所組織全体の仕組みが見えてくるのです。


この項を読んで「悪趣味だなあ」とドン引きした方はおそらく正常です。
しかし地方公務員人生では、その正常さがかえって仇になります。

地方公務員には人間観察愛好家が多いです。
アンチ人間観察派だと周りの職員が気持ち悪くて仕方ないでしょうし、何より役所組織最大の娯楽を享受できないわけで、非常にもったいないと思います。

政治的駆け引きに興味がない

役所のトップである首長は、選挙で選ばれた存在であり、紛れもない政治家です。
そして地方公務員は首長の部下、つまるところ政治家の部下です。
否応無く政治の片棒を担がされます。

実際、地方公務員の仕事には政治的動向がガンガン絡んできます。
最も典型的なのは「議員から無理強い」でしょう。
ほかにも様々な形態があります。

政治的駆け引きへの対応はかなり面倒です。
しかし、そこで一手間かけて、これまでの経緯や関係者のプロフィールを調べてみると、政治的駆け引きは「ショー」へと一変します。

役所が関わる分野は幅広く、持ち込まれる政治的案件数も多いです。
本来は役所は関係ないはずの、あくまでも民間人どうしの権力闘争ですら、様々な意図をもって役所を巻き込もうとしてきます。

だからこそ、政治的駆け引きを「ショー化」して見世物として楽しめるタイプは楽しいですし、単に「面倒だ」「薄汚い」と思うだけならストレスが絶えないでしょう。


重要度★:労働環境・働き方に不満を持ちそう……

役所の労働環境は、大卒者が就職するような民間中堅〜大手企業よりも劣ります。
働いているうちに慣れるものですが、中には許容できない人もいるでしょう。

バリバリ稼ぎたい

稼ぎたいのであれば民間企業に就職してください。
特に20代のうちは、バイトを詰め込んだほうが稼げると思います。



やりたい仕事がはっきりしている

これまでも散々言われているとおり、地方公務員の配属は完全に運です。
携わりたい分野があったとしても、その担当者になれる保証はどこにもありません。

加えて、もし念願叶ってやりたい仕事の担当者に着任できたとしても、自分の意向を実現できるとは限りません。

日本は民主主義国家であり、「何をどうすべきか」を決めるのは国民です。
国民が決めたことを粛々と実現するのが公務員の役割であり、公務員の意思によって「何をどうすべきか」を変えることはできません。

そのため、もし希望の仕事を担当できても、民主主義的決定の内容と自分の意向が一致しない場合は、むしろ「やりたくないこと」を強いられます。

例えば、「農産物のブランド化を進めたい、そのために研究開発を支援したい」という大望を抱いて地方公務員になり、幸運にも農業振興担当に着任した職員がいるとします。
一方、地元農家たちは「ブランド化しても競争激しいから、加工食品向けのノーブランド品目を大量生産していきたい、だから生産設備の補助が欲しい」という意見でまとまったとします。

この場合、優先されるのは地元農家の意見です。
職員は、「ブランド化」という自分の理想とは正反対の「大量生産」のために、仕事をしなければいけません。

地方公務員への就職には、「やりたい仕事に関われない」リスクのみならず、「やりたい路線とは真逆のことを強いられるかもしれない」リスクも存在するのです。

教育を受けたい

地方公務員には、体系だった教育を受ける機会が存在しません。
(税関係だけは例外で、中長期のがっつりした研修もあるみたいです)

とはいえ地方公務員は学ばなくてもなんとかなる仕事……というわけではなく、常に自学自習(自腹&業務時間外)が求められます。
  • 「何を学ぶか」という科目設定
  • 「何を使って学ぶか」という教材設定
  • 学びを継続するための自律心
こういった要素が求められます。

自学自習ではなく、しっかり教育を受けたいのであれば、大手の民間企業のほうが良いと思います。

残業は絶対したくない

「役所は9時5時、残業なし」という通説をいまだ信じている方はさすがにいないと思いますが、「残業が少ないから」という理由で地方公務員を志している人は少なからずいると思います。

地方公務員の残業事情は人それぞれです。
同じ課内でさえバラつきがあります。

「残業がほぼないポスト」もありますが、そこに座れるのは特殊な事情のある職員のみです。
乳幼児を抱えているとか、家族の介護とか、自身の健康の事情とか……
普通の職員が「残業のない部署に行きたいです」と主張したところで到底叶いっこありません。


一人で黙々と作業したい

「地方公務員といえば単純作業」というイメージを持っている方もいるかもしれません。
実際、書類の誤字を探したり、エクセルに延々と数字を入力したり……といった一人で行う単純作業も少なからずありますが、そういう仕事はどんどん外注したり非常勤職員にお願いするようになっています。

正規職員の仕事の多くは、なんらかのコミュニケーションです。
民間企業のように、高度な「トーク力」や「プレゼン力」が必要なわけではありませんが、少なくとも定時内は延々と他者とコミュニケーションを取り続ける必要があり、コミュニケーションが面倒だというタイプにとっては煩わしいことこの上ないでしょう。

「一人でコツコツ作業するのがメイン」という働き方を希望するのであれば、役所はおすすめできません。


僕と同じ年次に入庁した職員(いわゆる同期)の中には、東大・京大といった超高偏差値大卒業生が5人弱います。
(以下、入学偏差値の高い大学=上位大学、と表記します)

他愛ない雑談の中で、上位大学出身者には度々「○○大まで行ったのにどうして地方公務員になったの?」「せっかく○○大卒なのに地方公務員なんてもったいないよね~」という質問が投げかけられています。

個人的にこれはガチなタブー発言だと思っています。
上位大学出身者は、県庁が第一志望の就職先とは限りません。
国家総合職や民間大手企業、資格専門職(弁護士、公認会計士など)といった地方公務員よりも就職難易度の高い職にチャレンジしたものの敗退して、次善の策としてやむなく地方公務員になったのかもしれません。

そのため、自分自身が一番「どうして……」と思い悩んでいるかもしれませんし、本心では「もったいない」以上のドロドロした感情を抱いているかもしれません。
うかつに出身大学をネタにして軽口を叩いてしまうと、彼ら彼女らの心の傷を抉りかねないのです。

こうした発言には別の危険もあります。
「どうして?」「もったいないよね~」発言に対し、もし正直に「他が駄目だったから県庁に入った」と答えられてしまえば、県庁を第一志望に頑張ってきた多数派はプライドが引き裂かれてしまいます。
歓談の場が冷め切って、後にも尾を引く内部分裂が生じてしまいかねません。

僕の周囲にいる上位大学出身者は幸いにも人格者なので、同期どうしの宴席のような大勢が集まる場では「他が駄目だったから県庁に入った」とは決して言いません。
とはいえ面白い返しがあるわけでもなく、会話がストップして微妙な空気になります。

とはいえ「上位大学出身なのに地方公務員になるのはもったいない」と感じる気持ちはよくわかります。


地方公務員でなければ活かせるのに……

上位大学を卒業するメリットは、「○○大学卒」という肩書だけではありません。
人間関係、学識、習慣、思考方法、センス、振る舞い……等々、上位大学で学生生活を送り卒業しないと身につかないものがたくさんあると思います。

「○○大学卒」という肩書の価値は落ちてきているのかもしれませんが、こうした上位大学に身を置くこと
で得られる諸々の価値は、いまだ衰えていないでしょう。
 
  • 中位以下の大学だと何も見につかない
  • 中位以下の大学で身につくものは無価値or価値が低い
という意味ではありません。

価値の貴賤は置いといて、
  • 上位大学でないと身につかないものがある
  • それらが活きる場面は数多くある
というだけです。

しかし、地方公務員という仕事は、上位大学卒業者ならではの諸価値が活きにくい職業です。
学識や小難しい日本語の読解力は確実に役立ちますが、それ以外はなかなか日の目を浴びないでしょう。


特に田舎だと、せっかく築いた人間関係が全然活きません。
むしろ地元大卒業者の人間関係のほうがはるかに重宝されます。

極端な話、たとえ七大商社全てにコネクションがあろうとも、全然活きてきません。
それより地場スーパーとのコネクションのほうがずっと重要です。


僕が感じる「もったいない」ポイントはまさにここです。
地方公務員以外の仕事では大いに役立つはずの「上位大学卒業者ならではの諸価値」が、地方公務員になってしまったがために活かしきれないのです。

地方公務員稼業だけが人生ではない

とはいえ、あくまでも「これまで」活かせていなかっただけで、これからは活用のチャンスがあるのかもしれません。
それに何より、「上位大学卒業者ならではの諸価値」は、仕事だけでなくプライベートにも活きてくるものです。
 
仕事だけが人生ではありません。
「仕事で活きないから」という理由だけで一概に「もったいない」と決めつけるのは早計だと思います。
もったいないかどうかを決めるのは当人であり、まわりがとやかくコメントする案件ではないでしょう。

たいていのオタクはタイムリープ作品が大好きです。
鳥の雛の「刷り込み」のごとく、一番最初に触れたタイムリープ作品がオタク観構築に強く影響を及ぼすとも言われています。

自分がタイムリープしたらどうするか?というシミュレーション(妄想)も大好きです。

というわけで、僕が今の記憶を保ったまま大学生3年生の春頃に戻ったとしたら、果たしてどんな就職活動をするだろうか、考えてみました。

まずは民間特化就活

1年目は民間就活に特化します。公務員試験は受けません。

これまで何度もネタにしているとおり、僕は約20社の民間企業にエントリーして全滅しました。
本当はもっと受けるつもりだったのですが、諦めて公務員路線にシフトしました。
戦略的撤退です。

東京本社の一流企業から地元地銀まで満遍なく落ちました。
当時は「キモメンだからだ」とヤケになっていましたが、今となっては落ちて当然だと思います。

まず、当時は民間企業のことをあまりにも知らなさすぎました。

  • 営業職は常にノルマに追われて大変
  • とにかくコミュニケーション能力とリーダーシップが求められている

この程度の認識しかありませんでした。

業界研究・企業研究らしきものも一応やってはいましたが、採用プロセス(面接の回数など)と待遇面ばかり調べていて、財務状況やビジネスモデルは全然見ていませんでした。

こんな体たらくではろくに志望動機が組み立てられるはずがなく、面接官に評価されるわけがありません。

しかも僕の場合はキモメンというディスアドバンテージを背負っているわけなので、しゃべりの中身でしっかり挽回しなければ合格するわけがありません。
 

加えて、志望業界も志望企業もはっきりしていませんでした。

当時は東日本大震災のせいで新卒採用数が絞られていたうえ、大手企業でも試用期間中に新卒者を解雇するケースがたびたび発生していて、新卒採用という意味ではコロナ禍の今よりも酷かったかもしれません。

そのため僕は「ブラック企業以外ならなんでもいい」という高望みしないスタンスで、「やりたい仕事を考えるなんておこがましい」とすら思っていました。
面接中も正直「安定した給与と休日さえもらえるなら何でもやりますよ!!!!!」と叫びたかった。

今から思い返せば、この高望みしないスタンスが失敗だったのでしょう。
心の底から「ブラック労働以外ならなんでもいい」と思っていたために、個社の志望動機に気持ちが乗りませんでした。
そのせいで面接官側からすれば「志望度が低いんだろうな」と思われていたでしょう。

さらに先述したとおり、企業研究が足りていないので話す中身も薄っぺらい。外見も駄目。
どこにも採用されるわけありませんよね……

今の自分であれば、株式投資のおかげで当時よりは民間企業に明るくなりましたし、業界研究・企業研究の方法も身に付きました。

それに何より志望業界が見えてきました。 
過去記事でも触れたことがありますが、僕は「『当たり前』を『当たり前』のまま運用する」仕事に強いやりがいを感じます。

 
民間企業でいえばインフラ業界です。
中でも通信業界は、これからどんどん重要性が増していきますし、改善の余地も大きい分野です。
これからの時代のニューノーマル、新しい「当たり前」を作っていく仕事であり、一生を賭するに値すると思っています。


もう一度新卒就活をやり直したところで、キモメン口下手というディスアドバンテージは相変わらず重くのしかかってくるわけですが、今の知識と熱意を引き継いだ状態であれば、当時よりはまともな志望動機を組み立てられるでしょうし、面接でも喋れるはず……

また民間全滅したら公務員を目指す

大学4年の9月頃まで民間就活一本で突っ走って、どこからも内々定が出なければ、おとなしく留年して公務員試験に切り替えます。

志望順位はこんな感じ。
  1. 国会図書館
  2. 東京都庁
  3. 出身地県庁(現在の勤務先)
  4. 国家一般職(地方整備局、農政局、経済産業局)

今の勤務先が嫌なわけではありませんが、待遇面を考えると国会図書館や都庁のほうが勝ります。
市区町村は受けません。過去の記事でも触れましたが、性格的に続けられなさそうです。



今の職場には十分満足していますし、もう一度ここに就職するのも大いにアリですが、本音ではもっと「やりがい」と「待遇」を追求したいです。

ただし、現状を捨ててまでチャレンジするほどの勇気はありません。
あくまでも「大学3年生の春頃に戻れたら」という奇跡が起こった場合の仮定の話です。

ここまで書いてふと気づいたのですが、僕の大学時代は1ドル70~80円台という超絶円高ドル安でした。
このころにFXを始めてドル買いポジションをとっておき、2015年に1ドル120円台まで上がったときに売れば、労せずして莫大な儲けが出ます。
これを種銭にして仮想通貨を買い、2017年末のピークで売却してさらに種銭を増やし、2020年春の暴落時に株を買えば……今頃は軽く個人資産2億円を超えます。夢が広がりますね……

インターネット上には、地方公務員になったことを後悔している方が大勢います。
後悔を通り越して退職する方もいるくらいです。

転職しやすい20代のうちならまだしも、30歳を過ぎて選択肢が狭まっているにも関わらず「やっぱ民間のほうが良かったかも……」という迷いや後悔をこじらせていると、人生への後悔がどんどん積もっていくばかりで、精神衛生上よくないと思います。
なるべく若いうちに迷いを断ち切って、後悔のないようにしたほうが建設的です。

かくいう僕も、これまで散々書いてきたとおり、就職前は都庁を再受験しようかと迷いました。



ただ実際に働き始めてからは一度も後悔していません。
地方公務員という選択肢が最善だったと思っています。

僕のスペックだと地方公務員以上の待遇は望めない

「待遇が悪い」と嘆く現役地方公務員は結構いるように思いますが、こういう不満を僕はあまり感じません。
自分の能力で就業できる職業のうち、最高待遇の職業が地方公務員なのだと思っています。

地方公務員よりも高待遇の職場はいくらでもあります。
僕が住んでいる地域でも、役所より給料も休みも多い職場がいくつもあります。
大学の同級生でも、東京で頑張っている人の中には、すでに年収1,000万円超えも出てきました。

こういう環境が羨ましいのは事実です。
しかし僕は、手の届かないものとして完全に諦めています。

僕は民間企業への就活活動で敗退して、かろうじて県庁に滑り込んだ人間です。
つまり、一度は県庁より上位ランクの環境へチャレンジしたものの、届かなかったのです。

この事実のおかげで、より高待遇な環境への憧れが生じません。
きっぱり諦めがついています。






仕事に対して「やりがい」を期待していない

地方公務員への就職を後悔している方のほとんどが、「地方公務員の仕事はやりがいがない」と嘆いています。

僕の場合、あくまで生活費を稼ぐ手段であり、やりがいはあればいい程度の要素です。
そもそも働きたくありませんし、仕事を通じて自己実現しようとも思っていません。
たとえどんな仕事をしようとも、このスタンスは変わらないでしょう。

もしかしたら、一生を賭したくなるような魅力的な仕事がどこかにあるのかもしれません。
しかし、本当にあるのかどうかすらわからない「青い鳥」のような存在に恋い焦がれるより、日々できる範囲で生活を改善させていくほうが、僕は好みです。

人生において、仕事に捧げる時間は結構な割合を占めます。
平日8時間勤務だけだとしても、だいたい1週間の4分の1を捧げることになります。
この時間を充実させるべく、やりがいのある仕事を探し求めるのも大いにアリでしょう。
ここは好みだと思います。





つまるところ、
  • 自分の職業人としての能力に見切りをつけていて、「地方公務員よりも上のステージで輝けるかも?」という可能性を一切感じていません。
  • そもそも「職業人として輝きたい!」という希望も希薄です。
この二重の諦観のおかげで、後悔を感じないのだと思います。

こういう割り切りができるなら、青く見える隣の芝に悩まされずに済むと思います。
 

書籍でもウェブサイトでも、公務員試験対策の定石として「総合計画を読み込むべし」と説かれています。

総合計画に目を通すのは重要だと思いますが、個人的には「読み込む」必要性までは感じません。
 
総合計画だけでは抽象的すぎて、論文や面接対策としては不十分だと思っています。 
正直、どの自治体も同じようなトピックに触れていて、似たような内容が書かれています。

たとえ総合計画の文言を一字一句暗記していたとしても、総合計画の中身がどのように具体的な施策として展開されているのか知らなければ、地雷を踏んでしまうでしょう。

特に、受験自治体が実際に行っている施策と、論文や面接で回答した内容がずれていると、勉強不足だと思われてしまうかもしれません。

具体的な施策内容を調べるのに役立つのが予算資料です。
どこの自治体もホームページに掲載されていて、簡単に入手できます。
もし載っていなければ、役所の情報公開コーナーみたいなところに行けば、紙の冊子が置いてあるでしょう。

ただし、予算資料は慣れていないと読みづらいです。
現役職員でさえ、すらすら読める人はあまりいません。
そこで役立つのが、議会に対して提出される予算案の説明要旨です。

説明要旨=予算案のわかりやすい要約

自治体の予算は、議会の議決をもって正式に採用されます。
そのため、議会中のどこかの時点(だいたい初日)で、議員に対して首長から説明するタイミングがあります。
ここで予算案の中身を全部説明していると膨大な時間がかかってしまうので、大まかな方向性と主要事業だけを抽出して説明します。

このタイミングで使われる資料が説明要旨です。
予算資料と同じく、多くの自治体でホームページ上で公表しています。
例えば広島県だとこんな感じ。



説明要旨は、首長が喋るための読み原稿みたいなものです。
そのため、耳で聞いて理解できるよう、わかりやすい表現が使われています。
お堅い文章ではないので、頭に入ってきやすいと思います。

自治体によってはプレゼン資料も用意されていて、よりわかりやすいと思います。
 

数年分チェックしてみよう

説明要旨にはあくまでも単年度分のことしか触れていないので、事業の長期的な推移を知るには不向きです。
さらに最近は、新型コロナウイルス感染症のせいで内容が偏っている(コロナに関係のない事業は省略されがち)ので、産業振興や観光、広報のような面接で使いやすい事業への説明が不足しがちです。
 
そのため、コロナが流行し始める前の分(過去4年分くらい)もチェックしておいたほうが良いと思います。

また、予算には「当初予算」と「補正予算」があります。
このうち特に注目すべきは「当初予算」と「9月補正予算」です。

当初予算は1年間の予算のベースであり、金額的にも大部分を占めています。
9月補正予算は、年度上半期に発生した状況に応じて当初予算を変更したり、下半期に実施する主要事業を計上するもので、いくつかある補正予算の中でも自治体としてアピールしたい主要事業がよく計上されています。

昨年度(令和2年度)は、新型コロナウイルス感染症のせいでどの自治体もガンガン補正予算を組んでいて、9月補正予算以外も重要な事業が計上されていますが、これは異常事態です。
 
普通の年度であれば、9月補正予算以外は事務的な内容(時間外勤務手当の人件費予算を増やす等)が多く、論文や面接対策目的であれば、特に注目しなくても問題ないと思います。
 

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