キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

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カテゴリ: 時事ネタ

日々白熱している地方公務員の副業界隈に、新たな燃料が登場しました。
動画広告収入を得ていた町役場職員が厳重注意を受けたようです。


 




個人的な注目点は以下3つです。

「自ら収入を得ている場合は地方公務員法に抵触」という前例ができた

どうやら町役場は、職員自らが動画広告収入を得ることを副業とみなし、地方公務員法に抵触すると判断したようです。 

地方公務員の副業を推奨するブログには、「広告収入は副業に該当しないから大丈夫」という説明をしているところがあります。
その根拠としては、これまで処分されたケースが無いことが挙げられています。

しかし今回、広告収入は副業であると判断した自治体が存在することが明らかになりました。
しかもニュースになって前例として知れ渡ってしまいました。


今後、別の自治体で同様の事例が発生した場合、今回の判断が引用されるケースも出てくるでしょう。
地方公務員が堂々と広告収入を得るのは、これまで以上に難しくなるのかもしれません。

「収入を得るのが本人でなければ大丈夫」とは断言できない

本人曰く「動画編集や収入管理は母親名義に切り替えた問題ない」とのこと。
ただし町役場は、これで大丈夫とは判断していないようで、今後も調査を続けるようです。

地方公務員の副業推奨ブログでは、名義が公務員本人でなければ問題ないと説明されることも多いです。
しかし本件は、この対応でもダメかもしれないという可能性が残されてしまいました。
続報が気になるところです。

外部からの指摘で発覚した

そもそも本件が明るみに出たきっかけは、外部からの指摘です。

ニュース記事だけでは、どういう経緯で公務員バレしてしまったのかは不明です。
ただ、8年間も続けてこられていたということは、動画内で堂々と公務員を名乗っていたとは思えません。

リアル知人に密告されたか、ネット有志によって身辺調査されたか……
いずれにせよ、地方公務員の副業を快く思わない人がいる、ということなのでしょう。

香川県がオンラインゲーム規制条例を真剣に検討しているとのことで、インターネットが盛り上がっています。
ちょっと調べてみたところ予想以上に深い話だったので、まとめておきます。


 

長い長い歴史を経ての条例化

香川県議会の議事録を見たところ、ゲーム依存に関する質問が最初に出たのが平成18年9月議会(大山一郎議員)で、これ以降自民党所属の議員さんを中心に繰り返しゲーム依存関係の質問が出ています。
近年はほぼ毎回問われています。

平成31年2月議会に至っては、代表質問(大山一郎議員)の1問目、つまり政党として最重視しているトピックを問う場面で、ピンポイントにゲーム依存対策が出てきます。

県職員ならお分かりだと思いますが、こんなに長期間、議会のたびに質問される話題なんてそうそうありません。しかも代表質問のトップバッターをも務めています。

香川県社会全体がどう捉えているかは別にして、少なくとも香川県議会の中では、ゲーム依存が超重大問題として長年認識されていると考えて間違いないでしょう。

平成31年2月議会の知事答弁には「急務である」「社会全体で取り組み必要性」との発言もあり、執行部(首長)も冷めた目で見ているわけではなく、かなり本気で対策を考えているようです。

今回の条例化は、いきなり湧いてきたわけではなく、平成18年から始まる13年超の経緯を踏まえての結果なのです。
今更炎上するなんて思いもしなかったろうと推測します。

質問と答弁はこちらから検索できます。

 
 

ゲーム自体を否定しているわけではない?

今回の条例はあくまでもゲーム依存対策が目的で、ゲーム全般に異を唱えているわけではないようです。
ちょっと長いですが、平成31年2月議会の代表質問を引用します。

◯大山一郎君 
 私は、ただいまから自由民主党香川県政会を代表して、当面する県政の諸課題について、知事、教育長並びに警察本部長に質問をいたします。
 (中略)
 世界保健機関WHOは、昨年六月、スマートフォンなどのゲームのやり過ぎで日常生活に支障を来すゲーム依存症を「ゲーム障害」という疾患として認めました。世界で多くの若者を中心にゲーム依存が原因で死亡したり、ひきこもりや問題行動を起こすことなどが報告されており、このような憂慮すべき事態を踏まえた対応で、ことし五月のWHO総会で正式に病気として決定される運びとなっております。
 (中略)
 県内でも事態は深刻化しています。小学四年生から高校生を対象に行った県教委の二〇一七年度調査では、児童の二割弱、中学生の三割弱、高校生の四割弱が、平日三時間以上、スマートフォンやゲーム機などを使用していました。この調査では、中学生の三・四%、高校生の二・九%でインターネット依存のおそれがあるとされています。また、長時間ゲームやインターネットを使用すればするほど、成績が低下する相関関係も顕著になっております。子供たちも若干の自覚はあるようで、スマホやゲームの利用に関し、小学生の二四・五%、中学生の三七・四%、高校生の四七・九%が「悩み事や心配事がある」と回答。理由の一位は、全校種とも「勉強に集中できない」で、小学生は八・七%、中学生は一七・七%、高校生は四人に一人の二五・七%。二位は「寝不足」で、生活リズムの乱れや健康面での悩みが目立っております。
 (中略) 
 そこで、知事及び教育長に質問です。
 まず、WHOの方針や県教委の調査結果を踏まえ、県内の小・中高生のスマホゲームやインターネットの利用状況をどう受けとめているのか、お伺いをいたします。
 世界では、ネットへのシャットダウンや依存度アンケート調査に基づく相談体制などの先進的な取り組みが進む中、日本は取り組みがおくれています。香川県は全国でも有数の教育県だと思っており、ゲーム・インターネット依存対策を全国に先駆けて取り組むべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 (以下略)

あくまでも論点は依存症です。
省略した部分を含め、ゲーム自体を否定する発言は見当たりませんでした。

香川県といえば、ポケモンGOとタイアップした「ヤドン県」キャンペーンを過去にやっています。
議会答弁には、これを称賛する声もありました。

このため、「香川県はゲームを否定している」みたいなネットの燃え方は若干ずれていると思います。

条例化のメリット

ネット上の議論を見ていると、「条例制定したところで意味がない」という論調が目立ちます。
条例単体で見ると、罰則が無いため、制定したところですぐにネット依存が解消に向かうとは思えませんし、改善すらされないでしょう。

僕の個人的感覚ですが、条例制定の直接の目的は「ネット・ゲーム依存の解消」ではないと考えています。
最終的な目的はもちろんこれなのですが、直接的な目的は別にあります。

イメージアップ・セルフブランディング

ネット・ゲーム依存は、深刻な社会問題のひとつであることに間違いはありません。
これに対して先進的な取組を打ち出すことで、「香川県は健康に気を遣っている」「教育・子育てに真剣に向き合っている」という方向でのイメージアップが期待できます。

このようなイメージを確立することで、別の施策(子育て世代の移住促進など)にプラスの働くことも期待しているのでしょう。

今後の具体的施策の布石

新たに確立したイメージを具体化していくための新たな事業を始める段階でも、条例は強大な後ろ盾になります。

条例は議会、つまり民意を経て制定されます。
条例に沿った施策は、民意に沿った施策と同義です。
そのため、議会や住民から批判されても跳ね返しやすいです。
国に対しても強気に迫れるでしょう。

今回の場合、規制条例が成立すれば、ネット・ゲーム依存対策関係の事業は民意に沿ったものと認められ、これらの事業に予算を注ぎ込みやすくなります。

条例のデメリット

ただ短期的には、この条例はデメリットの方が大きいと思います。

イメージの低下・時代遅れとみなされる

既にかなりダメージを食らっているところですが、最近はeスポーツやクールジャパンなど、ゲームをもてはやす流れの方も相当強いです。
その流れに真っ向から反対しているように見られてしまいます。

企業から敬遠される

インターネットやゲームが規制されて、儲かる企業は多分ほとんどありません。
今回の規制は、企業としては、事業リスクと捉えると思います。
どんどん規制の範囲が広がっていく懸念も抱くでしょう。

市場が拡大しているわけでもないのに、わざわざリスクのある地域に積極的に進出しようとは普通思いません。
特に情報通信産業は近寄らなくなるでしょう。悪とみなされる(既にみなされている)リスクがあります。

目新しい教育施策の遅れ

デジタル教材の導入やプログラミング教育のような、デジタルツールを使った新しい教育関係の施策が相当やりづらくなるのではないかと思います。

今回の条例の目的はあくまでも「依存対策」ですが、その手段はデジタルと子供を遠ざけることです。
しかし、全県民が目的と手段をきちんと区別できるとは思えません。
「デジタルと子供は近づけてはならない」と理解する方も一定数いるでしょう。
そうなってしまうと、教育行政が停滞しかねません。

教員の認識への悪影響が特に心配です。


オタク的な感覚

ここからはオタクの独り言です。条例とは関係ありません。

娯楽の限界効用

みんな大好き「限界効用逓減の法則」ですが、これは娯楽にも当てはまると思います。
ゲームばっかりやってると、楽しさがどんどん下がっていくのです。

ゲームやって、漫画読んで、アニメ見て、外出して……と、いろんな娯楽をバランス良く楽しむことで、余暇の楽しみは最大化されると思います。

重要なのは、いろいろな娯楽のバランスの最適化、つまり娯楽のパレート最適を実現しようとする自己規律です。 

それぞれに費やす時間やエネルギーの割合は人それぞれで、他人が口出しするものではありません。
しかし、この自己規律が出来上がるまでは、ある程度外から規制を加えるのもやむなしかと思います。

頭ごなしに「ゲームはダメ」と縛ってはいけません。
「ゲームのほかにも楽しいことがたくさんある」「楽しいことをいっぱい知っている方が人生楽しいに決まっている」と、飴アンド飴で誘導するのが理想だと思います。

他の依存症との違い:自己効力感と密接

ゲームは、他の依存対象(薬物など)とは異なり、
  • お金や健康だけでなく時間を吸い上げる
  • 居場所として機能し、自己効力感の源となりうる
という性質があります。

特に後者が厄介です。
強権的に規制すると、その人の大事な心の拠り所を失わせる結果になりかねません。
ゲームは止められたとしても、別の問題の原因になります。

そのため、ゲーム依存を他の依存症と同じ方法で対処しようとすると、多分うまくいきません。
ゲーム依存ならではの対策を考えねばいけません。

僕は何より、この条例案を香川県民がどう考えているのかが気になります。
パブリックコメントの結果が楽しみです。

某大臣の「環境問題はセクシーに」発言。
流行語大賞の候補にも選ばれて再び話題になっています。

僕は最初にこの発言を聞いたとき、全く違和感を覚えませんでした。
施策に対する「セクシー」という表現は、霞ヶ関用語だと思っていたからです。

官僚が使っていた

僕はこれまでの県庁職員生活で、防衛省以外の全ての省庁と業務で関わってきました。
部局横断型の異動を繰り返してきた副産物ですね。

本省勤務の職員と関わる中で、複数の方から「セクシー」という表現を聞いてきました。

  1. 意思決定の根拠を整理するにあたり、ロジックの整合性だけでなく、公表後のセクシーさも含めて検討を重ねた
  2. 新しい補助金の補助対象を決めるにあたり、地域住民全体に対してセクシーであることを重視した
こんな感じで、新しい施策を表現する修飾語として使われていました。

セクシーな施策=受けのいい・魅力的に映る施策

正確な意味はわかりませんが、文脈から推測するに、どの官僚の方も「受けがいい」というニュアンスで使っていました。

先に挙げた例だと、以下のような意味合いです。

  1. の場合・・・意思決定の根拠を住民に説明する際、定量的な証拠のような揺るぎない事実だけでなく、住民の感情に訴える定性的な根拠も揃える
  2. の場合・・・直接補助金をもらう人だけでなく、補助金のおかげで地域住民全体が喜ぶように、補助対象を決める
このニュアンスで「環境問題はセクシーに」を解釈すると、「環境問題に対処するメリットを国民がしっかり理解しながら対処していくのが重要です」という意味になると思われます。
至極まっとうな考えです。

詳細は不明

本省勤務の友人達に聞いてみたところ、知っている人もいましたが、知らない人の方が多かったです。
「サブ」「ロジ」みたいな一級の霞ヶ関用語ではなく、一部の官僚のみが使っているのでしょうか……

某大臣を応援するわけではありませんが、職員から「セクシー」という表現でレクを受けて、その通り使ってしまった……のかもしれません。

【2019.11.19追記】
発言の意図が明らかにされました。


以下抜粋です。

小泉進次郎環境相は17日、東京都内で講演し、9月の訪米先で「気候変動問題にセクシーに取り組む」とした発言の真意を語った。「楽しく、前向きに取り組みを進めなければいけないとの思いだった」と理解を求めた。

僕の推測は外れだったようです。

老後資金2,000万円不足に続き、興味深いレポートが国から発表されました。


厚生労働省若手による緊急提言という形で、
  • 業務改善
  • 人事制度
  • オフィス環境
上記3点にフォーカスして、厚生労働省の労働環境がいかにひどいかの具体的指摘と、改善に向けての具体的提言をまとめています。

とても読みやすい「概要版」もあるので、公務員であろうとなかろうと、万人にぜひとも読んでほしいです。
むしろ本体よりも概要版を読んでほしい。役所が作るレポートとしては近年稀に見る怪作です。

あくまで僕の推測ですが、このレポートは社会に広く読まれることを目的として作られています。

類を見ない気合の入り具合

僕がこう考えるのは、体裁があまりに役所っぽくないからです。
 
役所がまとめるレポートの類は、普通もっと無機質です。
ワードで手作りした感が満載のシンプルなつくりで、お世辞にも読みやすいとは言えません。
そもそも役所関係者以外には読ませるつもりがないので、読みやすくする労力を節約しているのです。

一方、今回の緊急提言(概要版)は、役所っぽくありません。
ビジュアルにとことんこだわり、読みやすく感情を揺さぶります。巧いです。

ここまで作りこむのはものすごく大変です。しっかりお金をかけて外注しているでしょう。

官僚が作成した原文をプロのライターが改稿し、デザイナーがオリジナルのイラストやピクトグラムを作り、InDesignあたりの専用グラフィックソフトを使って紙面レイアウトを作り……という複雑かつ豪華な工程が眼前に浮かびます。

「お金と手間と時間をかけてでも役所以外の人間にも広く読んでもらいたい」という強い意図を感じます。

役所はマジで職場環境にお金を使わない

大手優良企業にお勤めの方がこの報告書を見たら、厚生労働省の職場環境があまりに時代遅れなことに驚くでしょう。
冷房が効かなくて夏場32度あるとか、ブレーン担当の官僚が会場設営と荷物運びに忙殺されているとか、スケジュールが共有されていないとか……

実際のところ、これらは厚生労働省に限った話ではありません。
ほとんどの役所も似たような状況です。

役所ごとに理由はいろいろあるのでしょうが、どこでも共通して最大のネックなのが、職場環境改善のための予算が全然認められないこと。

地方自治体の場合、職場環境改善のために予算を使おうとすると、ほとんどの場合、議会や住民から反発を受けます。

彼ら彼女らへの恩恵が無いからです。

「職員の勤務環境改善」なんて言い出したら、次回の選挙で落ちてしまいます。
そのため、トップダウンでは絶対出てこないし、ボトムアップでも途中で圧殺されるのです。

国の状況はよくわかりませんが、似たような状況なのかもしれません。

「役所はやる気がないからいつまでも旧態依然としているのだ」と思っている方もいるかもしれませんが、それ以前に予算が全然無いから改善できないという事情も知ってほしいです。

報告書の目的

このレポートは単なる現状暴露ではなく、厚生労働省が堂々と職場環境改善のための予算要求をするための布石なのだと思っています。

ただ「職場環境改善の予算をくれ」と要求しても却下されてしまうので、世論を味方にするために、このような緊急提言を出したのでしょう。

「職場環境がダメだから役所はダメなんだ!しっかり改革しろ!」
こんな感じの国民の怒声を財務省にぶつけることで、予算要求を通そうとしているのです。

もしかしたら、老後資金2,000万円不足の報告書がバズった様子を見て、二匹目のどじょうを狙ったのかもしれません。

この予算が通過すれば、自治体も追従する流れが生まれるかもしれません。
僕の勤める自治体も例に漏れず超絶ローテク環境です。
職場で使っているパソコンはWindows Vista時代の年代物で、エクセルファイルを3つ以上開くとフリーズします。 10MB以上のPDFはメモリ不足なのか開けません。

みんな読もう!そして声を荒げましょう!


個人的に一番僕が紹介したいページがこちら。
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会議参加者用のお茶を発注したり、会議室の冷暖房や照明をオンオフしたり、会議室のマイク電池残量を確かめたり……
いずれも国家公務員(総合職)若手の重要な仕事です。

答弁準備とかで疲弊している中、こういう単純作業もしっかりこなせるかどうかが、若手官僚の評価基準だともっぱらの噂。
どう考えても非効率というか、頭脳の無駄ですよね……

開催までついに残り1年を切ってしまった東京オリンピック・パラリンピック。
良い意味でも悪い意味でも話題が絶えません。

東京から遠く離れた田舎自治体でも、オリパラ関係の業務がどんどん飛んできています。
幸運にも?オリパラどちらとも縁遠い部署なので直接の被害は被っていませんが、それでも次々と作業指示が下りてきます。
いつから自治体(都庁含む)は電通の下請けになってしまったのでしょうか……

オリパラに対して、個人的には不安しかありません。
もちろん成功して欲しいとは思っていますが、成功したらしたで悪しき前例として末長く役所を苦しめると思っています。

何が何でもボランティアを使う習慣

オリパラへの批判ポイントの一つに、ボランティアの待遇があります。

さらに、マラソンなど早朝に行われる競技については、ボランティアの会場入りが始発の交通機関でも間に合わないため、終電での会場入りを想定。その場合は待機時間が見込まれるため、ボランティア同士の交流機会や、士気を高めるような取り組みを検討していくこととなりました。

第4回ボランティア検討委員会 開催 東京2020オリンピック・パラリンピックボランティア ボラサポ

最近話題になった上記の件に限らず、なかなかハードな条件でボランティアを働かせる計画で進んでいます。

批判されている分、大本営は今後がっつり反論してくるはずです。
実際にボランティアに参加した人にアンケートをとって、「有意義だった」「学びがあった」みたいなポジティブ回答を集めて、定量的に成功を裏付けるとか。
何としても「ボランティアによる運営は成功だった」と主張するはずです。

成功だと主張されると、自治体でも見習えという声が出てきます。
つまり、「自治体主催のイベントでも、もっとボランティアを使うべき」という意見が湧いてくるのです。

もちろん待遇はオリパラ並みがスタンダードになるでしょう。成功例踏襲です。学生動員や深夜待機は当たり前。

オリパラの場合、以前からボランティアが支えているという積み重ねがあります。
そのため、ボランティアで運営するにしても、まだ正当性があります。

一方、自治体主催のイベントにそんな歴史はありません。
ボランティアで労働力を賄うという発想は、単なる強引な人件費カットと同義です。

ボランティア募集のために自治体職員が方々を巡って頭を下げることになるのでしょう。
職員も部署関わらず動員されるでしょう。もちろんボランティア扱いなので手当は出ません。

一企業の営利事業を自治体にやらせるスキーム

最初に書いたとおり、オリパラ関係の仕事が続々と地方にも下りてきています。
正直、自治体がやる意味がよくわかりません。
事務局でやればよさそうな単純な作業やリスク回避のような仕事まで下りてきます。

一度こういうスキームがまかり通ってしまうと、これも悪しき前例になります。
「オリパラの時に一回やっていて成功したから」という剛腕説得が罷り通るようになるのです。

あくまで陰謀論にすぎませんが、僕達が組織委員会の業務を肩代わりすることで、相当の人件費がカットできているでしょう。
今後トラブルが発生したときも、「うち(組織委員会)ではなく自治体が悪い」と、責任をなすりつけてもくるのでしょう。

突き返してやりたい気持ちもあるのですが、やりとりしている都庁職員に疑心暗鬼・神経質・情緒不安定な方が多く、これ以上心労を増やしたくないという同情の方が勝ります。
あと1年、どうかご無事で乗り切れるよう、影ながら応援していく所存です。


自治体職員の動員?

個人的に不思議なのが、自治体職員の動員が無い点。
「国家的なイベントなんだから1人くらい中央に派遣しろ」とか言ってきてもおかしくないのに、今のところ聞いたことがありません。
僕が知らないだけで既に動員されているのか……

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