キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

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カテゴリ: 時事ネタ

京都アニメーション火災の件がショックすぎて、今日は急遽年休取りました。
ショックというか、ひどく気分が滅入っている。

オタクならだれもがショックな事件ではあるものの、僕の場合はそれだけではない。
もっと根源的な悲しみがある。
気分を紛らすために、朝からずっとこの文面を書いています。

次世代創作分野を担うはずだった

以前、僕は同社のことを、超有名原作を圧倒的ハイクオリティな作画(映像)で忠実にアニメ化する制作会社だと思っていた。

この印象を改めたのがCLANNAD AFTER STORY第3話「すれちがう心」の春原芽衣ちゃん描写。

AFTER STORY というタイトルのとおり、本作は「CLANNAD」という作品の続編という位置づけで、実質25話目である。
しかし、過去24回とは明らかに雰囲気が違う。

ゲーム業界屈指の傑作感動巨編「CLANNAD」のアニメ化であり、素直にやるだけで傑作になるのは間違い無しなところ、いきなり場違いなクッソあざとい描写が続く異色回である。



最初視聴したときは「これいる?」って疑問だったが、次の回で即納得。
全ては視聴者に「春原芽衣ちゃん超可愛い」と思ってもらうための作戦だった。
超可愛いいい!というテンションのまま次の回に突入することで、CLANNADの本領である感動が際立つ。
まんまと引っかかった僕は4話「あの日と同じ笑顔で」でしこたま泣いた。クライマックスエピソードの次に泣いた。

興味のある方は3話4話だけでも視聴してみてほしい。僕の意図は伝わるはず。

単にハイクオリティな映像を作るだけでなく、その技術を生かして表現のアレンジもできる制作会社なのだと、この2話を考えを改めた。

アレンジの匠

以降、同社は原作ものを中心にヒット作を連発していく。
マスコミの報道だと「ハイクオリティな映像が支持された」くらいの説明しかされていないが、僕が思うに、原作の良さを残しつつも映像の力をフル活用してアレンジしたのが鍵だと思っている。

例えば「けいおん!」(1期のほう)。
同作は俗にいう日常もので、物語というよりは登場人物の淡々とした日常を楽しむ作品である。
原作(4コマ漫画)で描くのは、主に登場人物の言動であり、彼女らの周囲に漂う雰囲気は描きにくい。
(その意味で4コマながら空気感が伝わってくる『あずまんが大王』はガチな天才だと思う)

同社は同作アニメ化にあたり、その雰囲気を見事に映像化した。
アレンジ力の賜物だと思う。

原作をアレンジしつつアニメ化するという手法では、今や他の追随を許さない制作会社だと思っている。(好みにもよる)
例えば「響け!ユーフォニアム」シリーズを他の制作会社で作るのは無理だろう。

総合フィクション制作企業

ここ数年、同社はオリジナルアニメに力を入れてきた。

今や同社はただのアニメーション制作会社ではない。
自社で出版レーベル(KAエスマ文庫)を擁し、原作も自社から輩出する体制を確立しつつあった。
グッズも制作している。
役所っぽい言い回しになるが、アニメを中心とした総合的なフィクション作品制作会社なのだろう。

かなり私見が混じっているが、要するに同社はアニメーション制作会社の垣根を越えた日本アニメのリーディングカンパニーであり、今後の活躍がものすごく楽しみだった。


ティム・クック氏の言う通りだよ。

加えて技術研究や人材育成にも熱心で、業界に強くポジティブな影響を与えていたといわれる。
どういう業界においても、こういう会社が躓くのは、社会全体にとって大いに損失である。

文化の破壊

前章で述べたとおり、同社は社会全体にとって重要な存在である。
そんな社会的に大事な存在が一個人の暴力によってあっけなく壊滅したという事実がキツい。
滅入る。

感情的には東日本大震災の直後に近い。
僕は関東にいて、震度5強の揺れを食らった。

その後仙台に行く機会があり、駅近くの展望台から海側を眺めたら、ある一線から更地が広がっていた。
津波の威力を肉眼で見た瞬間。あの時のやるせなさに近い。

その後県庁に入り、防災部局で勤務したことで、いろいろな天災の事例に触れることができた。
天災の破壊力は計り知れない。人智が及ぶレベルではなく、時には「どうしようもない」と言わざるを得ないケースもある。

だが、今回の火災の原因は人である。しかも一個人。
たかが一個人が、これまで同社が築き上げてきた技術と人材と、これからの輝かしい未来を、一瞬でぶち壊したという事実が実に堪える。

天災でも組織でもなく、一個人による文化の破壊である。
そんなことが犯せる世の中だとは思ってもいなかった。

今はただ、一人でも多くの方の無事を祈るしかない。



(追記)
犯人がデジカメ板の撮り鉄の掟コピペ野郎なのではという説を見かけて背筋が凍った。
僕がデジカメ板にいた頃(ちょうど2年前くらい)にEOS1DXmk2スレなんかで「バリ順・シチサン・カツカツ・日の丸」をお題目だと言って連呼していた人がいたけど、まさか……

僕の勤める県庁では5日間の夏休みが付与されます。
7〜9月の間だけ取得できる有給休暇のような扱いです。

土日と合わせて1日ずつ取得すれば、3連休を量産できます。
こうやって何回もプチ旅行に出かけている方も多いですね。

僕もどこかに旅行に行こうと思っています。
テーマはやばそうな商業施設
今ホットなスポットが続々出てきているんですよ。

滋賀県守山市:ピエリ守山

明るい廃墟として一躍有名になった後、運営会社が変わって復活したという伝説の商業施設です。
ただ最近は怪しい噂が聞こえてくるようになり、ネット上でもネガティブレビューが目立ちます。
大事件が起こる前に現地を見ておきたい。

千葉県木更津市:スパークルシティ木更津

こちらは現在進行形で明るい廃墟らしいのですが、ネット上では情報が見つかりません。
公式ホームページすらこの有様。超イカしてます。

スパークルシティ木更津 JR木更津駅西口駅前のショッピングセンター

現地に行ってみるしかない。

石川県七尾市:パトリア

第三セクターの運営会社が破綻し、行政も巻き込んでトラブルになっているようです。
検索したらおどろおどろしいニュース記事がたくさん出てきます。

観光関係の公務員なら超有名スポットでしょう。
遠く離れた僕の県でも話題になっていました。

運営会社が破綻したせいでビル管理を担う者がいない状態のようで、照明や空調はほぼ止まったまま。
それでもテナントは現在も運営を続けているようで、暗いけど廃墟ではないといった状況なのでしょうか。

ツイッターで見かけた罵詈雑言だらけの寄せ書きコーナーが気になって仕方ありません。


話題の金融庁報告書をやっと全文読みました。
内容に目新しさはありません。インデックス投資ブログのまとめ記事かと思うくらい。
ただ、主張を支える根拠データの厚みがブログとは大違い。さすが官僚です。
行政が作った報告書とは思えないくらい具体的な示唆に富んだ内容で、一読の価値ありです。

以下、僕が気に留めたポイントを書いていきます。

収入減にも関わらず高齢者の支出は減ってない(P.9〜10 )

「世帯主の年齢階級別収入の推移」グラフによると、1994年をピークに全世代で収入が減少しています。
一方、「世帯主の年齢階級別消費支出の推移」グラフでは、現役世代(35歳〜64歳)の支出は1994年をピークに大きく減少している一方で、65歳以上の世代は殆ど減少していません。

つまり、現役世代は収入減に合わせて支出も減らしたが、高齢世代は減らせていません。

高齢世代になるほど、支出に占める固定費(家賃など)の割合が上昇して節約余地が狭まり、医療費など節約しようのないコスト増が待ち受けている、ということを示しているのでしょう。

アドバイザーの充実(p.33)

今後の対応策のひとつとして、個々人のマネープラン策定などのアドバイスを提供できる「アドバイザー」的存在の充実が挙げられています。

特に強く求められるのは顧客の最善の利益を追求する立場に立って、顧客のライフステージに応じ、マネープランの策定などの総合的なアドバイスを提供できるアドバイザーである。
こうしたアドバイザーとなり得る主体としては、投資助言・代理業、金融商品仲介業、保険代理店やフィナンシャルプランナーなど様々な業者が存在する。
米国では証券会社などの金融サービス提供者から独立して、顧客に総合的にアドバイスをする者が多数いるが、日本においてこれに類似する者は存在するものの、まだまだ認知度は低く、数は少ない。
今後は認知度向上に努めるとともに、そのサービスの質的な向上に努めることが望まれる。

また、本人に一番身近な金融機関などの者においても、単一の業態に留まらない顧客のニーズに応じた総合的なアドバイスを行うことは、顧客からの信頼を得る上で、また、高齢社会の金融サービス提供における役割を果たす上でも重要なことである。

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」 p.33

個人向けマネープランコンサルティングサービスは、今まさに地銀が猛プッシュしているところで、iDeCoや NISAと一緒に広まりつつあります。
年金破綻煽りも相まって、これからさらに盛り上がっていきそうです。

実施主体が誰であれ、コンサルサービスは慈善事業ではなく、自社の儲けのためのビジネスです。
顧客の利益を考えると言いつつも、自社の利益を追求します。
つまり、サービス提供者の言いなりだと、顧客の利益の一部が吸い取られます。
サービスを受ける側の金融リテラシーがとても重要なのです。

個人年金利用率が突出して高い29歳以下(P.20)

「老後に向け準備したい(した)公的年金以外の資産」グラフによると、18〜29歳の世代では、預貯金・退職金についで「民間保険会社などが販売する個人年金」の利用率が高くなっており、30%に上ります。
一方、証券投資とiDeCOは10%未満です。

生命保険会社と証券会社の営業力の違いが、そのまま反映されているのだと思われます。
民間保険会社は、セールスレディを使った営業ノウハウを積み上げ、若年層を囲い込んでいます。
前述の「アドバイザー」としての立場をセールスレディが占めている、と言っても間違いではないでしょう。

生保セールスレディは、生命保険以外の運用方法を決して勧めません。
そのため、アドバイザーとしては不適格です。
しかし、彼女らが若年層のアドバイザーとして幅を効かせているのが現状なのです。

これから彼女らの牙城を崩すための戦いが始まることでしょう。
誰が勝利するのか?ネット証券なのか地方金融機関なのか、それとも独立系FPなのか……
 

個々人の金融リテラシー向上が必須

今後、金融機関の個人顧客への営業がさらに活発になるのは確実でしょう。
しかも、あたかも我々の利益優先のような顔をしつつ、ちゃっかり自社利益を確保しようと企んでいるのです。

カモられないよう、早いうちから金融リテラシーを身につけていくべきでしょう。

2019年5月30日の毎日新聞朝刊に掲載された記事が公務員の間で話題になっています。

「窓口対応お断り」50代男性に通告 佐賀・嬉野

数年間にわたり窓口に通い続け、職員に対する暴言が複数回見られた50代男性に対し、市長名で
  • 市への質問は文書に限り、回答は文書で行う
  • 住民票や戸籍、保険、年金の窓口交付以外の対応は文書の受け取りだけに限る
  • 電話には一切応対しない
という内容の通知を発出したようです。

報道した毎日新聞は、この対応をかなり否定的にとらえています。
前掲のヤフーニュース見出しとは異なり、新聞紙面での記事見出しは

暴言対策やりすぎ? 市役所「窓口対応お断り」

と、端から否定的です。

有識者のコメントも加えて、?マークが霞むくらいに批判しています。

なぜ市長名で通知したのか?

新聞の報道姿勢はどうでもいいですし、窓口対応お断りの通知自体も大して珍しくはありません。
僕が気になったのは、市長名で通知文を発出した理由と背景です。

僕の知る限りでは、市長名で通知するメリットがありません。
むしろデメリットばかりです。

市長名で通知すると、行政処分に該当してしまいます。
行政処分であれば、行政不服審査法に基づく不服申立てのような、裁判よりも安価で手軽な法的反抗手段がいろいろあります。
そのため、市長名での通知は、新たな攻撃手段のプレゼントにほかなりません。

そもそも、市長名でこういう通知を出せるものなのか疑問です。

基本的に役所は、所管法令に基づく行為か、議会で承認された行為しか実行できません。
こういう通知の場合は前者でしょう。
市が所管する許認可等の法令に基づく通知であれば、市長名で堂々と発射できます。
ただ、今回の通知は、どういう法令に基づいて窓口利用を制限しようとしたのでしょうか?

庁舎管理条例違反なら問題ありません。
軽犯罪法だと厳しい気がします。市長は軽犯罪法を所管していないためです。
根拠法令を示さず、単に「暴言がひどい」「業務妨害だ」という理由だったら、脇が甘すぎます。

今回のような根拠法令のはっきりしない通知は、弁護士名で出すのが基本だと思っています。
役所から弁護士に対し、通知相手の窓口対応を委託するのです。

弁護士からの通知は、行政処分ではありません。
そのため、通知された側は、裁判を起こすしか法的反抗手段がありません。
法的ではない手段はいろいろありますが、何にせよ行政処分よりは反抗しにくいことは確実です。

なぜ弁護士名で出さなかったのか

ここからは100%僕の空想です。
本当は弁護士名で出したかったけど、何らかの理由で実現に至らず、次善の策として市長名での通知に落ち着いたのでは?

「弁護士への報酬支払い理由が立たない」と出納部門から止められたとか。
市内の弁護士が人権派ばかりで誰も応じてくれなかったとか。

理由は何せよ、市長の英断にただ感激です。
これから不利な戦いを強いられるのが見えているにもかかわらず、職員を守るために一歩踏み出した。

今の世の中、すべての自治体が不当要求に苦しんでいると思います。
僕も最近はご無沙汰ですが、以前の部署では相手3人vs僕1人、6時間ぶっ通しとかも経験しました。
「今のうちに親孝行しておけ」と言われたこともあります。

今回のニュースが良い先例になってほしいと切に願います。

先月から役所の不祥事露見が続いています。統一地方選挙が近いせいでしょうか?
中でも「首長によるパワハラ」について、個人的な意見を置いておきます。

(注意)
パワハラを肯定する意図は全くありません。
断固パワハラ反対です。

首長が部下にパワハラすると裏切られる

首長によるパワハラは、自分の政治生命を危機に晒します。
モラル云々は別にして、政治家として絶対にやってはいけない、ハイリスクローリターンな行為です。

首長という立場は脆いです。一度悪評が立ったらおしまいです。
そのため、職員を使って自らの評判を守ろうとします。

自治体の職員、特に部局長クラスの幹部職員は、首長の弱みを大量に握っています。
守る立場だからこそ、隠すべき情報も自然と手に入ってしまうのです。

しかも幹部職員は、議会やマスコミ、地元経済界等々にも顔が広いです。
いくらでも秘密を暴露する相手先がいます。

つまり首長は、幹部職員の忠誠を繋ぎ止めておかないと、首長としての立場を維持できないのです。
イラっとされて秘密をばら撒かれたら終了なのです。

勿論、パワハラを貫いて恐怖政治を敷くことも可能です。
ただ、今回の某市長の件が明るみになったことで、役所レベルの大きな組織でのパワハラ恐怖政治は困難だと証明されてしまいました。

パワハラするなら間接的に

恐怖政治的に役所運営したいのであれば、首長自らではなく、部下にパワハラさせればいいのです。
パワハラマンを管理職として使うのです。
こうすれば、ヘイトは管理職本人に向かい、首長は責められません。
 
この手法を採るには準備時間が必要です。当選1期目は誰が使えるパワハラマンなのかもわからないので、2期目以降でないと難しいでしょう。

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