キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

カテゴリ: 公務員の仕事術

そろそろ新規採用職員の方々から
  • 担当業務が重すぎる
  • 業務量が多すぎる
  • こんな仕事を新採に任せるのはおかしい!
という恨み節が聞こえてくる時期です。

こういう職場に対する恨みつらみを新人の頃から拗らせてしまうと、いいことはありません。
どんどん仕事に対するモチベーションが下がっていき、人生の幸福度も下がっていきます。

しかし実際のところ、「新採なのに仕事が重すぎる」という感覚は、勘違いのケースも多いです。
僕自身も採用1年目は「人事の采配が間違っている」と恨み言を呟いていたものですが、今から思い返せば新採相当の大したことのない仕事でした。

新規採用職員が自らの担当業務に不平不満を抱きがちな理由を考えていきます。

4〜5月はそこそこ繁忙期

昨年度の支払いを処理したり、決算を作ったり、6月の議会に向けて準備したり……等々、4月から5月は一年の中でもけっこう忙しい時期です。
4月採用の新規採用職員は、いきなり繁忙期に放り込まれたようなものとも言えます。
 


これまでは忙しかった方も、案外7月以降は暇になるかもしれません。
「新採なのに仕事が重すぎる」と愚痴るのは、もう少し待ったほうが賢明です。

だいたいの自治体では7月〜9月に夏季休暇を取得できます。
夏季休暇が取れないくらい繁忙状態が続くようだったら、本当に「重すぎる」ポストだと思います。

就業前イメージとのギャップ

今となっては流石に「地方公務員は毎日定時帰り」だと信じている人はいないと思いますが、それでも「民間と比べれば大して忙しくないだろう」と高をくくっている人ならば、まだいるかもしれません。
こういうタイプが実際に地方公務員として働いてみたら、予想以上に仕事が多く、「辛い」と感じることでしょう。

総務省の調査では「地方公務員の残業は10時間/月くらい」という結果になっていますが、これはまやかしです。
サービス残業分を含めればもっと残業しています。

本庁勤務であれば、ホワイトと言われる部署であっても月30時間くらいの残業は普通にあり得ます。
残念ながらこれが現実……
月50時間を超えない程度であれば、「まだマシなほう」と思ったほうが正確です。

経験の差

周囲の職員と自分とを比較して「自分は大変だ」と思うケースも多いでしょう。
  • みんなは早々と帰っているのに、自分だけ仕事が終わらず残業している
  • みんなはいかにも簡単そうに回しているのに、自分はいつも調べ物をしたり悩んだりしている
こういう周囲とのギャップを理由に、「新採なのに重い仕事をやらされている」と感じるわけです。

これは実際のところ、担当業務の軽重のせいではなく、経験の差によるものです。
他の職員にとっては「当たり前」のことであっても、新規採用職員にとっては「初めて」であるために、何事も苦労するのは仕方ないことです。
大抵の場合、自分一人だけ重い仕事を振られているわけではありません。

周囲の職員がさほど苦労しているように見えないのであれば、その職場はホワイトだといえます。
役所仕事に慣れてさえしまえば楽な環境だと証明されているからです。
不平不満を感じるなんてもってのほか、むしろ当たりポジションを引き当てています。
不貞腐れずに仕事をこなして慣れていけば、来年にはホワイト環境を享受できるはずです。

上司のせいで不必要に重くなっている

新規採用職員の仕事は、基本的に上司のチェック下で行われて、自分だけでは完結しません。
上司が細かい人であれば例年以上に大量の作業を命じられるでしょうし、適当な人なら僅かな手間で済むでしょう。
教育上手な上司であればスムーズに仕事できるでしょうし、放任系であれば何でも自分で調べて考えなければいけません。

つまるところ、新規採用職員の仕事量も業務の重さも、上司次第で一変します。
本来は新規採用職員向けに担当業務を減らしている「軽いポスト」であっても、上司が「仕事を創る」タイプであれば、無限に忙しくできるわけです。

このパターンはどうしようもありません。
公務員の宿命……というよりは組織人の宿命でしょう。
「新採なのに」という理由で嘆くのではなく、「天災に遭ってしまった」と諦観するしかありません。


もちろんガチで新人に相応しくないハードなポストもありえます。
僕の経験則では、住民からの苦情が多い部署は、新規採用職員でも忙しい傾向がある気がしています。
(苦情対応業務自体が、どちらかといえば若手が対応する仕事扱いのため、新人含め若手に負担が集中しがち)

今は大変かもしれませんが、不貞腐れずになるべく和気藹々と仕事を進めていったほうが、精神衛生上も楽になると思います。 

世間的には「人は見た目が9割」と言われておりますが、田舎役所というクローズドな環境下だと
  • コミュニケーション能力 6割
  • 見た目 3割
  • 事務処理能力 1割
くらいのバランスじゃないかと思っています。 
圧倒的に大切なのはコミュニケーション能力です。 

とはいえ見た目も重要です。
少なくとも事務処理能力よりは、はるかに重視されます。

僕は老け系のオタク顔です。
いわゆる「チー牛」のような童顔オタクではなく、もっとおっさんくさい感じです。

民間企業勤務だとマイナスにしかならない容貌なのでしょうが、地方公務員としては結構有利に働いています。
ひと目見て「いかにも融通効かなさそう」と思われるのか、住民からあまりゴネられません。
電話だと人並みにゴネられるものの、対面だと(さんざん嫌味は言われますが)早々に帰ってもらえます。

一方、童顔の地方公務員は、老け顔よりも苦労が多いと思います。

年功序列文化では下に留め置かれる

「年功序列」というといかにも役所の専売特許のように思われがちですが、実際は日本社会の至るところに染み付いています。

役所に来る住民の方々も同様です。
対応する職員が自分よりも年上か年下か次第で、態度が一変します。
より正確にいうと、年下だと認定した職員に対しては、態度が大きくなりがちです。

童顔の職員は「年下」認定されやすく、住民から攻撃的な物言いをされることもしばしばです。
特に童顔の男性職員は大変そうです。
住民に対して「男だから少々強めに当たってもいいだろ」「年下なら遠慮しないぞ」という二枚の免罪符を与えてしまい、攻撃行為の心理的ハードルを引き下げます。

たとえば、制度の詳細をわかりやすく正確に説明したとしても「本当か?常識的に考えておかしくないか?」などと食いつかれたり、些細な言葉遣いをネチネチ指摘されたり……こういう細かいトラブルに遭いがちです。

もちろん、ガチなクレーマーは性別も年齢も関係ありません。
職員の属性に合わせて臨機応変に弱点を突いてきます。
童顔が不利なのは住民対応一般の話です。


「油断させて本心を引き出す」という固有スキル

童顔の職員は、相手から大きな態度を取られがちで、そのせいで苦労が増えるといえます。
しかし、見方を変えると、「相手に大きな態度を取らせられる」というのは、武器にもなり得ます。

「大きな態度を取られる」ということは、「相手を油断させられる」ことでもあります。
年下認定した職員に対してマウントを取ろうとするのは、相手を見くびっているからです。
「反撃されるかも」という警戒を怠り、ついつい口が軽くなっている状態ともいえます。

「相手を油断させて口を滑らせる」というスキルは、地方公務員人生でかなり重宝します。
役所に限った話ではありませんが、組織外の人と協業する場合には、「相手が信用できる人物であるか」を見極める必要があります。

地方自治体は、「役所」であり「田舎」という、馬鹿にされがちな要素を兼ね備えています。
一見友好的な相手であっても、内心どう思っているかわかりません。
そのため、あえて油断させて本性を引き出すという策が大変効果的です。
童顔の職員は、相手を油断させやすいため、相手の本性に迫りやすいとも言えるでしょう。

もちろん、単に相手を油断させるのみならず、口を滑らせて本性を暴き出すためには、高度なコミュニケーション能力が欠かせません。
外見とコミュ力の両方が揃うことで、スキルとして確立するのです。


地方自治体にはいろいろな仕事があり、老け顔が活きる職場もあれば童顔が活躍する職場もあります。
どちらにしても「強み」として活かせるので、まずは自分がどちら寄りなのかを考えてみると良いでしょう。

試験当日に寝坊して不戦敗という大失態から1年を経て、基本情報技術者試験にリベンジしてきました。
結果は多分合格です(午前午後ともにスコア8割超)。
1年間の浪人生活(笑)が報われてホッとしています。

「デジタル人材」という単語が官民問わず連呼される昨今、ひょっとしたら情報処理技術者試験に関心のある地方公務員もいるかもしれません。
本来のスケジュールよりも1年間余計に勉強したというイレギュラーケースではありますが、参考までに所感を記しておきます。

ガチの初学ってこんなに大変なのか

インターネット上では、基本情報技術者試験はさほど難関扱いはされていません。
資格偏差値サイトでは偏差値49くらいですし、「朝ちゃんと起きて試験会場に行くのが最大のハードル」なんて揶揄もされています。

僕も正直、甘く見ていました。
しかし実際は……長くてつらい道のりでした。
少なくとも宅地建物取引士試験よりずっと大変でしたし、勉強時間も倍以上かかりました。

苦戦の理由は明白です。
これまでまともに情報関係の勉強をしたことが無かったために、基礎が全然無かったからです。

これまで僕が挑んできた宅建やマンション管理士は、なんだかんだ法律の試験です。
地方公務員試験対策で一度しっかり勉強しているうえ、日々の業務でも法律に触れているおかげで、それなりに基礎が固まっています。

一方、情報関係の知識は、これまで試験で問われたことがなく、まともに腰を据えて勉強したこともありません。
ゆえに基礎が全然できておらず、そもそも「独学するための最低限のリテラシー」すら持ち合わせていない状況だったわけです。

  • わからない単語だらけでテキストの文章が頭に入ってこない
  • テキストの図やイラストが何を表現しているのかイメージが湧かない
  • 理解できたような気がしても数日後には忘れている(記憶の定着が悪い)
最後の最後まで、こういう戦いを強いられました。
正直、今でもよくわかっていません……

それでも試験自体は合格できましたし、得るものは少なくなかったと思います。


国語力も結構問われる

僕の経験談に入る前に、基本情報技術者試験の概要に触れておきます。

午前試験と午後試験

基本情報技術者試験は、午前試験午後試験の2パートに分かれています。
今はCBT試験になり別日に受験するのですが、かつて1日で両方を受験していた名残から、このように呼ばれています。

それぞれの試験の概要は以下をどうぞ。



ざっくりいうと、午前試験では知識と計算力、午後試験ではさらに国語力も問われます。
午前試験と午後試験で、それぞれ別方向の対策が必要です。

「広く薄く」が求められる試験

基本情報技術者試験は、試験範囲がものすごく広いです。
情報工学を支える理系アカデミック要素、IT関係の経営実務、総務省や経済産業省の政策など、いろいろな分野から出題されます。

しかもIT関係の分野はリアルタイムで急速に進化しており、日々新しい単語や概念が登場します。
もともと広い試験範囲が、今もなお膨張を続けているのです。
満点を取るのは不可能だと思います。

ただし、午前試験・午後試験ともに合格ラインが「100点満点中60点」と低めです。
最大で4割間違えても合格できるわけで、完璧を目指す必要が薄い試験だといえるでしょう。

テクノロジ・マネジメント・ストラテジ

IPAが実施している情報技術者試験では、出題分野を「テクノロジ」「マネジメント」「ストラテジ」の3つに区分しています。

「テクノロジ」は文字通り技術に関する出題です。
IT関係の知識や、IT技術を下支えしている数学などを指します。
午前試験でも午後試験でも、一番ウェイトが大きいのが「テクノロジ」です。

「マネジメント」は、プログラム開発やITシステム導入・運用の実務に関する出題です。
基本的に暗記ゲーなのですが、地方公務員的には一番縁遠い分野かもしれません。

「ストラテジ」は、企業経営に関する知識を指します。
経営学の概念や経営指標、労働関係法務など、ITとはあんまり関係ない分野です。
FP試験を経験していれば余裕です。

地方公務員(IT関係未経験)の場合は「諦めない」のが一番大事

続いて、地方公務員バージョンの試験対策方法を考えていきます。
対象は僕みたいなIT素人を想定しています。

午前対策……過去問演習が全て、演習するための準備段階が一番きつい


午前試験の対策は、ひたすら過去問を解き続けるのがベストです。
これまでの試験回では、過去問の焼き直しみたいな問題が多く、問われやすい論点が決まっています。
あんまり古すぎる問題は再出題されないみたいなので、過去10年分くらいをみっちり解きまくればいいと思います。

ただし前述したとおり、いきなり過去問を解こうとすると、問題文の意味が理解できないと思います。
そのため、過去問に挑む前に、軽く(薄く広く)知識をつける必要があります。

おすすめのテキストはこちら。

キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和04年
きたみ りゅうじ
技術評論社
2021-12-09


市販されているテキストの中では、一番わかりやすく咀嚼されていて、初学者向けだと思います。
これを読みつつ、読み終えたパートの過去問を少しずつ解いていきます。

序盤は本当にきついです。
とにかく頭に入ってこないし残りません。
「賽の河原で石を積むのってこんな感じなのかな」と本気で思いました。

それでも続けているうちに問題は解けるようになります。
理解は後回しにして、「こういうものだ」と割り切って問題演習を続けるほうが効率も良いし、精神衛生上も好ましいと思います。

基本情報は「6割正解」で合格する試験です。
最初から完璧を目指す必要どころか、最終的に完璧でなくとも合格は可能です。
キリキリせずにとにかく進めていくことが重要だと思います。


余裕があれば、網羅性の高いテキストも手元に置いて随時参照すれば、より良いと思います。


僕はこれを使いました。
最初から応用情報も受けるつもりでいたので、「大は小を兼ねる」感覚で応用情報の参考書を選びましたが、最初の2ヶ月くらいは意味不明で全然参照しませんでした……

地方公務員の場合、最大の難所は離散数学(二進数など)でしょう。
たいていのテキストでは、離散数学が最初の章で説明されていると思いますが、もし理解できないようだったら、一旦飛ばしてしまっても構わないでしょう。

ただ、離散数学を完全に捨ててしまうと、合格は一気に難しくなると思います。
出題数が結構多いですし、何より情報技術を支える基礎そのものだからです。

過去問演習はこちらのサイトのお世話になりました。
凄すぎるサービスです。



午後問題……アルゴリズムさえなんとかなれば大丈夫

午後問題は、そこそこ長い問題文を読んでから正解の選択肢を選ぶという形式で、公務員試験の「判断推理」「資料解釈」みたいなものです。
「セキュリティ」や「ネットワーク」など、情報処理技術者試験で問われる分野ごとに設問があり、必須問題と選択問題があります。

午後試験対策も過去問を解くのがベストだと思います。
午前試験とは異なり同じ問題は出題されませんが、「問題文の読み方」や「解き方」はおおよそ同じだからです。いわゆる「慣れ」が大事です。

最大の敵は必須問題の「アルゴリズム」です。
架空のプログラムを読んで、その挙動を理解することが求められます。
問題自体は国語なのですが、問題文の一部が日本語ではなくプログラム言語というイメージです。

この問題は地味に配点が大きく、100点中の25点を占めます。捨てるのは厳しいです。
しかし、プログラミングに触れたことのない人にとっては、謎の英数字が並んでいる暗号にしか見えません。
地方公務員的には、離散数学と並ぶ難所だと思います。

試験対策としては、読み方自体を勉強するしかありません。
特に「よく使われる処理」に慣れてくると、徐々に読解できるようになってきます。



僕はこのテキストで勉強しました。(イラストを描かれているIxy先生のファンなので本書一択)
これを読んで「問題文の読み方」の基礎を学んだ後、過去問にチャレンジしていくうちに、半分くらいは解けるようになりました。

試験当日までに過去5年分(10回分)を解きましたが、本番でも結局半分くらいしか正答できませんでした。
それでも他の問題でちゃんと得点して合格できたので、諦めずに部分点を狙っていく方向で頑張るしかありません。

選択問題は文系問題と表計算

午後試験には選択問題が2ヶ所あります。

ひとつは問2〜問5で、いずれか2問を選択して解答します。
午前試験の延長線上のような問題で、問題文さえちゃんと読み解ければ、午前試験と同じ感覚で解けます。

出題される分野はだいたい決まっています。(テクノロジ系から3題、マネジメント・ストラテジ系から1題)
地方公務員の場合、国語試験要素の強いマネジメント・ストラテジ系問題は確実に選択するとして、テクノロジ系からどれを選択するのかが悩ましいところです。
過去問を一通り解いてみて、解きやすい分野を選び、それを集中的に対策すればよいでしょう。

テクノロジ系の中では、僕は「ソフトウェア・ハードウェア」「ネットワーク」だけ対策しました。
というか他が解けませんでした……


もうひとつは問7〜問11で、いずれか1問を選択して解答します。
こちらは午前試験とは全然関係がなく、プログラム言語について問われます。

プログラミング未経験者の場合は「表計算」一択だと思います。
これはエクセルっぽい架空のソフトについて問われるもので、vlookup関数の使い方を知っていれば手堅く5割正答できます。
残りの5割は「アルゴリズム」対策をしていけば自然と解けるようになります。

勉強時間は150時間くらい欲しい

元々の僕の計画では、
  • 2021年1月に情報処理技術者試験の勉強スタート
  • 2021年5月に基本情報受験
  • 2021年10月に応用情報受験、ダメなら2022年4月も受験
というスケジュールでしたが、いろいろな不幸が重なって2021年中は受験できず、2022年4月〜5月にかけて立て続けに受験してきました。

情報処理技術者試験の勉強に要した時間を単純に足し上げると、15ヶ月で240時間になりました。
基本情報対策に相当する時間だけに絞ると、だいたい160時間です。
一番時間を要したのが基本情報午前対策の1周目(キタミ式を読みながら過去問8年分を1週)で、ここまでで60時間近くを要しています。

インターネット上には「2週間で受かる」みたいな記事もありますが、初学者が安定して合格するためには、どうしても150時間程度はかかってしまうと思います。
とにかく過去問を回し続ければ合格できる試験だとは思いますが、初学者はまず最低限の知識をつけないと、そもそも問題文を読解できず過去問を回せないからです。

試験当日:顔写真付き身分証明証だけはお忘れなく

2021年度の試験以降、基本情報技術者試験はCBT方式で実施されています。
大学入試みたいに大部屋で一斉に受験するわけではなく、ひとりひとり個別ブースに入ってパソコンを使って回答します。

他の受験生を見ていると、とにかくみなさんお若い
明らかに20代前半の人が過半数を占めています。学生も多そうです。
当日はかなりアウェー感がありました。

この試験には受験票が存在せず、代わりに、受験当日は顔写真付きの身分証明証(運転免許証やマイナンバーカードなど)を持参する必要があります。忘れてきたら受験できません。
「受験票を紛失する」というリスクを回避できる一方で、「身分証を忘れてくる」という新たなリスクを抱えるわけです。

僕が受験した会場では、午前試験・午後試験ともに、身分証を忘れて受験できず敗走していった方がいました。本当に辛そうな、悲しそうな顔をして帰っていっていました……

細かい試験内容は規約上対外厳秘なので、書けるのはここまでです。
いろいろコメントしたいことはあるのですが……

地方公務員が確実に合格するなら2022秋試験がラストチャンス?

先月下旬、来年春(2023年4月)から基本情報技術者試験を見直すというプレスリリースが出されました。
現行の方式は今年の秋まで、つまり残り1回のようです。



ざっと内容を見たところ、午前試験はこれまでと大差ない一方で、午後試験の形式が大きく変わり
  • 僕がさっき「最大の敵」と表現した「アルゴリズム」の配点が増える
  • 得点源になる「マネジメント・ストラテジ」や「表計算」がなくなる
という、地方公務員的には相当不利な方向に変更されてしまうようです。

サンプル問題に挑戦してみたところ、日本語を読み解くタイプの問題が消滅した代わりに、プログラム言語の読解問題が増えている感じでした。
太刀打ちできないほど難しいわけではない(これまでの「アルゴリズム」試験並み)とはいえ、読解に時間がかかり、試験時間内に解き切れる気がしません。

IT未経験の地方公務員がどうしても基本情報技術者試験に合格したいのであれば、今年の秋試験に挑戦するほうが無難だと思います。

ひょっとしたら今後、「地方公務員なら国語要素の強い応用情報のほうが受かりやすい」という時代が来るのかもしれません……

標準的知識を手軽かつ安価に学習する手段として、資格試験は有用です。
このブログでも事あるごとに推奨しています。

ただし、地方公務員には縦横無尽な人事異動という宿命があります。
せっかく頑張って知識を仕入れたところで、人事異動により無用と化すケースが後を絶ちません。
そのため、「どうせすぐに無駄になるから地方公務員に資格は不要」と考えている方もかなりいます。

実際のところ、資格そのものも、試験勉強によって得た知識も、役立つ期間はごく僅かかもしれません。
しかしそれでも、資格試験へのチャレンジは、地方公務員にとって有用だと思います。
 
資格試験勉強の過程で「参考書を読み込む」ことが、「小難しいことを噛み砕いて説明する」という地方公務員稼業に必須のスキル向上に資するからです。

「十分咀嚼する」という難行

地方公務員の仕事には「説明」がつきものです。
 
説明会を開いたり、住民やマスコミからの問合せに回答したり、議員などの有力者に施策内容をレクチャーしたり……といった説明相手と直々に対面するものに加え、広報物やホームページに掲載する文章・図表を作成するような広義の「説明」も含めれば、業務のうちの相当部分が「説明」関係だと言えるでしょう。

本庁勤務の場合は、庁内向けの説明業務もたくさんあります。
自分が担当する法令や制度について別部署に解説するのが典型ですが、財政課に対して予算要求するのも一種の説明業務でしょう。

地方公務員の説明は、概して小難しくてややこしくなりがちです。
これはどうしようもありません。
説明対象が法令や制度のような抽象的存在であることが多く、説明する側にとってもされる側にとってもリアリティを感じにくいからです。

とはいえ、「どうしようもない」と諦めるわけにもいきません。
相手に理解してもらうには、説明者はなるべくわかりやすくなるよう工夫を凝らすしかありません。

高い理解力がかえって「わかりにくい説明」を生む

多くの地方公務員、特に若手は、「わかりやすく説明する」のがあまり上手くありません。

地方公務員はそれなりの難関試験である公務員試験を突破しており、世間一般よりも高い理解力を備えています。
そのため、世間一般にとっては「難しい」と感じられる内容であっても、それなりに理解できてしまいます。

この理解力が、説明業務においては仇になります。
世間一般の理解力がどの程度なのか、わからないのです。
 
世間一般の水準を知らないゆえに、自分基準で「わかりやすい」説明で満足しがちです。

自分基準では十分に咀嚼されていて「わかりやすい」と感じられる説明でも、世間一般にとってはまだまだ不十分でわかりにくいのに……「もっとわかりやすく説明しろ!」というお叱りを受けるまでは気がつかないものです。

特に若手は、「世間一般」との交流経験が圧倒的に不足しています。
地方公務員に合格できるような層(特に大学新卒)は、これまでずっと平均以上の知的レベルの層に囲まれて生活してきており、「誰もが自分程度の理解力を備えている」ことを疑いすらしてこなかったかもしれません。


「噛み砕き」のお手本

小難しいことをうまく噛み砕いてわかりやすく説明するお手本となるのが、資格試験の参考書です。
特に、法令や制度をふんだんに扱っており、かつ受験者の裾野が広いファイナンシャルプランナー(3級と2級、1級はさすがに細かい)や宅建士の参考書は、特に有用だと思います。

このあたりのレベルの資格試験は、受験者のばらつきが大きいです。
中には学力的にかなり劣る人もいます。
そういう人でも努力すれば合格ラインに乗るよう、工夫に工夫を重ねて、参考書は作られています。

この辺りのレベルの試験参考書は、地方公務員にとっては冗長に感じられるでしょう。
特に、民法のような公務員試験対策で勉強したことのある科目だと、「わかりやすい」を通り越して「まどろっこしい」とすら感じるかもしれません。

しかし、この「冗長さ」「まどろっこしさ」こそ、世間一般が希求している「わかりやすさ」であり、法令や制度のような抽象的概念を世間一般に理解してもらうには、このくらいまで噛み砕く必要があるのです。

資格試験の参考書は、知識のみならず「噛み砕き方」を授けてくれます。
試験に合格するだけであれば、参考書で知識をインプットするよりも過去問演習に重点を置くほうが効率的ですが、説明力向上という観点では、参考書をしっかり読み込むのも重要だと思います。

サイコパスという存在は、地方公務員にとっては意外と身近です。
役所のいろいろな部署に出入りして騒動を起こしまくるタイプの住民の中には、「この人サイコパスだろ……」と思わざるを得ない言動をとる人がかなりいらっしゃいます。

一方、住民の中には、地方公務員=サイコパスという認識の方も多いと思います。
Wikipediaによると、サイコパスの最大の特徴は「良心の欠如」とのこと。
地方公務員の仕事の中には、良心(=職員個人の感情)とルールが相違する案件も多く、住民側から見れば冷徹非情な判断ばかり下していると思われても仕方ないでしょう。

実際のところ、ある程度はサイコパス要素を備えていないと、地方公務員という職は務まらないのではないかと思っています。

「できないことはできない」と追い返すのが地方公務員の使命

役所には毎日、何らかの困りごとを抱えている住民の方が大勢やってきます。
住民の困りごとを解消する、いわば広い意味での「福祉」は、行政の重要な役割です。
住民救済のため、たくさんの制度が用意されています。

しかしそれでも、すべての困りごとを解消できるわけではありません。
行政のリソースは限られており、何から何まで解決するほどのキャパシティがありません。
そのため、抱えている人が多いメジャーな困りごと(絶対的貧困など)や、対策しないと心身に危険が及ぶもの(DVなど)のような、優先順位の高いものを中心に対策していかざるを得ません。

役所勤務をしていると、「年収2,000万円なんだけど住民税が高すぎて可処分所得が不足している」みたいな、世間からすれば贅沢すぎる困りごとを訴えてくるケースにたびたび遭遇します。

同じ状況下であっても、困る人と困らない人がいます。
「困っている」かどうかは、あくまで主観的な感覚です。

個人的な感覚である以上、困るのも困らないもの個々人の自由です。
「その程度の苦境で『困った』なんて口にするな、もっと心を強く持て」なんてことは、少なくとも役所という立場からは絶対に言えません。

しかし、「その困りごとを役所が公費を使って解消すべきか」という判断は、完全に別問題です。
先述のとおり行政のリソースは限られており、どんな困りごとでも解消できるわけではありません。
「行政が解消すべきはどのような困りごとなのか」は、役所の独断専行ではなく、民主主義的に決めるものです。

結果的に、「困っているのはわかったけど救済できません」とお引き取りを願うケースが多発します。

多くの住民が地方公務員をサイコパス認定するのは、このタイミングなのだと思います。
「大変ですね」などと寄り添うような素振りをしつつも、最終的には切り捨てる。
こういう非情な振る舞いを平気でやってのけるところに、サイコパス要素を感じ取るのです。

このようなやりとりは、よくマスコミにも取り上げられます。
そのため、普段は役所に行かない人であっても、日常的に見聞きしているでしょう。
こうして「地方公務員=冷徹非情なサイコパス」という一般的認識が仕上がっていくのです。

サイコパスでないと働き続けられない?

ルール上どうしても救済できない人に諦めてもらうのは、地方公務員として正しい行動です。
変にルールを曲げて救済してしまう、つまり不正を犯すことは、れっきとした犯罪です。
確かに今は一時的に救えるかもしれませんが、結果的に相手のためになりません。

さらには民主主義ベースのルールを揺るがし秩序を損なうことにもなり、他の全住民の利益を損ないます。
逆に言えば、ルールを厳格に運用することで眼前の一人は落胆させるかもしれませんが、その他の全住民の利益を守ることになるのです。

しかし我々地方公務員も人間であり、人並みの感情を備えています。
理由はどうであれ苦しんでいる人を追い返すのは、ルール上そうするしかないとはいえ、どうしても罪悪感を覚えます。
感情に押し負けて判断を誤るケースもあるでしょう。

このようなシチュエーションでも、サイコパスなら何も感じません。
何も感じないために、判断を誤るリスクもありません。
地方公務員としての役割を遂行するだけであれば、サイコパスのほうが適しているでしょう。

もちろん、サイコパス性を同僚に向けるのはご法度です。
心の中にサイコパスを「飼育」して、必要なときに解き放つくらいがちょうど良いのかもしれません。

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