キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

カテゴリ: オタク

4月の情報処理技術者試験を終えてからひたすら遊び回っていました。
このブログを書くのも久しぶりです。
「今年はハッピー路線です」と宣誓しておきながらも結局暗い記事しか書けず……一旦ブログから離れて気分転換してきました。

情報処理技術者試験はひと段落か

今春の情報処理技術者試験は、結局「基本情報技術者」と「ITストラテジスト」を受験して、なんとかどちらも合格できました。
基本情報のほうは受験記録を書きましたが、ITストラテジストのほうも現在作成中です。



当初の目標だった「応用情報技術者」は、どうしましょうか……

忙しいかと思いきや暇になった

僕の出向先では、3月いっぱいでプロパー社員が大勢離職してしまい、いきなり人手不足に見舞われました。
その余波が僕にまで及んできて、4月はかなり慌しかったです。
(僕は一応「県からの派遣」という立場で出向しているので、民間派遣会社だったら明らかに偽装請負案件……)
幸いにも5月からは派遣の事務社員さんたちが来てくれて、平和になりました。

派遣社員を受け入れるにあたり、思わぬ副産物もありました。
これまでプロパー社員が属人的に回していた業務を、派遣社員向けにマニュアル化したところ、かなりの効率化が図られたのです。
このおかげで僕の業務負担もだいぶ軽くなり、残業も減りました。

「残業代で荒稼ぎ」という当初の目論見は外れてしまいましたが、暇なら暇で遊び倒すまでです。
6月まではちょくちょく年休を取得して、いろいろ出掛けていました。
夏も旅行三昧のつもりだったのですが、コロナ感染者が増えてきたので再考しています。


Googleに認められた異常独身男性

開設以降ずっと、本ブログの人気記事は「学歴」「出世」関係だったのですが、ここ数ヶ月はこの記事が一番PVを稼いでいます。
 


この記事、なぜかGoogleで「異常独身男性」と検索すると上位表示されます。
(2022年7月17日時点では2番目、1番目はTogetter)
各種まとめブログを差し置いて上位表示させていただけているおかげで、検索流入が止まりません。

「異常独身男性」の定義はいまだあやふやなのですが、ひょっとしたらこの記事が定義確立に寄与してしまうかもしれません。ちょっと緊張してきました。

その他

プラネテス感想(ネタバレ注意)

16話と24話、それぞれハチマキとタナベの逡巡シーンがやばすぎました。
伏線やフラグを綺麗に回収するに止まらず、これまで歩んできた時間(=作中で描写されてきた会話・出来事)全てを束ねてこのシーンへと繋げるという展開。感動するしかありません。

そして最終話で示される「繋がっている」という主題。
作中でハチマキが語っていたのは「横の繋がり」つまり「同時代に生きる他者との繋がり」のほうが主なのでしょうが、視聴者的には「縦の繋がり」=「同一人物の時系列的な繋がり」のほうの重要性もしっかり感じられる、絶妙な構成だと思います。

メタな見方ができるようになった今だからこそ、本作の魅力を深掘りできた気がします。
改めて視聴する機会をくれたNHKに感謝です。

ワンピース無料公開

6月27日から『ワンピース』電子書籍版が無料公開されています。
恥ずかしながら「空島編」までしか読んでいなかったので、この機に追いつくべく延々と読み耽っているのですが……やはり面白いです。
本筋が面白いのものさることながら、「ここは伏線!考察しろ!(ドン!!)」とあからさまに伏線を張っておき、それを後々ちゃんと回収する……という漫画ならではの様式美をきちんとこなすところも、本作の魅力なのだと思います。考察勢が盛り上がるのも納得です。





久々に聖地巡礼

6月には4年ぶり上京して、ラブライブ!シリーズの聖地を巡礼してきました。
今回は主にお台場と原宿近辺、そして鎌倉です。
「虹ヶ咲」1期放映後からずーっと行きたかったのですが、コロナのせいで自粛せざるを得ず、今回ようやく実現しました。ヴィーナスフォート閉館に間に合わなかったのが本当に悔やまれます……

実際に作品の舞台を歩いてみると、「このシーンとあのシーン、意外と近くで展開されてたんだな」とか「人目につかない場所だから、誰にも見つからず一人になりたいときにピッタリだな」みたいに、制作サイドの描写意図に「気づく」ことができます。
聖地巡礼の魅力は人それぞれですが、僕はこの点が一番楽しいです。
特に「虹ヶ咲」は現地訪問して「解きほぐす」ことを前提に制作されている趣があり、ここが魅力でもあるのですが……ゆえに2期終盤は足早すぎて物足りなく感じてしまいました。

ただ、コロナが流行り始めてからずっと旅をしてこなかったせいか、体力が著しく落ちています。
もともと3泊4日の行程だったのですが、途中で力尽きて半日ほどダウンしてしまい、全部回りきれませんでした。
今度は「スーパースター」2期終了後くらいのタイミングでリベンジしたいです。


つい先週、唐突にラブライブ!プロジェクトの新シリーズが発表されました。




PVに出てきた風景は、どうやら石川県金沢市らしいです。
新シリーズの初お披露目で、キャラクターを一切出さずに風景だけ見せる……という手法は今回が初めてのはず。
これまではキャラクター主体のコンテンツだったところ、新シリーズでは今まで以上に地域性を推す展開を構想しているのかもしれません。
もしそうだとしたら、舞台のチョイスはとても重要ですし、ここで金沢市を選出した理由もちゃんとあるのだと思われます。

かつて「花咲くいろは」の聖地巡礼をした際の記憶を呼び起こしつつ、金沢市を舞台にする意義を考えてみました。

一通りなんでもある(娯楽施設以外)

フィクションの舞台としてみた金沢市の強みは、ハード・ソフト両面でそれなりになんでも揃っていることだと多います。
フィクションの素材には事欠かないでしょう。

自然環境でいえば、山も川も海もあります。
市街地もあれば田園地域もありますし、古都らしい街並みもあります。

ソフト面では、伝統芸能工芸が高水準なのが強いです。
これまでのシリーズではほとんど取り上げられていない題材でもあり、いかようにも描けそうです。
(オタクとの相性は悪そうですが……)

食べ物がどれも高水準なのも高ポイントです。
トップクラスと呼べるほど著名なものは無い(和菓子くらい?)かもしれませんが、何でも推そうと思えば推せるくらいにハイレベルなのは、フィクションの素材としては好都合でしょう。


オタク的にはアクセス不便

オタク界隈では、俗に「聖地巡礼」と呼ばれる作品の舞台現地を巡る行為が定番と化しており、作品の舞台選定にあたっては、オタクにとってのアクセスしやすさも重要な要素です。

同シリーズのサンシャイン!!の舞台である静岡県沼津市であれば、オタクの一大生息地である東京からアクセス良好(近いし安い)ですし、大阪名古屋からも比較的行きやすいです。

観光政策の文脈では、金沢市の強みとして「三大都市圏いずれからもアクセスしやすい」ことがよく挙げられます。
ただこれは一般的観光客の場合の話であって、オタクの場合は当てはまりません。

オタクは基本的にお金がありません。
そもそも学生が多いですし、社会人であってもコンテンツにお金をつっこみがちで常時金欠です。
そのため、移動に要するコストは最小限に抑えたがります。
遠出するときは基本的に高速バスで、大学生以上であればマイカー派も多いです。

金沢市の「三大都市圏からのアクセスしやすさ」は、新幹線や特急を利用した場合の話です。
高速バス路線もありますが、6時間くらいかかります。

つまるところ、オタクにとって金沢市は相当行きにくい場所です。
立地的にはディスアドバンテージを背負うにもかかわらず金沢市をチョイスしたのは、これを打ち消せるほどの魅力が金沢市に備わっていると、熟慮の末に判断したのでしょう。
判断の鍵となった要素のひとつが、先に触れた「題材の豊富さ」なのではないかと思っています。
いちファンとしてはただ期待するのみです。

女子高生が主役というコンセプトとの相性は……

ラブライブ!シリーズは、女子高生が部活としてアイドル活動をするというコンセプトで展開しています。
そのため、主要登場人物は基本的に女子高生です。
作中で地域性を描写するにしても、女子高生目線での描写になります。

こう考えると、金沢市を舞台にするのは微妙な気がしてきます。
金沢市が持つ諸要素は、大人にとっては魅力的かもしれませんが、女子高生にとってはどうでもよさそうに感じられるからです。

女子高生が兼六園とか加賀友禅とかノドグロとか五郎島金時なんかに関心を示すシーンがどうしてもピンと来ず、もしそんなシーンが展開されたら「ご都合主義」を感じてしまうでしょう。
茶屋街のおしゃれパンケーキとかならしっくりきますが、これなら別に金沢市である必要はありません。
(もしOLが主役の作品であれば超ぴったりな街だと思います。お酒も飲めますし。 )

いちオタクとしては、もちろん期待しています。素直に楽しみです。
ただ、観光関連の実務経験が、この期待に水を差してきます。
きっと単なる杞憂です。

個人的に今年一番のホットニュースである「ぐんまちゃんアニメ化」の続報が出ました。





役所はとにかく他自治体の事例を気にする組織です。
斬新な取組みであればあるほど。

広報や観光の担当者の中には、この事例について上司から「分析しろ」「資料を作れ」と指示されている方もいるかもしれません。

インターネットで調べれば
  • 地元出身の声優さんをメインキャストに据えている
  • 自治体が「製作・著作」としてクレジットされるアニメは珍しい
くらいの事実ならすぐわかると思いますが、僕みたいなオタクを除き、どれくらいすごいことなのかという感覚的な部分はピンとこないかもしれません。

資料を作ってヒアリングしても、「どんな効果が見込まれるのか?」「うちの自治体でも真似できるのか?」「成功するのか?」と詰められたら、回答に窮するでしょう。

7月11日時点で公表されている情報をもとに、「僕だったらこう説明するだろうな」というヒアリング用のカンペを作ってみました。

メインキャストがガチ

メインキャストの3名(高橋花林さん、内田彩さん、小倉唯さん)はめちゃくちゃ有名です。
断言できます。
高橋果林さんはキャリアが短いものの、当たり役(ぼののとかぐろっぴとか)を続々と射止めており、知名度は相当高いです。

声優業には「アニメ畑」「吹き替え畑」「ナレーター畑」のような活動領域がありますが、メインキャストの3名は皆さんアニメ畑です。
かつ、単に声をあてるのみならず、歌手活動も活発に行っており、マルチタレントと言っても良いでしょう。 

内田彩さん小倉唯さんはソロライブツアーなんかも複数回やっています。
さらに内田彩さんは、μ’sの一人として紅白歌合戦にも出場しています。

代表作やディスコグラフィのような指標で示すことも可能ですが、このブログの主要読者層は関心がない情報だと思うので省略します。
とにかく名実ともに「豪華キャスト」であることに間違いありません。

お三方とも声は可愛い系(しかも正統派美少女というよりはちょっと変な声路線、特徴が強い)なので、マスコットキャラクターを演じるのにもぴったりだと思います。
かつ絶妙にファン層が被っていないのも高ポイントです。

一朝一夕で成った企画ではない(推測)

群馬県庁と地元出身声優さんとの繋がりは、今回のアニメ化のずっと前から連綿と続いていたものと思われます。
少なくとも内田彩さんのTwitterアカウントには、かなり前から「ぐんま特使」であることが書かれています。

一昨年、東京・銀座にあるアンテナショップ「ぐんまちゃん家」を訪問したのですが、内田彩さんソロ名義のCDを取り扱っていて、とても驚きました。
アンテナショップという極めて競争率の高い売場でスペースを確保できるほど、一昨年の時点で深いつながりを構築していたのでしょう。

自治体がメディアタイアップするときにありがちな、広告代理店にお金を積んでゴリ押するパターンには到底見えません。成るべくして成ったという感じがします。

「物語性」への挑戦

今回のアニメ化の最大のインパクトは、「自治体のマスコットキャラクターに物語性を付与」したことだと思っています。

アニメ化されるということは、キャラクター達が織りなすストーリーが綴られるということであり、エピソードの積み重ねにより、キャラクター達の設定・奥行きが増していきます。
これが「物語性」です。

「物語性」は、もちろん制作側が主導権を握って作っていくものですが、受け手側によってもかなり左右されます。
制作側が狙ったとおりに受け手側が解釈してくれるとは限りません。
ファンの誤読がバズって炎上騒ぎに発展するケースもあります。

さらに「物語性」は、好き嫌いが分かれる要素でもあります。
大多数が高く評価していても、ごく一部からは強烈に嫌われていたり……逆もまた然りです。

つまるところ「物語性の付与」は、どれだけ頑張っても成功するとは限らないし、何より「全員が喜ぶ」ことはほぼあり得ないのです。


これまでの自治体キャラクターの運用は、粗探しや政治利用を回避すべく、とにかく設定を少なく物語性を排除していました。
極論、ロゴマークと大差ありません。

長期間運用することが前提である自治体マスコットキャラクターにとって、「物語性の付与」はかなりリスクの高い行為です。
これまで積み上げてきたキャラクターイメージが崩壊するかもしれませんし、悪意をもって物語性を解釈し難癖をつけてくる人も現れるでしょう。


自治体キャラクター運用の新境地なるか?

リアルでのパフォーマンスでは、結局くまモンに勝てません。
僕も何度か生で見たことがありますが、明らかに別格です。
動きのキレがいいというレベルを通り越して、観衆の心を揺さぶってきます。

しかも最近は新型コロナウイルス感染症のせいでリアルイベントが中止になり、キャラクターが活躍できる機会も減っています。

このまま従来通りの運用を続けていても、ジリ貧であることは間違いありません。
だからこそ群馬県はチャレンジしたのでしょう。

アニメという媒体を使うのであれば、ここまでは最善に近い展開だと思います。
あとは本編がどうなるか次第です。



新型コロナウイルス感染症が収束したら、自治体の観光PR合戦が始まると思っています。
自治体が自発的に施策を打ち出すだけでなく、旅行会社や広告代理店からも自治体にガンガン営業を仕掛けて合戦を煽っていくでしょう。
もしかしたら既に水面下で動いているところもあるかもしれません。

PRの手法は色々ある中、個人的には「アニメとのタイアップ」が増えるのではないかと思っています。
去年の「鬼滅の刃」の大ヒットを受けて、田舎の重鎮たちもさすがにアニメ作品の影響力を理解したことでしょう。
そういう方々が「アニメ作品=若年層に対する有効なアプローチ」だと思い込んで、「アニメ作品を媒介に地域の魅力を発信しよう!」という安直な判断を下しそうな気がしているのです。
少なくとも広告代理店はこういう宣伝文句を使って企画を売り込んできそう。


あくまでもいちオタクの感覚ですが、アニメ作品を絡めたご当地PRは、かなり難易度が高いと思っています。
特に役所のようなステークホルダーをたくさん抱えている存在が関与すると、どれだけ題材が良くて予算・時間が潤沢だとしても失敗しかねません。

以下、現実に存在する地域を舞台にしたアニメ作品を「ご当地アニメ」と呼びます。

アニメにおいてご当地要素は

まず前提として、映像作品としてのアニメの特徴をざっくり整理します。

アニメの特徴はすべての要素をコントロールできることです。
絵も音も動きも全て製作者の思いのまま、現実には不可能なシーンもアニメなら表現できます。

一方、現実に存在するものをそっくりそのまま再現するのは苦手です。
実写のほうがずっと簡単かつ高クオリティに仕上がります。

ほとんどの場合、ご当地要素は「現実に存在するもの」か「過去に存在したもの」です。
いずれにしても現実世界に存在したことのあるもので、単に正確に描写するだけであれば、アニメには向いていない題材です。

つまり、ありのままのご当地要素を発信したいのであれば、アニメよりも実写のほうがずっと適しています。
ご当地要素を「主」にした映像コンテンツを作りたいのであれば、実写ドラマのほうが作りやすくてディテールまで正確に表現できます。
わざわざアニメにするのであれば、ご当地要素はあくまでも「従」に位置づけ、「主」となる要素を引き立てるために使ったほうが効果的です。

以上はあくまでも僕の感覚です。
これに基づいて、「良いご当地アニメ」の条件を考えていきます。

多くの人が面白いと感じる

面白くないフィクション作品には誰も見向きもしません。
ご当地描写をどれだけ豊富に盛り込もうとも、視聴されなければ意味がありません。
ご当地描写は置いといて、作品として面白いことがまず必須の条件です。

PR効果を期待するのであれば、少数の熱狂的なファンから高評価を得るのではなく、多くの人に視聴してもらえる作品に仕上げなければいけません。

つまるところ、ごく限られた層にだけ刺さるニッチなアニメではなく、多くの人が面白いと感じる作品であることこそ、「良いご当地アニメ」の前提条件だといえます。

「大勢に受ける面白さ」はマジで難しい

創作行為の魅力かつ厄介なポイントは、誰にでもできるところです。

ドラマを見ながら「自分が監督ならこうするのに……」と思ったことが誰しも一度ならずあるのでは?
これも一種の創作です。
ゼロから物語を組み立てるのはハードルが高いかもしれませんが、「こうすれば面白いのでは?」という単発のアイデアを捻り出すくらいであれば簡単です。

ただし、「たくさんの人が面白いと感じるもの」を創作するのは、非常に難しいです。
才能と経験が必要であり、素人が口を挟む余地はどこにもありません。

このため、行政はアニメ制作には極力関与しないほうがいいと思っています。
ご当地要素に関しては行政は間違いなくプロですが、創作に関してはド素人集団であり、行政の意見をどれだけ取り入れようとも決して面白くはなり得ないし、むしろノイズになりかねません。
 

議員や地域住民も同様に、制作とは距離を置くべきだと思っています。
地域のことにどれだけ詳しくとも創作に関してはド素人であり、彼ら彼女らの意見を作品に反映させる必要はありません。

しかし、行政が下手に関わると、創作の現場に民主主義のルールが持ち込まれてしまい、こういったド素人の意見を作品に盛り込まなければいけない状況に追いやられかねません。

たとえばアニメ制作過程から補助金を出してしまえば、議会や住民から「行政には監督責任がある」とか「税金が投じられているのなら住民の思いを反映させるべきだ」という意見が噴出した場合、行政は逆らえません。

放送前から行政がガンガン宣伝しているような作品は、もしや制作過程にまで行政が絡んでいるのでは?という懸念を抱かせます。具体的な名称は挙げませんが……

ご当地要素を詰め込みすぎない

先述したとおり、すべての要素をコントロールできるのがアニメ作品の特徴です。
作中で描かれているものは、すべて作品において必要なものであり、何らかの意味が付与されています。

ご当地要素も同様です。作品にとって必要だから描かれるのです。
逆にいえば、特に意味もなくご当地要素をつっこむと、ものすごく浮きます。

たとえば島根県松江市が舞台のアニメがあるとします。
松江市は日本三大和菓子処に数えられる都市です。
せっかくなのでその特徴を活かすべく、主人公の自宅の居間のテーブルの上に毎回異なる銘菓を置くことになりました。

この場合、「テーブルの上に毎回異なる銘菓が置いてある」ことに意味を持たせなければいけません。
  • 銘菓を常に用意しておかなければいけないくらい来客が頻繁な家庭であることを暗示する
  • 主人公が後々虫歯になる展開の伏線
  • 主人公の母親が茶道教室を開いていて、稽古に使うお菓子が毎回余っている(内気なヒロインがその茶道教室に通っていて、「稽古のお菓子」という共通の話題がある主人公とだけは会話できる設定の背景として機能する)

なんでもいいです。とにかく意味付けが無ければ、視聴者は冷めてしまいます。
「制作サイドが大人の事情で入れたんだな」と感じて、いやがおうにもフィクションの世界から意識が逸れてしまいます。

反対に、うまく意味付けができれば、視聴者は「松江市といえば和菓子」という印象を好感をもって記憶するでしょう。
ご当地要素は、単に作中に盛り込むだけでなく、ストーリーの中でうまく調理・消化してこそ輝くのです。

どんな作品でも、根幹となるテーマと尺が決まっています。
そのため、ひとつの作品で消化できるご当地要素には限界があります。
テーマとかけ離れたご当地要素は扱えませんし、いくらテーマに沿うものであっても扱える数には限りがあります。

質的・量的な限界を無視してご当地要素を詰め込んでしまうと、作品が崩壊します。
ご当地要素を消化しきれず、かえってノイズになって視聴者を辟易させてしまいます。

ご当地要素のオーラを活かしている

どんなご当地要素も、固有の歴史と文脈、そしてオーラを備えています。
ありきたりのスポットや、大量生産のノーブランド製品とは異なります。
つまるところ、味が濃くて存在感があるのです。

新海誠監督の「言の葉の庭」という作品は、新宿御苑が舞台になっています。
この作品を見たことがある方ならよくわかると思いますが、本作は新宿御苑でないと成立しません。
明治神宮でも駄目、日比谷公園でも駄目、上野公園でも駄目です。

新宿御苑が持つ固有のオーラが作品の本筋を際立たせているのだと思います。

作品の本筋と、ご当地要素の持つオーラが合致しないと、ちぐはぐな感じになってしまいます。
この意味でも、ご当地要素の盛り込みすぎは危険です。作品の出来を損ないます。
作品を彩るために必要な分に限って使うものです。


「公務員の常識」は「創作の非常識」

地方公務員的な感覚だと、どんな事業であっても「地域住民の声を積極的に取り入れ」たり「地域の魅力を幅広くふんだんに盛り込ん」だりしたくなります。
議会や住民、マスコミなどに説明する際に、受けが良いからです。
 
しかし、ご当地アニメを媒介にする場合では、これらの要素は地雷です。

ご当地要素を何でもかんでも詰め込むと作品が破綻します。
ご当地アニメにおいて、ご当地要素はあくまでも「従」であり脇役です。
「主」を描くための補助的要素にすぎません。

しかし、「主」をうまく描いて面白い作品として成立すれば、「従」のほうも魅力的に映るものです。
このあたりの塩梅は創作のプロに任せるしかありません。

ご当地要素の扱い方がものすごく巧かった作品が「ゾンビランドサガ」です。
なんと来月から第二シリーズが始まります。
オタク的にも楽しみですし、地方公務員的にも楽しみです。

自宅にいると自然とテレビやインターネット(SNSやニュースサイト)を眺めている時間が増えると思いますが、いずれも刺々しく攻撃的で見ていられません。
特に最近は建設的意見がどんどん減ってきて、既視感のある行政叩きを飽きずに繰り返しているだけのような気がしてなりません。

批判的・攻撃的言動と対峙するのは仕事中だけで十分です。
休日くらいは解放されないと精神が保ちません。

こういうときは本・漫画・アニメにどっぷり浸かって時事から目を逸らすに限ります。
とりあえず筆者おすすめのアニメをまとめてみたので、外出自粛生活のお供に是非。
+@の部分はまだまだ追加していきます。 
普段フィクションに触れていない方でも楽しめそうな作品を中心にピックアップしています。
そのため、それなりに素養がないと堪能できないような作品は除外しています。(鍵作品とか)
斜字体の文章は公式サイトからの抜粋です。

ストーリーがとにかく面白い

プリンセス・プリンシパル

舞台は19世紀末、巨大な壁で東西に分断されたアルビオン王国の首都ロンドン。
伝統と格式ある名門、クイーンズ・メイフェア校には、5人の少女たちが在籍していた。
彼女たちは女子高校生を隠れ蓑に、スパイ活動を展開。
変装、諜報、潜入、カーチェイス……。
少女たちはそれぞれの能力を活かし、影の世界を飛び回る。
「私たちは何?」
「スパイ。嘘をつく生き物だ」



こういう「おすすめ一覧」系のブログ記事って、最初に挙げたもの次第で雰囲気が決まると思っています。
というわけで初っ端は趣味全開で。

スパイアクションもの自体は世の中たくさんありますが、本作はそれだけではありません。
詳細は見てのお楽しみ。

魔法少女まどか☆マギカ

大好きな家族がいて、親友がいて、時には笑い、時には泣く、そんなどこにでもある日常。
見滝原中学校に通う、普通の中学二年生・鹿目(かなめ)まどかも、そんな日常の中に暮らす一人。
ある日、彼女に不思議な出会いが訪れる。
この出会いは偶然なのか、必然なのか、彼女はまだ知らない。
それは、彼女の運命を変えてしまうような出会いー
それは、新たなる魔法少女物語の始まりー


あまりに有名なためオマージュされまくっている作品。
作品自体は見たことなくとも結末は知っているかもしれません。
もし知らなかったら幸運です。初回放送時の衝撃を追体験できるんですから……

テレビ版(全12話)のほか、劇場版が3本あります。(うち2本はテレビ版の再編集)
まずはテレビ版の視聴を強く勧めます。
劇場版だけ見ても本編は追えますが、各話の切れ目が非常に重要な作品であり、テレビ版のほうが心に響くと思います。

ちなみに本作、東日本大震災のせいで11話以降の放映が半年くらい延期されました。
視聴者は10話を見た時点でお預けを食らったわけです。
この気分も是非追体験してほしいという意味でもテレビ版を勧めます。


翠星のガルガンティア

そらから来た少年、船団都市ガルガンティアと出会う
遠い未来
表面のほとんどを大洋に覆われた星、地球
宇宙で育ち
戦いしか知らなかった少年兵レドは
そこで初めて海を見た
広く、淡い翠に光る海
人々は巨大な船団を組み、
つつましくも生き生きと暮らしていた
通じない言葉
異なる習慣
レドは孤独な異邦人
だが、彼は一人ではなかった
ここで生きてゆくためになにができるのか
そして、なんのために生きるのか
翠の星で過ごす日々が、レドに問いかける


再放送されるたびに見ちゃう。
SFであり異文化交流でもある、なんとも言葉にしづらい作品です。
肌色要素が気になる方もいるかもしれませんが、あくまでも必要な肌露出なので問題ありません。むしろ途中から気にならなくなると思います。


TARI TARI

ある日を境に音楽から離れた坂井和奏。
歌うことを諦めきれない宮本来夏。
親友のために力を貸す沖田紗羽。

笑ったり喧嘩したり悩んだり恋をしたり……
ありふれた日常を送りつつ、少しずつ少しずつ前に進む少女達。
時には回り道をしながら、ひとりでは無理かもしれないけれど
親友がいればいつかきっとーー。

和奏、来夏、紗羽そして彼女達の奏でるアンサンブルが、音楽の力が
小さくも煌びやかな物語を紡ぎ出す。

高校生活最後の夏。
それは夢を諦めるには早すぎる季節。
江ノ島に響く歌声が今日も僕らを勇気付ける。


合唱をテーマにした青春物語……という紹介だとありきたりなお話のように見えますが、登場人物の人柄とか、細かい部分の描写の詰め具合で一枚上手をいく作品。

ためになる・考えさせられる 

がくえんユートピア まなびストレート

価値観の多様化がさらに進んだ2035年
高校へ行くことがあたりまえでなくなった時代・・・
少子化が進み、生徒数の減少から廃校の危機に立たされる学校も多くなっていた。
そんな活気を無くした学校のひとつ「私立聖桜学園」に、一人の転校生が現れる。
転校生の名は天宮学美(通称:まなび)。
元気少女のまなびは、聖桜学園にどんな旋風を巻き起こすのか?


これからの人口減少社会、絶対に参考になる作品。
教育関係者に限らず全公務員が視聴すべきだと常々思っています。

ちなみに本作を製作した「ufotable」は、鬼滅の刃の製作会社でもあります。
最近は美麗なバトルシーンばかり注目されている同社ですが、実はクレイアニメーションにも定評があります。

SHIROBAKO

この物語は、5人の夢追う女の子を中心に、
シロバコの完成を目指し奮闘するアニメ業界にスポットを当て
日々起こるトラブルや、クリエイティブな仕事ゆえに起こる葛藤や挫折、
集団で作るからこそ起こる約束や衝突といったアニメ業界の日常を描いた群像劇作品である。

 


過去に個別紹介記事を書いています。
「働く喜び」とは何か、改めて考えてみませんか?


ゾンビランドサガ

いつもの朝。いつもの音楽。いつもの自分。
7人の少女たちの安寧は、突如崩壊する。
死して蠢く、ゾンビによって……
否応なく踏み込んだ世界、そこは“最高×最悪のゾンビワールド”
少女たちの願いは、たった一つ。
「私たち、生きたい。」
これは、少女達が起こす奇跡の物語(サガ)。


こちらも個別紹介記事を書いています。

ご当地要素をアニメに盛り込むのは、実はものすごく大変です。
アニメに限らず、フィクションで描写される要素には、すべて意味があります。
ご当地要素も同様で、不用意に盛り込むと、ノイズになります。

行政がフィクション作品制作に関与すると、やたらとご当地要素を盛り込むせいで、ノイズだらけになってストーリーが破綻しがちです。
いきなり観光地を巡り始めたり、ご当地グルメを食べ始めたり……

本作はご当地要素をふんだんに盛り込みつつも、それらがうまく機能しているという稀有な作品。
メディアタイアップに関わる地方公務員は特に必見です。

元気が出る

リトルウィッチアカデミア

幼い頃にシャイニィシャリオの魔法ショーを見て魔女になることを夢見たアッコは
シャリオと同じ伝統ある魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学する。
新しい街、新たに始まる学校生活、そして新たに出会う友達。
魔法学校の中でほうきの飛行授業や魔法にまつわる不思議な授業など、
魔法学校ならではの授業の中でアッコやロッテ、スーシィたちが大騒動を巻き起こす!
ルーナノヴァを巻き込んだアッコの魔女への第一歩が今から始まるー
 


公式サイトの説明文だけだとハリーポッターっぽく思われるかもしれませんが、実際は海外ドラマと連続テレビ小説(朝ドラ)のハイブリッドのような作品です。とはいえ後半のスケール感はアニメならではですし、TRIGGERらしい熱い作品でもあります。

響け!ユーフォニアム

吹奏楽部での活動を通して見つけていく、かけがえのないものたち。
これは、本気でぶつかる少女たちの、青春の物語。


映像も音声も圧巻。言葉で説明できません。

ガールズ&パンツァー

戦車道は乙女のたしなみ!
戦車を使った武道「戦車道」が華道や茶道と並んで大和撫子のたしなみとされている世界。
県立大洗女子学園に転校生・西住みほがやってきた。
戦車道が嫌いで、戦車道のない大洗女子を選んだみほ。
ところが転校そうそう、生徒会長に呼び出され、必修選択科目で戦車道を選択し、
戦車道全国大会に出場するよう強要される。
しかも、集まったメンバーは個性派ばかり。
華道家元の娘の五十鈴 華、恋に恋する武部沙織、
戦車マニアの秋山優花里、朝に弱い優等生の冷泉麻子―。
友達とのフツーの女子高生活を夢見るみほの、ささやかな願いは叶うのか―?


最初は「なんで戦車なんだろう」と疑問に思うかもしれませんが、全話見てもわかりません。
視聴しているうちに気にならなくなります。
登場人物がみんないい子で、ついつい応援したくなります。

茨城県大洗町が舞台で、アニメによる地域おこしでも有名な作品です。

リラックスできる作品

ゆるキャン△

これは、ある冬の日の物語。
静岡から山梨に引っ越してきた女子高校生・なでしこは、“千円札の絵にもなっている富士山”を見るために自転車を走らせて本栖湖まで行ったものの、あいにく天気はくもり空。富士山も望めず、疲れ果てたなでしこはその場で眠りこけてしまう。目覚めてみるとすっかり夜。初めての場所で、帰り道もわからない。心細さに怯えるなでしこを救ったのは、1人キャンプ好きの女の子・リンだった。
冷えた身体を温めるために焚き火にあたる2人。
ぱちぱちと薪の爆ぜる音が、湖畔の静寂に沁み込んでいく。
焚き火を囲み、カレーめんをすすりながら会話するなでしことリン。
やがて2人が待ちに待った瞬間が訪れる。
「見えた……ふじさん……」
なでしことリン、2人の出会いから始まるアウトドア系ガールズストーリー。


登場人物どうしの「付かず離れず」な距離感がものすごく心地よい作品。
(と見せかけて不意にめっちゃ近い関係性を見せつけてくるのでオタクは悶死します)
 
人間関係に疲れている方に特におすすめです。

けいおん!

春、新入生がクラブを決めるころー
田井中律は幼馴染の秋山澪を連れて軽音部の見学へ行く。
しかし部員が全員卒業してしまった軽音部は、あらたに4人の部員が集まらないと廃部になってしまうという。
琴吹紬という仲間を加えて、最後の一人をさがしているころ、
「軽音部」を軽い音楽(口笛など)と勘違いしていた楽器初心者・平沢唯が入部してくる。


特段ドラマのない平穏な日常を描いた作品、俗にいう「日常系」は数多くありますが、いまだに頭一つ飛び抜けてると思います。

たまゆら

中学生三年生の初夏。いつもの図書館で借りた写真集に写っていた瀬戸内の海を見て、楓は亡くなったお父さんを思い出します。お父さんが亡くなった時から、大好きだった写真をやめてしまった楓。同級生のちひろはそんな楓を励まそうとしますが自分のほうが先に泣いてしまってうまくいきません。その日、家に帰ると弟の香がお父さんの撮った写真を見て楽しそうにしていました。悲しくなるからとしまっていた写真はどれも楽しくて忘れたくない瞬間でした。懐かしく優しい写真を見ているうちに楓はあることに気づきます…。



優しい世界。

少女終末旅行

繁栄と栄華を極めた人間たちの文明が崩壊してから長い年月が過ぎた。
生き物のほとんどが死に絶え、全てが終わってしまった世界。
残されたのは廃墟となった巨大都市と朽ち果てた機械だけ。
いつ世界は終わってしまったのか、なぜ世界は終わってしまったのか、そんなことを疑問にさえ思わなくなった終わりの世界で、 ふたりぼっちになってしまった少女、チトとユーリ。
ふたりは今日も延々と続く廃墟の中を、 愛車ケッテンクラートに乗って、あてもなく彷徨う。
全てが終わりを迎えた世界を舞台に、 ふたりの少女が旅をする終末ファンタジーが今、幕を開ける。



リラックスというか鎮静効果がある作品。
原作漫画は完結済みなのですが、アニメは途中までです。
 

泣ける・感動する作品

あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない

あの日、ここで止まった時間が、動きだす。小学生の時に友達と“超平和バスターズ”というグループを作り、“じんたん”と呼ばれていた少年・宿海仁太。“めんま”の死をきっかけにグループはバラバラになってしまっていたが、彼の前に突然めんまが現われて――!?




劇場版が作られたり、実写ドラマ化されたりもしている著名作。
手軽に視聴するなら劇場版なのですが、僕はTVオンエア版を推します。
クライマックスシーン以上に、そこに至るまでの積み重ね=日常もまた魅力であり、日常部分を描いたTVオンエア版を見ないことにはクライマックスも引き立たないと思います。 

宇宙よりも遠い場所

そこは、宇宙よりも遠い場所──。

何かを始めたいと思いながら、
中々一歩を踏み出すことのできないまま
高校2年生になってしまった少女・玉木マリことキマリは、
とあることをきっかけに
南極を目指す少女・小淵沢報瀬と出会う。
高校生が南極になんて行けるわけがないと言われても、
絶対にあきらめようとしない報瀬の姿に心を動かされたキマリは、
報瀬と共に南極を目指すことを誓うのだが……。


何を書いても野暮になるのでコメントは差し控えます。

爆笑したい

監獄学園

男女共学の全寮制高校・私立八光(はちみつ)学園に入学したキヨシ、シンゴ、ガクト、ジョー、アンドレの男子5名。
女子1016人:男子5人という圧倒的な男女比に、彼らは肩身のせまい学園生活を強いられていた。モテモテどころか女子と口もきけず、正視すらできない…。
だが男子どもはその秘めた欲望に抗えず、女子風呂覗きを計画する。その頃、女子たちの間では不純異性交遊を取り締まる、「裏生徒会」の存在が噂されていた…。



下ネタOKな方のみどうぞ。

よんでますよ、アザゼルさん。

芥辺探偵事務所で働く女子大生・佐隈りん子。彼女は雇い主である芥辺に素質を見出され、助手として依頼をこなしていくうちに、「悪魔探偵」という芥辺の裏の顔を知ることになる。

ある日、「夫と浮気相手を別れさせて欲しい」という妻からの依頼を受け、芥辺がグリモアという魔術書を使い魔界から召 喚したのは、とんでもなく下品な悪魔・アザゼル。イケニエと引 き換えに、依頼に向かったアザゼルだったが、事態は思わぬ 方向に…!?

役に立ちそうで立たない個性豊かな悪魔たちと佐隈の騒がしい日々は今日も続いて行く…。


下ネタOKな方のみどうぞ(2回目)。

胸キュン青春ドラマ

あの夏で待ってる

高校1年生の霧島海人は、8mmカメラを片手にレンズ越しに見える湖の風景を眺めていた。
すると突然、天空から眩い光が差し込み突風にさらされ、そのまま湖に落ちてしまう。
そして次に海人が目を覚ましたのは、なぜか、自室のふとんの上だった。
その当日、海人が通う高校の3学年に赤毛の少女・貴月イチカが転入してくる…。


健常者にとっての「胸キュン」とオタクにとっての「胸キュン」は似て非なるものであり、僕が「胸キュン」だと感じても健常な方々は異なる受け止め方をするのでは……?という懸念があるのですが、あえて目を瞑ってオタク的胸キュン作品を挙げていきます。
オタク的感性に触れることで世界が広がるかもしれません。

凪のあすから

その昔、人間は皆、海に住んでいた。
でも、陸に憧れた人たちは海を捨てた。
海で暮らせるように海神様がくれた、
特別な羽衣を脱ぎ捨てて……。

海で暮らす人、陸で暮らす人、
住む場所が分かれ、考え方は相容れずとも、
元は同じ人間同士、わずかながらも交流は続き時は流れた。

海底にある海村で暮らす
先島光、向井戸まなか、比良平ちさき、伊佐木要と
地上に暮らす木原紡。

海と陸。
中学二年生という同じ年代を過ごしながら
今まで出会うことのなかった彼らが出会った時、
潮の満ち引きのように彼らの心も揺れ動く。

ちょっと不思議な世界で繰り広げられる
少年少女たちの青の御伽話(ファンタジー)



後に載せた「サクラクエスト」もですが、P.A.Worksの作品って前半はひたすら地固めで後半から話が動くというパターンが多く、本作もまさにそういう作品です。 
後半は歴史に残りました。

true tears

造り酒屋のひとり息子である仲上眞一郎。絵本作家に憧れる彼は、ある夜、天使の絵を描いていた。絵を描くことに没頭する彼の脳裏には、いつしか天使の鮮明なイメージが浮かぶ。その天使はふわりとした巻き毛の、あどけない少女だった。
翌日、学校の裏庭を通り抜けようとした眞一郎は、樹上から鼻歌が聞こえてくることに気づいた。顔を上げると、そこには赤い実を取っている少女がいた。彼女は、昨晩眞一郎がイメージした天使にそっくりだった…。


初回から全速力というP.A.Worksの中でも珍しい作品。
先に「ご当地要素をアニメに盛り込むのは難しい」と書きましたが、本作は地域性をしっかり描写していて、かつその地域性と本編展開が密接に絡んでいます。
ご当地要素が無いと成り立たない作品とも言えるでしょう。

20選には漏れたけど推したい作品

大正野球娘。


 

女の子のチームが結束して何かを成し遂げる、いわゆる「部活もの」の原点に当たる作品です。
ちょっと昔の作品なのですが、だからこそ奇を衒わない王道的なつくりで、幅広い層が没入できると思います。
最後の試合は文字通り、手に汗を握らされます。

ニニンがシノブ伝

 

アニメ版公式サイトが見つからないのでweb漫画版を掲載。
アニメは10年以上前なのですが、それでも全く色褪せないオーパーツみたいな作品。テンポが良すぎる。

サクラクエスト

 


観光連盟のお話。
行政が監修したのかと思わせるくらいに失敗事例描写が丁寧。
地方公務員ならついつい共感してしまうシーンが満載です。

ストーリーの構成上、前半は失敗してばかりで、見ていて辛くなります。
しかしその分、後半の巻き返しパートがすごく爽快です。

Fate/Staynight・Fate/Zero






地方公務員として仕事をしていると、マスコミや住民から「役所にとって正義とは何なんだ」と糾弾されることがよくあります。

彼ら彼女らにとって、役所は正義の執行機関であるはずの存在です。
しかし現状は不正義と映っています。
だから声を上げているのです。

正義の定義は人それぞれです。
役所にとっての正義と、役所外部の糺弾者にとっての正義が異なっていようとも、仕方ありません。
もっといえば、組織としての役所の正義と、公務員個々人にとっての正義が異なっていても差し支えないでしょう。

ただし、役所が正義の執行機関であるという点は間違いありません。
ゆえに公務員は、「正義とは何か」を考えて、自分なりの考えを持っているべきだと思います。

正義について考えるにあたり欠かせないのが本作です。
ざっくり3通りの解が示されます。
本当は原作ゲームをプレイしていただくのが一番なのですが、ショートカットするならZero→UBW→HF劇場版、でもいいと思います。原作ファンに怒られそうですが……

ちなみに某中央省庁でキャリア官僚やってる友人は、「HFに共感できる人間は決定的に国家公務員に向いてない」と常々こぼしていました。
 

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