キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

カテゴリ: お金の話

地方公務員の給与水準に対する官民の印象には、埋め難い隔たりが存在します。
当の地方公務員は「安い」と嘆き、公務員以外は「高すぎる」と憤る…という構造です。

新型コロナウイルス感染症が流行し始めてからは、再び「高すぎる」という批判が強まってきました。
特に、人事院勧告の調査対象が「従業員50人以上」の企業だけという点を捉えて、
  • 公務員給与は大企業水準で設定されており、国民の大半を占める中小企業従業員の水準が反映されていない
  • ゆえに日本国民全体で見たら給与水準は間違いなくガタ落ちしているはずなのに、公務員給与の減少幅が不当に小さい、人事院勧告のあり方がおかしいせいで公務員は不当に得をしている
という批判を展開する方が多いように思います。

地方公務員の給与水準が民間と比べて高いのか低いのか、このブログでも何度か取り上げています。
なるべく統計数字を使って分析をしてみたところ、
  • 男性の場合、給料月額(基本給)は同年代の民間平均よりも安く、大卒地方公務員≒同年代の高卒民間従業員くらい。ボーナス込みの年収だとだいぶマシになるが、それでも民間平均よりも低い。
  • 女性の場合、同年代の民間企業従業員よりも恵まれている
  • 官民の差は、地域によって状況が違いそう

というところまでは見えてきました。




今回はさらに一歩踏み込んで、地域別・企業規模別で分析してみます。

算出方法

今回も「賃金構造基本統計調査」を使っていきます。

この統計調査から、都道府県別・年代別の民間企業従業員の平均年収を算出し、同年代の地方公務員年収と比較していきます。

この統計調査であれば、従業員規模10人以上という中小企業も含めた給与額が使えます。
公務員給与の高さに怒っている方々は、「地方公務員給与が高いのは、人事院勧告の調査対象が50人以上の大きくて裕福な企業だけだから」という叩き方をしてきます。
民間企業の中でも「上澄み」だけを比較対象にしていて、大多数のサラリーマンからはひどく乖離しているという主張です。

総務省の資料(リンク先エクセルファイルの「7−4」)によると、従業員10人規模以上の企業だけで、全雇用者の7割強を補足できるようです。
これなら「上澄み」のみならず民間企業従業者全体と比較できるはずです。


民間企業従業員の年収は、「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で算出しました。

地方公務員の年収は、賃金構造基本統計調査の対象と合わせ、給料(基本給)、時間外勤務手当、期末勤勉手当、地域手当を合算しています。

給料は、大卒ストレート(22歳)で入庁した職員が一般的ペースで昇給したと仮定し、民間統計の年齢帯の中間である27歳(5年目)で1級40号、32歳(10年目)で3級8号と設定しました。

10年目にもなると自治体間の差も広がりますし、同じ自治体の同期入庁職員どうしでも差が開いてくるので、まだ2級という方も少なくないでしょう。
ただ、あまり低く設定すると地方公務員側に有利な分析になってしまうので、あえて高めに設定しました。

残業時間は、総務省の「地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果」中の都道府県職員の平均残業時間である12.5時間≒13時間、毎月残業すると想定し、13×12=156時間分の時間外勤務手当を盛り込んでいます。
時間外勤務手当単価は、所定内給与時給換算額×1.25で算出しました。

地域手当は、各都道府県の都道府県庁所在地の率を反映させています。
 
ボーナス(期末勤勉手当)は4.4か月分を計上しました。

男性……30歳以降はそこそこ

まずは男性から見ていきます。

01_male_all


25〜29歳区分では、ほとんどの都道府県において、地方公務員より民間企業のほうが高水準です。
きちんと「従業員規模10人以上」まで集計対象を広げた結果がこれです。
「中小企業も含めた国民全体水準から見ると、地方公務員は不当に高給」という定番の批判は、少なくとも20代後半の男性職員に関しては、当てはまらないと言えるでしょう。

一方、30〜34歳区分では、半分強の地域で、地方公務員のほうが高水準になります。
地方公務員のほうが昇給ペースが早いので、徐々に差が縮まり、ついには逆転するのでしょう。
僕の体感的に「20代のうちは中小企業含めて民間より安いけど、30歳を過ぎると民間に引けをとらなくなる」という感覚だったのですが、どうやら間違っていなかったようです。安定昇給に平伏感謝。

地域別に見ると、やはり田舎ほど地方公務員のほうが優位に見えます。
意外なのが千葉県と埼玉県です。
千葉県民とか埼玉県民という括りだと決して公務員は高給取りではなさそうなのですが、「千葉・埼玉県内で働く人」という括りだと、相対的に公務員が優位に立てるようです。
地域手当がガッツリ支給されるのも大きそうです。

【閲覧注意】1,000人規模以上だと惨敗

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企業規模1,000人以上の大企業だけとの比較版も作ってみました。
こちらだと、沖縄県を除き地方公務員の惨敗です。 

しかも企業規模10人以上の場合とは異なり、25〜29歳区分から30〜34歳区分にかけて、官民乖離が縮まりません。
元々の給与水準も、昇給ペースでも、地方公務員は大企業に遠く及ばないのです。

女性……超強い地方公務員

続いて女性のデータを見ていきます。

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地方公務員の圧勝です。

民間のデータは産休・育休を挟んだせいで昇給が遅れた方の影響が反映されているはずなので、やや低めに出る(地方公務員のほうが高くなる)かもしれませんが、それでも地方公務員優位という結論は揺るがないでしょう。

1,000人以上でも引き続き優位

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従業員1,000人以上の企業とだけ比較しても、地方公務員の優位性は揺らぎません。
25〜29歳区分では負けている地域も半分弱ありますが、30〜34歳区分では完勝です。

やはり男性20代地方公務員の給与水準は低い

分析結果をまとめると、以下のようになります。
  • 男性の場合、25〜29歳区分では、中小企業を含めて比較しても、民間よりも地方公務員のほうが給与水準が低い。ただし30〜34歳区分では地方公務員のほうが高い地域が増える。
  • 男性の場合、従業員1,000人以上規模の大企業の給与水準には、年齢区分問わず遠く及ばない。
  • 女性の場合、中小企業を含めると、地方公務員のほうが高水準。従業員1,000人以上規模の大企業に限って比較しても、半分以上の地域で地方公務員のほうが高水準。

データ集計のため、ひたすらエクセルコピペ作業を約3時間ほど繰り返しました。
苦労した分、未知の新事実との邂逅を期待していたのですが……得られた結論はそんなに目新しくありません。
多くの地方公務員が抱いている「感覚」の正しさが定量的に証明された、とも言えるでしょう。

数字で見ると、女性の公務員志望者が増えているという報道が一気に現実味を帯びてきます。
給与水準が高く、産休・育休も充実、休暇後も復帰可……となると、少なくとも「金稼ぎの手段」としては、役所はかなり魅力的な職場に映るのでは?

一方で、バリバリ働ける男性にとっては、かなり損な職場とも言えそうです。
僕みたいに民間就活に失敗して公務員になったパターンならまだしも、民間就活やっていない若手職員にとっては、 同世代の民間サラリーマンはまさに「青い芝」に見えることでしょう。

インターネット上には「若手地方公務員の年収は低い」という言説が溢れています。
ただほとんどの説は自身の体験談に基づくもので、いまひとつ信頼性に欠けます。

僕自身、かつて若手地方公務員と民間勤務とで年収を比較してみたことがあります。
この記事を書いたときに色々調べたのですが、「若手地方公務員の年収」を調査した統計ものは、どうやら存在しないようでした。
結局、比較軸となる「若手地方公務員」には自分自身の年収を使用しました。

とはいえやはり僕一人のデータをもって「若手地方公務員」を代表させるのも違和感があるので、極力「統計数値だけ」を用い、内訳も示した上で、地方公務員の年収イメージを推計してみました。

30歳で413万(地域手当除)、だいたいこんなものでは?

平均的年収-1
推計結果はこんな感じ。
給料月額(=号級表に載っている基本給)、時間外勤務手当、管理職手当をそれぞれ算出して「月収」を決め、月収×12に期末勤勉手当を加算して「年収」としています。

地域手当が加算されるエリアの場合は、この数字にさらに地域手当分が上乗せされます。

どうでしょう?だいたい合ってませんか?
ちなみに僕の場合は、この金額をわずかに下回ります。平均未満というわけなんですね……


残業が多いと露骨に年収が増える

先のイメージ表では、月あたりの残業時間を「12.5時間」と設定しました。
「少ないのでは?」と直感的に思いましたが、あくまで統計データに従うとこうなります。

というわけで、残業が多い人バージョンも作ってみました。
画像用2

働き方改革の流れで、残業に関しては「月45時間」「年間360時間」という具体的基準ができました。
このため、残業代に関しても、「月45時間」「年間360時間」分以上は支給されづらくなる可能性が高いです。(実際もっと残業していたとしても……)

ある意味、月収でいえば「月45時間」バージョン、年収でいえば「年間360時間」バージョンが、一般的な地方公務員の収入の上限とも言えるでしょう。

出世コースは稼げる(残業代で)

一番右の「月80時間バージョン」は、庁内の圧倒的出世コース(財政課とか)や国家本省へ出向した場合、つまり例外的事例を想定しています。
出世コースでばりばり働いている人と、僕みたいな閑職の間には、これくらいの年収差が生じるのです。
ちゃんと満額支給されていればの話ですが……

本省出向の場合、この金額にさらに地域手当(23区内なので20%)が上乗せされるので、とんでもない収入増になります。
ありえない話ですが、僕がもし本省出向したら、だいたい年収680万円になるんですよね……

年収1000万円台は難しい

この表を見れば、地方公務員が年収1000万円に到達するのがどれだけ難しいか、よくわかります。
地域手当が上限支給(20%)される地域であったとしても、30代のうちに年収1000万円に到達するのは、まず無理だと考えて間違いないでしょう。

40代中盤以降でもりもり残業すれば年収1000万円に到達できますが、この年頃になっても残業できる(残業するほど仕事が与えられる)のは、それなりに出世コースを歩んできた人だけです。
誰もが実践できるわけではありません。

期末手当▲0.15ヶ月=残業30時間分

つい先日、今年の人事院勧告が公表されました。
給料(基本給)は据え置き、期末手当(ボーナス)は0.15ヶ月分の減額……とのことです。

地方公務員の場合はこの数字がそのまま使われるわけではありませんが、だいたいこの通りになるでしょう。

実際どれくらいの収入減になるか、イメージ表を見ればだいたいわかります。

平均的年収-1

30歳の場合、給料月額235,591円×0.15ヶ月=35,449円くらいの収入減になります。
残業代換算すると約20時間分です。
個人的には「0.15ヶ月分」と言われると対したことないように感じられますが、「残業代20時間分」だと途端に辛くなります。







若手(20代)地方公務員の給与考察の続きです。
前回の記事では全国平均の数字を使いて、若手地方公務員の給与水準は同年代の民間勤務高卒者並みという結果を見ましたが、今回は地域別の数字を使って
  • 給与の構成要素(基本給・残業手当・賞与)ごとの影響も気になる
  • 高いor安いの感覚は、同一地域内での相対的順位にも大いに影響されそう
という直感的疑念について考えていきます。

賃金構造基本統計調査より


今回は賃金構造基本統計調査の数字を用います。



統計表はこちら。(総務省統計局)


このデータであれば、都道府県ごとのデータが使えます。
エクセルのランダム関数で対象都道府県を選んだところ、岡山県がヒット。
今回は岡山県のデータを使って検討していきます。

ちなみに岡山県は、同統計内の「所定内給与額」(≒諸手当除きの月給)が47都道府県中24位であり、ちょうど中間に位置します。
そのため、単県のデータではありますが、ある程度は全国普遍的な結論を導けるかもしれません。

今回は「若手」にフォーカスすべく、25~29歳のデータを取り出します。
さらに男女差が想定されるので、性別ごとにデータを集計。

この統計調査は民間事業者だけが対象のため、公務員のデータは含まれていません。
そこで、僕が実際にもらった金額をベースに、地方公務員のデータを追加します
地域手当は、岡山県岡山市(3%)を反映させました。
ただし残業代は水物なので、僕の実績をそのまま使うわけにはいきません。
そこで、総務省の「地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果」中の都道府県職員の平均残業時間である12.5時間≒13時間、毎月残業すると想定し、13時間分の残業手当を「きまって支給する現金給与額」に盛り込んでいます。

残業手当単価は、所定内給与時給換算額×1.25で算出しました。

賞与は4.45か月分を計上しました。


男性:真ん中よりやや悪い

こうして出来上がった一覧表がこちら。
スライド1


右側2列の「所定内給与時給換算」と「年収」のみ、統計データから僕が算出したもので、その他は統計データからのコピペです。
この表を見ただけで、地方公務員の賞与額がかなり大きいことが見て取れます。

スライド2
一覧表を並べ替えて分析を進めていきます。
まずは基本給を比べていきます。

諸手当除きの月給、いわゆる基本給は、「所定内給与」に相当します。
ただし、これの実額で比較すると、対象となる労働時間(所定内実労働時間数)が産業ごとにまちまちで公平な比較になりません。
そこで今回は時給換算して公平性を確保しました。

この基準だと、公務員は51区分中の28位。真ん中よりも少し悪いあたりです。

続いては年収です。
公務員は51区分中の27位。基本給と同じく真ん中よりも少し悪いです。


女性:余裕で上位

続いて女性のデータも見ていきます。
スライド3
スライド4

元データにある民間企業では、どの産業区分でも男性より給与水準が低くなっています。
一方、地方公務員の場合、男女間の差は基本的にありません。
そのため、男性と比べ、相対的に地方公務員の順位が上昇しています。
時給も年収も、余裕で上位に食い込めています。

まとめ:ちょっと劣る

以上の結果をまとめると、岡山県の場合、
  • 平均的な若手地方公務員(男性)は、民間企業勤務の同世代男性よりも高給とは決して言えない。とはいえ薄給とも言えないし、特に賞与は確実に恵まれている。
  • 女性の場合は、同世代女性の中でも相当な好待遇。
といえるでしょう。

統計上の数字には現れていませんが、民間企業の場合は個人差がものすごく大きいことを忘れてはいけません。特に賞与。
つまり、同一区分の中でも相当なばらつき(分散)があると思われます。

一方、地方公務員は、残業代の多寡くらいでしか差がつきません。
20代のうちなら基本給の差も小さいですし、賞与は余程のことがない限り満額支給されます。

給与の安定感を重視する方にとっては、地方公務員の待遇は数字以上に魅力的に映るでしょう。

今回は岡山県のデータを使ってみましたが、都道府県ごとに特色が出ると思います。
お住いの地域のデータで自分の給与と比較してみたら、きっと発見があると思います。

出身大学比較(その2)

「30歳時点の想定年収」という出身大学別のデータも見つけました。
【2021/2/17 新しいデータがリリースされたので差し替えました】




「年収」の定義がよくわからないうえ、転職サイト登録者のデータをもとにしているようなので、どちらかといえば上振れしている気がします。

僕の場合、30歳時点(2020年)の年収は約440万円でした。
※内訳:基本給300万円+賞与110万円+残業手当+地域手当
ちなみに地域手当を東京23区水準(20%)まで引き上げると、約500万円になります。


このデータだけだと、
  • 東北大学→宮城県庁・仙台市役所
  • 九州大学→福岡県庁・福岡市役所
みたいな、地方の旧帝大を卒業してからの地方公務員という流れは、年収的には負け組のように見えます。実際は結構たくさんいそうな気がするのですが……

リスク資産(株式など)への投資は極力若い頃から始めるべしという意見がインターネットでは主流です。
ただ地方公務員の場合は、まずは預貯金をしっかり蓄えるほうを優先したほうがいいと思っています。
 
地方公務員(特に若手)の収入は多くはありません。
まずは貯蓄を充実させておかないと、ライフイベントのたびにリスク資産を取り崩す羽目に陥り、結果的に往復手数料の分だけ損をしかねません。

一気に現金が飛ぶイベントが連続する

若手の頃はまとまった出費が生じるライフイベントが次々発生します。

まずは結婚です。結婚式をきちんと執り行えば百万円単位でお金がかかりますし、新婚旅行も含めればもっと飛びます。

マイホームを構えるとなると、さらにかかります。
支払い自体はローンを組むとはいえ、土地や家屋の頭金で相当額のまとまったお金が必要になります。

田舎だとさらに、自家用車の購入費用も発生します。

そもそも固定費支出を除いても、地方公務員の家計は厳しいです。
僕の試算では、地方公務員ダブルインカム家庭であっても、第一子誕生後から数年間(片方が育休中で無給)は赤字になります。

 

結婚が現実味を帯びているリア充ほど、固定費+数年間の赤字に耐えられるだけの貯蓄に励まなければいけません。

それでも運用すると……

買付手数料ゼロの投資信託オンリーで運用するのであれば、数年で現金化するにしても、ほとんど利息のつかない預貯金で持っているよりお得になるという考え方もあります。
 
ただし僕はお勧めしません。
現金化するタイミングで市場が暴落していて、マイナスの評価額で現金化する羽目に陥る危険があるからです。

現に僕の同期職員も、昨年末、マイホームの頭金捻出のためにNISAを全額現金化していました。
コロナショック前の天井価格で売れたので結果的には大勝利なのですが、これはあくまでも偶然です。
 
もし支払いのタイミングが数ヶ月遅れてコロナショックに巻き込まれていたら、評価額が圧倒的マイナスの状態で泣く泣く現金化していたでしょう。

このリスクはあまりに大きいです。

運用期間がもっと長いのであれば、このリスクも軽減できるのでしょう。
しかし、たかが数年の運用期間ではどうしようもありません。

投資してもいいタイプ

逆にいえば、上記の条件に該当しない場合、つまり
  • 結婚の予定なし
  • マイホーム願望なし
のような方であれば、手元資金は薄くても問題ありません。
生活防衛資金を確保でき次第、リスク資産に投下していっても良いでしょう。
 

地方公務員はインターネットスタンダードよりも資金力に劣る

そもそも認識すべきは、世間的に見た地方公務員の給与水準です。
「賃金構造基本統計調査」によると、20代大卒地方公務員の給与は、同年代の大卒者平均を下回ります。
だいたい同年代の高卒者平均と同水準です。
 

ちょっと古い調査ですが、2015年の野村総研の報告書によると、20代での投資経験者は約20%に止まります。
若年層を中心とした個人による投資の現状と NISA の利用促進に向けた課題に関する調査(PDF)
 
当時より今のほうが投資環境が整っているので、もっと割合は上がっていそうですが、それでも少数派であることには変わりないでしょう。
繰り返しますが、地方公務員の給与水準は平均以下です。
平均以下なのに、エリートしぐさを無理して真似る必要は無いのです。

「増やす」よりも「残す」

リスク資産への投資が報われるとは限りません。
しかし、節約は必ず報われます。


投資の前にしっかりとマネーリテラシーを高め、無駄な支出をなくすことが何より重要です。

 

コロナウイルス感染症の影響で、職員の賃金カットを打ち出す自治体も出てきています。
あくまでも予想ですが、最後までカットせずに済む自治体の方が少数派になるのでは?
僕の勤める自治体も時間の問題だと思っています。

こうなってくると、節約習慣がますます重要になってきます。
固定費を増やさないことをとにかく意識するしかありません。
ステイホーム用のサブスクサービスなんかは論外です。

節約の王道は固定費の削減と言われます。
僕は常日頃から、固定費には二種類あると考えています。
本当の固定費と、習慣に基づく固定費です。

前者は家賃や通信費など、生活に絶対必要な費用です。
後者は自分の裁量で固定費として支出しているものです。動画のサブスクリプションやジムなどの会費、コーヒーやタバコなどの常用する嗜好品支出、マイカーの保有経費もこちらに含まれます。

節約のためには、前者は限りなくゼロに近づけ、後者はやめる(ゼロにする)のが効果的です。
しかし実際には難しいです。特に後者は削減どころか、反対についうっかり新しい固定費を作ってしまったりしがちです。

地方公務員の場合、新しい固定費項目を作りがちなのは間違いなく4月です。
逆にいえば、4月を注意深く乗り切れば、一年間の固定費を低く抑えることにつながります。
つまり、地方公務員の節約生活には、4月の過ごし方が肝要なのです。

人事異動は生活を一変させる(プライベートも)

4月には定期人事異動という役所内最大のイベントがあり、生活環境が一旦リセットされます。

特に一日のタイムスケジュールは、自身の異動有無に関係なく変わります。

同じ所属にいたとしても、前年度と全く同じ業務を担当するとは限りません。慣れた分だけ業務を増やされることも多いです。
加えて、周囲の人間が異動した分だけ、職場から戦力がいなくなります。
異動してきた職員はみな最初は素人です。そのため自分の負担が一時的に増えます。
そのため、出勤時刻は早くなり、帰宅は遅くなりがちです。

自分が異動した場合は言わずもがなです。
地方公務員の場合、未経験の仕事をいきなり任されることも多々あり、当分は勤務時間が伸びるでしょう。
 
人事異動による人間関係の変化も、タイムスケジュールに影響します。
新しい上司や先輩が残業大好きマンだった場合は帰れなくなりますし、早朝出勤を強いられることもあるでしょう。
逆もあり得ます。重箱つつく系上司が異動したおかげで定時帰りできるようになったり、実際によく聞く話です。

一日のタイムスケジュールが変わると、自ずと生活習慣も変わっていきます。

パッと思いつくところだと、
  • 連日残業が続くので18時頃にコンビニに行ってホットスナックを買うようになった
  • 終バスに間に合わなくなったので車通勤に切り替えた
  • 定時で帰れるようになって暇ができたのでジムに通い始めた
あたりでしょうか?

転勤を伴う異動だったら、タイムスケジュールに加えて活動範囲も変わります。
こうなるとさらに生活習慣が変わります。

生活習慣が変化すると固定費が発生しやすい

生活習慣が変わるときは、新しい固定費が発生しやすいです。
新しい生活習慣を快適に過ごすために、モノやサービスが欲しくなるからです。
 
節約を貫きたいのなら、この誘惑に屈してはいけません。
固定費項目を増やすことは、節約の王道の真逆だからです。

僕自身の経験を一つ紹介します。
 
とある部署にいたとき、どうしても0:00〜7:30の間にやらなければいけない業務がありました。
この業務のために、僕は毎日、定時スタートの1時間以上前に出勤しなければいけませんでした。
定時前の業務なので残業代は出ません。周囲からは貧乏くじと言われていました。

仕事自体はとにかく不毛な単純作業で、しかも給料が出ません。とても虚しい時間でした。
少しでも気分を和らげるため、毎日コンビニでコーヒーを買うのが習慣になりました。
今から思えば、これも立派な固定費です。


4月はストレスが溜まりやすい時期でもあります。
ストレスがたまると、安易にお金を使いがちになります。

しかし節約のためには、ストレスにも屈してはいけません。
とにかく支出を渋り、本当に必要なのかどうかを冷静に考えるのです。

一時的・突発的な支出でも、習慣化してしまうと固定費になります。
支出を伴う習慣は作らない、作るとしても最小経費で済むように心がける必要があります。

初期経費にも注意

新たな習慣が発生するときには、初期費用も発生しやすいです。

こちらにも注意が必要です。
初期費用には維持費用、つまり固定費がつきものだからです。

「お金がかかるのは最初だけ」というのは、昔から定番のセールストークです。
これは真実ではなく甘言です。信用してはいけません。冷静にトータルコストを見積もる必要があります。

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