キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

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カテゴリ: お金の話

話題の金融庁報告書をやっと全文読みました。
内容に目新しさはありません。インデックス投資ブログのまとめ記事かと思うくらい。
ただ、主張を支える根拠データの厚みがブログとは大違い。さすが官僚です。
行政が作った報告書とは思えないくらい具体的な示唆に富んだ内容で、一読の価値ありです。

以下、僕が気に留めたポイントを書いていきます。

収入減にも関わらず高齢者の支出は減ってない(P.9〜10 )

「世帯主の年齢階級別収入の推移」グラフによると、1994年をピークに全世代で収入が減少しています。
一方、「世帯主の年齢階級別消費支出の推移」グラフでは、現役世代(35歳〜64歳)の支出は1994年をピークに大きく減少している一方で、65歳以上の世代は殆ど減少していません。

つまり、現役世代は収入減に合わせて支出も減らしたが、高齢世代は減らせていません。

高齢世代になるほど、支出に占める固定費(家賃など)の割合が上昇して節約余地が狭まり、医療費など節約しようのないコスト増が待ち受けている、ということを示しているのでしょう。

アドバイザーの充実(p.33)

今後の対応策のひとつとして、個々人のマネープラン策定などのアドバイスを提供できる「アドバイザー」的存在の充実が挙げられています。

特に強く求められるのは顧客の最善の利益を追求する立場に立って、顧客のライフステージに応じ、マネープランの策定などの総合的なアドバイスを提供できるアドバイザーである。
こうしたアドバイザーとなり得る主体としては、投資助言・代理業、金融商品仲介業、保険代理店やフィナンシャルプランナーなど様々な業者が存在する。
米国では証券会社などの金融サービス提供者から独立して、顧客に総合的にアドバイスをする者が多数いるが、日本においてこれに類似する者は存在するものの、まだまだ認知度は低く、数は少ない。
今後は認知度向上に努めるとともに、そのサービスの質的な向上に努めることが望まれる。

また、本人に一番身近な金融機関などの者においても、単一の業態に留まらない顧客のニーズに応じた総合的なアドバイスを行うことは、顧客からの信頼を得る上で、また、高齢社会の金融サービス提供における役割を果たす上でも重要なことである。

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」 p.33

個人向けマネープランコンサルティングサービスは、今まさに地銀が猛プッシュしているところで、iDeCoや NISAと一緒に広まりつつあります。
年金破綻煽りも相まって、これからさらに盛り上がっていきそうです。

実施主体が誰であれ、コンサルサービスは慈善事業ではなく、自社の儲けのためのビジネスです。
顧客の利益を考えると言いつつも、自社の利益を追求します。
つまり、サービス提供者の言いなりだと、顧客の利益の一部が吸い取られます。
サービスを受ける側の金融リテラシーがとても重要なのです。

個人年金利用率が突出して高い29歳以下(P.20)

「老後に向け準備したい(した)公的年金以外の資産」グラフによると、18〜29歳の世代では、預貯金・退職金についで「民間保険会社などが販売する個人年金」の利用率が高くなっており、30%に上ります。
一方、証券投資とiDeCOは10%未満です。

生命保険会社と証券会社の営業力の違いが、そのまま反映されているのだと思われます。
民間保険会社は、セールスレディを使った営業ノウハウを積み上げ、若年層を囲い込んでいます。
前述の「アドバイザー」としての立場をセールスレディが占めている、と言っても間違いではないでしょう。

生保セールスレディは、生命保険以外の運用方法を決して勧めません。
そのため、アドバイザーとしては不適格です。
しかし、彼女らが若年層のアドバイザーとして幅を効かせているのが現状なのです。

これから彼女らの牙城を崩すための戦いが始まることでしょう。
誰が勝利するのか?ネット証券なのか地方金融機関なのか、それとも独立系FPなのか……
 

個々人の金融リテラシー向上が必須

今後、金融機関の個人顧客への営業がさらに活発になるのは確実でしょう。
しかも、あたかも我々の利益優先のような顔をしつつ、ちゃっかり自社利益を確保しようと企んでいるのです。

カモられないよう、早いうちから金融リテラシーを身につけていくべきでしょう。

お金の話をするたびに地方金融機関(特に地銀)を叩いている気がします。
就職活動でサイレントお祈りされたという私怨もあるのですが、それ以上に身内が実際に金銭的被害を被っているので、叩かざるをえないのです。

入院先にまで出向いて火災保険契約

祖父にどうしても豪華な住宅火災保険を売りたかったようで、月1回は必ず訪問営業にくる行員さんがいました。
祖父宅は築50年を超えています。冷静に考えて、今更リッチな保険をかける必要はありません。
そのため来るたびに追い返していました。

しかしある時、祖父の入院先病院がバレてしまい、病室に直接営業に向かうようになりました。
家族が知った時には全てが終わっており、祖父の手元には年額28万円の火災保険証書(地震保険付き)がありました。

祖父曰く、以下のような説明を受けたとのこと。
  • 保険に入れば税金が安くなる
  • 税金が安くなった分、相続で残せる分も増えて家族も助かる
  • あなたの家族は金融の素人、私だけを信じて

地震保険の分は確かに所得控除されますけど、保険対象に対してどう考えても過大な保険に加入させるのは倫理的にどうなんでしょう?

結局、この保険は解約しました。
たっぷり解約手数料を取られたうえ、今度は年額15万円の火災保険を代わりに薦められましたが、丁重にお断りしました。

この一件があって以来、僕は完全に地方金融機関を信じなくなりました。

預金丸ごと投資信託

別の地方金融機関からは、祖父母に対し、預金で投資信託を買わないかという案内をいただきました。
「預金だと今は増えないから、投資信託で着実に増やしてはどうでしょうか。子息のためになりますよ」と。

わざわざ3名体制で訪問してくれて、丁寧に祖父母に説明していただけたらしいのですが、ちょうど祖母が貧血を起こして具合が悪くなってしまったので、その場は散会することに。

その後、僕が祖母の様子を見に祖父母宅を訪れたところで、「ハイイールド」だの「新興国通貨建て」だの怪しい単語が書かれたパンフレットを発見して、営業の事実を知りました。

中身を見ると、エグいものばかり。
まず、購入時・売却時の手数料が高すぎる。安いもので6%くらい。ノーロードに慣れきってしまった僕にとっては衝撃的な率でした。
 
信託報酬も高い。4%という数字を初めて見ました。
 
そして何より購入単価が高すぎる。1口50万円(最低10口から)みたいなものばかりで、一つ買うだけで預金がほぼ無くなってしまいます。

投資信託を買わせて一旦流動性を奪い、入院や手術でまとまったお金が必要になるたびに投資信託を解約させ、手数料で稼ごうとしているようにしか見えませんでした。

もちろん即電話して断りました。

銀行からの転職組からは「30過ぎた行員はすべからくサイコパス」とよく聞きます。
相手がサイコパスなら、こっちもサイコパスにならざるを得ません。
客観的事実に基づき、良いところは褒めつつも、悪いところは叩いていきます。

(注意)
筆者は就活時にサイレントお祈りされたせいで、地銀に対して私怨があります。
そのため本記事は公平性に欠けるかもしれません。


地方銀行の地銀の経営が厳しいようです。

苦しい地銀、次の手は? 「手数料ビジネス」目立つ拡大(朝日新聞デジタル)


従来の法人向け融資だけでは厳しいので、証券業務での手数料収入拡大など新たな収入源を模索しているとのこと。
個人向けの資産運用コンサルなんかも始まっているようです。

ということは、地方公務員をカモろうとしているということです。

うちの役所では、去年から職員向けの資産運用セミナーが突然開催されるようになりました。
定時後に地銀の行員さんが役所まで来てくれて、NISAや iDeCo、住宅ローンあたりの若者向けサービスをわかりやすく説明してくれています。

これが典型的な彼らのです。
強大なライバルである「ネット証券」という存在にターゲット(=若手地方公務員)が気づく前に、人的つながりを作っておいて、囲い込みを図ろうとしているのです。

こんな手段に出るのはもちろん、サービスレベルや経費といった「利用者側のメリット」では、ネット証券に敵わないからです。

優良サービスだからこそ気をつけるべき

元銀行員いわく、「NISAや iDeCoは利用者に優しい分、金融機関にとっては厄介者」とのこと。
直接の儲けには繋がらないのです。

そのため、地銀としては、少しでも銀行の取り分(手数料が高いもの)を売ろうとします。
NISAや iDeCoの商品は、金融機関ごとに自由に決められます。
地銀はこの裁量をフル活用します。
利用者側にとって有利(=手数料が少ない)商品はそもそもラインナップしないのです。

地銀の商品一覧を見ると露骨です。聞いたことのない割高な投資信託がずらり並んでいます。
「eMaxis slim」や「楽天バンガード」のような、ネット上で人気の銘柄が全然見当たりません。

少しの手間が大きなリターンになる

地銀主催セミナーの中身自体は否定しません。
僕が参加した範囲内では、まっとうなことを話しています。
ただ彼らは、あくまでも自行の利益のためにセミナーを開いているのであって、我々のためではありません。

NISAや iDeCoに興味があるなら、ネット証券を使いましょう。
「楽天証券」や「SBI証券」のような大手ネット証券では、NISAもiDeCoも優良な商品が揃っています。
口座開設がちょっと面倒ではありますが、手間をかける価値は絶対にあります。

地銀は、給与の振込口座として使うだけで許してもらいましょう。
僕らより給料もらってるんですし……  

以前の記事にて
  • 民間生命保険に入るのは公的保険の仕組みと中身をしっかり勉強してから
  • 守るべきもの(子供など)ができてから考えればいい
という内容をお送りしました。

ただ、僕自身は月2万円を民間生命保険につぎ込んでいます。
独身なのに。

今となっては若干後悔していますが、勧誘当時は確固たる理由がありました。

保険料の内訳
・掛け捨ての終身保険 1万円/月
・年金保険(確定給付型) 1万円/月


遺伝的持病のリスクがある

掛け捨て終身保険の方から説明します。
 
こちらは特約のせいで保険料が跳ね上がっています。

僕の家系は代々とある臓器が弱く(個人特定を避けるためにぼかします)、この特約にお世話になる可能性が結構高いのです。
保険勧誘員に自ら申告して特約をつけてもらいました。


浪費遺伝子のリスク

年金保険(確定給付型)の方は、とにかく現役時代の所得を老後に先送りしたかったので加入しました。

僕の一族は揃って浪費家です。
父は車道楽、母は服道楽。
祖父に至っては、2ヶ月で退職金を使い切ったらしいです。

僕自身も、お年玉を三が日で使い切るタイプでした。

「金銭感覚ガバガバな自分なんだから、給料も絶対すぐに使い切ってしまう」
「借金まではしないにしても、老後資金は絶対に貯められない」

恐怖のあまり、そもそもの手取りを減らすことにしました。
 
そこで目をつけたのが低解約返戻金型の年金保険です。
浪費家だけど損するのは嫌なので、これなら解約できないだろうと踏みました。

さらに言えば、僕の就職当時はNISAもiDeCo も無く、投資信託の積立も一般的ではなく、資金を拘束するなら年金保険が一番手っ取り早かったです。
(財形貯蓄程度の弱い拘束だと、解約して使ってしまいます)

年金保険は正直余計だった?

どちらの保険も就職1年目に加入したまま放置してある状態です。
 
今のところは浪費癖をうまく抑えられており、年金保険の分は無駄だったかなと思っています。
参考:(自分語り)公務員程度の種銭だとETFや投資信託で十分すぎるのに敢えて個別株投資を続ける理由とは?

僕の就職当時、今と同じく優良投資信託の積立サービスがあれば、年金保険ではなくそちらを使いました。

僕みたいな血脈の呪縛に囚われていないのであれば、保険もリスク資産投資も焦らずじっくり考えれば良いでしょう。

冷静に計算すればするほど、地方公務員程度の給与収入で個別株に投資するのはリスクが不当に高いと思ってしまいます。
十分な投資資金が無いために、分散したポートフォリオが作れないのです。

参考:アラサー独身地方公務員の2018年末時点の収入・資産状況&2019年投資計画

しっかり考えるべきはアセットクラスの割合だけで、投資先はそれぞれのアセットクラスのうちしっかり分散されて運用コストが低いもの、つまり定番を思考停止で選ぶだけでいいのではと思います。

ただそれでも僕は個別株投資を末長く続けていきたいと思っています。

購買欲求を抑える

僕は自他共に認めるお買い物ジャンキーです。
常日頃から購買欲求と死闘を繰り広げています。

本ブログ「公務員の仕事道具」カテゴリの記事も、この悪癖の産物です。

モノを買うまでの比較検討過程、購入する瞬間の高揚感、「所有している」という満足感……
買い物という行為にまつわる全てが強烈な快楽です。

ここ数年、僕の購買欲求は主に株式をはじめとしたリスク資産に向いています。
つまり僕は、資産運用について勉強して、日々マーケットを見て割安なタイミングを探して、注文を出して現物を購入して、評価額の推移を見守ることで、強烈な快楽を得ているのです。

個別株投資を辞めたら、購買欲求の行き場がなくなって暴走するでしょう。
多分、家電製品を買いまくるのではないかと思います。

しかも今はブログという免罪符があります。
「買って記事にすることで誰かの役に立てる!」という大義名分の下、浪費しまくること間違いありません。

購買欲求の奴隷になるとしても、モノよりは個別株の方がマシだと思っています。
株式は資産です。自ら価値を生み出していきます。
他の資産と比べてリスクは高いかもしれませんが、浪費ではありません。

対してモノは減価していく一方です。

将来のことを考えると、個別株に軍配があがるでしょう。

民間企業へのコンプレックス解消

これまでも度々記事にしている通り、僕は民間企業への就職活動に失敗した果てに、地方公務員になりました。
参考:(自分語り)公務員試験・就職活動の足跡

言い方を変えると、行政以上に携わりたい業界がいくつもありました。

例えば洋上風力発電。
日本が自給でき、しかもクリーンなエネルギー源として、絶対に開拓が必要な分野だと今でも思っています。

今から転職するほどの気合はありませんが、それでも何らかの応援がしたい。
こんな時の個別株投資です。
応援したい業界に投資することで、一体感を得るのです。
業績に一喜一憂したり、新プロジェクト開始の情報をリリースした瞬間に株価が暴落して涙を飲んだり……スポーツ観戦に近いかもしれません。
洋上風力の場合、行政でも関われないことはないのですが、地方自治体の場合はどちらかというと洋上風力反対の立場です。
地元住民の声、特に漁業への悪影響を、住民に代わって訴えていくことになるでしょう。

若かりし恋を忘れない

最後は非常にキモい理由です。

僕は長らく二次元オタクを続けていますが、人並みにリアルな人間にも恋をしてきました。
結果は全敗。恋人いない歴=年齢のピュアオタクです。

好きになった気持ち、駄目だったときの爽やかな悔しさ、不随意的に流れてきた涙と鼻水の味……
そういう青春の酸い甘いを忘れないための秘策が個別株投資。
恋煩いの相手が勤務している会社の株を購入し、資本的につながるのです。

一回やってみてください。変な気分になりますよ。

投資は自己責任

個別株に手を出すことでリターンは損なわれるかもしれません。
しかしそれでも、僕の場合は金銭以外のところでメリットを得ていると考えています。

メリットとは、浪費防止自己満足
どちらも今のところ、個別株投資以外では得られない効果です。

というわけで僕はこれからも個別株投資を続けていきます。

※個別株への投資にはリスクを伴います。僕の考えに共感できる/できないにかかわらず、個別株への投資は自己責任でお願いします。 

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