キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

タグ:オタク


弊ブログを長らく読んでくださってる方は、実らない婚活を僕が延々続けていることをご存知だと思います。
合コンや婚活パーティーに参加してみたり、友人知人から紹介された人と会ってみたり……なんと今年で10年目に突入しています。


ここまで成果が出ないとなると、さすがに疑問が浮かんできます。
「このまま婚活を続けても、僕は本当に結婚できるのだろうか?」と。
婚活に割くリソースも勿体なく思えてきました。

そこで、自分自身に最後通牒を突きつけることにしました。
これから半年間、結婚相談所サービスをフル活用して本気で婚活してみて、これでもダメだったら金輪際婚活は止めます。


諦めるなら「完全に」諦めたい

僕の婚活の敗北パターンは決まっていて、一度会うことはできるもののそれで終わり
一度会って「今日はありがとうございました」みたいなメッセージを送っても既読スルー、送る前にブロックされていることすらしばしばあります。このパターンを数十回繰り返してきました。

30年超の半生で一度も異性と恋愛関係に発展できなかった時点で、僕に恋愛結婚が不可能であることは立証済です。

内閣府の「男女共同参画白書 令和4年版」によると、日本における結婚は恋愛結婚が約9割とのこと。
この数字を踏まえると、僕の結婚可能性はかなり低いと言えます。



このように、ちゃんとした数字のファクトもあるので、もう結婚を諦めてしまってもいいとは思います。

しかし、「自分の人生から結婚の可能性を完全に排除しなければ、いずれ後悔するのではないか?」という懸念がどうしても拭えません。
諦めるのであれば、「あらゆる手を尽くしたけど結婚できなかった、自分に結婚は無理だ」という諦観の境地に到達したいのです。

そこで、恋愛結婚以外の10%の可能性についても、自分に審判を課すことにしました。
この10%に食い込んで結婚できれば良し。もし結婚できなくても「自分の結婚可能性は完全に否定された」という客観的根拠を得られるので、これはこれで良し。
どちらにせよ有益な結果が得られます。

この10%の大部分を占めるのが結婚相談所サービスとのことで、このたび勝負に臨むことにしました。


最初から全力投入

結婚相談所にもいろいろあり、
  • マッチング申請件数の上限
  • 専属カウンセラーの有無
  • 写真撮影や身だしなみのサポート
等々、利用できるサービスの幅や量に差があります。
もちろん、豊富なサービスを利用できるところほど、お値段が張ります。

僕は迷わず、一番サービスが充実しているところで登録しました。
今回ばかりはお金をケチるつもりはありません。むしろ無駄になろうがガンガン出費していきます。

このチャレンジで何より重要なのは、全力を出し尽くすこと。
出し惜しみをしてしまうと、失敗した場合に「諦観の局地」に至れないからです。
時間もエネルギーもお金も、青天井に使っていきます。

チャレンジ期間は、10月〜3月の6ヶ月間です。
この半年間で、「真剣交際」突入を目指します。





結婚相談所界隈では、交際段階が3つに分かれており、それぞれ独特の名称が付けられています。役所用語みたいですね。
詳しくは検索してみてください。
    • お見合い:男女どちらかから「会ってみたい」と申請し、相手が承諾した場合に、とりあえず1回お茶をすること。
    • 仮交際:お見合いの後、双方が「また会いたい」と意思表示した場合に移行するステータス。この時点では何人とでも仮交際可能。別の人とお見合いすることも可能。
    • 真剣交際:仮交際を経て、双方から「結婚前提でお付き合いしたい」と意思表示した場合に移行するステータス。特定の1人とだけ付き合う状態で、ここに至ると新規のお見合い不可。


真剣交際=結婚前提の恋愛関係、だと思ってもらえれば。
真剣交際期間中にプロポーズしたら退会(卒業)です。


期間設定の根拠はシンプルで、カウンセラーさんから「成婚する方は大体4ヶ月くらいで卒業していく」と聞いたからです。

標準で4ヶ月のところ、さらに2ヶ月おまけしておけば、後々「もっと長く頑張っていれば……」と後悔せずに済むと思っての設定です。


勝ち確定の勝負

結婚相談所の登録料や月会費もそれなりに高いのですが、それよりやばいのが交際費。
「お見合い」や「仮交際」ステージで発生する料金は、男性が全額負担するルールです。
例えば「仮交際」している相手とどこかに食事に行った場合は全額男性負担ですし、一緒に映画を観たら映画代もポップコーン代もパンフ代も駐車場代も男性負担です。

よくある成婚パターン(10人くらいとマッチング成立→最終的に1人と真剣交際、以上4ヶ月間)の場合、だいたい男性側は30万円くらいかかるとのこと。
僕の場合、最大で50万円は覚悟しています。ちょうどボーナス一回分ですね。

これまでも何度か結婚相談所の利用を考えたことはあったのですが、「失敗したら何も残らないのに大金が必要」という点がどうしても気に掛かり、踏み切れずにいました。

しかし今回は、結婚できなかったとしてもリターン(完全な諦観)が得られるという認識に至り、この懸念が解消されています。
結婚できてもできなくても得るものがある、つまり「失敗」が無い勝ち確定の勝負です。
もちろん相当のコストはかかりますが、他の方法では購入できないリターンを得られると思うと、決して高くないと思っています。

「独身のうちにやっておくべきこと」を教えて

既婚の友人たちの話を聞くに、結婚してしまうと、時間もお金も全然自由が効かなくなるとのこと。
もしうまくパートナーが見つかった場合、僕の自由気ままな独身生活は残りわずかです。

そこで、既婚読者の皆様に、「独身のうちにやっておくべきこと」を幅広に教えていただきたいです。
  • 買っておくべきもの
  • 行っておくべき場所
  • 経験しておくべきこと
  • 見ておくべき・読んでおくべき作品

具体例を挙げるとこのあたりですが、思いついたものがあれば何でもコメント欄に書き残してもらえると嬉しいです。

成婚しなかったら早期退職します

今回のチャレンジでも成婚せず、すっぱりと結婚を諦めることができたら、今度は退職に向けて全力を注いでいきたいと思っています。
もともと漠然と「勧奨退職で辞めようかなー」とは思っていましたが、もっと早いタイミングで退職できるよう、具体的にプランを作って動いていきたいです。

気が変わったきっかけは、能登半島地震です。
復興支援のために何度か現地入りして、すっかり石川県の土地柄が気に入りました。
金沢市近くに移住して、資産収入+軽くアルバイトしながら生活できれば理想だなと思っています。



ちなみに、カウンセラーさんからは 「30代の地方公務員なら、病気や借金が無ければ余裕で成婚できますよ!!!」と太鼓判を押してもらっています。
営業トークだろうなとは思いつつも、期待しているのも事実です。

半年後、果たしてどのような結果を迎えているのか?
面白おかしく見守っていてもらえると嬉しいです。

10月に入ってから今年も、本省出向関係の記事のアクセス数が急増し始めました。
やはりこの時期に出向を言い渡す自治体が多いのでしょうか……?

この夏のパートナー

この夏は暑すぎて(かつガソリンが高すぎて)ずっと引きこもっていました。
7月から8月にかけて、市外には一度しか出ていません。
読書したりゲームしたり、資格試験(後述)の勉強したりしていたら、いつの間にか夏が終わっていました。

仕事も忙しく、夏期休暇は結局2日しか取れませんでしたし、土日もそこそこ出勤しました。
そんな味気ない夏に彩りを添えてくれたのが、トップバリュのアイスクリームです。


ファミリーサイズアイスの中でもそこそこ高価格なのですが、区分は「アイスクリーム」。
しっかりとコクがあって美味しいんですよね。
しかも味が複数種あって、選ぶ楽しみもあります。

この夏に覚えてしまった「温かいコーヒーと一緒にアイスを食べる」という贅沢、これからも止められなさそうです。


金沢に行ってきた

石川県金沢市に遠征してきました。
目的は「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」の聖地巡礼。
本当はスタンプラリーイベントの開催中に行くつもりだったのですが、9月補正予算業務のせいで土日すら休めず、泣く泣く諦めました……





金沢市といえば「外国人観光客の中でもヨーロッパ系が多くて、1人あたり観光消費額が高い」という定評がありましたが、今も変わらず欧米系の方が多かったです。

飲食店もお土産物もなかなか強気な観光地価格を打ち出していたのですが、それでもお客さんで賑わっていました。
高めの値付けでもお客さんがいるというのは、とても良いことだと思います。

日本人観光客(特に首都圏の方々)は、地方への旅行に「安さ」を求めている人が多く、値段に対して辛口な人が多いです。
googleマップの低評価コメントが特に露骨で、「地方都市なのに東京並みの値段を取るなんてあり得ない」みたいな、「地方なんだから安くして当然」という難癖がたくさん見つかります。

そんな中、しっかり観光地価格を維持できているのは、ブランド戦略の賜物と言えるでしょう。

一方、駅前商業ビルが閑散としているのが気になりました。
土曜日の午後という一番賑わっていそうな時間帯なのにスタバ以外全然人がいませんし、空き区画も複数ありました。

石川県内は郊外型イオンモールがたくさんあるので、そちらに流れているのでしょうか……?

情報処理技術者試験を受けるなら高度区分がデフォ?

10月8日にプロジェクトマネージャ試験を受けてきました。
プロジェクトマネージャ試験は、IPAが実施している高度情報処理技術者試験の一つで、ITパスポートや基本情報技術者の上位に位置づけられる試験です。

去年、同じ高度情報処理技術者試験のうちITストラテジストに合格できたので、味をしめてまたチャレンジしてきました。

プロジェクトマネージャは、名前のとおりシステム開発プロジェクトをマネジメントするポジションで、役所でいえば課長補佐くらいの位置づけです(最終的な決裁権者では無いけど、実務上の意思決定や指示出しをする立場)。
部下をうまくマネジメントする方法や、ステークホルダの管理など、役所実務にも役立つ知見を得られます。

そのためなのか、受験者の中には、僕と同じ県職員を複数名見かけました。

去年あたりから、職員にITパスポートの受験を推奨する自治体が増えていて、僕がいる職場でも昼休みに勉強している職員がちらほらいます。
その一方で、ITパスポートでは飽き足らず、高度情報処理技術者試験まで手を伸ばす職員も(僕みたいな独身暇人資格趣味のみならず)存在するんだなと驚きました。

去年、転職エージェントからも「ITストラテジスト資格を持っている地方公務員は珍しくありませんよ」と聞きました。
転職やキャリアアップを目指す地方公務員にとって、IT関係の自己啓発では、高度情報処理試験レベルがもはや標準なのかもしれません。


4月の情報処理技術者試験を終えてからひたすら遊び回っていました。
このブログを書くのも久しぶりです。
「今年はハッピー路線です」と宣誓しておきながらも結局暗い記事しか書けず……一旦ブログから離れて気分転換してきました。

情報処理技術者試験はひと段落か

今春の情報処理技術者試験は、結局「基本情報技術者」と「ITストラテジスト」を受験して、なんとかどちらも合格できました。
基本情報のほうは受験記録を書きましたが、ITストラテジストのほうも現在作成中です。



当初の目標だった「応用情報技術者」は、どうしましょうか……

忙しいかと思いきや暇になった

僕の出向先では、3月いっぱいでプロパー社員が大勢離職してしまい、いきなり人手不足に見舞われました。
その余波が僕にまで及んできて、4月はかなり慌しかったです。
(僕は一応「県からの派遣」という立場で出向しているので、民間派遣会社だったら明らかに偽装請負案件……)
幸いにも5月からは派遣の事務社員さんたちが来てくれて、平和になりました。

派遣社員を受け入れるにあたり、思わぬ副産物もありました。
これまでプロパー社員が属人的に回していた業務を、派遣社員向けにマニュアル化したところ、かなりの効率化が図られたのです。
このおかげで僕の業務負担もだいぶ軽くなり、残業も減りました。

「残業代で荒稼ぎ」という当初の目論見は外れてしまいましたが、暇なら暇で遊び倒すまでです。
6月まではちょくちょく年休を取得して、いろいろ出掛けていました。
夏も旅行三昧のつもりだったのですが、コロナ感染者が増えてきたので再考しています。


Googleに認められた異常独身男性

開設以降ずっと、本ブログの人気記事は「学歴」「出世」関係だったのですが、ここ数ヶ月はこの記事が一番PVを稼いでいます。
 


この記事、なぜかGoogleで「異常独身男性」と検索すると上位表示されます。
(2022年7月17日時点では2番目、1番目はTogetter)
各種まとめブログを差し置いて上位表示させていただけているおかげで、検索流入が止まりません。

「異常独身男性」の定義はいまだあやふやなのですが、ひょっとしたらこの記事が定義確立に寄与してしまうかもしれません。ちょっと緊張してきました。

その他

プラネテス感想(ネタバレ注意)

16話と24話、それぞれハチマキとタナベの逡巡シーンがやばすぎました。
伏線やフラグを綺麗に回収するに止まらず、これまで歩んできた時間(=作中で描写されてきた会話・出来事)全てを束ねてこのシーンへと繋げるという展開。感動するしかありません。

そして最終話で示される「繋がっている」という主題。
作中でハチマキが語っていたのは「横の繋がり」つまり「同時代に生きる他者との繋がり」のほうが主なのでしょうが、視聴者的には「縦の繋がり」=「同一人物の時系列的な繋がり」のほうの重要性もしっかり感じられる、絶妙な構成だと思います。

メタな見方ができるようになった今だからこそ、本作の魅力を深掘りできた気がします。
改めて視聴する機会をくれたNHKに感謝です。

ワンピース無料公開

6月27日から『ワンピース』電子書籍版が無料公開されています。
恥ずかしながら「空島編」までしか読んでいなかったので、この機に追いつくべく延々と読み耽っているのですが……やはり面白いです。
本筋が面白いのものさることながら、「ここは伏線!考察しろ!(ドン!!)」とあからさまに伏線を張っておき、それを後々ちゃんと回収する……という漫画ならではの様式美をきちんとこなすところも、本作の魅力なのだと思います。考察勢が盛り上がるのも納得です。





久々に聖地巡礼

6月には4年ぶり上京して、ラブライブ!シリーズの聖地を巡礼してきました。
今回は主にお台場と原宿近辺、そして鎌倉です。
「虹ヶ咲」1期放映後からずーっと行きたかったのですが、コロナのせいで自粛せざるを得ず、今回ようやく実現しました。ヴィーナスフォート閉館に間に合わなかったのが本当に悔やまれます……

実際に作品の舞台を歩いてみると、「このシーンとあのシーン、意外と近くで展開されてたんだな」とか「人目につかない場所だから、誰にも見つからず一人になりたいときにピッタリだな」みたいに、制作サイドの描写意図に「気づく」ことができます。
聖地巡礼の魅力は人それぞれですが、僕はこの点が一番楽しいです。
特に「虹ヶ咲」は現地訪問して「解きほぐす」ことを前提に制作されている趣があり、ここが魅力でもあるのですが……ゆえに2期終盤は足早すぎて物足りなく感じてしまいました。

ただ、コロナが流行り始めてからずっと旅をしてこなかったせいか、体力が著しく落ちています。
もともと3泊4日の行程だったのですが、途中で力尽きて半日ほどダウンしてしまい、全部回りきれませんでした。
今度は「スーパースター」2期終了後くらいのタイミングでリベンジしたいです。


つい先週、唐突にラブライブ!プロジェクトの新シリーズが発表されました。




PVに出てきた風景は、どうやら石川県金沢市らしいです。
新シリーズの初お披露目で、キャラクターを一切出さずに風景だけ見せる……という手法は今回が初めてのはず。
これまではキャラクター主体のコンテンツだったところ、新シリーズでは今まで以上に地域性を推す展開を構想しているのかもしれません。
もしそうだとしたら、舞台のチョイスはとても重要ですし、ここで金沢市を選出した理由もちゃんとあるのだと思われます。

かつて「花咲くいろは」の聖地巡礼をした際の記憶を呼び起こしつつ、金沢市を舞台にする意義を考えてみました。

一通りなんでもある(娯楽施設以外)

フィクションの舞台としてみた金沢市の強みは、ハード・ソフト両面でそれなりになんでも揃っていることだと多います。
フィクションの素材には事欠かないでしょう。

自然環境でいえば、山も川も海もあります。
市街地もあれば田園地域もありますし、古都らしい街並みもあります。

ソフト面では、伝統芸能工芸が高水準なのが強いです。
これまでのシリーズではほとんど取り上げられていない題材でもあり、いかようにも描けそうです。
(オタクとの相性は悪そうですが……)

食べ物がどれも高水準なのも高ポイントです。
トップクラスと呼べるほど著名なものは無い(和菓子くらい?)かもしれませんが、何でも推そうと思えば推せるくらいにハイレベルなのは、フィクションの素材としては好都合でしょう。


オタク的にはアクセス不便

オタク界隈では、俗に「聖地巡礼」と呼ばれる作品の舞台現地を巡る行為が定番と化しており、作品の舞台選定にあたっては、オタクにとってのアクセスしやすさも重要な要素です。

同シリーズのサンシャイン!!の舞台である静岡県沼津市であれば、オタクの一大生息地である東京からアクセス良好(近いし安い)ですし、大阪名古屋からも比較的行きやすいです。

観光政策の文脈では、金沢市の強みとして「三大都市圏いずれからもアクセスしやすい」ことがよく挙げられます。
ただこれは一般的観光客の場合の話であって、オタクの場合は当てはまりません。

オタクは基本的にお金がありません。
そもそも学生が多いですし、社会人であってもコンテンツにお金をつっこみがちで常時金欠です。
そのため、移動に要するコストは最小限に抑えたがります。
遠出するときは基本的に高速バスで、大学生以上であればマイカー派も多いです。

金沢市の「三大都市圏からのアクセスしやすさ」は、新幹線や特急を利用した場合の話です。
高速バス路線もありますが、6時間くらいかかります。

つまるところ、オタクにとって金沢市は相当行きにくい場所です。
立地的にはディスアドバンテージを背負うにもかかわらず金沢市をチョイスしたのは、これを打ち消せるほどの魅力が金沢市に備わっていると、熟慮の末に判断したのでしょう。
判断の鍵となった要素のひとつが、先に触れた「題材の豊富さ」なのではないかと思っています。
いちファンとしてはただ期待するのみです。

女子高生が主役というコンセプトとの相性は……

ラブライブ!シリーズは、女子高生が部活としてアイドル活動をするというコンセプトで展開しています。
そのため、主要登場人物は基本的に女子高生です。
作中で地域性を描写するにしても、女子高生目線での描写になります。

こう考えると、金沢市を舞台にするのは微妙な気がしてきます。
金沢市が持つ諸要素は、大人にとっては魅力的かもしれませんが、女子高生にとってはどうでもよさそうに感じられるからです。

女子高生が兼六園とか加賀友禅とかノドグロとか五郎島金時なんかに関心を示すシーンがどうしてもピンと来ず、もしそんなシーンが展開されたら「ご都合主義」を感じてしまうでしょう。
茶屋街のおしゃれパンケーキとかならしっくりきますが、これなら別に金沢市である必要はありません。
(もしOLが主役の作品であれば超ぴったりな街だと思います。お酒も飲めますし。 )

いちオタクとしては、もちろん期待しています。素直に楽しみです。
ただ、観光関連の実務経験が、この期待に水を差してきます。
きっと単なる杞憂です。

個人的に今年一番のホットニュースである「ぐんまちゃんアニメ化」の続報が出ました。





役所はとにかく他自治体の事例を気にする組織です。
斬新な取組みであればあるほど。

広報や観光の担当者の中には、この事例について上司から「分析しろ」「資料を作れ」と指示されている方もいるかもしれません。

インターネットで調べれば
  • 地元出身の声優さんをメインキャストに据えている
  • 自治体が「製作・著作」としてクレジットされるアニメは珍しい
くらいの事実ならすぐわかると思いますが、僕みたいなオタクを除き、どれくらいすごいことなのかという感覚的な部分はピンとこないかもしれません。

資料を作ってヒアリングしても、「どんな効果が見込まれるのか?」「うちの自治体でも真似できるのか?」「成功するのか?」と詰められたら、回答に窮するでしょう。

7月11日時点で公表されている情報をもとに、「僕だったらこう説明するだろうな」というヒアリング用のカンペを作ってみました。

メインキャストがガチ

メインキャストの3名(高橋花林さん、内田彩さん、小倉唯さん)はめちゃくちゃ有名です。
断言できます。
高橋果林さんはキャリアが短いものの、当たり役(ぼののとかぐろっぴとか)を続々と射止めており、知名度は相当高いです。

声優業には「アニメ畑」「吹き替え畑」「ナレーター畑」のような活動領域がありますが、メインキャストの3名は皆さんアニメ畑です。
かつ、単に声をあてるのみならず、歌手活動も活発に行っており、マルチタレントと言っても良いでしょう。 

内田彩さん小倉唯さんはソロライブツアーなんかも複数回やっています。
さらに内田彩さんは、μ’sの一人として紅白歌合戦にも出場しています。

代表作やディスコグラフィのような指標で示すことも可能ですが、このブログの主要読者層は関心がない情報だと思うので省略します。
とにかく名実ともに「豪華キャスト」であることに間違いありません。

お三方とも声は可愛い系(しかも正統派美少女というよりはちょっと変な声路線、特徴が強い)なので、マスコットキャラクターを演じるのにもぴったりだと思います。
かつ絶妙にファン層が被っていないのも高ポイントです。

一朝一夕で成った企画ではない(推測)

群馬県庁と地元出身声優さんとの繋がりは、今回のアニメ化のずっと前から連綿と続いていたものと思われます。
少なくとも内田彩さんのTwitterアカウントには、かなり前から「ぐんま特使」であることが書かれています。

一昨年、東京・銀座にあるアンテナショップ「ぐんまちゃん家」を訪問したのですが、内田彩さんソロ名義のCDを取り扱っていて、とても驚きました。
アンテナショップという極めて競争率の高い売場でスペースを確保できるほど、一昨年の時点で深いつながりを構築していたのでしょう。

自治体がメディアタイアップするときにありがちな、広告代理店にお金を積んでゴリ押するパターンには到底見えません。成るべくして成ったという感じがします。

「物語性」への挑戦

今回のアニメ化の最大のインパクトは、「自治体のマスコットキャラクターに物語性を付与」したことだと思っています。

アニメ化されるということは、キャラクター達が織りなすストーリーが綴られるということであり、エピソードの積み重ねにより、キャラクター達の設定・奥行きが増していきます。
これが「物語性」です。

「物語性」は、もちろん制作側が主導権を握って作っていくものですが、受け手側によってもかなり左右されます。
制作側が狙ったとおりに受け手側が解釈してくれるとは限りません。
ファンの誤読がバズって炎上騒ぎに発展するケースもあります。

さらに「物語性」は、好き嫌いが分かれる要素でもあります。
大多数が高く評価していても、ごく一部からは強烈に嫌われていたり……逆もまた然りです。

つまるところ「物語性の付与」は、どれだけ頑張っても成功するとは限らないし、何より「全員が喜ぶ」ことはほぼあり得ないのです。


これまでの自治体キャラクターの運用は、粗探しや政治利用を回避すべく、とにかく設定を少なく物語性を排除していました。
極論、ロゴマークと大差ありません。

長期間運用することが前提である自治体マスコットキャラクターにとって、「物語性の付与」はかなりリスクの高い行為です。
これまで積み上げてきたキャラクターイメージが崩壊するかもしれませんし、悪意をもって物語性を解釈し難癖をつけてくる人も現れるでしょう。


自治体キャラクター運用の新境地なるか?

リアルでのパフォーマンスでは、結局くまモンに勝てません。
僕も何度か生で見たことがありますが、明らかに別格です。
動きのキレがいいというレベルを通り越して、観衆の心を揺さぶってきます。

しかも最近は新型コロナウイルス感染症のせいでリアルイベントが中止になり、キャラクターが活躍できる機会も減っています。

このまま従来通りの運用を続けていても、ジリ貧であることは間違いありません。
だからこそ群馬県はチャレンジしたのでしょう。

アニメという媒体を使うのであれば、ここまでは最善に近い展開だと思います。
あとは本編がどうなるか次第です。



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