キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

タグ:クレーム

生成AIの進歩は本当に目覚ましいですね。
僕の勤務先県庁では長らく使用禁止令が敷かれていたのですが、ついに解禁されました。

生成AI活用に熱心なのは、若い職員よりも40代のおじさんたちです。
最近の中年職員は、部下の指導やマネジメント、上司への報告、他部局との調整といった本来の業務に加え、難しい仕事を自らこなす(パワハラ認定を恐れて……)ことも求められており、どんどん多忙化しています。
そんな切実な忙しさの中で、「少しでも楽になりたい」という思いがAI活用の原動力になっているのかもしれませんね……。

一方で、「生成AIのせいでむしろ仕事が増えた」という声も多々耳にします。
生成AIを使ったと思しき苦情メールが激増しているんですよね。

生成AIというツールのおかげで文章を書くことへのハードルが下がり、意見を発信する機会が担保されること自体は、良いことだと思います。
しかし意見を「受ける」側の自治体職員としては堪ったものではありません。
たった数分で1万文字以上の苦情メール――もはや「論文」と称しても差し支えないような超大作を簡単に作成してくれる生成AIは、自治体職員の新たなる脅威にほかなりません。

生成AI謹製メールボム

ここでいう「生成AIを使った苦情メール」の典型例は、以下のとおりです。
「窓口サービス」を題材に、ChatGPTに書いてもらいました。プロンプトを作文する時間を含め2分で完成しました。


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A市役所 御中

私はA市民の一人として、市役所窓口を利用する中で感じた課題についてお伝えしたく、本メールをお送りいたしました。

私自身、各種手続のために来庁した際、長時間の待ち時間を要したうえ、複数の窓口を回りながら同じ内容を何度も説明し、同様の情報を繰り返し記入しなければならない場面がありました。また、周囲を見渡しても、高齢者や子育て世帯の方々が手続方法に戸惑い、職員へ何度も質問されている様子が見受けられました。

こうした状況は、私一人の感想ではなく、多くの市民が日常的に感じている不満ではないかと思います。実際、近隣自治体や先進自治体では、「書かない窓口」「待たない窓口」「行かない窓口」の実現に向けた取組が進められており、住民サービスの向上と職員負担の軽減を同時に実現している事例も少なくありません。

一方で、現在のサービス水準が今後も継続した場合、高齢化の進展や行政需要の増加に伴い、市民の待ち時間や手続負担はさらに大きくなることが懸念されます。また、人手不足が深刻化する中で、職員の業務負担も一層増加し、結果として住民サービス全体の質の低下を招くおそれがあります。

行政サービスは、市民が最も身近に接する行政そのものです。窓口での体験が市政全体への評価や信頼感に直結することを踏まえれば、窓口業務の改善は喫緊の課題であると考えます。

つきましては、市民サービスの向上と行政運営の効率化の両立に向け、次のような取組について積極的な検討をお願い申し上げます。

【提案事項】

1 待ち時間の短縮
・窓口の事前予約制度の導入
・混雑状況のリアルタイム配信

2 ワンストップ窓口の充実
・転入、転出、出生、死亡等の手続を可能な限り一か所で完結できる体制の整備

3 申請書類の簡素化
・同じ内容を複数の申請書に記載する負担の軽減
・既存情報の活用による記入項目の削減

4 デジタル化の推進
・オンライン申請の拡充
・キャッシュレス決済の導入

5 高齢者や障害のある方への配慮
・分かりやすい案内表示
・手続支援体制の充実

6 庁内の情報連携強化
・部署間での情報共有を進め、市民への重複した確認や提出書類を減らす取組

7 バックオフィス業務の効率化
・AIやRPA等を活用した定型業務の自動化

8 業務プロセスの見直し
・慣例的に続いている手続や事務の棚卸しと簡素化

9 窓口サービスの品質向上
・接遇研修の充実
・利用者アンケートの実施

10 継続的な改善の仕組みづくり
・市民からの提案や意見を積極的に収集し、改善につなげる仕組みの構築

市役所職員の皆様におかれましては、限られた人員や予算の中で多様な行政需要に対応されていることと存じます。
一方で、生産年齢人口の縮小が続く中、行政リソースの有効活用は喫緊の課題であり、今回提案の課題は今後の行政改革に必須の事項であると考えており、
至急ご検討いただくことはもとより、行政の透明性担保の観点から、検討結果を返信いただきますよう求めるものです。

A市がより利用しやすく、親しみやすい市役所となることを期待しております。

どうぞよろしくお願いいたします。

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こういう感じのメールが最近本当に増えているんですよね……
回答が面倒な理由は、以下の2点に大別されます。

論点が多い

生成AIが特に得意とすることのひとつが、論点を網羅的に洗い出すことです。
「この件について考えられる問題点を挙げて」と指示すれば、次々とアイデアを出してくれますし、さらに「それぞれを細分化して」と続ければ、論点はいくらでも膨らんでいきます。

苦情メールにおいては、論点の数はそのまま「答えるべき質問の数」に直結します。
論点がひとつの担当部署で完結するならまだしも、複数部局にまたがることも少なくありません。
回答作成する以前に、各部局への照会・調整・割り振りの相談で時間が溶けていくんですよね。だいたい割り揉めしますし……。

一般論すぎて具体性に欠けるので答えづらい

もうひとつの悩みが、メールの内容が「正論ではあるけれど、一般論すぎる」という点です。

さすが生成AI、根本から間違ったことを書いてくることは滅多にありません。
とはいえ役所には、予算にも人員にも限界があります。
いかに正しい意見であっても、全肯定するわけにもいかず、かといって頭ごなしに否定するわけにもいきません。

結果として、「ご趣旨はよく理解できますが、現状~~という理由から実施が難しい状況です」といった、丁寧な説得文章を一から練り上げる必要が生じます。
これがなかなかに骨の折れる作業なのです。

AI vs AIの代理戦争も近いか

僕の勤務先自治体では、まだ「外に出す資料や文章」へのAI使用は認められていません。
そのため、生成AIを使ってメール返信案を作成することができないのですが……もしこちらもAIを使えるようになれば、劇的に負担が減ります。

AIで作られた苦情メールを、AIで処理する。ドローンによる代理戦争みたいですね。ただ電気を無駄遣いしているだけのような気がします。

ちなみに上記メールへの返信をClaudeに作ってもらったら、30秒で以下が完成しました。


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Subject: 窓口サービス改善に関するご提案へのご回答

○○様

この度は、A市の窓口サービスに関するご意見・ご提案をお寄せいただき、誠にありがとうございます。
市民の皆様からいただくご意見は、市政運営を改善していくうえで大変貴重なものと受け止めております。

ご提案いただきました10点につきまして、それぞれ以下のとおりご回答申し上げます。

1 待ち時間の短縮(事前予約制度・混雑状況のリアルタイム配信)
窓口の事前予約制度の導入および混雑状況のリアルタイム配信は、市民の利便性向上に資する有効な取組であると認識しております。一方で、予約システムの構築・運用に係るシステム費用の確保や、予約客と当日来庁者の双方に対応できる窓口体制の整備、さらに情報発信基盤の整備など、クリアすべき課題が複数存在いたします。現時点では直ちに実施することは難しい状況ですが、引き続き導入に向けた検討を進めてまいります。

2 ワンストップ窓口の充実
ライフイベントに係る手続を一か所で完結できる体制は、市民の皆様の手続負担を大幅に軽減できるものとして、大変有意義なご提案と考えます。しかしながら、その実現には関係部署間の業務フロー・権限・システムの抜本的な見直しが必要であり、組織体制の変更や職員配置・研修も伴うことから、短期間での実施は困難な状況です。先進自治体の事例も参考にしながら、段階的な整備の可能性を検討してまいります。

3 申請書類の簡素化
重複記入の解消や既存情報の活用による申請書類の簡素化は、市民・職員双方にとってメリットの大きい取組です。ただし、法令や国の制度に基づき書式・記載事項が定められているものも多く、本市単独では変更できない書類が少なくありません。また、システム改修を伴う項目については相応の費用と時間が必要となります。国の動向や他自治体の取組を注視しながら、実施可能な範囲から検討を進めてまいります。

4 デジタル化の推進(オンライン申請・キャッシュレス決済)
オンライン申請の拡充やキャッシュレス決済の導入は、利便性の向上と窓口の混雑緩和に有効であると認識しております。一方で、マイナンバー制度との連携を含むシステム構築・改修費用、セキュリティ対策、情報弱者への対応など、導入に際して整備すべき要件が多岐にわたります。現在、国の自治体DX推進計画に沿った検討を行っておりますが、全面的な導入には一定の期間を要する見込みです。

5 高齢者や障害のある方への配慮(案内表示・手続支援)
誰もが利用しやすい窓口環境の整備は、行政サービスの基本として重要であると強く認識しております。案内表示の改善や手続支援体制の充実については、費用・人員の制約のなかで優先順位を踏まえながら取り組むべき課題と考えておりますが、庁舎設備の改修や専門的な支援人材の確保等が必要であり、直ちに全面的な対応を取ることは難しい状況です。現在実施可能な改善から着実に進めてまいります。

6 庁内の情報連携強化
部署間での情報共有により市民の提出書類や重複確認を減らす取組は、大変重要な課題と認識しております。実現には、個人情報保護の観点からの法的整理、庁内ネットワーク・システムの刷新、および関係部署間の業務調整が不可欠です。これらは中長期的な行政改革の一環として計画的に進めるべき内容であり、即時の全面実施は困難ですが、情報共有の範囲拡大について着実に取り組んでまいります。

7 バックオフィス業務の効率化(AI・RPA等の活用)
AIやRPAを活用した定型業務の自動化は、職員の業務負担軽減と行政サービスの質の維持に効果的な手段です。導入にあたっては、対象業務の選定・分析、システムの調達・構築、職員研修、セキュリティ確保など、準備に相応の時間と費用を要します。費用対効果を見極めながら、導入可能な業務から段階的に検討を進めてまいります。

8 業務プロセスの見直し
慣例的に継続してきた手続や事務の棚卸しと簡素化は、行政改革において本質的かつ重要な視点です。ただし、個別の業務に係る法令・条例・規則上の根拠の精査や、関係機関との調整が必要なものも含まれており、全体的な見直しには相当の時間を要します。業務改善の機運を高めながら、随時着手できるものから取り組んでまいります。

9 窓口サービスの品質向上(接遇研修・利用者アンケート)
接遇研修の充実および利用者アンケートの実施は、比較的取り組みやすい改善策として前向きに受け止めております。接遇研修については現在も一定の取組を実施しておりますが、内容の充実や受講機会の拡大については人員・予算の制約があります。利用者アンケートについては実施方法・分析体制の整備が必要であり、実施に向けた具体的な検討を進めてまいります。

10 継続的な改善の仕組みづくり
市民からの提案・意見を継続的に収集し、改善に活かす仕組みの構築は、開かれた市政の実現に向けて欠かせない取組と考えます。意見収集の方法・体制、いただいた意見の処理・回答プロセスの整備、および庁内での改善サイクルの定着には、組織的な体制づくりが必要です。現行の意見収集の仕組みを土台に、より実効性の高い体制へと改善を図ってまいります。

以上、各提案へのご回答とさせていただきます。

限られた人員・予算のなかで、ご提案いただいたすべての事項を速やかに実施することは現時点では難しい状況です。しかしながら、いただいたご意見は、今後の行政改革や予算編成を検討するうえで重要な参考にさせていただきます。

A市がより利用しやすい市役所となれるよう、引き続き努力してまいります。
この度は貴重なご意見をお寄せいただき、重ねて御礼申し上げます。

A市役所 市民窓口担当

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やはり生成Aはすごいですね。NGワードがないかネガチェックするだけでそのまま使えそうです。

AIが作った苦情には温度感と臭いが欠けている

冒頭で「生成AIを使ったと思しき苦情メールが激増している」と書きましたが、この部分に違和感を持った方はいますか?
この記事を書きあげた後に、生成AIに「論理が飛躍している部分はないか」とネガチェックしてもらったところ、「メールの差出人がAIを使っているかどうかは検証しようがないので、このように断定するのはおかしい」と指摘されました。

でも、このブログの主要読者層であるアラフォー現役地方公務員の方々であれば、きっと違和感なく共感してもらえるのではないかと思っています。
長年苦情メールを見続けていると、なんとなくわかってきませんか?
AIには出せない「温かみ」とか「臭い」みたいなものが……


僕が市町村役場ではなく県庁を志したのは、「窓口対応したくないから」の一心です。
それなのに今のところ、県庁にしては苦情対応の多い部署ばかり回っています。昨年度の対応件数は200件を超えました。

これまで十数年にわたり苦情対応を経験してきて、役所に対する苦情には2種類あると思うようになりました。
ひとつは、目的のある苦情です。役所に対して苦情を申し立てることで、何らかの利益を得ようとするものです。
もうひとつは、目的のない苦情です。不快感情をただぶつけてくるだけのものです。


つまるところ、目的(苦情主にとってのゴール)の有無で、苦情は大別できると思っています。
そして、目的の有無次第で、対応の方法も変わってくると思います。

目的のある苦情 →前向きな話し合いにさっさと移行する

まず、前者の「目的のある苦情」ですが、これは先述のとおり、何らかの利益を得るための苦情です。
モノやお金、マンパワー、特例的な優遇措置といった具体的な利益の場合もあれば、「職員に謝罪させてストレスを発散する」という無形の利益もあり得ます。

このタイプの苦情主は、役所側に何かをさせたいと思っています。
この「何か」こそが苦情の目的であり、自分が求めるリアクションを引き出すために、時間とエネルギーを割いて苦情活動を展開するのです。

そのため、苦情対応の基本である「傾聴」だけでは、このタイプの苦情主は満足しません。
むしろ傾聴されている途中でじれったくなってきて怒りが増幅してきます。

このタイプの苦情主に対しては、「目的が何なのか」を早く固めることが重要です。
一通り話を聞いたら、こちらから説明をする前に、「~をお求めということでよろしかったでしょうか?」などと聞き返して、論点をはっきりさせるのです。


苦情主からすれば、「自分の要求を役所側に伝える」のが、目的達成の第一歩です。
そのため、役所側から「あなたの目的は理解しました」と明示的に伝えることで、一定の手ごたえを感じてくれます。
役所側としても、「要求内容について認識を共有した」という実績があれば、たとえ要求自体を突っぱねたとしても、「ちゃんと聞いた」と弁明できるようになります。

怒声・罵声を浴びせられながらだと、苦情主の発言内容を冷静に分析するのは大変ですが、何回かやっているうちに慣れてきます。
「言葉遣いが悪いだけで怒ってるわけではない」と勝手に脳内で置き換えてしまうのも一策です。

「目的のある苦情」は、このように方法論を組み立てることができたので、個人的にはまだ楽です(それでも積極的にはやりたくないですが……)。
一方、後者の「目的のない苦情」は、ケースバイケースで対応が異なり、ものすごく疲れます。

目的のない苦情 →感情を解きほぐす

「目的のない苦情」を申し立ててくる人の特徴は、苦情の中身が曖昧なところです。
○○はおかしい、ふざけるな、人でなし……等々、話題+否定的単語のセットをとにかく繰り出してくるばかりで、主張内容に具体性が欠けており、こちらとしてはどう反応していいのか戸惑います。

思うに、このパターンの苦情主は激情の赴くまま口や手が動いているので、自分が何に対してなぜ怒っているのか、はっきりと自覚できていない状態なのだと思います。

このような相手に対しては、ただただ傾聴するしかありません。
しゃべっているうちに相手の頭が整理されていくのひたすら待って、相手が何に苛立っているのかを自覚できたところで、こちらの話を始めます。

「相手の頭の整理を待つ」というステップが入るので、このパターンの苦情対応は時間がかかりますし、しかも罵声を浴びる時間が長いので精神的に疲弊します。
しかも、しっかり調べてたり考えたわけではなく、感情にとらわれて瞬発的に苦情申し立てをしているので、事実関係を誤認していることも多いです。(民間企業や私人がやっていることなのに、役所に事業だと勘違いしている等)

このようなケースでは、まずは正しい事実関係を伝えなければいけないのですが……この説明が非常に難しいです。
苦情主は気持ちが昂っているので、「自分は勘違いしていた」なんて到底認めてくれません。
俗にいう「拳を振り上げたら下ろせない」状態です。
とにかく役所が悪いことにしないと格好がつかないので、やたらめったらに反論してきますし、最後には「お前の態度が悪い」と個人攻撃に行きつくするのが恒例です。

このような苦情に対しては、どこかで落とし所を作らないと、相手を宥めることができず、対応を進められません。
落とし所とは、つまるところ「役所側の非」です。

相手の反論のうち、「非」として認めても支障のない部分を見つけて、そこに対してだけ限定的に謝罪したり、共感や同意を示します。「税金が高い」とか「社会保険料の負担が重い」みたいな一般論を「非」として設定するのが一番無難ですね。

少しでも謝罪や共感を差し挟むことができれば、相手の怒りは一気にトーンダウンします。
ここまでたどり着いてようやく、こちらの話を聞いてもらえるようになります。

本来は謝る必要は無いのですが……こうしないと終わらないので、仕方なくやっています。
本当、生産性皆無でストレスのかかる仕事です。

最近は「苦情対応は30分まで」のような、苦情対応を打ち切るためのルールが定着してきました。
そのおかげで、「ただひたすら罵詈雑言に耐えてタイムアップを狙う」という対応方法も採れるようになり、苦情対応は以前よりもやりやすくなっていると思います。

ただ僕自身は、「住民様の声は神の声」という時代の認識が刷り込まれているせいで、タイプアップを宣告するのをつい躊躇してしまいます。まだまだ修行が必要です。

今年も自治体の炎上案件が相次いでいます。
特定の地域にしか影響を及ぼさないローカルニュースを掘り出してきて叩く……という行為に果たしてどれだけの社会的意義があるのかは知りませんが、コンテンツのひとつとして収益が期待できるからこそ、大手メディアが挙って地方自治体を叩くのだと思います。
そうでなければ、地元住民以外にとっては本来どうでもいいニュースに番組の尺を割くわけがありません。マスコミ関係者の本音が知りたいなと常々思っています。

僕自身、過去に炎上案件に巻き込まれたことがありますが、通常業務に炎上対応が丸ごと上乗せされて、すさまじい残業を強いられました。
課内の外線電話回線全部が苦情電話で埋まってしまい、通常業務の電話ができない日が続く……なんてこともありました。

僕が勤務しているのは県庁であり、職員数がそれなりにいるので、幸いにも炎上対応を一人で抱えずに済みました。もしこれが市町村、特に小規模な自治体だったら、もっともっと大変だっただろうと思います。

炎上への対応(以下「消火業務」)は、質的にも量的にも、自治体の規模とは関係ありません。職員数が少ない小規模自治体ほど、一人あたりの業務負担は大きくなります。
自治体の炎上が常態化しつつある昨今、「消火業務の負担がすさまじい」という小規模自治体の宿命は、働くうえでの「リスク」でもあると思います。

業務を侵食する「有事」の奔流

ひとたび「炎上」の端緒が開かれれば、平時のルーティンは瞬時に霧散し、役場内は峻烈な「有事」の様相を呈することとなります。

まず直面するのは、電話やメール、広報用SNSアカウントなどを介して殺到する不特定多数からの苦情や抗議です。
窓口にも抗議者が詰めかけ、怒声が飛び交います。
特に最近は炎上案件を扱う配信者(ユーチューバーなど)も増え、遠方からはるばる窓口にやってくる方も珍しくありません。

直接の利害関係者に対しては懇切丁寧に対応する必要がありますが、大半は全く無関係で、自治体職員に怒りをぶつけてすっきりしたいだけの人です。こういう人の相手をしていると、個人的カタルシスのために膨大なリソースが浪費され本来の問題の解決が遠のいていくことへの虚しさを感じます。

同時に、マスコミからの取材も殺到します。 強い口調で糾弾されながらも、一言一句に細心の注意を払いながら質問に答えるのは、かなり精神を削られます。
案件によっては謝罪会見もセッティングしなければいけません。会見での発言や態度がさらなる炎上に繋がるケースも多く、桁違いのプレッシャーに晒されます。

さらに、公文書公開請求や住民監査請求といった「制度的な攻撃」も急増します。
電話や窓口対応とは異なり書面でのやりとりが中心になるので、精神的な負担はまだ小さいものの、業務負担は重く、通常業務を圧迫する大きな要因となります。

意外と見落とされがちなのは、近隣自治体への対応です。
炎上案件が一つの自治体だけで収まることはまずありません。近隣自治体もまとめて攻撃されるか、叩かれないにしても「取材」という形でコメントを要求されます。
そのため近隣自治体は、火元となった自治体に対し、これまでの経緯や炎上の発端などの事実関係を問合せせざるを得なくなります。
火元の自治体としては、この問合せ対応が結構な負担になります。同業者だからこそ細かい内容を尋ねられ、資料を作って送るよう要求されることもしばしばです。

少なくとも県庁は、市町村役場が炎上したら必ず巻き込まれます。
(県庁もターゲットにして一緒に燃やそうという魂胆の場合もあれば、炎上自治体をさらに攻撃するための材料探し目的の場合もあります)
県庁としても当然、市町村の炎上は好ましくなく、鎮火の手助けをしたいところなのですが……情報が足りないゆえに迂闊な発言をして、火に油を注いでしまうケースがたびたび発生しています。

このような事態を未然防止するためにも、火元自治体から正確な情報を入手することが極めて重要で、申し訳ないと思いつつも細かい説明を求めてしまいます。

不均衡な闘いと、小規模自治体の宿命

先述した炎上対応業務は、役所の貴重なリソースを容赦なく侵食していきます。
それは単に職員のマンパワーの占有・摩耗に留まりません。
鳴り止まぬ抗議電話が電話回線を占拠し、怒り狂う来庁者への対応のために会議室を供用するなど、物理的なインフラさえもが「消火業務」という有事対応に接収されてしまいます。

ここで、現代のデジタル社会における炎上の特筆すべき、そして最も残酷な性質が浮き彫りになります。
それは、攻撃の苛烈さや、炎上対応業務の質・量が、「自治体の規模」とは無関係という点です。

3万人を超える職員を擁する東京都庁であっても、十数人の職員で職場を回している島嶼部の小規模自治体であっても、一度火がつけば対峙すべき敵は「全国の不特定多数」となるのです。

その典型的な、そして痛ましい実例が、2020年(令和2年)に山口県阿武町で発生した特別定額給付金の誤給付事案です。
この一件では、連日数百本もの抗議電話が殺到するという異常事態に陥り、全職員約60名のうち10名もの人員、つまり2割弱の職員を苦情対応の専任に充てざるを得なかったと報じられています。
苦情対応に従事した職員はもちろん、引き抜かれた職員が元々所属していた部署の職員も業務のカバーに回る羽目になり、役所全体が疲弊したことと推察します。 



分母となる職員数が少ない小規模自治体ほど、炎上によるリソースの剥奪率は跳ね上がり、行政機能が麻痺するリスクは指数関数的に増大します。
そしてこのリスクは、「唐突にすさまじい多忙に見舞われるかもしれない」という意味で、職員の人生においてもリスクといえるでしょう。

人為の火群を超え、真の危機管理へ

炎上という現象が自然災害と決定的に異なるのは、それが天災ではなく、徹頭徹尾「人為」によって引き起こされるという点にあります。

「アテンション・エコノミー」が加速する現代において、自治体の炎上は、収益が期待できる一種の「ヘイトコンテンツ」であり続けると思います。
そのため、今後も、プロの放火犯たちがビジネスとして炎上を仕掛けてくるはずです。 だからこそ、自治体経営における炎上対策は、単なる広報上の不手際への対応ではなく、組織の存立を賭けた「危機管理」の枢要として、より注目されていいと思います。

同時に、職員個人レベルでも、なるべく職員数の多い自治体に勤務することが、自らの身を守る「リスクヘッジ」として重要なのではと思います。


「上司が無能すぎて腹立つ」――。

居酒屋の片隅からSNSのタイムラインに至るまで、この嘆きは若手地方公務員の「定番」と化しています。
20代から30代の若手社員にとって、頓珍漢な意見や判断を表明してくる上司の姿は、仕事の邪魔なだけでなく、自身の成長をも妨げる「最大の障壁」のように見えることもあるでしょう。X(旧Twitter)やNOTEなどの言論空間を眺めていると、役所には「無能な上司」しか存在しないのではないかという錯覚すら覚えます。

確かに役所は民間企業のような「選抜」が効いているわけではなく、ある程度の年齢になれば大半の職員が部下を持つことになります。そのため一定数の「無能な上司」がいてもおかしくはありません。

しかし冷静に考えてみると、もし本当に上司が悉く無能であるならば、役所組織はとうの昔に崩壊しているはずです。
それにここ数年は、ちょうど係長〜課長を務める年代が氷河期世代に差し掛かっており、入庁時のスペック(学歴など)は今の若手よりもはるかに上です。
つまり、若手地方公務員が騒ぐほどには、「無能な上司」はいないと思うのです。

では、なぜこれほどまでに「無能な上司」というレッテルが一般化しているのでしょうか。そこには、単なる能力の多寡ではない、役所組織で働く以上「仕方ない」部分が存在すると思っています。

情報格差(非対称性)

上司の意見や判断が「無能」に見えるとき、そこには多くの場合、「情報の非対称性」が存在します。
同じ組織に所属していても、上司と部下は同じ景色を見ているようでいて、実は全く異なる解像度の情報を手にしています。
つまり、持っている情報が違うから、違う意見を持つし、違う判断を下すのです。

この「情報の非対称性」こそが、「上司は無能」という認識(同じく「使えない部下」という認識)を生む最大の要因だと思っています。


まず、「部下が持っている情報を、上司は持っていない」場合を考えてみます。

現場に立つ部下は、日々の業務を通じて膨大な一次情報に触れています。
上司に対して丁寧に情報共有しているつもりかもしれませんが、そもそも全てを報告することは不可能です。
特に、「非言語情報」の共有は困難です。現場の空気感、関係者の微妙な表情の変化、電話での声色などなど……こういった数値化・言語化しづらい情報こそ、往々にして意思決定において極めて重要な役割を果たします。

部下から上司への「報告・連絡・相談」のプロセスで、少なからぬ情報が切り捨てられていきます。
情報を絞ること自体は正しいことだと思います。全部ありのまま伝えるのは時間的にも労力的にも現実的ではありません。
それでも「必要な情報」をきちんと共有できていれば、判断に大きな差は生じないでしょう。

ただ、上司にとって「必要な情報」を見極めるのはなかなか難しいです。上司の判断を左右する情報までカットしてしまい、「的外れ」な判断へとミスリードしてしまうというケースは、僕だけでなく多くの人が経験あると思います。



「上司が持っている情報を、部下は持っていない」というケースも多々あります。
典型的なのは「歴史」や「経緯」、つまりは過去の情報です。
  • 〇〇地域は50年前の道路拡幅の用地買収額に納得していなくて、今も行政に対して不信感を抱いている
  • 誰も利用していない〇〇事業だけど、現首長の応援団である▲▲議員発案だから、首長が交代するまで止められない
  • このめんどくさい業務プロセスは〇〇部長が係長時代に導入したものだから、この人が定年退職するまでは止められない
こういう過去の因縁みたいな事情が、役所にはたくさんあります。
こういった類の情報は、組織に長くいればいるほど見聞きできるものなので、年長の上司は知っているが、若手の部下は知らない……というケースが多々あります。しかし、上司にとっては「常識」なので、「部下は知らない」なんてことは想定していないのです。

繰り返しになりますが、持っている情報が違えば、異なる意見・結論に至っても仕方ありません。
この前提を無視して、一方的に「上司は無能」と責め立てるのは、お門違いだと思います。


判断基準の違い

上司の判断を不可解なものにするもう一つの大きな要因は、意思決定の土台となる「判断基準」そのものの違いにあります。組織内での階層が上がるにつれ、求められる最適解は、単なる業務成果や論理的整合性だけでは測れなくなるからです。

若手職員は、実務上の合理性や、「一般住民の反応」を判断の軸に据えます。
しかし、職位が上がるにつれて「特殊なステークホルダー」への「特別な配慮」を、意思決定の不可欠な要素として組み込まざるを得なくなってきます。
率直に言ってしまえば、政治家やマスコミ、あるいは声の大きい一部有力住民といった存在に対する「忖度」です。

彼ら彼女らが持つ感覚や利害関係は、往々にして世間一般の「常識」や、現場の「最適解」とは大きく乖離しています。
しかし、現在の「民主主義」という意思決定のルール上、彼ら彼女らの意向は無視できません。

ここで重要なのは、部下から見て「おかしい」と思われる上司の決断が、実は上司個人の知性の欠如から生じているのではない、という点です。むしろ上司本人も「おかしい」と自覚しているのでしょうが、立場上そう判断せざるを得ないのです。

上司は、外部からの不条理な要求や、偏った力学を計算式に組み込んだ結果、組織として最も摩擦の少ない「妥協点」を導き出しているに過ぎません。この場合、真に批判されるべきは、上司の判断能力ではなく、判断を歪ませている外部環境そのものです。
一部の偏った利害関係者の声を「正解」として扱わねばならない不条理な構造が、上司の決断を世俗的な常識から乖離させ、結果として部下の目に「無能」という形で投影されてしまうのです。

「あいつは無能」で終わらせてしまう態度こそ無能の証拠

これまで見てきたように、上司と部下の間に生じる認識のズレは、単なる能力の優劣によるものではありません。「情報の非対称性」や「立場の違いによる判断基準の乖離」といった構造的な要因が、必然的に生み出している現象なのです。

僕はこのズレを悲観していません。
むしろ、この「意見・判断の違い」こそが、組織が健全に機能するための鍵になると思っています。

現場のリアルな感覚を持つ部下と、組織の歴史や外部の力学を考慮する上司。
その異なる視点や知見を持ち寄り、すり合わせていくプロセスこそが、より多角的で強固な結論へと導く「補完関係」の本質だと思います。

真に憂慮すべきは、上司との意見・判断の相違を、「上司の無能」にすぐ帰責する最近の論調です。

「自分が絶対的に正しい」と信じ込み、相手を一方的に「無能」と切り捨てて理解を拒む態度こそ、意見や判断のブラッシュアップを阻む、真の「無能」であると言わざるを得ません。

このような態度は、「地方公務員は無能!」と決めつけて役所側を全否定してくるクレーマーと、本質的に同じだと思います。

地方公務員として働き始めて驚いたことの一つが、本県内のローカルニュースに対してわざわざブチギレてくる「県外の方」がとても多いことです。

新しい開通したバイパス道路に対して「無駄だ!」と数十分間怒声を上げ続けてきたり、過疎化が進んで開催が見送られることになった地域のお祭りに対し「どうして支援しないんだ!」と金切り声を上げられたり……これまで所属してきたどの部局でも、うちの県のローカルなニュースに対し声を荒げて抗議してくる電話クレームを何度も受けてきました。

Yahoo!ニュースのコメント欄やSNSでは、日々のローカルニュースに対して誰かしらが持論を展開して批判を展開しています。中にはバズって拡散されるものもあり、自ら批判文を綴るほどではなくても、居住地域外のローカルニュースに対して感情的に反応する人がかなり多いことが窺われます。

県外の方からこのような苦情電話・メールを受けたり、本県のローカルニュースがネット上で炎上するたびに、心底不思議思いました。
この方々は、自分には何の利害も無い県外のローカルニュースに対して、どうしてそこまで本気で怒れるのか。
この疑問が長年解けずにいました。

去年の秋頃、僕の勤務先県庁でもちょっと世間を賑わせた話題があり、この類のクレームを傾聴する機会が例年以上に多かったのですが……何人も連続して罵詈雑言を拝聴するうちに、ふと気づいたのです。

彼らが怒るのは、悪意からではなく、「情報が足りていない」からなのではないかと。
具体的には、事実の経緯や背景、そして言語化しづらい非言語情報の欠如が、誤解や感情的反応を増幅させているのではないかと考えています

ローカルニュース報道は不完全

我々が、ある出来事に対してどう評価するかを決めるとき、その「事実」そのものよりも、それに至る経緯や背景に強く影響を受けます。

たとえば、とある過疎地域に新しいバイパス道路が完成したとします。
「過疎地域に新しいバイパス道路が完成」という事実だけ見れば、大抵の人は「無駄だ」と思うでしょう。

しかし、
  • 災害で壊れた周辺道路を廃道にすることが決まっており、今後この新しいバイパス道路が唯一のアクセス手段になる
  • 過疎地域を経由して都市部と都市部をつなぐ機能があり、人流・物流の効率化につながる
  • この地域に新しく産廃処理施設が建設される見込みで、交通量はかなり多い見込み
このような事情や経緯があると知れば、見方はがらりと変わるはずです。

ローカルな話題はとりわけ、その土地固有の事情が色濃く表れるものです。
結果として生じている事実のみならず、その背景や経緯といった周辺情報を含めて把握しないと、正確な理解はできないと思います。

しかし、ニュースとして配信される際には、文字数や構成の制約もあり、「事実」が優先的に取り上げられ、周辺情報はそぎ落とされてしまいます。

周辺情報を知らないから筋が通っていないように見える

このようなローカルニュース報道の宿命——「事実だけが報道され、周辺情報は報道されない」という報道のあり方が、遠方のローカルニュースに対してキレる方が多い原因でないかと思っています。

その事実の評価にあたり重要である「周辺情報」を保有していないがために、一種の誤解が生じて、筋が通っていないように感じられるので、怒りを覚えるのです。

さらに言えば、周辺情報=「その地域特有の事情」の代わりに、「自分の生活圏で培った価値観や常識」を当てはめて評価しようとするので、評価を誤るのだと思います。

つまり、ローカルニュースの炎上とは、ある地域特有の文脈で生じた出来事が、その文脈を失った状態で全国に拡散され、異なる文脈を持つ人々によって再評価されるという、「文脈の衝突」から生じる現象なのだと思います。

実際、県外の方からの義憤クレーム対応では、背景や経緯といった周辺情報をきちんと伝えると、大抵納得してくれます。
とはいえ、素直に引き下がる人はごく少数で、「そういう事情があるなら最初から説明しろ!お前らの情報発信のあり方が悪い!」というふうに、自治体広報のあり方へと怒りの矛先がシフトして、もうワンセットお叱りを受けるのが定番ですが……

周辺情報をきちんと調べたうえで批判してくる方は、ごくごく少数です。多くの方は報道内容だけで物事を判断しており、わざわざ自分から追加リサーチする方は本当に少ないのでしょう。
大多数の「誤解して怒っている方々」とは異なり、こういう方の批判は聞くに値します。

炎上前提の世界へ

つまるところ、ローカルニュースをネタにする報道機関が、ちゃんと周辺情報もうまくまとめて併せて発信してくれれば、県外在住の方からの苦情はだいぶ減るのではないかと思うのですが……「尺が足りない」という根本的な制約はどうしようもなく、期待するだけ無駄なのだろうと思います。
ゆえに、自衛が必要だと思います。

まず、自分自身が情報の受け手としての心構えを見直すことが肝要です。
違和感を覚えるニュースに遭遇した際は、即座に感情的反応を示すのではなく、その背景や経緯を丹念に調査する姿勢が必要でしょう。
周辺情報を十分に把握した上で改めてニュースを検討すれば、当初感じた違和感が氷解するケースが少なくないというのは、苦情対応実務を通して、身を持って理解しています。
同じ轍を踏まないよう、自分自身がちゃんと周辺情報を調べるよう注意したいところです。

一方、情報の発信者としては、どんな話題であれ「誤解されて炎上する」ケースを想定すべきなのだと思います。

今の世の中、炎上を未然防止するのはもはや無理です。
ゆえに僕は、ある程度の炎上は避けがたいものとして受け入れたうえで、事後の説明や対話の準備を怠らないという発想が重要だと思っています。
つまり、「炎上しないように行動する」ではなく「炎上しても弁明できるよう備えておく」という姿勢です。

前提知識や経緯、非言語情報を共有していない不特定多数の方々に対する広報活動は、極めて困難を伴います。炎上を恐れるあまり表現を抑制し続ければ、最終的には官報のような無味乾燥な事実の羅列に終始するほかなくなってしまいます。

幸いにして現在は、組織のトップを含め、炎上がもたらす悪影響への認識が随分浸透してきて、役所内にも「炎上回避」のノウハウが蓄積されてきていると思います。
これからはさらに一歩進んで、炎上後の「消火」技能を高めていくことが求められるのではないでしょうか。
すなわち、一定程度の炎上はやむを得ないものとして覚悟しつつ、炎上後に適切な説明や振る舞いを即座に取って、「延焼を最小限に抑え」「さっさと忘れてもらう」技術です。

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