キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

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僕の勤務先県庁では、2年前くらいからチャットツールを導入しています。
導入当初はいろいろトラブルが相次いだらしい(僕は外部機関に出向していたので詳細知らない)のですが、今となっては無くてはならないコミュニケーションツールとして重宝されています。

従来ツールの間隙を埋めてくれる

これまでの役所内コミュニケーションツールには、電話メールがありましたが、どちらも問題を抱えていました。

電話は言わずもがな、相手の時間を奪ってしまうという問題があります。
緊急の場合には有効な手段ではありますが、些細な用件でも電話をかけると、相手に時間的・精神的な負担をかけてしまいますし、なかなか電話がつながらないせいで時間のロスが発生するとか、うっかり電話するのを忘れていて手遅れになるなどのトラブルも発生していました。

メールを使えば、相手の時間を奪わずに済むものの、今度はキャパシティの問題が生じます。
メールボックスの容量が小さくてすぐにパンクしたり、添付ファイルの上限が小さくてやりとりできるデータの容量に限度があったり……メールというツールそのものの問題ではありませんが、職員向けの設備投資に割ける予算がごくごく限られる地方自治体組織において、メールシステムのキャパシティ不足は如何ともしがたい問題です。

そこでチャットツールが登場し、電話とメールの利点を兼ね備えたコミュニケーションが実現しました。
チャットなら、リアルタイムで双方向のやりとりができ、相手に過度な時間的負担もかけません。
添付ファイル容量の大きさも随分改善されました。チャットシステム自体が目新しいサービスなので、デフォルトでキャパシティが大きいです。
内部のやりとりはチャット、外部とのやりとりはメール……という形で使い分けることで、メールボックスがパンクすることも減りました。

従来も、電話やメールの代わりに手書きメモでコミュニケーションをとる職員数が一定数いましたが、チャットはこれに近いと思います。

職員の意識改革

チャットシステム導入の副次的効果として、職員のコミュニケーションに対する意識の変革という効果もありました。

従来は、個人個人が使い慣れた方法でコミュニケーションをとる傾向がありました。
会議をたくさん開く人、とりあえず電話をかける人、メールを重んじる人などです。

僕自身、極力メールで万事こなそうとするタイプでした。
僕は忘れっぽいので何事も文章に残しておかないと不安になりますし、かつ庁内でも自分は比較的暇なほうなので、電話で相手の時間を奪いたくありません。
我ながらこの方法は悪くないと思っています。ちゃんと文章に残しておいたことで後々助かったことも多いですし、文句を言われたこともありません。

ただ、メールを作文する時間が長くなり過ぎて、効率が悪かったことを反省しています。
1通のメールに1時間以上かかることもザラでした。

僕はちゃんと目的を持って意識的にメールばかり使っていましたが、実際のところ、先述したような各コミュニケーション手段の一長一短を意識している職員は少数派だったと思います。
そんな中、チャットシステム導入は、各職員が「コミュニケーションとは何か」を立ち止まって考える良い機会となりました。
チャットという新しいツールを使う中で、従来のツールの特徴を見直すことになり、「電話は相手の時間を奪う」などの基本事項にようやく気付いてきたのです。

コミュニケーションツールごとの特徴に意識が向いた結果、コミュニケーションの目的や分量、関係者人数などの条件を踏まえ「どの手段を取るのが最も効率的なのか」を都度考える習慣が生まれつつあり、適切なコミュニケーション手段が選択されるようになってきています。

ネチケットの復活?

一方、チャットツールにまつわる問題というか課題も生じています。

まず、謎のチャットマナーを主張する職員の出現です。
出典不明のルールを持ち出してきて、「その使い方は失礼じゃないか」みたいな指摘をしてきます。

最近見かけたものは、以下のような感じです。
  • 体裁の指定(1行○文字まで、1投稿あたりの行数上限、句読点の打ち方)
  • 添付ファイルの種類に制限を設ける(PDFしか投稿してはいけない 等)
  • 未読時間の上限(○分以内に既読をつけるのが常識 等)
  • 目上の職員にチャットするときは事前に電話すべき

このようにネチネチ指摘してくる職員がいるので、特に若手を中心に安全策を取る人が増えています。
  • 「お世話になっております。○○課の△△です。」などの定型挨拶文から入る
  • 本文はガチガチに公文書ルールを遵守(送り仮名、1行の文字数など)
  • 締めにも「よろしくお願いします。」などの定型文を入れる

つまるところ、外部に送るようなメールと同じような作法で、文章を作文しています。
そのせいで本文よりも定型文のほうが長くなることもしばしばあり、せっかく即時性あって手軽なコミュニケーションがとれるというチャットの利点を損なっている気がしています。
(僕がこのような主張すること自体、「謎のチャットマナーを持ち出す」行為にほかならないわけですが……)

事実上の週7日勤務になるのか

もう一点、労務管理上の懸念も払拭しきれません。

月曜日に出勤すると、休日出勤していた職員からだいたい5~10件ほどチャットが入っています。
僕の勤務先県庁では今のところ、ライセンス数の都合上、一部の職員しか私用のスマートフォンにチャットシステムを入れておらず、「休日はチャットを確認できない」という前提があります。
そのため、チャットツール導入後にありがちな「休日にも仕事の指示が飛んでくる」という事態にはまだ陥っていません。

ただ、これから順次、全職員の私用スマートフォンにチャットシステムを入れられるようライセンスを追加調達する予定らしく、そうなれば、ひょっとしたら休日でも仕事を押し付けられるのではないかという懸念が生じてきます。

すでにチャットシステムを入れている職員に確認したところ、既に「月曜日でいいから対応してほしい」という指示がたびたびあるとのこと。

発信元としては休日出勤を強いる意図は全く無いのでしょうが、しかしこの場合でも、受信側としては、通知が届いた時点で中身を確認しなければいけません。
休日に対応しなければいけない急件なのか、週明けで十分な案件なのか、チャット本文を見ないと確認できないのです。

実際の作業までは求めなくとも、このような確認作業を強いている時点で、れっきとした「仕事の押し付け」ではなかろうか……と思ってしまいます。

先日職場にて、後輩職員たちが勤務環境の悪さを愚痴りあっていました。
彼ら曰く、「県庁は10年前から何も変わっていない」とのこと。

彼らはせいぜい入庁5〜6年目で、10年前の勤務環境を経験しているわけではありません。
言葉のあやというか、きりの良い数字ということで「10年」という年数を持ちだしたのでしょう。
ゆえに、「10年前」の姿を誤認していても仕方ありません。

しかし、それにしても……「10年前」の認識が甘すぎます。
10年前の県庁は、彼らが想像しているよりももっとずっとひどかったです。

「いや10年前はさぁ……!」という老害ツッコミを入れたくなるのをその場では必死に堪えましたが、結局モヤモヤが治らないので、以下発散させてもらいます。


OHP(オーバーヘッドプロジェクター)

大人数の前で何らかの発表を行う場合、今ならパソコンをプロジェクターに繋いでスクリーンに投影するのが一般的でしょう。
最近はこの方式すら時代遅れになりつつあるかもしれません。

僕が入庁した当時は、OHPを使うのが主流でした。
透明なプラスチックのフィルムに光を当てて、紙芝居のように投影するアレです。
長時間使っていると熱を帯びてきて、独特の匂いを放ち始めるんですよね。

奇しくも入庁2〜3年目くらいにOHPからプロジェクターへの置き換えが進展して、これまでOHPだった資料が一気にパワーポイント化されていきました。
僕自身、OHP資料を作ったのは最初の1年目だけです。

今から思い返してみると、OHP資料を作るのは本当に面倒でした。

OHPを使うには、発表資料をフィルムで1枚1枚用意する必要があります。
特別な印刷機を使う必要があり、手間も費用もかかります。
フィルムがけっこう高価で、しかもインクがうまく乗らなかったりして印刷ミスが多発するんですよね……

そのため、一部分だけ更新したい場合は、印刷し直すのではなく手書きで修正したり、修正箇所だけ印刷して切り貼りしたり……手先の器用さを求められました。

あと、「色を濃くしすぎるとうまく投影されない」とか、「細かい部分は印刷よりもペンで塗ったほうが綺麗に仕上がる」とか……いろいろなテクニックも必要でした。

パワポであれば数秒で済む作業に、相当な時間と労力をかけていましたね。

docx・xlsx・pptx禁止令

MicrosoftOfficeのファイルには、「docx・xlsx・pptx」のように末尾に xがつくものと、「doc・xls・ppt」のように末尾にxがつかないものがあります。
前者はOffice2007以降のバージョン、後者は2003以前の古いバージョンです。

エクセルの条件付き書式がxlsだとうまく動作しなかったりと、末尾にxがついているほうが機能が充実しているので、最近は普通はこちらを使っています。

僕が入庁した当時(2013年)は、末尾にxがつく形式でのファイル作成は厳禁でした。
庁内のパソコン更新が進んでおらず、xがつく新しい形式だと開けない職員が多発するからです。

役所内のみならず世間的にも「xがつく新しい形式は一般的ではない」という認識が強く、申請書のような書類様式をdocx形式でホームページにアップしてしまった日には、苦情の電話があったものです。

今となっては誰も気にしていないでしょうし、誰も覚えていないでしょう。
当時、苦情を食らった当事者でもない限り……


タバコ痕だらけの机

執務室内の机や椅子がボロいのは今も昔も変わりませんが、机に関しては10年前よりも随分改善されています。

僕が入庁した当時、執務室内の机にはたいてい焼け焦げた跡があり、凹凸がありました。
原因はタバコです。
執務室内でも自由に喫煙できた時代に、灰を落としたりして机を焼いてしまった痕跡が、ありありと残っ
ていたのです。

僕が入庁した頃には、すでに分煙が徹底されていて、各フロア設置された喫煙室以外では完全禁煙が達成されていました。
それでも先輩職員の皆さんは「自席で自由に喫煙できた時代」が忘れられないらしく、机の焦げ跡を懐かしげに眺めていたものです。

最近は机の更新も進んで、焦げ跡が残っている机がだいぶ減ってきました。
もしかしたら「昔の名残がなくなる」と悲しんでいる職員もいるのかもしれませんが、僕は何の感慨もありません。
机の凸凹が無くなって使いやすくなりますし、住民の皆様から「いまだに机でタバコ吸ってるのか!」と誤解されてお叱りを受けるリスクが減りますし、良いことづくめです。

1ヶ月ほど前から唐突に、対話型AIが脚光を浴び始めました。
テレビやネットニュースはもちろんのこと、平均年齢70歳くらいの地方新聞の投書欄ですら、「AI=ChatGPT」と言わんがばかりの勢いで侃侃諤諤の議論が交わされています。

こういう新技術は、高齢者層から頭ごなしに否定されることが多い気がしますが、対話型AIに関しては賛否両論に分かれているような印象を受けます。
ただ、賛成側にしても否定側にしても、実際に使ったことがある人は果たしてどれくらいいるんでしょう?
話題になっているのを見て数回使ってみたくらいの人は結構いるかもしれませんが、日常的に使っている人はほとんどいない気がします。

創作のお供

僕は趣味で短編小説(主に二次創作)を書いています。

書きたいシーンはスラスラと言葉が出てくるのですが、そうでないシーンはなかなか進まないもので、いわば後片付けのために多大な時間と労力を注ぎ込んでいるような気がして、結構ストレスなんですよね。
こういう部分、あんまり筆が載らないシーンをAIに書いてもらっています。

あとは擬音や視覚表現のバリエーションを増やしたいときにも使っています。
例えば、殴り合いのシーンを5,000字くらい書いていると、どうしても擬音がワンパターンになるんですよね。「ガシッ」「ボカッ」みたいな典型だけだと足りません。
そこでAIに「擬音の候補」を提示してもらうのです。

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ちなみに、単に「殴ったときの擬音を教えて」とだけオーダーすると、倫理コードに引っかかってブロックされます。これを回避するために「あなたは編集者です」などの状況設定を入れています。

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エピソードは得意、ロジックは苦手

現状、対話型AIが得意なのは「エピソード」です。
シチュエーションを指定してやれば、それらしいエピソードを一瞬で創出してくれます。
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ChatGPTであれば、プログラムも書けます。
地方公務員に身近なところだと、エクセルの計算式やマクロコードも一瞬で仕上げてくれます。
僕自身、庁内各課から提出されてきたエクセルファイルを統合する作業を代行してくれるマクロコードをChatGPTに書いてもらって、早速楽をさせてもらっています。


一方、論理構造がしっかりした文章はまだまだ苦手です。
因果関係や論理関係がしっかりした文章はなかなか生成できませんし、ビジネス文章の基礎である「ロジックツリー」や「MECE」にもうまく対応できません。

根拠をはっきりさせたうえで意見を主張する文章も苦手です。
意見自体はそれなりに仕上がるのですが、根拠の部分が弱いです。
インターネット上の通説レベルの根拠はしっかり準備してくれるのですが、専門書レベルの知見や定量的データまでは引っ張ってきてくれません。
そのため、既視感のある薄っぺらい仕上がりになりがちです。

現状、対話型AIを仕事で使うのは仕事で使うにはまだまだ難しいと思います。
論理構造が今ひとつで根拠も弱く、説得力に欠けるからです。
一文一文は綺麗に書けていて、サラーっと流し読みするだけならそれっぽく見えるのですが、じっくり読むと穴だらけなんですよね。

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「昇給や賞与が少ない」とか「民間は週6勤務が一般的」というファクトがだいぶおかしいです。


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センチュリーが日本の伝統の結集であるのはまだわかるとしても、「地元の産業や文化に対するアピールにつながる」という結論にはつながりません。


一方、厳密なロジックや根拠が必要ない文章、例えば新聞の社説、コメンテーターの発言、エッセイ、感想文のような文章を作るには十分実用レベルだと思います。
特に、具体的なエピソードをもとに何らかの主張をするタイプの文章はとても良い感じに仕上がります。
ニュースでも「就職活動のエントリーシートをAIに書かせた」という事例が取り上げられていましたが、まさにこういう使い方において長所が発揮されるでしょう。

あとは質問を作るのも上手いと思います。
人間ではなかなか気がつかないようなものも含め、網羅的に論点を出してくれます。

実務に使えるか

いくつかの自治体では、既存の対話型AIを議会答弁や報道発表に活用する方向で検討しているらしいですが、僕はなかなか難しいのではないかと思っています。

役所が作る文章は、いろんな人が多角的・批判的に吟味してきます。
そのため、結論はもちろんのこと、論理展開や根拠にも一切手を抜けません。
全面的にAIにぶん投げて作文してもらうのは不可能でしょう。
AIが作った文章を、職員が全面的に修正する光景がありありと想像できます。

せいぜい細かい文言の候補を提示してもらうとか、記者発表原稿の大まかな流れを作ってもらうとか、その程度に止まるのではないかと思います。
 
これだけでも十分便利そうではありますが、世間で騒がれているほど革命的な進歩かと言われると……正直疑問です。
「エピソードの創作」という現状の強みを活かすのであれば、今すぐにでも対話型AIを活躍させられそうですが……役所内にそういう仕事があるのでしょうか?僕には思い当たりません。

それよりも、エクセルマクロのコードを書いてもらって日々の業務を効率化する用途にまず使うほうが、有益だと思います。あまり世間受けは良くなさそうですが……

今はまだ組織的に採否を判断するフェーズではなく、職員個々人が試しに使ってみて、どんな局面でAIを活用できるのかを探る段階だと思います。

加えて、どういう質問を投げると効果的に回答を得られるのかを探るのも重要だと思います。
「現状苦手」と書いた定量的根拠に基づく主張も、うまく質問を投げてやれると、きちんとした回答が返ってくるんですよね。


新型コロナ対応で忙殺されている自治体勤務の皆様には非常に申し訳ないのですが、僕は連休以後1日も出勤していません。
ずーっとテレワークです。

僕の出向元自治体は、少なくとも3月時点ではテレワーク環境が全然準備されておらず、今年度中に急ピッチで整備する予定みたいです。
そのせいなのか、僕のテレワーク環境のことを人事担当からいろいろ聞かれています。

自分で言うのも小恥ずかしいですが、僕みたいな独身貴族機材オタクのテレワーク環境は、社会的正常者が多い自治体組織においては貴重なサンプルだと思います。
どこかの誰かの参考になることを祈念しつつ、僕のテレワーク環境を公開します。 

ハード編

職場PC(シンクライアント端末)

職場から支給されたテレワーク用パソコンで、インターネット経由で職場のサーバーにアクセスして仕事しています。
機種名は秘密ですが、僕の出向元自治体のパソコンより圧倒的に高性能です。
メモリなんて8GBもあります。3月まで僕が使ってた自治体PCの4倍です。


外付けモニター

プライベートで普段使いしているモニターをそのまま使っています。
USB-C接続対応、縦方向でも使える製品ということで、EIZOの「FlexScan EV2795」という製品を使っています。
個人的には、小さくとも24インチは欲しいところです。
これより小さいと、左右で別々のオフィスソフトを開いて作業するのが難しい。


キーボード・マウス

これも普段使いしているものです。
エクセルを触る仕事が多いので、フルサイズキーボードを使っています。


カメラ内蔵マイク

オンラインミーティングの時だけセットしています。
カメラもマイクも職場PCに内蔵されているのですが、僕は私物を使っています。
せっかく持っているのに死蔵させておくのが勿体無いので。

たくさんあるWEBカメラの中でも、本製品はかなり広角に写せるほうなので、複数人を1画面に収めたい(オンライン会議用のアカウントが足りず、端末1台で複数人が参加する場合など)に向いています。

この機材は昨年、職場用に購入したものです。
僕の出向元自治体では、オンライン会議用のハード面の調達が遅れたため(自治体が好きな低価格帯商品が品薄で買えなかったらしい)、カメラやマイク、場合によってはパソコンやタブレットまで職員が自腹で購入していました。


手帳(todoリスト兼メモ帳)

テレワークだと誰もリマインドしてくれないので、ついつい用事を忘れがちです。
そのため、予定・タスク管理には普段以上に気を遣っています。
 
何より、出勤日にしかできない「先送りする仕事」をきちんとメモしておくことが重要です。
 
「テレワーク日にしかできない仕事」はありませんが、「出勤日にしかできない仕事」は意外とたくさんあります。
紙媒体の提出物を処理したり、データ化されていない大昔の資料を探したり、書籍媒体の資料を参照したり……
僕はケチなので資料の印刷も出勤日にまとめてやっています。自腹は極力切りたくありません。

出勤日が少なくなればなるほど、出勤日の使い方が重要になってくるのです。


スマートフォン

職場から電話がかかってくるかもしれないので、念のため卓上に置いてあります。
たいていの用事はビジネスチャット(後述)で連絡を取り合う文化なので、、職場からの電話はほとんどありません。
むしろ出向元自治体からの電話のほうが多いです。正直さみしいのでありがたい。


筆記用具・電卓

私物を使っています。職場から持って帰ってくるのが面倒なので。


タブレット

職場PCはセキュリティが厳しく、ログインが必要なwebサービスがほとんど使えません。
そのため、常用している「Googleカレンダー」や「todoリスト」、「Notion」のようなアプリを使うために、私物のiPadを卓上に常駐させています。


ブルートゥーススピーカー



ときどきBGMを流すのに使っています。
低音と高音をそれぞれ別々に調整でき、ギターやベースがガンガン鳴っているタイプの曲は低音強調、ボーカルを堪能したいときは高音強調……みたいに調整できます。低音強調して「無敵級*ビリーバー」を聞くとたくさん脳汁が出ます。

正直僕みたいなアニソンばかり聴いているオタクにはオーバースペックな逸品なのですが、有線接続もできるBTスピーカーが意外と少なく、こちらを購入しました。

卓上以外のハード

つくえ

小学生時代から使っている学習机をそのまま使っています。
パソコン作業するには天板が低く、改善の余地ありと思っています。


いす

数年前に購入した「コンテッサⅡ」というガチチェアを使っています。
腰に爆弾を抱えているので、ちゃちな椅子は怖くて座れないのです。
 

ソフト編

ビジネスチャット

サービス名は秘密ですが、かなり有名なサービスを職場で契約しています。
容量の大きい添付ファイルや長文メッセージをやりとりする場合を除き、職場内のコミュニケーションはもっぱらビジネスチャットです。


Apple Music

BGM用です。
僕は無音のほうが集中できるタイプなのですが、逆にずっと無音だと集中しすぎるのか一日持ちません。午前11時には力尽きてしまいます。
そのため、小難しい資料を解読する仕事のような「特に集中したいとき」を除き、あえて過度に集中しないよう、音楽を流しています。

雑感

ビジネスチャットは個人的に必須

本格的にテレワークを導入するのであれば、ビジネスチャットは不可欠だと思います。
「メールで十分だろ」と思う方もいるかもしれません(僕も思ってました)が、実際に使ってみると非常に便利です。

テレワークが増えれば増えるほど、テキストメッセージのやりとりも増えます。
全部メールで済ませようとすると件数が膨大になり、メール管理が煩雑になりますし、受信ボックスもすぐパンクします。
その結果、外部とのやりとりのような「メールでないと処理できない」重要案件が埋もれてしまいかねません。

ただ、「テキストメッセージのやりとりはメールに一元化したほうが遺漏が少なくて管理しやすい、メールとチャットに分けるとかえって混乱する」と方もいると思います。

タブレット端末をもっと応用していきたい

テレワーク中は、人目を気にする必要がありません。
そのため、職場だと試せないような「働き方」を実験できます。

僕が一番可能性を感じているのが、タブレット端末の活用です。
業務効率化に役立ちそうなアプリやサービスを試していきます。
卓上で使う場合、サイズは大きければ大きいほど便利です。
そのため先月発表された「iPadPro 12.9インチ」の新型がめちゃくちゃ気になっています。
Pro級の性能は絶対持て余すのですが、約13インチというディズプレイサイズには抗いがたい魅力があります。
12.9インチのAirが出たら即購入なのに……

環境構築のためのイニシャルコストは高くつく

僕はひきこもり気質かつオタクなので、自室の設備は以前かなり充実していました。
「ハード編」で紹介した機材類も、(職場PCを除き)全部元から保有していたものです。
テレワークのための新規購入したものは一つもありません。

ゼロから僕並みに環境を整えようとすると、40万円くらいかかります。

機材のグレードを落としても、5万円はかかるでしょう。

正直パソコンさえあれば仕事できないことはありませんが、それでも健康のために長時間座っていられる椅子は必須だと思います。

僕みたいにテレワーク有無にかかわらず在宅時間が長い人間は別にして、「テレワークのため」だけに諸々購入しようとすると、金銭的にも精神的にも大損になりかねません。
こういう場合は必要最低限の設備で抑えるか、あるいは理由をつけてテレワークを拒むのもアリかもしれません。

急に「テレワークしろ」と言われて慌てて調達する羽目になり、割高な買い物をしてストレスを溜めるより、あらかじめどれくらいのグレードの設備にするかを想定し、金銭的負担の見積もりを用意していたほうが安全な気がします。

実は僕、これまでずっと携帯電話料金を親に払ってもらっていました。

少し言い訳をさせていただくと、僕は普通の田舎民よりも携帯電話を持つのが早く、小学校5年生の頃からずっと保有しています。
当時、中学受験のために塾通いを始めて、送迎のために持たされたのです。

僕の世代(アラサー)だと、高校入学のタイミングで初めて自分の携帯電話を買い与えられるのがスタンダードだったので、中学生の頃は優越感を覚えていたものです。

こういう経緯があるために、僕の回線は親の回線にぶら下がっていたようで、請求明細にもはっきり出てこず、誰がいつどうやって払っているのかよくわからない状態でした。

30代にもなって親に肩代わりしてもらうのはさすがにまずいと思い、契約を変更すべく、今更ながら格安SIMについて調べています。


今の時期、僕みたいに携帯電話のプランを見直している方がけっこういるのではないかと予想します。
4月からの新生活を控えて固定費を総ざらいしている方もいれば、大手キャリアがリリースしたセカンドプランを吟味している方もいるでしょう。

地方公務員ならではの事情を整理していきます。

音声通話とSMSは必須(もしかしたら掛け放題も)

これまでも散々触れているとおり、ごくごく一部の担当業務を除き、地方公務員には仕事用携帯電話が支給されません。
とはいえ今の世の中、携帯電話無しでは仕事が回らないので、私用携帯電話を仕事にも使わざるをえません。

使用頻度は担当業務によって様々でしょうが、一切使わないことは無いと思います。

仕事での主な用途は、出張時の通信手段です。
このため、地方公務員の携帯電話には、音声通話とSMSが欠かせません。

「LINEみたいなメッセージ&通話アプリで十分では?」と思う方もいるかもしれませんが、残念ながら足りません。
上司や部下のような役所内の人としか連絡しないのであればアプリで十分かもしれませんが、仕事では役所外の人とも連絡を取り合います。
例えば出張先での待合せだったり、急な遅刻連絡だったり……

そのため、音声通話やSMS機能を省いた「データSIM」は、地方公務員には適さないと思います。

加えて、担当業務によっては頻繁に音声通話するため、掛け放題プランが必要になるかもしれません。
その場合どう対応するか、あらかじめ考えておいたほうが無難でしょう。

通信量には余裕を持たせる

私用携帯電話は、インターネット閲覧端末としても使います。

役所のパソコンは、たいていセキュリティの都合上、閲覧できるホームページが制限されています。
変なページを見てウイルスに感染しないためであったり、仕事に関係ないページを閲覧してサボるのを防止するためなのでしょう。いたって合理的な理由です。

とはいえ仕事をしていると、制限されているホームページを閲覧しなければいけないケースがけっこう発生します。
例えば施策が炎上したとき。
炎上の経緯や燃え具合、匿名掲示板の書き込みやまとめサイトが参考になります。
しかし、こういうサイトはたいていブロックされていて、職場PCからは閲覧できません。 

情報セキュリティの担当課に相談すれば一時的にセキュリティを解除してくれるのかもしれませんが、炎上対応のような緊急事態では一刻を争います。相談している暇なんてありません。
こういう場合は私用の携帯電話から閲覧するしかありません。

加えて、最近はオンライン会議をする機会が急増していて、機材トラブルのため私用携帯を使わざるをえず通信量が爆増するリスクが顕在化してきました。

こういった事情のため、インターネット利用にも私用携帯電話を使います。
月の使用容量には余裕を持たせたほうがいいでしょう。



地方公務員にも仕事用携帯電話が支給されれば悩まずに済むのですが、支給されたらされたで電話番号がインターネット上で晒されて嫌がらせを食らうのが目に見ています。

私用携帯電話を使うこと自体は仕方ないとして、通話料や通信料に対する手当みたいなものがもらえたら最高なのですが……出張に自家用車を使うときみたいに。

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