キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

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タグ:公務員試験


公務員予備校

以前にも記事にしたとおり、僕は独学で県庁地方上級試験に合格しています。
予備校は一切利用していませんし、模擬試験すら受けていません。

今回は、予備校不使用者の観点からみた、予備校に通うメリット・デメリットについて書いていきます。

僕の場合、元々民間志望だったところを諦めて公務員に転向、短期間の詰め込みでの公務員試験を受けました。予備校に通って勉強するだけの時間的猶予が無かっただけで、「予備校は不要だ」と思っているわけではありません。

もし県庁試験に落ちていたら、次年度の公務員試験に備えて、すぐに予備校に通い始めるつもりでいました。

予備校利用者の割合は?


本論の前に、僕の周囲の予備校利用状況を紹介します。
同期採用職員のうち、大卒ストレート合格者に限っていえば、8割近くが予備校を利用していたようです。
特に地元大学組は、ほぼ全員が予備校を利用していて、初任者研修の時点で既に人間関係が出来上がっていました。予備校時代からの顔なじみなんですね。

一方、都会の超有名大学からのUターン組は、利用していない人が多いです。

メリット:試験情報が手に入る

 
予備校を利用する最大のメリットは、受験自治体の正確な試験情報が手に入ることだと思います。
僕は遠方からの単独参戦だったため、過去の論文試験の主題も、面接の形式も知らないまま、本番に臨みました。ものすごく不安でした。

予備校に通う代わりに、僕は現役職員と直接交流して情報を集めようと考え、実際に何名かの現役職員とお話しさせてもらいました。
結果、自分に向いているかどうかの判断には大いに役立ちましたが、試験そのものにはあんまり役立ちませんでした。

大抵の職員は、試験のことを覚えていません。
僕みたいにツイッターで勉強ログを取っていれば別ですが、そんな人間はごく稀です。

試験の様子は、現役職員に聞くよりも、多くの受験者からの情報をとりまとめている予備校のほうが豊富に知っています。
論文添削や面接対策も、大学の就職サポートセンターみたいなところでも対応してくれますが、受験自治体の情報を持っている予備校であれば、受験先の特色に合わせて実施してくれます。

逆に言えば、受験自治体ピンポイントの情報収集や試験対策をしてくれない予備校には、通うメリットは薄いともいえそうです。
Uターン受験する場合には、面接対策だけでも、帰省したタイミングあたりに地元予備校を利用したほうが良いでしょう。

デメリット:費用とコミットメント


予備校のデメリットは、独学と比べかなりの費用がかかることです。
 
予備校で得られるサービスに比べて費用が高すぎるという意味合いではなく、前もってコストを投じてしまうことで、公務員試験に縛られてしまい、公務員以外の魅力的な選択肢が閉ざされかねないことのほうを、僕は問題視しています。

有名な心理効果に、サンクコストやコミットメントというものがあります。
ざっくり言うと、一度コストを投じてしまった(コミットしてしまった)物事に対しては、冷静に考えて悪手だと後々解っても、手を引きづらくなるというものです。

公務員よりも魅力的な就職先は、世の中たくさんあります。
そういうものに出会ったら、「せっかく払った予備校代が勿体無い」と思わずに、挑戦してみるべきです。
公務員は年齢制限さえ超えなければ、またチャンスがありますが、民間就職は新卒勝負です。

学科試験対策としての予備校

学科試験対策という観点では、予備校に通うべきか否かは、完全に人によると思います。

僕の感覚では、大学入試のセンター試験に近いです。
思考力よりも知識量、浅いけど幅広く知識をストックできるかどうかが試されていると思います。
以前、独学合格の超有名大学卒の同期も、「公務員試験はセンター以上に暗記ゲー」と話していました。

そのため、予備校に通っても通わなくても、勉強時間の大半は問題集の周回に充てることになると思われます。
自分で調べ物をしたり、文献を探したり読み込んだりするのではなく、暗記と想起の訓練です。
これが自力でできる、つまりテキストや問題集の内容を一読して理解できるのであれば、予備校は不要かもしれません。

実際に初学科目の『スーパー過去問ゼミ』を解いてみるのがおすすめです。





ただし、公務員試験は大学受験よりも科目数が多いので、試験勉強のスケジューリングが難しいです。
試験勉強慣れしていないのであれば、予備校に通う方が安全でしょう。
 

以上、予備校不使用者なりに予備校のメリット・デメリットを考えてみました。

つまるところ、
 
・利用するなら地元予備校
・公務員よりも魅力的な就職先を見つけたら、予備校代を勿体無いと思わずに真剣に比較考量しよう
・よっぽど試験勉強慣れしている場合を除き、予備校に通ったほうがいい 

というのが、僕の思いです。

僕が採用された年度は、地方上級(大卒程度)の同期職員が50人弱います。
このうち一度もダブっていない22歳組は3分の1程度だったと思います。
ほかは院卒だったり職務経験ありだったり、履歴書に書ける期間を挟んでいる場合もあれば、俗にいう空白期間だった場合もあり、まちまちです。

今回は「空白期間」について書いていきます。
例によって僕の周辺情報がベースなので、地域によって事情が異なるかもしれません。

大学受験時の浪人・留年……影響なし

 
大学卒業までの遅れは、2年程度の遅れであれば、全然影響無いようです。
採用後の待遇も、最初は採用年次で横並びになっていたのが、いつの間にか年齢横並びに調整されていきます

無浪人22歳のAさんと、1浪23歳のBさんが同じ年度に採用されたとします。
初任給時点では、年齢的にはBさんの方が1歳年上ですが、給料は同額です。(採用年次横並び)
しかし、定期昇級のタイミングで少しずつ調整されて、いつの間にかBさんのほうが高給になります。(年齢横並び)
昇進のペースも同様に、気がついたら年齢横並びになっています。

大学卒業後の空白期間……待遇面では影響なし

大学卒業後に空白期間がある職員もたくさんいます。
特に多いのが資格試験浪人(弁護士・税理士あたり)ですが、ガチニート経験者も結構います。
なぜかポケモンを極めていた方も多いです。

採用後の待遇についても、大学浪人・留年の場合と同様の、いつの間にか年齢横並びに調整されていきます。

公務員試験浪人は……

一方、「2回目以上の受験で合格した」という話は一切聞いたことがありません。
みなさん、初回挑戦の地方上級試験で合格しています。
公務員試験浪人を経験している人が、全然いないのです。

「一度落ちた自治体に翌年再チャレンジする」こと自体が、公務員試験界隈ではレアなケースだからで、同じ自治体を再受験している総数自体が少ないせいだと思われます。

ただ、「前回の地方上級試験では都会の政令市を受験したけどダメで、翌年県庁受けて合格」というパターンも一切聞いたことがありません。あってもよさそうなんですが……


以上、僕が見聞きしてきた範囲内での紹介です。
定量的な分析ではないので、空白期間が採用に全く影響が無いとは断言できません。
大卒ストレート組と比較して合格率が低いという可能性も、否定できません。

ただし、空白期間があっても合格している人は、少なからず実在します。
空白期間ありのほうが人間としては絶対豊かですし、組織として強くなるためには、大卒ストレートに偏ってはいけないとも思います。

面接

以前、僕の採用試験受験記録を記事にしたことがありました。
必死過ぎてあんまり覚えていないため、かなり具体性に欠ける記事になってしまいました。
今回は採用面接について書いてみたいと思いますが、こちらも正直あんまり印象に残っていません。

他にもたくさんの面接経験談がある中、僕のおぼろげな記憶を記事にする必要は果たしてどれほどか?という疑問はありますが、もしかしたら誰かの役に立つかもしれないので、完全に忘れる前に書き残しておきます。

ちなみに、僕が採用面接を受けたのは2012年、東日本大震災の翌年です。
現在と比べて民間企業も公務員も採用数が少なく、俗にいう「圧迫面接」が罷り通っていました。

僕は県庁の面接までに20社弱の民間企業の採用面接を経験しており、その中で圧迫面接も何度か経験していました。
(罵声張り上げ、目の前でエントリーシートを破られるとか)

以下、人によっては「圧迫では?」と思う方もいるかもしれませんが、僕としてはぬるかったです。
某建設機械メーカーはマジで怖かった……


面接の雰囲気

面接官は全員で5人いて、みなさんかなりの御年配でした。
みなさん相当くつろいでいたので、面接部屋に入った瞬間は和やかでした。
ただ、面接が始まった途端、空気が一変します。

質問内容

志望動機

初っ端の質問は「志望動機」でした。
エントリーシートに書いた通り「首都圏で大学生活を過ごすうちに、地元の魅力に改めて気づいたので、観光系の部署でその魅力を首都圏住民の琴線に触れるような形で発信していきたい」みたいなことを答えると、即座に「意味がわからん、論理が破綻している」と全否定されました。

鼻っぱしを折られるのは民間の面接で慣れていたので、冷静に志望動機の肉付け(地元の魅力の詳細、首都圏住民の趣向、発信の方法など)を答えます。途中で「もういい」と切り上げられました。多分、突然否定されても動揺しないかを見たのでしょう。

民間就活の結果

続いて、民間就活の結果について聞かれました。
エントリーシートに専願か民間併願かを書く欄があり、僕は正直に「民間併願」と書いていたので、尋ねられたようです。
入庁後、「あの欄は嘘でもいいから『専願』って書くのがセオリー」だと、地元国公立大学の同期職員から言われました。
Uターンかつ独学だと、こういう受験常識にどうしても疎くなってしまうんですよね……

正直に「全部落ちた」と答えたら、「立派な経歴なのに地元企業もダメだったの?」と聞かれました。
※ここでいう「立派な経歴」とは、出身高校のことと思われます。大学名は世間一般では「立派」とは言い難いので……

実際に落ちていたので、素直に「はい」と答えました。
すると、「経歴から見ると正直信じられないんだけど、どうして落ちたと思う?」と聞かれました。
「こっちが聞きたい」と返したいのを堪え、「熱意の低さを見抜かれたのだと思います。県庁が第一志望なので」と返したところで、この質問も打ち切られました。

この質問も、梯子を外された際の反応(動揺しないか)を見る意図だったものと思われます。

あと2つくらい質問されたような気がするのですが、覚えていません。
無難な質問で、淡々と答えたのでしょう。
面接時間は、全体で15 分弱だったと思います。

受験にあたっての留意点

何を言われても動揺しないことが一番大事かと思います。

 否定的な口調で返答されると、どうしても怯んでしまいがちです。
しかし、相手がどのような意図でそう喋っているのかは、わかりません。
僕のときのように、喋っている内容を否定しようとしているのではなく、単なるブラフである可能性も高いです。


同期職員に聞いても、雑な質問が多かったとのこと。
筆記試験で思い切り受験者を絞り、面接ではほとんど落とさないタイプの試験だったので、喋る内容よりも基本的な受け答えができるかどうかをチェックするだけが目的だったのかもしれません。

一方、他県庁の知人によると、低倍率でもガチプレゼンさせられるところもあるみたいです。

一般的な面接対策だけでなく、受験自治体の面接試験情報も仕入れていったほうが安全でしょう。

前回記事に続き、大学時代の課外活動について考えていきます。
今回はサークル活動について書いていきます。


色々な組織と関わるサークル


地方公務員の仕事に直結するサークル活動は、正直なところ思いつきません。
ただ、地方公務員としてよりよく働くための基礎力が身につくという観点からは、おすすめのサークルがあります。
それは、大学外の人間(できれば学生ではなく、企業人)と関わるサークル、中でも渉外活動です。

俗にいう社会人の必須のスキルの一つが、自分と相手の文化的な違いを素早く察し、相手の文化を尊重しながらコミュニケーションを進める能力です。
長ったらしいので「異文化理解能力」と呼ぶことにしますが、これを養うには、とにかくいろいろな人と組織に触れるしかありません。

地方公務員として働き始めてしまうと、同じような文化の相手、しかも自分と同質の相手としか触れられません。
似た者同士のコミュニケーションばかりに甘んじていると、異文化理解能力がどんどん衰えていき、視野が狭くなってしまいます。

つまり、地方公務員として一旦働き始めてしまった後では、社会人の必須スキルである異文化理解能力が伸び悩むのです。

そのため、学生のうちに異文化理解能力を伸ばせるサークルに入っておくことをおすすめします。
サークルでなくとも構いません。バイトでもボランティアでも、なんでもいいと思います。

こういうサークル活動が豊富という意味では、地元大学よりも都会大学のほうが圧倒的に有利なんですよね。



面接でも使える?


さらに、このようなサークル経験は採用面接でも役立ちます。
「サークルの代表を務めていました」は、自己PRの定番ネタです。
この発言により、代表として組織をまとめた経験・能力があることをPRしているわけです。
しかし、内輪だけで楽しくやっているサークルで代表を務めていたとしても、組織人として役立つスキルが養われているとは、必ずしも言えないと判断されるのが、最近の通例です。

ここで一歩進んで、「サークルの代表として対外交渉に臨み、相手方の意図も汲み取りつつ、自サークルにとってのメリットを達成しました」まで言えたら、一気に魅力的に映ることでしょう。


体育会系は有利?


「体育会系は就活で有利」とよく言われますが、僕はよっぽど優秀な選手でなければ逆に不利になると思っています。一度就職してしまえば、役に立つ経験だと思いますが…… 

体育会系経験者の声を聞いて別途記事にしたいと思っています。


僕の本音


ここまで「べき論」を語ってきたわけですが、最後に僕の本音を書いておきます。

僕はオタクなので、似た者同士の内輪ノリの楽しさも勿論知っています。

 
先日、大学時代のサークル員どうしが結婚し、式に参加してきました。
閉鎖的なサークルだったため同世代はサークル員しかおらず、2次会以降は親戚もいなくなり、完全にサークルの同窓会です。
久々に集まって内輪ノリをぶつけ合うの、最高に楽しいです。

将来的に役立つという意味では、対外的にオープンなサークルを勧めたいところなのですが、大学のサークルは損得抜きの友人関係を築く最後の機会だとも僕は思っているので、何より居心地の良さを最優先すべきではないかとも思います。

僕が就職活動をしていた頃には、典型的な就活弱者を指す言葉として「ノンバイサー」というものがありました。
「バイトもサークルもやっていない、非社交的な存在」という意味です。

アルバイトとサークル活動は、面接でもよく問われ、かつ就活生からもよく打ち出していく話題です。
特に地方公務員志望者は、今まさに「バイト・サークルの話題を面接でどう活用していくか」いろいろなストーリーを思い巡らせているところでしょう。

今回は、地方公務員になった後でも役に立つアルバイト経験について書いていきます。
 
面接でも、実際に働く場面を想定してを語るほうが、説得力が出ると思います。
面接でのネタ作りに少しでも役立てば幸いです。

何より接客系


地方公務員業務に直接活きるのは、何よりも接客経験だと思います。
特に、接客マニュアルがしっかりしている大手チェーン系で接客の基礎を仕込まれている職員には、地方公務員として何年働いても到底追いつけません。

地方公務員の仕事の中には、あまりたちの良くないお客さん相手のサービスが結構含まれます。
(常に揚げ足を取ろうと目を光らせています)
こういった方々から不興を買っても、良いことはありません。愛想よく、手際よく接客する必要があります。
もちろん、愛想が良いだけでは務まらず、締めるべきところではしっかり締めないといけません。

締め方と手際は、地方公務員として働く中でも習得できます。
しかし、愛想の良さはなかなか身につきません
スタバの店員さんみたいな接客ができれば、それだけで地方公務員上位5%に入ると思います。それくらい身につきにくく、貴重なスキルです。


一風変わったバイト全般


接客系以外は、正直思いつきません。
人生の奥行きを深め、話の持ちネタを増やすという意味で、地方公務員として働いているとなかなか出会えないような世界に身を置くことが何より大事かと思います。


自治体が募集しているアルバイト


役所の建物内にも、アルバイトさんがいます。
建物内の掃除、ごみ処理、のようなビルメンに近い仕事もあれば、正規職員が急遽不足したために電話対応や書類作成までも任せるパターンもあるようです。
これらのアルバイトは、採用後の業務には役立たないものの、役所の中の雰囲気を知るにはもってこいです。

僕も今度、人材派遣会社経由でイベントスタッフのアルバイトを数名お願いしています。
「◯◯県の職員ってあんなにキモいんだ…」と思われないよう、気をつけねば。


もしかしたら逆効果かも……


「塾講師経験は喋りが上手くなるから公務員稼業に役立つ」という意見を見たことがありますが、僕は賛同できません。
塾講師は、自分より知的に未熟な相手に対し、知恵を授ける仕事です。自分が上、相手が下。明確な上下関係があります。
 
一方、地方公務員として働く中では、自分が上に立つケースは稀です。
塾講師経験に基づくトークスキル(教えるスキル)を発揮しようとしたら、教え諭すような喋り方になってしまい、相手方を怒らせてしまうかもしれません。


こんな記事を書いておいて非常に申し訳ないのですが、僕はチラシをひたすら三つ折りにする作業と、某大手ショッピングサイトのレビュー代筆しかやったことがありません。
いずれも友人からの紹介で、個人事業主のお手伝いでした。
飲み会の話のネタとしては大活躍なんですけどね……実務では役立っていません。

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