キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

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現役地方公務員の方は、たいてい「地方公務員の仕事はルーチンワークだ」と自ら評します。
特に元職の方は必ずそう言いますし、かつ地方公務員を辞めた理由の一つとして「ルーチンワークに耐えられなかった」と開陳している方も多いように思います。

一方、「地方公務員の仕事は標準化・マニュアル化されていなくて非効率」という声も絶えません。

ここで個人的に疑問なのが、「マニュアル化/標準化されていないルーチンワーク」というものは、そもそも存在するのか?という点です。

「ルーチンワーク」という言葉の定義は、
 


手順・手続きが決まりきった作業。日課。創意工夫の必要ない業務。




とのこと。

言葉の定義を見ても、ルーチンワークは「マニュアル等により手順が決められている結果、単調な作業になっている」仕事なのでは?と思われます。

「地方公務員の仕事はマニュアル化されていないけどルーチンワークだ」という一見矛盾する主張は、「ルーチン」の期間を考慮すると両立します。

1日〜1ヶ月くらいの短サイクルで「ルーチン」を捉えるならば、地方公務員の仕事はルーチンだとは思いません。
ただし、一年以上の長期サイクルで「ルーチン」を考えるなら、確実にルーチンワークだと言えるでしょう。

単調な日々が続くわけではない

地方公務員の仕事は、世間からは「単調なルーチンワークだ」という印象を強く持たれています。
 僕の場合、住民から「刺身にタンポポを乗せるほうが刺激的」だと言われたことがあります。
 

 
スーパーの元鮮魚担当だった方から以前聞いたのですが、刺身にタンポポを乗せる仕事は実際ルーチンワークではなく創造性の塊とのことです。
 
タンポポをいかにうまく乗せるかで見栄えが激変して売行きに直結しますし、乗せ方を工夫すれば原価を抑えられ(「つま」「バラン」を削減できる)利益率に直結するらしいです。
「単純作業の代表例扱いされてるのが納得いかない」と憤っていました。
 



もしかしたら地方公務員志望者からもそう思われているかもしれません。
単調作業でそこそこの給料がもらえる!と期待して試験勉強に励んでいたり……

地方公務員の仕事は単調だとは、僕は思いません。
 
地方公務員の仕事のかなりの部分を占める「内部調整業務」は、マニュアル化が困難なコミュニケーション中心の業務であり、場当たり的に「柔軟な」対応が求められます。

マニュアル化されていてフローが決まっている業務もたくさんあるものの、そういう業務であってもマニュアルではカバーしていないイレギュラーな事態が連日のように発生して、その都度「新しい対応」を迫られます。

もちろん役所内には、ルーチンワークと呼んで差し支えないような単調な業務もあります。
ただ最近は、こういう仕事は会計年度任用職員の方か再任用職員の方がこなしていて、正規職員は関わりません。

僕は以前から、簡単な「業務日誌」を認めているのですが、ネタに困ったことはこれまで一度たりともありません。
毎日何らかのハプニングが発生しています。非常事態が日常です。

1年間の流れはいつも同じ

一方、一年スパンで見ると、地方公務員の仕事は確実にルーチンワークと言えます。
 
全庁共通の年中行事(中でも議会と予算)が、仕事の大きな割合を占めているからです。

役所内にいる限り、どんな部署に配属されようとも、どんな役職に就こうとも、年中行事からは逃れられません。
毎年同じような時期に、準備開始〜しこしこ作業〜上司や財政課のヒアリング〜本番〜終了後の後始末〜というサイクルを回すことになります。

しかも役所の場合、経験を積んで職位が上がるほど、仕事に占める年中行事の割合が大きくなります。
民間企業であれば、職位が上がるほど裁量が効き自由度が上がる、つまりルーチンから解放されていくところ、役所は逆に職位が上がるほどルーチンに縛られていくとも言えるでしょう。

僕はこの4月から外部団体に出向しており、そろそろ半年が経過します。
役所を離れて議会とも予算とも無縁の生活を経験したことで、地方公務員の仕事に占めるこれらのウェイトの大きさを痛感しているところです。

ルーチンワーク=悪、とは限らない

まとめると、地方公務員の仕事は
  • ルーチンのサイクルを短く捉えるならルーチンワークではない→「毎日同じ作業を繰り返す」わけではない
  • ルーチンのサイクルを長く捉えるならルーチンワークといえる→「同じような一年」をずっと繰り返す
と言えるでしょう。

インターネットで情報発信している方は皆さん仕事熱心で、ルーチンワークは悪であると断じています。
成長につながらないし、何よりつまらないからです。

ただ僕は、必ずしもルーチンワークは悪ではないと思います。
同じような日々が続くということは、予見可能性が高いということであり、安定的であるといえます。
このような仕事に魅力を感じる方も多いでしょう。
特に家庭を持つと、仕事においては、刺激的な日々よりも安定感を重視するようになると思います。

人生全体がルーチン化されていたら流石につまらない気がしますが、あくまでも人生の一部分にすぎない仕事だけに限っていうのであれば、善悪ではなく価値観の問題なのでしょう。
 

地方公務員=転職弱者という図式に関しては、もはや議論すら生じず、常識として定着しつつあります。

このブログでも「地方公務員経験を通じて確実に鍛えられる能力は『庁内調整能力』だけ」という趣旨の記事を書いています。

庁内調整能力以外も伸ばしたいのであれば、地腹を切って、プライベートの時間を割いて、自発的に努力するしかないと思います。

・・・というのが僕個人の感覚なのですが、転職市場における地方公務員経験の価値に関しては、実際のところ、僕含め正体不明の人間が書いたインターネット上の記事くらいしか情報源が無く、信憑性に欠けます。

ところが先日、地方公務員の転職市場における「強み」について真っ向から触れている本を発見しました。




本書は、定年を目前に控えた中高年地方公務員向けの就職指南本です。
定年退職後もなんらかの形で労働し続けることが求められる現在、安易に再任用を選ぶのではなく、民間企業への再就職という選択肢も含めて、定年退職後という「第二の人生」について考えることを推奨しています。

履歴書や面接で使える「アピールポイント」を検討していく中で、地方公務員ならではの「強み」として、6つの要素に触れています。(同書73ページより)

本書の題材は「中高年地方公務員の再就職」であり、よく話題に上る「若手地方公務員の転職」とは、共通点もあれば相違点もあると思います。

本書で取り上げられているそれぞれの要素について、僕のコメント入りで紹介していきます。

法令や通知に慣れている

まず最初に挙げられているのが、法令や通知のような行政発出文書に慣れている点です。
正確に理解できるかどうかは別にして、「我慢して読む」ことができる時点で、民間サラリーマンよりも優位に立てる、とのこと。

加えて、過去に行政文書を作っていた経験のおかげで、文中に使われている細かい単語や表現から、発出側が考える「ニュアンス」を読み取ることも可能です。

確かに強みだが「地方公務員ならでは」と言えるのか?

やたらとお硬い行政文書を読解する能力は、地方公務員の強みといえるでしょう。
(公務員試験を通して読解能力を測っているのかもしれません)

ただ、地方公務員と同レベルの学力水準(出身大学のレベルなど)の方であれば、公務員であれ民間勤務であれ自営業であれ、読解力には大差ないと思います。
というより、読解されていなかったら、制度が回りません。

転職でいえば、大卒者がほとんどいないような小規模組織であれば「強み」になるのでしょうが、大卒者が普通に入社してくる大企業であれば、足切り回避にはなれども加点要素にはならないと思います。


助成金、補助金等役所関係の手続きに慣れている 

ついで挙げられているのが、役所相手の手続きに慣れている点です。
これは僕も確実に地方公務員特有の強みだと思います。

民家企業にとって、役所関係の手続きは無駄でしかありません。
どれだけ頑張っても利益を生まないからです。
必要最小限の時間と労力しか投入したくありません。
そのため、手続きをサクッとこなせる人材は、それなりにニーズがあるといえるでしょう。

実際、私の知っている範囲でも、中小企業診断士と行政書士と社労士の資格を取得してから独立して、補助金に強いコンサルタントとしてバリバリ仕事をしている方がいます。


関係者との調整能力がある

地方公務員稼業では役所内外の関係者と常に調整が生じることから調整能力が培われる、という点も、強みとして挙げられています。

民間企業勤務でも同様の調整業務はつきものであり、「地方公務員だから調整能力が高い」とは必ずしもいえないでしょう。
しかし、地方公務員の場合は、民間企業と比べ、調整すべき相手の属性が幅広いと思います。
地域住民、PTA、NPO、慈善団体……のような、利益・損得だけが判断基準ではない相手との調整は、民間企業ではなかなか発生しないのでは?

さらに最近は、こういう集団がどんどん存在感を増してきているところであり、民間企業も無視できなくなると思います。


文章力がある

役所仕事では文章をよく書くので、文章力が備わっているという点も、強みとされています。

これは正直微妙なところだと思います。
確かに地方公務員は、普段から仕事で文章を書きますが、あくまでも我流で書き続けているだけです。
添削やフィードバックを受けられるわけではなく、上達するとは限りません。
「慣れている」のは確実ですが、「文章力がある」とまでは言えないと思います。

民間企業の場合、文章を書く専門のスタッフがいます。
きちんと基礎教育を受けた上で、日々フィードバックを受けながら成長を続けているような存在です。

こういう専門スタッフと比べると、地方公務員の文章能力は駄目駄目です。
少なくとも「強み」として堂々と語れるレベルには遠く及んでいないでしょう。


新しい職場への適応能力がある

民間企業と比べ地方公務員は異動回数が多く、しかも畑違いの分野を転々とするため、新しい職場への柔軟性・適応能力が備わっている、という点も挙げられています。

これも正直微妙なところだと思います。
役所は「頻繁に人が入れ替わる」という前提で成り立っている組織であり、経験の浅い職員でもそれなりに仕事を回せるよう、ある程度は業務がマニュアル化されています。

そのため、民間企業よりも「畑違いの異動」のハードルがかなり低く、役所の人事異動を乗り越えられたからといって、柔軟性があることの証左にはならないでしょう。


信用力がある

最後に、役所という「堅い職場」に長年勤務していたことから、ある程度は信用がおける人物だとみなしてもらえる、という点が挙げられています。

これはその通りだと思います。
人間的にも金銭的にも、それなりに信用してもらえることでしょう。

一朝一夕では何もに身につかない

6つの「強み」を見てきましたが、いずれにしてもすぐに身につくものではありません。
あくまで定年退職間際まで勤め上げたから身につく「強み」であって、30歳前後で転職しようとする際には到底使えないネタばかりだと思います。

やはり、若いうちに地方公務員から民間企業に転職したいのであれば、地方公務員経験を活かすという方向性は諦めて、それ以外の強みをアピールするしかないのでしょうか……?
「元地方公務員だから〜〜できます!」ではなく「元地方公務員だけど〜〜できます!」、地方公務員として働いていたというディスアドバンテージがありますが問題ありません!というふうに……


今年の4月から念願叶って?、とある民間団体に団体に出向しています。
歴代の担当者の事例を踏まえると、出向期間は2年間。
すでに出向期間の20%を過ぎており今更感がありますが、抱負を書き残しておきます。
意識の高い順にお送りしていきます。

できる限り全自動化

僕の担当業務は、基本的にパソコン作業ばかりです。
「vlookup関数の式をゼロから組み立てる」以上の難しい作業はありません。

ただしやたらと業務量が多く、閑散期でも40時間は残業せざるを得ません。
前任者いわく「繁忙期は100時間を余裕で超える」とか……

中でも特にエクセルファイルを合体させる(特定の行・列をコピペして集計する)作業が多く、エクセルファイルを探して開閉するだけで毎日1時間は使っていると思います。

正直、マクロを組めば一瞬で終わる気がするんですよね……

このほかにも、関数を工夫したりマクロを使ったりすれば効率化できる作業がたくさんある気がするので、いろいろ試していきたいと思っています。
役所に戻った後も役立ちそうですし。

「スピード感」の正体とメリデメを突き止める

よく言われるとおり、やはり役所と比べて民間団体は意思決定のスピードが段違いに早いです。
意思決定までのステップも少ないですし、意思決定の場(ヒアリングや会議)1回あたりの時間も短いです。

見方を変えると、意思決定に必要な下準備が役所と比べてずっと少ないとも言えるでしょう。
例えば、役所みたいに資料の余白を調整したり、空きスペースにフリー素材イラストを入れたりする必要はありません。
意思決定に必要な情報が過不足なく盛り込まれていれば十分です。

役所の重厚長大型意思決定プロセスに慣れ親しんだ僕にとっては、「えっこんな簡単に決まっちゃっていいの!?」と不安になってきます。
どこかに歪みが生じている気がしてならないのです。

よく「役所も民間企業並みに意思決定を速やかに行うべき」という主張がなされます。
実際、役所の意思決定プロセスは冗長で、効率化の余地がたくさんあると思います。
しかし「民間のやり方をそっくりそのまま役所が真似してもいいものか」と問われると、役所脳な僕にとっては「否」としか思えないのです。

カルチャーショックを味わいつつ、役所の意思決定効率化を阻む「特有の事情」みたいなものを見出していきたいです。

現代的な働き方を堪能する

以前も少し触れましたが、今は新型コロナウイルス感染症のせいで在宅勤務がメインです。
職場から貸与された在宅勤務用パソコンを使えば、インターネット経由で職場サーバーにアクセスできるようになっており、在宅でも職場とほぼ変わらない環境で仕事ができています。

それに何よりパソコンが高性能です。メモリが8GBもあるので全然フリーズしません。
(県庁ではメモリ2GBが標準でした……)

ほかにもいろいろなソフトやWebサービスを使わせてもらえており、正直、全地方公務員の中でも上位1%に入れるくらい先進的な環境で働いていると思います。

これまで時代遅れな環境下で働いてきた分、ここで労働環境のナウなトレンドに追いつきたいです。


ランチを楽しむ(いずれ)

これまで幾度となく取り上げてきていますが、地方公務員は落ち着いて昼食を楽しめない職業です。

ただ今は違います。
昼休みを妨害してくるノイズとは無縁であり、丸々1時間、きちんと昼休みを取れます。
しかも僕の職場は結構な都市部にあり、飲食店がたくさんあります。

つまり、退職しない限り不可能だと思っていた「外でランチ」が楽しめるのです。
この機会を逃すわけにはいきません。

もちろん今は新型コロナウイルスが猛威をふるっており、軽率な行動はできません。
(そもそも在宅勤務なので飲食店に行けません)
コロナが落ち着いたら、ガンガン外ランチに出かけていきたいです。

蓄財500万円

出向直前のとある日、人事課から直々に「時間外手当は遠慮せず満額申請してほしい」と言われました。
どうやら過去の担当者で出向中にメンタルに不調をきたしてしまった職員がいたようで、この出向ポストは「忙しくてストレスが多い」と見なされているようです。
つらいポストを命じる代わりに、せめて残業代で心を癒してほしい……という配慮なのでしょう。

今のペースだと、年間の総残業時間は800時間強になるはず。
先日投稿した年収モデルで計算してみると、年収550万円は堅いと思われます。
昨年と比べて100万円ほどの収入アップです。

年収増かつ、コロナのせいでろくに外出できず支出も減っているので、頑張れば年間250万円、2年間の出向期間トータルで500万円を目標に蓄財に励んでいきます。
高額ガジェットに散財したりしないよう注意しなければ……


「時間」を「残業代」に変換していきます

あくまで僕の想像ですが、メンタルを崩してしまった先達は「単純作業が延々と続く」ことに向いていなかったのではと思われます。
成長志向の強い方にとっては地獄でしょうし、ひたすら残業も多いのでプライベートも圧迫されます。

僕としてはむしろ、面倒な調整業務から解放されて、役所にいる頃よりもずっと気楽です。
しかも独身異常男性なので、労働時間が伸びたところで生活に支障は出ません。

何より残業代がモチベーションになります。
やりがい?成長?知りませんねぇ……

唯一の懸念は、100時間/月の残業に耐えられるかどうか。
ストレス自体はさほど無いにしても、睡眠時間を確保できなくなったとき、ちゃんと健康を保てるのか……ここだけが不安です。


地方公務員各位におかれましては、新型コロナウイルス感染症関係の業務で多忙を極めているところと思います。
しかも今は、過去にない勢いで(少なくとも僕が公務員になって以来は最も苛烈に)役所批判・公務員への反感が噴出しているところで、ストレスも相当なものだと推察します。

昨年は僕自身、特別定額給付金の件で(担当課ではないのに)散々ボロクソになじられましたが、あの頃は所詮「カネ」の問題であり、「ゴネ得ワンチャン」を狙うかのごとく軽薄叩き方でした。

ところが今はワクチン接種という命に直結する話題がメインです。
苦情の量も質も今年のほうが一層重たく、精神的に応えると思います。

ただ、公務員として成長したい方にとっては、今はある意味チャンスだと思います。
役所人生に欠かせない「危機察知能力」を磨き上げる教材があちこちに転がっているからです。

危機管理の最初の一歩たる「危機察知」

ここでいう危機察知能力とは、なんとなく「このまま進めると危ないな」という直感を得る能力です。

「危機」というと災害を想像するかもしれませんが、役所の仕事はどんなものでも「危機」がつきものです。

最も身近なものは住民からの苦情です。
窓口でごねるくらいならなんとかなりますが、最近は一個人のクレームがインターネット上で油を注がれて大事(おおごと)に発展していくケースも多く、これからは一層注意が必要だと思います。

ほかには、 
  • メディアによるネガティブ報道
  • 民間団体との対立
  • 権力者からの横槍

あたりが典型でしょう。



危機察知能力は、出世する/しないにかかわらず、どんな部署に勤めていようとも、職員全員に求められる能力だと思います。

危機察知を含めた「危機管理」全般は、基本的には管理職の仕事です。
特に「危機に対してどう対処するか」は管理職が判断すべき事柄でしょう。

しかし、危機察知に関しては、業務の最前線に立っている平職員目線でないと察知できないものや、管理職世代だと気づかない若年層特有のものも多数あります。
管理職に任せているだけでは不十分であり、若手平職員の知見で補う必要があるのです。


今だけ?ケーススタディやり放題

新型コロナウイルス感染症のせいで、今はそこら中に危機事案が溢れかえっています。
行政への不信感と反発が長期間蔓延し、公務員vs非公務員の「断絶」すら生じつつある現状は、危機管理敗北の結果とも言えるでしょう。

つまり今は、反省すべき事案が大量に転がっています。
しかも全国あらゆる場所で均一に生じているために、自分に身近な事例が容易に入手できるのです。

出世したいなら絶対必須

先にも少し触れましたが、「危機管理」は管理職の重要な役割です。
出世するためには、危機管理能力が欠かせません。

危機管理能力には色々な側面があり、今回取り上げている「危機察知」もその一つです。
「危機察知」は危機的状況に陥ることを未然防止するためのスキルであり、平時から役立つものです。

危機的事態は、何より「起こさない」のがベストです。
そのため、数ある危機管理能力の中でも、未然防止に資する「危機察知」はかなり重要な位置付けだと思われます。
つまり、出世するために必要な「危機管理能力」の中でも、「危機察知」は特に必要なのです。

危機察知能力の磨き方

ここからは僕が実践している方法を紹介します。
あくまで陰湿なオタクによる自己流に過ぎません。
もしかしたら、すでに体系化された定番手法が存在するかもしれません。



この方法は、精神に相当な負担がかかります。
心身に余裕の無いときは厳禁です。
 


1.事例探し

まず、SNSで、勤務自治体に対する批判的発言をしているアカウントを探します。
首長の名前で検索すれば大量にヒットするでしょう。

できればフェイスブックがおすすめです。
実名かつ投稿文字数に制限が無いせいか、ツイッターと比べて文章が整っていて、分析しやすいです。

2.感情特定

次に、そのアカウントの発言を遡っていって、批判的発言の原動力となっている感情を探っていきます。
だいたいは「怒り」「呆れ」「悲しみ」のいずれかだと思います。

感情由来ではなく「打算」という可能性も大いにあります。

3.感情の原因特定

感情が特定できたら、その感情を抱いた原因を深掘りしていきます。

  1. とある情報を知った
  2. とある情報を知らない
  3. とある情報を誤解した
  4. 実害を被った
  5. 根本的思想(反権力など)
  6. 私怨
  7. 誰かの受け売り


このあたりが典型でしょう。

このうち1〜3は特に注目に値します。
情報の伝え方を工夫していれば、未然防止できたかもしれないからです。
どういう点が不味かったのか、詳しく分析していくと良いでしょう。

4.プロフィールの特定

ここからはアカウントの持ち主に注目していきます。
過去の発言を遡ったり、アカウント名で検索してみたりして、持ち主の属性を特定していきます。

  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • 居住地
  • 経歴
  • 所得水準
  • 家族構成
  • 人間関係
  • 思想・信条
  • 好き嫌い
このあたりの情報を、わかる範囲で探っていきます。

感情を特定する前にプロフィールを探ることもできますが、プロフィールを先に知ってしまうと変な先入観を持ってしまうかもしれません。
そのため、僕は先に感情を探ることにしています。

1〜4までの過程を通して、住民の反発という危機がどうやって発生したのかをトレースすることで、いくつかのパターンが見えてきます。
パターンを多く知れば知るほど、危機察知能力の基礎ができ上がっていくはずです。

5.リストの作成

プロフィールを探ってみた結果、アカウントの持ち主が
  • 法人・団体の代表者
  • 個人事業主
  • メディア関係者(個人活動のインフルエンサー含む)

のような、今後もしかしたら役所とビジネスパートナーになりうる人物であれば、その人のプロフィールをリストに記録しておきます。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という諺がありますが、実際のところ、負の感情はなかなか消えないものです。
これから数年経って新型コロナウイルス騒動が落ち着いたとしても、いったん自覚してしまった行政への反感は、ずーっと燻り続けると思います。

つまり、こういった方々は、金輪際、行政の施策には協力してくれない可能性が高いです。
相手側から行政に近づこうともしないし、行政側から接触しようとしても拒絶されるでしょう。
迂闊に近づくと、双方とも嫌な思いをしかねません。

接触しないほうがいい相手を事前に把握しておくことも、危機察知のひとつです。
つまり、このリストそのものが、危機察知能力の一部を形成するのです。
しかもこのリストはどんな部署に異動しようとも使えますし、同僚や後輩に引き継ぐこともできます。


僕はかれこれ一年間くらい上述のプロセスを続けています。
最初は批判者リスト作成が目的でした。
 

リストを作って観光や地域振興担当の同期職員に共有しよう!という半ば私怨から始まったのですが、やっているうちにだんだん目的が変わってきました。
批判的言動をよくよく見てみると、些細な行き違いが発端のものが多々あります。
工夫次第では未然防止できたであろう案件も多いです。

事例が豊富な今こそ、批判的言動の原因を見つめることで、将来に役立つ能力が養えるはずです。

新年度が始まって1ヶ月半が経過し、俗にいう「5月病」真っ盛りのシーズンがやってきました。
新しい環境に慣れてくるにつれて、いまの職場に嫌気が差してきた方もいるでしょう。

もしかしたら地方公務員という職業そのものに違和感を覚え始めている方もいるかもしれません。

あくまで僕個人の信条ですが、人生において一番勿体ないのは「不満を抱きつつも行動せずにイライラしている時間」だと思っています。
不満の原因を特定するなり、できる範囲で対策を打つなり、わずかでも状況が改善するよう行動したほうが有意義だと思います。気分転換にもなりますし。

「辞めたい」という不満に対しても同様です。
「組織が駄目」「待遇が悪い」などと愚痴っている時間を、なんらかの行動に移したほうが有意義だと思います。

役所の場合、辞めたくなる原因の解決は困難です。
独力ではどうしようもなく、諦めたほうが無難でしょう。
対策するとすれば、自分自身が抱いている「辞めたい」という感情を前向きに処理することです。

地方公務員を辞めた後に「やりたいこと」があるのならば、それに向かって着々と準備すればいいと思います。
転職や独立開業したいのであれば、新しい職に必要な能力を磨けばいいですし、早期リタイアしたいのであれば蓄財に励めばいいでしょう。答えは出ています。

「やりたいこと」が特に無いのであれば、それを探したり、退職後に何をしようとも活かせる汎用的な知識・技能習得にチャレンジしてみればいいでしょう。
手段は色々ありますが、僕の一押しは「ファイナンシャルプランナー」と「情報処理技術者」の資格取得です。

役所外では必須

言わずもがな、ファイナンシャルプランナー(FP)はお金に関する資格で、情報処理技術者はITに関する資格です。

今の世の中、この2分野と無縁な業界はありません。
公務員を辞めて別業界で働くのであればほぼ確実に必要となる、まさに汎用的な知識だと思います。

特にFPは、2級レベルの知識は不可欠だと思います。
過去に僕がFP2級に合格した際、金融業界の友人から「今更2級w」と嘲笑されたことを書きました。



その後もいろんな業界の友人知人と交流していく中で、民間勤務であればだいたい皆さん金融の知識をお持ちであることを理解しました。
それなりに大きい企業であれば、研修や実務を通して標準的に身につくようです。

情報処理技術者も同様です。
僕はオタクなのでそれなりにIT関係には詳しいつもりでいたのですが、実際に情報処理技術者試験の勉強をやってみて、ようやく自分の無知に気がつきました。

一方、民間勤務の方はちゃんと研修を受けていて、機器やサービスの背後にある原理や仕組みを知っています。
さらに役所とは違って新しい機器やサービスを利用しているので、最新の情勢にも詳しいです。


「お金」と「IT」に関しては、意識的に勉強しない限り、地方公務員は世間からどんどん遅れをとってしまいます。
むしろ、30代にもなってこれらをろくに知らないままでもそれなりに働ける役所が異質なのかもしれません。

役所を離れて働くつもりがあるなら、辞める前からキャッチアップしていかなければいけないと思います。

新しい世界が開けて「やりたいこと」が見えてくる

「お金」と「IT」の勉強は、「やりたいこと」探しにも資すると思っています。

新卒で地方公務員になった方(公務員専願だった方は特に)の場合、「お金」も「IT」も未知の世界でしょう。
知らないことを勉強するのは、最初はすごく大変です。
しかし、知らないからこそ、理解できたときには一気に知識の幅が広がり、視野が開けます。

つまり地方公務員は、「お金」「IT」に疎いからこそ、これらを知ることで世界が広がり、「やりたいこと」を見つける手掛かりになるかもしれないのです。

さらに、「お金」と「IT」の知識は、日常生活や役所勤務でも役立ちます。
地方公務員を辞めなくても無駄になりませんし、地方公務員と両立できる「やりたいこと」にたどり着けるかもしれません。

地方公務員なら「土台固め」が得意なはず

「お金」と「IT」の知識と一口に言っても、学び方は色々あります。
僕がFPと情報処理技術者という「資格取得」をおすすめするのは、2つ理由があります。

一つ目は手軽さです。
資格取得はノーリスク・ローコスト・ミドルリターンな手段です。
最近流行りの「オンラインサロン」や「スクール」に入るよりもずっと安上がりですし、いつでもどこでも、誰でも実践可能です。
途中で挫折したとしても、損するのは参考書代(せいぜい4,000円程度)くらいで、それほど痛くもありません。

もう一つは公務員としての現状の立場が活かせるところです。

退職前の自己研鑽といえば、「マーケティング」「ライティング」「プログラミング」「動画編集」みたいな実践的スキルのほうが一般的なのかもしれません。
資格取得はあくまで土台に過ぎず、資格があれば稼げるわけではありません。

ただ、今は地方公務員という安定した身分があるわけで、「稼ぐための実践的スキル」を身につけなければ食いっぱぐれるわけではありません。
ゆっくり土台を固めてから実践的スキルを身につけるという「余裕」があるのです。

さらに、過去の記事でも触れましたが、地方公務員は「公務員試験」というそこそこ難関の試験を突破した人間であり、世間一般よりも筆記試験が得意です。
ひいては「試験勉強という形での自己研鑽」が得意とも言えるでしょう。
この強みを活かさない手はありません。



わずかでも「地方公務員やめるかも」と思っているのであれば、なるべく早いうちに役所外の世界を知ったほうがいいと思います。
僕くらいの年齢(30歳過ぎ)になってから民間コンプレックスを発症してしまうと本物の地獄が始まります。


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