キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

タグ:新人向け

4月から地方公務員として新たな一歩を踏み出した皆さん、おめでとうございます。
SNSを見ていると、この10日間で早くも絶望している方もいるようですが……人生は長いので、役所に順応するにしろ離脱を試みるにしろ、焦らなくてもいいと思います。
 
このブログを見ているということは、きっと何らかの困りごとや迷いごとがあって、ヒントを探しているのだろうと思います。

弊ブログ内の新人向け記事は、以下にまとめています。参考になれば幸いです。


「新人向け」タグで絞ってみても、役立つ記事が出てくるかもしれません。

 
 
例年この時期になると「新人地方公務員の役に立つ記事を書きたい!」という意欲が湧いてくるのですが、30代半ばになってくると、新人地方公務員のニーズがわからなくなってきます。
今の20代前半の価値観や考え方が全然わからなくて、一体何に困っているのか、どういうことが知りたいのか、想像できないのです。
 
そのため今回は、反対に、僕が新人地方公務員(大卒ストレートの20代前半を想定)に対して質問してみたい事柄を挙げてみようと思います。
この記事で例示する事柄は、きっと僕のみならず、僕世代の職員が共通して疑問に思っている(あるいは誤解している)と思います。
職場でのコミュニケーションの参考になれば幸いです。

超絶売り手市場の今、どうして地方公務員を選んだのか

まず真っ先に気になるのが、地方公務員になった理由です。
今や地方公務員よりも楽で高給で安定しててやりがいのある仕事がいくらでもあるのに、あえて地方公務員を選んだ理由が知りたいです。
 
僕が就職活動をしていた頃は、地方公務員はそこそこコスパ良くホワイトな職業と評されていました。
当時から「残業も休日出勤も当たり前」「残業代は出ない」「住民から罵声を浴びまくる」等々のネガティブな評価もありましたが、それでも民間企業よりはマシだと言われていました。
それくらい民間企業の待遇が酷かったのです。
 
そのため、僕世代の地方公務員には「待遇」目当てで入庁した人が多いです。
給料はそれほど高くないにしても、「リストラされない」「心身壊しても辞めなくていい」「失敗しても減給されない」あたりの条件を備えているだけでも十分魅力的に映りました。

なお、仕事内容には興味は無く、やりたい仕事なんて最初からありませんし、仕事にやりがいを求めていません。
(入庁当初は意欲ゼロだったものの、「働き始めてみたら意外と面白くてやりがいも感じている」という人もそこそこいます)
 
一方で今は、民間企業が全体的にホワイト化したために、地方公務員の待遇は相対的に落ちています。
そのため僕世代の価値観では、今の地方公務員という職業には、特に魅力を感じないんですよね……
少なくとも第一志望にはなりません。民間大企業がダメだった場合の「滑り止め」としてはアリですが、あえて第一志望にする理由が浮かびません。
 
そのため、今地方公務員になる若手の真意が純粋に疑問です。
仕事の中身に興味がある、「転勤が少ない」等の労働条件に魅力を感じた、民間企業が弱い地域なので役所が一番の高給取り……等々、「地方公務員になりたい」と思って就職したのか。
あるいは、民間就活に失敗した、学生時代に心身を壊してバリバリ働けない等、「地方公務員にしかなれなかった/ならざるを得なかった」のか。
 
事情は人それぞれでしょうが、どういう傾向があるのか、非常に気になります。
 

ボロカスに叩かれてる職業にどうして就こうと思えたのか

今の世の中、普通に暮らしていたら、地方公務員という職業に対して良い印象を持ちえないと常々思っています。
 
地方公務員という仕事は、とにかく叩かれて批判されます。
マスコミのような権威ある機関から堂々と批判されていますし、ちょっとSNSを覗けば住民からの生々しい批判がいくらでも見られます。
何より、現役or元地方公務員が、自らの職場や同僚をディスりまくっています。
 
それでも僕が就職したころは、「まともに仕事してないくせに高給を貰っている」という「妬み」が主訴でした。
見方を変えれば、嫉妬されるほどの「高い給料」がもらえるという意味で、魅力的に映る余地がありました。
 
しかし、民間企業の待遇が改善されていくにつれ、地方公務員を高給取り扱いする人は激減しました。
今の地方公務員叩きは、「地方公務員どもは無能で使えない」という能力批判・人格批判が中心です。
 
もちろん僕は、世間で言われるほど地方公務員は無能だとは思いません。
しかしこの認識は、僕自身がそこそこ長く役所で働いていて、地方公務員の実像を知っているからこそ持てるのであって、一般的に入手できる情報だけだと「地方公務員は馬鹿で無能」という認識を刷り込まれるのが自然ではないかと思うのです。
 
地方公務員に対するネガティブ情報が氾濫する中、どうしてそんなディスられる仕事に就こうと思ったのか。この点も非常に気になります。
 

公務員試験対策は大変なのか

僕が採用された年度の公務員試験は、最終倍率が10倍くらいありました。
うち筆記試験が8倍、面接が1.2倍くらいで、筆記試験を通過した時点でかなり安堵した記憶があります。
 
一方で、今は倍率がだいぶ下がっています。
最大手の東京都庁だと2倍を切っていますし、小規模自治体では定員割れするところも出てきています。
これだけ倍率が変わってくると、いくら試験科目が同じとはいえ、試験としては別物だと思います。
 
そこで僕は、今の地方公務員試験の常識が知りたいです。
特に、一般的な勉強期間と、捨て科目の有無が気になります。
 
僕の受験した自治体に限らず、当時の地方上級試験は「筆記試験でがっつり落とす」「面接はネガチェックでほぼ落ちない」というのが定説でした。
そのため、地方公務員になるにはとにかく筆記試験対策が重要で、地方上級試験の場合だと、大学3年生の4月から予備校に通い始めて、1年かけてじっくり試験勉強するのが王道でした。
 
また、捨て科目を作るという発想はありませんでした。
憲法や民法、ミクロ・マクロ経済学、数的処理あたりの問題数が多い科目は受験生全員ががっつり勉強して仕上げてくるので得点差が出ず、刑法や経営学あたりの2~3問しか出題されない科目で合否が分かれる……とよく言われたものです。
捨てるとしても教養試験の物理と化学くらいが限度でしたね。
 
一方で、今の低倍率なら、昔ほど勉強しなくても合格できるのでは?という気がしています。
 
こんなことが気になるのは、僕が資格試験全般が好きというのもありますが、退職していく若手職員の内心を探りたいという意図もあります。

僕世代の感覚だと、地方公務員を辞めることには相当なサンクコストが伴うと感じます。
地方公務員になるには、「大学3年生~4年生前半の貴重な自由時間」を、公務員試験合格のための勉強期間として費消しなければいけない……つまり地方公務員への就職には「1年間の自由」という対価を支払っているという感覚だからです。
 
そのため、退職していく若手職員は、大学生活1年分という膨大なサンクコストを回収できるくらいに良い転職先を見つけたのだと、直感的に思ってしまいます。
(あるいは、サンクコストなんてどうてもよくなるくらい地方公務員という仕事が嫌なのか)
いずれにしても、「地方公務員を辞める」という選択肢は、かなり大きな決断だと感じます。
 
しかし、もしさほど勉強せずに合格できるのであれば、今やサンクコストなんて存在しないわけであり、この感覚は時代遅れになります。
20代であれば、地方公務員並みの待遇を得られる仕事は他にもたくさんありますし、アルバイトを辞める程度の感覚で地方公務員を辞めていっているという可能性すら考えられます。

今の若手職員と、30代半ばの職員では、仕事に対するスタンスが全然違うと日々感じていますが、その根本原因のひとつが「試験難易度」のような気がしているのです。


もし暇な方がいたら、コメントで教えてもらえると嬉しいです。

本ブログのアクセス数には明確に周期があり、毎年3月にピークを迎えます。
Googleアナリティクスによると、1月~4月にかけて20代前半のアクセス数が激増しており、4月から働き始める新規採用職員予備軍の方々が本ブログを読んでくれているのだろうと思われます。

就業を控えたこの時期は、多くの人が不安を感じるものです。
僕自身も俗にいう「内定ブルー」みたいな状態になっていて、ひたすらアニメを見て気を紛らわせていました。

数か月後に生活が激変するのは確実なのに、準備しようがないというもどかしさ。
できることといえば、情報収集くらいでしょうか。
もどかしさのあまり、本ブログみたいな信憑性の疑わしい情報すら目を通してしまうんですよね……

勤務開始目前の方々にとっての最大の関心事は、自分の配属先だと思います。
地方公務員界隈で「配属ガチャ」という言葉が罷り通っているとおり、どこに配属されるか発表まで全然わかりませんし、当たり外れの差も大きいです。

地方公務員人生には人事異動がつきもので、初任の配属先に骨を埋めるわけではありません。どうせ数年で別の仕事をすることになります。
全然興味が無い分野に配属されたとしても、数年我慢すればいいだけです。
逆に、希望する部署に行けたとしても、その幸運は数年限りです。

しかしそれでも、地方公務員人生における最初の配属先の影響は非常に大きいと思います。
業務内容はさておき、地方公務員という職業や、役所という職場に対する好き嫌いは、最初の職場での経験でかなり決まってくるからです。

初任配属先の業務内容や雰囲気、人間関係が合わなかったために、採用1年目にして仕事への意欲を失う職員は少なくありません。
意欲を失う程度ならまだマシなほうで、心身を壊して休職したり退職してしまう人もいるくらいです。

反対に、採用直後は全然やる気が無かったのに、周囲に感化されてモチベーションが上がったり、能力を開花させる人もいます。
僕自身、そこそこ楽しく地方公務員稼業を続けられているのは、初任の配属先がいいところだったからだったと思います。

また、役所を見限って転職するにしても、最初の配属先での経験を「自分の強み」としてPRしていかなければいけません。
転職活動の成否すらも、最初の配属先にかかっていると言えるでしょう。

では、実際に新規採用職員にとって働きやすく、キャリアにとっても有益な「当たり部署」とはどのようなものか。僕の経験をもとに、独断と偏見で考察してみます。

人数が多い

僕が最も重要だと思う要素は、配属先部署の正規職員数です。
初任の配属先は、正規職員が多ければ多いほうが良いと思います。

より正確にいうと、正規職員が少ない職場は心身の健康を損なうリスクが比較的大きく、最初の職場としてはなかなか厳しいと思います。

職員数の少ない職場は、人間関係も狭くなりがちで、一人でもやばい職員(パワハラ野郎など)がいると、その人の雰囲気に吞み込まれます。
分母が少ない分、全員に占めるやばい職員の影響力がどうしても強くなってしまうんですよね。

人数が多い職場であれば、善良な職員たちで集まって別コミュニティを作ってお互いを守りあうことが可能ですが、少人数職場ではこういう対処が難しいです。


加えて、何らかの事情で急に職場全体の仕事量が増えた場合や、職員が減ってしまった場合に、職員数が少ないと負担の分散ができません。

年度途中で急に業務が増えるケースは多々あります。
  • 首長や議員の発案で新規事業を立ち上げることになった
  • クレーマーに目をつけられて連日大量の公文書開示請求が舞い込んできた
  • 制度改正があった
  • 訴訟を起こされた
などなど、現役地方公務員の方であればどれか一つは経験があると思います。

このような事態が生じた際に、人数の多い職場であれば複数人で分担できますが、少人数の職場だと一人で対応する羽目になりがちです。
もっとシンプルに、分母となる職員数が少ないので1人あたりの負担増が大きいともいえるでしょう。

年度途中で職員が減ってしまった場合も同様です。
同僚が心身を病んで休職してしまったものの補充されず、欠員状態のまま年度末まで仕事を回すという事態はもとから常態化していますし、最近では若手職員がいきなり退職するケースも出てきました。
こうした場合、いなくなった職員の分の仕事を他の職員が引き継ぐことになります。
職員数が少ないほど、1人あたりの引継分が多くなり、負担が増えることになります。


役所内ルールを執行する仕事

業務内容では、庶務や部局内調整のような、役所内ルールを執行する仕事が「当たり」だと思います。

役所にはいろんなルールや作法があります。
代表的なものとして、会計経理や議会答弁の作成、契約手続き、補助金の交付手続きなどが挙げられます。
こういった業務にはマニュアルが用意されており、ある程度の年次になると『知っていて当然』とされますが、実際に担当しなければ細かな手続きを理解することは難しいものです。
早い段階でこれらの知識を身につけておくことは、公務員としてのキャリアを築く上で大きな助けとなるでしょう。

また、こうした行政の内部ルールを知っていることは、民間企業への転職においても強みになりえます。
近年、行政の業務を外部に委託するケースが増えており、役所内部の実務に精通した人材は、民間企業にとっても貴重な存在です。
例えば、役所相手のコンサルティング業務や、公共事業のプロポーザル参加など、行政経験を活かせる分野は少なくありません。

さらに、内部ルールの執行は、単なる事務作業ではなく組織運営の一環とも言えます。
転職活動の際には「マネジメント経験」としてアピールできるでしょう。
実際に、僕が過去に転職活動を試行した際も、エージェントからは「組織の管理に関わる経験があるか」と問われました。営業や経理のような実務スキルを持っていない地方公務員をあえて採用する場合、企業側はきっと「組織を動かす能力」を期待するのだろうと思います。

結局は人間関係

ここまで色々書いてきましたが、結局は人間関係が全てだと思います。
正直どこの部署であれ、新人の担当する仕事は大差ありません。




4月からの就職や転勤を控え、一人暮らしの準備をしている方も多いでしょう。
インターネット上ではインテリアガチ勢や節約ガチ勢による一人暮らし情報はたくさんありますが、地方公務員に特化した一人暮らし情報はあまり見かけません。

というわけで、僕が普段意識している一人暮らしの工夫を紹介していきます。

大前提:ブラック労働にも耐えられる体制づくりが必要

社畜なりたての頃の習慣は、後々まで結構残ります。
就労し始めた頃に良い習慣を身につけておくと、後々楽になります。

地方公務員の場合は、なるべく省エネかつ低コストな生活を身につけるべきだと思っています。

地方公務員の生活は基本的に土日休みの昼型生活を送っていますが、配属される部署や上司のキャラクターによっては、深夜残業や休日出勤も十分ありえます。
普段は平和な部署であっても、マスコミに目をつけられて炎上したり住民訴訟を起こされたりすれば簡単に修羅場と化し、帰れなくなります。

つまるところ、仕事が突然めちゃめちゃ忙しくなる危険性と常時隣り合わせの人生を強いられるわけで、家事に割ける時間は保障されていません。
この意味で「省エネ」である必要があります。

加えて、地方公務員はさほど高収入ではありません。
独身を貫くのであれば結構豪遊できるものの、ちゃんと家庭を持って子育てをするのであれば、なかなか厳しいです。
僕と同年代の職員になるとほぼ共働きですし、出産や育児のために片方が無給になる期間は、貯蓄を切り崩さないと家計が回らないと聞きます。
そのため、20代前半のうちからしっかり貯蓄し、来るべき育児初期の取り崩し期間に備える必要があります。
この意味で「低コスト」である必要があります。

物件:夜型生活を送れるところ

物件を選ぶときは、「夜型生活を問題なく送れるか」という観点で探すと良いでしょう。
  • 夜遅くても帰れる(公共交通機関がある or 徒歩・車通勤できる)
  • 遅くまで営業しているスーパーや飲食店がある
  • 遮音性が高く隣人に迷惑をかけない
このあたりの条件は必須だと思います。

中でも、遮音性は非常に重要です。
少なくとも、夜中に洗濯機を回せないと早々に詰みます。生活が回りません。
内見するときにしっかり確認したほうが良いでしょう。

上述のような条件を満たす物件となると、家賃はどうしても高止まりすると思います。
「低コスト」を達成するためには極力賃料を抑えたいところです。築年数や広さを犠牲にするしかないでしょう。

家具・家電:必要最小限

地方公務員の人事異動は4月1日付けに集中します。
特に転居を伴う広域異動は、大半が4月1日付けです。

地方公務員の人事異動は概して内示が遅いです。
僕の勤務先自治体の場合、転居を伴う場合であっても2週間前まで教えてもらえません。
転居判明が遅いせいで引っ越し業者が捕まらず、レンタカーに荷物を突っ込む「夜逃げスタイル」で引っ越さざるを得ない職員も少なくありません。

そのため、広域異動がありうる職場の方は、なるべく家具家電を減らし、業者に頼まずとも引っ越しできるほどに身軽な生活をしたほうがいいと思います。
具体的には、家具家電をなるべく増やさないこと、増やすにしても極力レンタルを使うことが重要です。


僕の場合、以下の家具家電はレンタルです。
  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • 掃除機
  • 電子レンジ
  • 炊飯器
  • エアコン
  • 物干し台
  • 台所用ラック
電子レンジだけはハイスペックなものを自前購入しても良かったかなと思っています。
独身時短自炊では、電子レンジが欠かせないからです(後述)。

自前で持ち込んだのは、
  • パソコン関係
  • ブルーレイレコーダー
  • 椅子(腰痛持ちなので高級チェアを使用)
  • 寝具(マットレス)
  • IH調理器
くらいです。

たんすや本棚のような棚類は置いていません。
代わりに折り畳みコンテナを使っています。
役所でも大活躍の、俗にいう「折りコン」です。

TRUSCO 薄型折りたたみコンテナ スケルコン 50Lロックフタ付 TSK-C50Bコンテナ トラスコ コンテナボックス 折りたたみ 収納 収納ボックス 物流 倉庫 保管用品 流通 倉庫作業 工場用品 整理保管箱 部品管理 通い箱 通函 おしゃれ 蓋付き
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カラフルな折りコンを使えば、見た目も悪く無いはずです(多分)。


食事…スケールメリットを意識して自炊

食事は自炊中心にすることを強く勧めます。
自炊のほうが安上がりだからという理由ももちろんありますが、それ以上に30代以降の健康のためです。

先日の記事でも少し触れましたが、30代になっても外食や中食(コンビニ飯など)中心で暮らしている独身男性は、外見や体調に異変を来しています。
明らかに太ってきたり、肌に脂が浮いていたり、健康診断で異常値を叩き出したり……

さらに何より、30代になると外食やコンビニ飯の「油っこさ」がしんどくなってきます。
たまに食べる分には美味しいのですが、毎日続くと本当にきついんですよね。
一切自炊しない場合は、「しんどいなあ」と思いながら割高で健康に悪い食事をするわけです。
精神衛生上、非常によろしくありません。

社畜の自炊では、凝ったものを作る必要は全く無いと思っています。
重要なのは、安価でヘルシーな食事を手早く作ることであり、ブラック労働環境下でも持続可能な自炊スタイルを身につけることです。

自炊のコツには先人の知恵がたくさんあり、書籍や動画ですぐに調べられます。
以下、僕の個人的な工夫を紹介します。

給食みたいに「献立表」を作る

個人的に、自炊生活最大のハードルは「献立づくり」だと思っています。
調理自体そのものよりも「何を作るか」を考えるのに時間がかかり面倒なのです。
特に平日夜はさっさと寝たいので、毎回考えている余裕がありません。

そこで、毎週土曜日に「翌週の各食のメニュー」を決めることにしています。
これに基づいて日曜日にスーパーで買い物して、日曜日のうちにできる限り下準備を済ませ、平日は簡単作業で整うようにしてあります。

メニューを考えるときは、とにかくたんぱく質と野菜を摂取するようにしています。
炭水化物や脂質は外食やコンビニでも安価で大量摂取できますが、たんぱく質と野菜は割高だからです。

スケールメリットを意識する

「時間的にも金銭的にも、自炊はコスパが悪い」という主張をする方も結構いますが、スケールメリットが効くようにメニューを決めていけば、たとえ一人暮らしであっても省エネ低コストを実現できると思っています。例えば、
  • 保存の効く料理をまとめて作り、数日に分けて食べる
  • 同じ食材を使い回す(例:キャベツを1玉買って、複数のキャベツ料理を作る)
  • 冷凍を活用する(例:余った野菜を冷凍して味噌汁の具にする)
あたりの工夫は、簡単に取り組めます。

作り置きとレンチンメニューを組み合わせれば、10分くらいで1汁2菜までは準備できます。
同じようなメニューが何日も続くので異常独身男性っぽさが滲み出てしまいますが、コスパは優れています。

「毎日調理して、毎日違うものを食べなきゃ」という制約を外してしまえば、自炊のハードルは一気に下がるのです。

Youtubeに感謝

Youtubeには、一人暮らし生活のコツを紹介する動画がたくさんアップされています。
中でも「ブラック企業社畜」「薄給社畜」を掲げている方々の動画が特に役立つでしょう。
彼ら彼女らが披露してくれる、お金をかけずに家事を効率化していくテクニックは、まさに「省エネ」かつ「低コスト」な生活を実現する手がかりになります。

食事に関しては、筋トレ系の動画が役立ちます。
トレーニーの方々の筋肉食を真似してたんぱく質を確保しつつ、あとは野菜をたくさん食べれば良いでしょう。


つい先日、同期の職員から刺激的な話を聞きました。
大学時代のゼミの恩師から、「地方公務員になったゼミOB達が近年離職しまくっている、何故なんだ?」と相談されたというのです。

そのゼミは地元大学法学部にあり、国家公務員・地方公務員を毎年大量輩出しています。
より正確にいうと、これまで蓄積された試験対策ノウハウやOBとの接点を求めて、公務員志望の学生が続々入門してきます。田舎国公立大学あるあるです。
そのゼミ生達……つまり公務員になりたくて仕方なかったはずの方々が、せっかく公務員になれても結局辞めているというのです。

若手離職の話は過去記事でも取り上げていますが、正直これまであんまり現実味を感じていませんでした。
ただ今回の話を聞いて、急に切迫感を覚えました。


離職防止策を考えていたところ、ちょうど最近リリースされた「新人地方公務員の組織適応」というテーマの論文を見つけました。



論文PDFはこちら
ぜひ本文を読んでいただければと思いますが、かいつまんで紹介します。

論文のあらすじ:適応成功職員を分析

この論文は、2020年10月〜 11月にかけて、福岡県内の自治体に勤務する勤続年数1〜3年目の職員14名を対象として実施したインタビューをもとにしています。
コロナ感染拡大後の情報に基づいているので、現時点でも十二分に通用すると思われます。

また、インタビュイーうち「これまで一度でも離職や転職を考えたことがある」と回答した人が14人中わずか2名に止まることが付言されています。
著者はこの点をもって、インタビュイーの属性を「組織にそれなりにうまく適応できている人々」と評価しています。

この見方には僕も完全同意です。
1〜3年目といえば、民間勤務の同世代との待遇格差(給料安い、研修無い、残業代不支給など)を痛感して辛酸を舐める時期であり、具体的な不満が無かったとしても辞めたくなってくるものです。

分析結果 ー4つの課題と4つの対処方策ー

インタビュー結果を分析した結果、新人職員が主に直面する組織適応上の課題として、
  • OJTの機能不全
  • やりがいの希薄化
  • 仕事や職場への戸惑い
  • 住民に対する葛藤
という4つのカテゴリを抽出しています。

さらに、これらの課題への対処法策として、
  • 受け入れ・割り切り
  • 主体的な学習
  • 現状の変革
  • 人間関係の構築
という4点を提示しています。

それぞれの項目の具体的な内容は、論文本体を読んでみてください。
インタビュー中の実際の発言も多数引用されていて、生々しくて面白いです。

日々の業務に展開するには

正直なところ、「4つ課題」にも「4つの対処方策」にも、目新しい項目はひとつもありません。
誰もが薄々感じている事柄が改めて立証されたというのが率直な感想です。

とはいえ、このように整理されることの意義は大きいです。
具体的な対策を考えやすくなります。

当事者(新人地方公務員):肩の荷を下ろせるか

「4つの課題」として挙げられた項目は、新人であれば誰もが直面する課題と言えるでしょう。
この辺りの課題に実際に悩まされている方がいたら、「自分が悪い」と背負いこむ必要はありません。
「役所あるある」なのです。
こう捉えれば、いくらか気が楽になるはずです。

上司・先輩:サポートの視点

ある程度経験を積んだ職員にとって、「4つの課題」はいずれも「仕方ないこと」として受容されています。
あまりに当たり前すぎて「新人にとっては躓きポイントである」ことを忘れがちなので、改めて意識し直したほうが良いでしょう。

加えて、新人職員が「4つの対処方策」を実践するサポートもできればいいでしょう。
特に、新人職員が「現状の変革」に乗り出そうとしている兆候があれば、しっかり監視したほうがいいと思います。
3年目くらいの職員が思いつく改革案には、だいたい致命的な見落としがあります。
そこをうまく指摘して補強させたり、時には諦めさせるのも重要でしょう。


ここからは完全に個人的感想です。
インタビュイー各位の発言を読むに、皆さん「自助だけでなんとか乗り切った」という認識のようで、「周囲の職員に助けられた」というコメントが皆無なのが大変印象的でした。

引用箇所があくまでインタビューの一部だけで、引用されていない部分にはこういう趣旨の発言もあったのかもしれませんが、もし本気で「自分一人で新人期の危機を乗り切った」と信じているなら、それは危険な誤解だと思います。
誰かしらサポートしてくれているはずなのに、視野が狭くて気づいていないだけなのでは……?

周囲の厚意に気づかず、悲劇のヒーロー/ヒロインぶる若手は、役所でなくとも煙たがられます。

さらに、こういうマッチョ思考は、後輩への塩対応(自分は独力でなんとかできたから、お前もできるだろ?)につながりかねません。

勤続年数3年目までの時点では「組織にうまく適応している」かもしれませんが、数年後は危ういなと正直思いました。

新規採用職員の方は、採用から半年が経過して、そろそろ「自分の実務能力」のレベルが見えてくる頃合いかと思われます。
中には「自分は仕事ができない……」と落ち込んでいる方もいるでしょう。

あくまで僕の体感ですが、役所の仕事は慣れるしかないものです。
どれだけ高学歴だろうと、地頭が良かろうと、輝かしい経歴を持っていようと、最初は通用しないと思います。(もちろん「慣れ」のスピードは地頭次第で大きく差が開くでしょう)

今はうまくいかなくとも、ひたすら数をこなして慣れるしかありません。
めげずに続けているうちに、いずれ慣れて楽になってくるはずです。 

答えを出した「後」が重要

地方公務員の仕事(特に新人が担当する仕事)の多くは、法令や要綱などのルールを運用するものです。
何か疑問が生じた場合には、自分で考えるのではなく文書を紐解いて答えを探します。
ある意味、あらかじめ答えが用意されている仕事であり、答えに到達するだけなら、他の業界と比べても相当に楽だと思われます。

ただ、地方公務員の仕事は「答えを出す」だけではありません。
見出した答えを上司や役所外部の方々(住民など)に説明して、納得させるところまでが仕事です。
むしろこういう「答えを出した後のプロセス」のほうが、時間もエネルギーも消費します。
僕の体感では、ヒラ職員の仕事の約7割が「答えを出した後のプロセス」です。

上司にしても役所外部の方々にしても、基本的にヒラ職員のことを信用していません。
そのため、いくらヒラ職員が「法令にこう書かれています」と率直に説明しても、なかなか納得してもらえません。
「法令の読み方を間違えているのでは?」「見落としがあるのでは?」と疑られているわけです。
そこでヒラ職員は、過去事例や裁判例、法令制定時の考え方のような関連情報を収集して、説明を補強していく必要があります。

また、答えそのものがたとえ正しいとしても、感情的に受け入れ難いケースも多々あります。
この場合は、感情的に納得させるための工夫が必要です。
説明の言葉遣いを練り上げて感情的不和を緩和したり、感情的反発を押し切れるくらいにロジックを固めたり……などなど、方法はいろいろです。


こういった「答えを出した後のプロセス」には、ルールもマニュアルもありません。
他の職員から教わったり、見よう見まねで実践したりして、職員個々人が経験を積まない限り、なかなか習得できない領域です。
最初は出来なくて当然ですし、そもそもこういうプロセスの存在すらわからないかもしれません。

さらに困ったことに、先輩や上司からすると、このプロセスはとにかく教えにくいものです。
あまりに慣れきってしまっているために、なかなか言語化できないのです。
「地頭次第だから教えても無駄」だと認識しており、若手から請われても「自分で考えろ」と軽くあしらう職員も少なくありません。

教本無し、師も頼りない……となると、自分でなんとかするしかありません。
幸運にも教えてくれる人がいれば最大限利用しつつ、基本的に自分で試行錯誤するしかないのです。

知識よりも経験を補給

地方公務員の採用プロセスでは、民間企業と比べてかなり重い筆記試験を課されます。
そのため、「地方公務員は知識が重要な仕事だ」と考えている方もいるかもしれません。

しかし実際のところ、地方公務員の実務では、知識よりも経験のほうが圧倒的に重要です。
若手職員の中には「もっと知識を身につければ仕事がうまくいくはずだ」と考え、公務員本を買い漁ったりセミナーに参加しまくったりする人もいますが、それでうまくいくかは疑問です。

経験は一朝一夕で積み上げられるものではなく、それなりに時間をかけて場数を踏むことでしか得られません。
 
唯一の近道は、他者の経験を「他山の石」として活用する、たとえば
  • 周囲の職員が何をしているのか(特に上司との打合せ)を盗み聞き
  • 共有サーバーに入っている他人の資料を盗み見
こうやって他者の経験を追体験すれば、少なからず経験値の足しになると思います。

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