キモオタク地方公務員(県庁職員)のブログ

地方公務員の人生満足度アップを目指しています。地方公務員志望者向けの記事は、カテゴリ「公務員になるまで」にまとめています。

タグ:新人向け


役所現場を離れているせいでナウピチピチな話題を仕入れられないので、ブログネタを探すために過去の経験を振り返ることが増えました。

思い返してみると、これまで諸先輩方から本当にたくさんの訓示をいただいてきました。
特に新人の頃は、30歳前後の主任クラスの先輩方から、飲み会のたびに「あるべき若手論」みたいなものを垂れられたものです。

今まさに当時の先輩方と同じ年代になってみて、当時いただいた「あるべき若手論」の答え合わせをしてみると、正答率は半々くらいです。
先輩の慧眼に驚くものもあれば、「真に受けて損したわ!」と小突いてやりたくなるものもあります。

僕が先輩から聞いた諸説の中でも、かなり的を射ていると思うのが、「2部局目で身についた働き方が、基本的に定年までずっと続く」というものです。

1部局目(初任部局)で習得したやり方が一生涯使えるわけではない

地方公務員の研修(特に新人)は基本的にOJTです。
新人地方公務員が一堂に集められて一律に教育を施されるのではなく、それぞれの配属先で、上司や先輩から指導されます。

OJTでは、
  • 一般的なビジネススキル(電話の取り方、メールの書き方など)
  • 役所の内部的業務(公文書管理、会計ルール、議会対応、予算、決算、監査対応など)

のような実践的な技術のほか、
  • 公務員としての心構え
  • 庁内の常識

のような精神面についても教えられます。

指導項目は共通でも指導内容はバラバラ

どんな部局に配属されようとも、OJTで教わる項目自体は大差ないと思います。
しかし、各項目で教わる具体的な内容は、部署ごとにバラバラです。

同じ役所内であっても、部局によって仕事のやり方は様々です。
出先と本庁の違いが典型ですが、本庁の中でも課ごとにかなり差があります。
部署ごとの違いが、そのまま指導内容の違いに直結するのです。 

例として、支払い業務(=会計ルールの運用)を考えてみます。

支払い業務は、地方公務員稼業の基本中の基本です。
初任配属先がどこであれ、OJTの中で必ず教わると思います。
しかし、部署によって、教わる内容は異なります。

土木部局や農林部局のような国庫補助金をたくさん扱う部局であれば、いずれ来る会計検査に備えて、担当者も管理職も入念にチェックします。
支払い手続きそのものが相当重要です。
そのため、「担当者がしっかりチェックのは当然のこと、さらに上司が再チェックしやすいよう事業概要ペーパーを作り、根拠資料も全部揃えてから決裁を回せ」と教わるでしょう。
 
一方、観光部局のような予算規模が比較的小さく、国庫補助金をあまり使わない部局の場合は、支払い業務は単なる付随作業です。
支払いの目的である事業が何より重要なのであり、支払い手続きはどうでもよく、なるべく手早く簡単に済ませようとします。
OJTでは「支払い書類を作り込むのは時間の無駄だから、形式さえ合っていればいいからとにかくさっさとやれ」と指導されるでしょう。

指導役のキャラクターも大いに影響

何よりOJTでは、教える側の上司や先輩の個性が、指導内容に色濃く反映されます。
同じ役所の職員であっても、それぞれがたどってきた人事異動キャリアや経験次第で、後陣に伝えたい中身も異なってくるのです。
 
イケイケバリバリの先輩からは、何事も「連携」「協働」「成長」みたいなポジティブな観点と結びつけて指導するでしょう。
一方、僕みたいな陰キャは「苦情」「弁明」「訴訟」みたいなネガティブ・ディフェンシブなことしか教えられませんし、こういう観点をまず身につけることが重要だと思っています。

つまるところ、初任1部署目のOJTは、項目的には必要事項を網羅しているかもしれませんが、各項目の指導内容は相当偏っているのです。


2部局目の苦悩

2部局目にもなると、もはや周囲は新人扱いしてくれません。
しかし前節のとおり、新人時代のOJT教育には偏りがあり、1部局目で身につけた技能が2部局目でもそのまま通用するとは限りません。

多くの若手職員は、1部局目のやり方があまりに通用せず、カルチャーショックを受けます。
そして、なんとか適応しようと精一杯の試行錯誤を続け、自分なりの「仕事の基本スタイル」を確立していきます。
1部局目に学んだやり方をベースにアレンジする場合がほとんどでしょうが、中にはゼロからやり直す人もいるでしょう。


僕の場合、上司への報告で大いに悩みました。
 
僕の初任は防災関係部局で、どんなに些細な情報でもすぐに上司に共有するのが当たり前でした。
防災の仕事は一人では何もできず、部局内全員が一枚岩となって動かなければいけません。
そのため、情報共有は何よりも重要でしたし、僕自身も「とにかくなんでもすぐに報告するように、何よりも『ほうれんそう』だぞ」と強く教えられました。

2部局目は総務系で、担当者ごとの業務分担がはっきり分かれていて単独作業が多いという、本庁にありがちな部署でした。
 
そこでも僕は「ほうれんそう」を墨守していたところ、1ヶ月経った頃に上司から小言を言われました。
「君はどういう目的があってそれを報告してるの?私はそれを報告されて何をすればいいの?」
「確固たる目的の無い報告は双方にとって時間の無駄だから!」

ここでようやく、「なんでも共有」という原則は防災部局特有のルールであり、役所全体のルールではないことに気がつきました。

そこからは試行錯誤の日々です。
まず、上司や同僚に話しかける前に「会話の目的」を考えるようにして、今話す必要が本当にあるのかを吟味するようになりました。
さらに、相手が「知りたがり=なんでも報告してほしいタイプ」なのか「要点だけ知りたい=余計な報告は無駄だと思うタイプ」なのかを見分ける練習も始めました。
あとは常に「案件の重大性」にも気をつけるようにしました。
他の案件を差し置いても至急報告すべき緊急案件、遅れてもいいけど報告はすべき主要案件、担当者レベルで握りつぶしていい些細な案件……といったレベル分けを適切に行えるよう、上司の反応を伺うようになりました。

このような過程を経て、僕の観察者スタイル(日和見主義)が確立しました。
同時に「他人を巻き込む」ことへの忌避感も芽生えてしまいました。 



尾をひく「2部局目」

2部局目で見出した「仕事の基本スタイル」は、教わったものではなく自ら考え出したものです。
自分で考え出しただけあって「自然」で「やりやすい」方法ですし、2部局分の経験が反映されて一般化されているので、次の異動先でも通用する可能性が高いです。
そのため、この「仕事の基本スタイル」は、後々にもずっと適用されていきます。

また、仕事のやり方に思い悩むことで、「自分にとって仕事とは何か」、いわば「仕事観」が見えてきます。
人生における仕事の優先順位が見えてくる、と言ってもよいでしょう。

つまり、2部局目の経験を通して、地方公務員人生の根幹となる「仕事の基本スタイル」と「仕事観」が一旦完成するのです。


僕が先輩から「2部局目に身についた働き方が一生続く」説を伝授されたとき、同時に「2部局目は大変だけど、残業で乗り切ろうとするな」と強く注意されました。
先輩いわく「この時期に残業に頼りすぎると、将来的にずっと残業体質になってしまうぞ」とのこと。
この警鐘は事実だと思います。
実際僕の同期にも、この時期にひたすら残業&休日出勤を繰り返し、さほど忙しくない現在もだらだら残業している職員が少なからずいます。

一方、この時期に「効率的な働き方」を追求して、ちゃんと仕事しつつも定時退庁を続けている同期もいます。

まずは「2部局目は重要だ」という意識を持ち、自分にとっての理想を素直に考えてみることが重要なのではと思います。


あくまでも僕の観測範囲内の話ですが、ここ数年で「新規採用職員に占める予備校利用者の割合」が高まってきています。
出題傾向が変わって独学だと合格しにくくなっているのか、予備校費用を惜しまないくらいに公務員志望度が高い人が増えているのか……理由はわかりませんが、とにかく予備校利用者が増えて、独学合格者が減っているようです。

僕はこれまで半ば趣味で色々な資格試験を受けてきましたが、地方公務員試験はかなり難しい部類に入ります。
凡人が努力でなんとかなるレベルの限界だと思います。



「公務員になりたい」のであれば、予備校に通うのが確実でしょう。
僕自身は予備校に通っていませんが、予備校利用者達からは「講義をサボらず受けて与えられた課題をきっちりこなせば合格できる」と聞きます。

一方、独学の場合だと、使用する教材、スケジュール、到達地点(完成度)の設定など、すべてを自分で管理しなければいけません。
予備校であれば最初から用意されていた「課題」を、自ら設定するところから始めるのです。

予備校利用にせよ独学にせよ、目的は同じ「公務員試験突破」です。
ただしプロセスはずいぶん異なります。
どちらのプロセスにもメリット/デメリットがあり、好き嫌いがあるでしょう。
いずれにせよ合格すればいいのです。

ただ、公務員試験に合格した後、つまり地方公務員として実際に働くにあたり役立つのは、圧倒的に独学経験だと思います。
地方公務員人生には「独学」がつきものだからです。

「教えてもらえる」環境ではない

過去の記事でも触れましたが、地方公務員の研修は適当です。

他人に仕事を懇切丁寧に教えるだけの余裕がありませんし、そもそも教えられるだけ詳しい職員がいないケースも多々あります。

「公文書の書き方」「議会対応」「出納規則」みたいな全庁共通のルールであれば、他の職員から教わることができますが、地方公務員の仕事(特に本庁)には「庁内でも自分しか携わらない仕事」がたくさんあります。
制度の運用や許認可業務あたりが典型でしょう。

こういう仕事の中身は、同じ係内の同僚や、直属の上司であっても、全然わかりません。

唯一わかるのは前任者ですが、前任者も全知全能というわけではなく、せいぜい数年担当していただけです。
教わるにしても基本的事項程度が限界で、予備校講師やテキストみたいに全幅の信頼を寄せることはできません。

誰も知らない「新要素」がどんどん増えていく

旧態依然というイメージの強い役所仕事ではありますが、それでも日々変化しています。
法令や制度が改正されてルールそのものが変わったり、新任の上司が業務フローを自分好みに変えたり……
理由はどうであれ「これまで通り」が通用しなくなるのです。
民間企業では当たり前の事象なのでしょうが、役所でもよくあります。

こういう場合は、誰からも教わることができません。
誰もが自分と同レベルの知識しか持っていないために、講師役が存在しないのです。

ルールを知る=インプットはされど重要

地方公務員の仕事はルールに基づくものが多く、「調べればわかる」「どこかに答えがある」仕事が多いです。
センスに従って判断するとか、ロジカルシンキングを駆使して答えを導出するのではなく、ルールをインプットすることがまず必要です。

つまり適切なインプットさえできればこなせるものが多いですし、反対にどれだけ地頭が良くてもルールのインプットを怠ればこなせないのです。

インプットの方法は様々です。
中でも「教わる」のは、誰もが義務教育にて経験しているインプットであり、馴染み深いものでしょう。
 
しかし前述のとおり、地方公務員という仕事においては、「教わる」がうまく機能しません。
そのため、否が応でも独学せざるを得ないのです。

独学によるインプットは、地方公務員人生においてずっと続きます。
少なくとも異動のたびにみっちり独学しなければいけない時期がやってきます。

最初にも触れたとおり、地方公務員試験はかなり難しい部類であり、独学合格には相当高度な「独学力」が必要でしょう。
逆にいえば、独学で地方公務員試験を突破できた方は、予備校利用者よりもハイレベルな独学力が備わっているのです。


そのため、やる気さえあれば、予備校利用者よりも高効率でインプットが可能なわけであり、インプットの重要性が高い地方公務員という職業においては、それだけ有利だと言えるでしょう。

もちろん、地方公務員の仕事は、ルールに基づく業務だけではありません。
むしろコミュニケーションに属するもののほうが多いと思います。
とはいえ「ルールの独学」は基礎中の基礎であり、「教わらないと理解できない」というタイプの方は、試験を突破できても実務で苦労するかもしれません。

地方公務員の仕事そのものを楽しんでいる人は、それほど多くないのかもしれません。

実際、達成感を味わったり(そもそも明確な「終わり」が無いので完了に立ち会えない)、誰かから感謝されたりといった典型的なカタルシスシーンにはなかなか巡り会えません。
 

しかし、役所という環境は、心がけ次第で面白おかしく感じられると思っています。
いくら閑職で連日定時ダッシュを決めたとしても、毎週40時間近く滞在しなければいけない場所です。
少しでも「楽しい」と思えたほうがハッピーな人生を送れると思います。


どんな部署に配属されようとも、誰でも手軽に実践できそうな「心がけ」を紹介します。

人に興味を持つ

世の中を動かしているのは人です。
しかもごく少数の有力者です。


  • いったい誰が有力者なのか
  • 有力者たちはそれぞれ何に関心があって何を考えているのか
  • 有力者どうしの関係はどうなっているのか

こういったことがわかれば、世の中の動きが違って見えてきます。
のめり込みすぎると陰謀論信者になってしまうのですが……

仕事中に個人名が聞こえてきたら、たとえ自分の担当業務とは関係なさそうな話題であっても、耳を澄ませて聞いてみてください。
役所内で話題になるということは、行政の意思決定に影響を及ぼすだけのパワーを持った有力者である可能性が高いです。
軽くググってみてプロフィールを調べ、もしSNSアカウントを持っていたらウォッチしてみましょう。
 

こうして情報を集めていくうちに、脳内に「有力者データベース」みたいなものが出来上がり、有力者を経由していろんな話題がリンクして楽しくなってきます。


役所であれば「本性」が見られるかも?

有力者にまつわる情報は、当人の統制下におかれています。
マスコミは勿論のこと、口コミ評判やSNS投稿のような「個人の声」にしか見えない媒体であっても同様です。
情報統制に長けているからこそ有力者として君臨できたのかもしれません。


そのため、いかなる媒体であっても、普通は有力者にとって都合の良い情報しか流れてきません。
ある事象の一面だけを切り取ったり、誇張したり、隠蔽したり、作り話を仕立て上げたり……形式はいろいろありますが、いずれにせよ事実をそのまま知ることは非常に困難です。


時にはネガティブな情報が流れてきますが、これは対立する有力者が放流したものでしょう。
これもまた事実そのものではありません。ネタにされている有力者当人を貶めるために、別の有力者がアレンジした情報です。


つまるところ、間接的な方法では有力者の本性を知りえません。
有力者の本性を知るには、直接本人と関わるしかないのです。


「有力者の本性を知る」という観点では、役所はなかなかの好立地です。
役所は究極の巻き込まれ体質です。 いろんな有力者が日々プレッシャーをかけてきます。
つまり、有力者と間近に接触でき、生々しい情報を得られるのです。


せっかく役所にいるのですから、このメリットを活かさない手はありません。




庁内の「有力者=キーパーソン」も面白い

役所の組織内も同様です。少数のキーパーソンが動かしています。
首長や部局長がキーパーソンなのは間違いないですが、部局によっては平職員もキーパーソンたりえます。


特に観光や産業振興のような自由度の高い部局だと「職位の低いキーパーソン」がけっこういるように思います。
こういう部局では、管理職は政治的調整に徹していて、施策の中身を詰めるのは係長や平職員というケースがよくあります。
こういう場合、施策の成否を分つキーパーソンは、係長や平職員です。


庁内のキーパーソンを特定し、彼ら彼女らのキャラクターがつかめれば、組織の動きが急にイキイキして見えてきます。
予算案や人事異動の背後にあるストーリーが見えてきて、エンターテイメントになります。


ものさし(基準)を持つ

たいていの人は数字が大好きです。
身長、体重、年収、結婚年齢、ランニングで走った距離……等々、日々いろいろな数字を使い、数字の大小多寡に一喜一憂します。


しかし、仕事中に数字を入力したり集計している最中にテンションが上がる地方公務員は、ごく少数だと思います。 

仕事でしか触れない分野の数字であったり、桁数が大きすぎたり小さすぎたりして実感が湧かないせいだと思います。
 

つまり、数字に対する親しみが足りないために、無機質に見えて面白くないのです。
逆に言えば、親しみを感じられるようになれば、きっと面白く見えてくるはずです。


数字に親近感を抱くための最も簡単な方法は、自分なりのものさし(基準)を持つことだと思います。
平均値や中央値、最頻値のような統計値でもいいですし、身近で具体的な実例を使ってもいいでしょう。
 


例えば人口だと、僕の場合、居住している県と切りのいい人口数の県内市町村をものさしとして使っています。


  • ▲町って本県X市の○倍も人口いるんだ、町なのに大都会じゃん
  • △県って本県の7割くらいしか人口いないのに東大合格者数は同じなのか

こういう理解ができるようになると、人口を見るのが楽しくなってきます。
フェルミ推定みたいな試算もできるようになり、実務にも役立つでしょう。
 




何事も第一印象は非常に重要です。
入庁直後に「役所つまらん」と思い込んでしまうと、楽しくする工夫すら意欲が湧いてこなくなり、ずっとつまらない地方公務員人生を送る羽目になりかねません。
 

「人」と「数字」は、どんな部署でも扱う要素です。
これらを面白コンテンツとして楽しめるようになれば、仕事も少しは楽しくなると思います。

ここ最近公務員関係の不祥事が立て続いているので、今年の新規採用職員研修では公務員倫理をみっちりレクチャーされるのではないかと思います。

公務員倫理と似たような意味で、「公務員としての自覚」という言葉もよく使われます。
こちらは明確な定義が無いようで、組織ごと・文脈ごとに様々な意味づけがなされているようです。

研修では「公務員としての自覚」と公務員倫理を同じものとして扱いがちですが、僕は個人的に、「公務員としての自覚」はもっと広い概念だと思っています。
そして、公務員倫理ももちろん大切なのですが、普段の業務、特に住民と接する業務においては、もっと重要な「自覚」があるとも思っています。

それは 「好かれていない」という自覚です。

住民の大半は公務員を好いていない(嫌悪するほどではない)

正式職員として役所に採用された方は誰しも、公務員という職業に「好感」を抱いていると思います。
公務員になるためには面倒くさい筆記試験を通過する必要があり、民間企業への就職と比べて時間もお金もかかります。

公務員という職業に魅力を感じ、好感を抱いていなければ、そもそもこんなハイコストな選択をしないでしょう。

しかし、その感覚は、世間一般からすれば異端です。
大半の人は公務員が好きではありません。

「好きではない」を通り越して明確に嫌悪している方もいますが、あくまでも多数派は「好きではない」程度の軽度な悪感情にとどまります。
10点満点(10点が「好き」、5点が「普通」、0点が「嫌い」)で評価するなら4点くらいです。

公務員を好いていない理由は複合的かつ人それぞれです。
  • 連日報道される公務員の不祥事に義憤を覚えた
  • 役所に手続きしに行ったら不愉快な目に遭った
  • 税金で食っているから
このあたりがメジャーな理由かと思われますが、他にもいろいろあるでしょう。

人事院が実施したアンケートの結果からも、世間の公務員への印象が見てとれます。



この「好きではない」という感情がものすごく厄介なのです。


普段は温厚でも、ひょんなことで爆発しかねない

多少なり公務員への反感を持っているとしても、ほとんどの方は普段は悪感情を表明しません。
理由もなく悪感情を露呈して他者を攻撃するのは世間一般のマナーに反するからです。

しかし、何らかの「理由」「きっかけ」さえあれば、こういう穏健な方々も爆発します。
爆発のきっかけになった案件に対してのみならず、「そもそも公務員は」「そもそも役所は」という前置きを挟んでから、公務員・行政全般への反感をここぞとばかりにぶつけてきます。

今の世の中、公務員嫌いを堂々と表明して叩く方も大勢います。
そのため公務員側としては、「公務員が嫌いな人はそう明言している。裏を返せば、公務員嫌いを明言していない人は公務員に対して好印象を持っているはずだ」と思いがちです。

この発想は完全な誤解であり、過度な楽観です。
普段は意志力によって公務員への反感を押さえ込んでいるだけで、内心は悪感情を溜め込んでいるかもしれないのです。


マイナスフィルターがかかる


「好きではない」相手の言動には、マイナスのフィルターがかかるものです。
 
 
態度のヒューリスティクス
態度とは、情報的で評価的な要素を含む特殊な信念の一つである。ある意味では、態度とは、ある対象について記憶に貯蔵された評価ー良いか悪いかーである。アンソニー・ブラトニカスとアンソニー・グリーンワルドによれば、人々には、意思決定や問題解決をするための手段として態度のヒューリスティクスを利用する傾向がある。態度は、対象を、好意的な部類(そこでは、賛成し、接近し、賞賛し、大切にし、保護するという方略が最適である)に割り当てるか、それとも、非好意的なカテゴリー(そこでは、反対し、回避し、非難し、無視し、傷つけるという方略が使われる)に割り当てられるのに利用される。

『ザ・ソーシャル・アニマル 第11版』p.132
E・アロンソン著 岡隆訳 サイエンス社



訪問販売の販売員が突然やってきて、商品を売り込んできた場面を想像してください。
どれだけ営業トークを聞かされても、「どうせぼったくりだろ」と決めつけて、心が動かないのでは?

住民の多数派にとって、公務員はこの場合における「訪問販売の販売員」と同程度に疎ましい存在です。
もともと好感度が低いために、何を聞かされても見せられても不信感を感じますし、そもそも関わっているだけでイライラしてきます。

住民側に負担が生じる施策であれば当然ながら断固拒否したくなりますし、住民側に一見メリットがある施策であっても何か裏があるように感じられます。

役所外の方と接する業務では、まずこのマイナスフィルターを取り除くところから始めます。
つまるところ「信頼関係の構築」です。
ラブコメ的な言い方をすれば「最悪の出会いから始まる恋」を軌道に乗せるようなものです。

「好かれていない」という自覚が無いと、マイナスフィルターの存在になかなか気づけません。
先述のとおり、多くの方は公務員への悪感情を見せません。
しかし、表に出す/出さないに関係なく、悪感情があれば、マイナスフィルターも存在します。

一見愛想よく見える相手であっても、まずはマイナスフィルターの除去から始めたほうが無難です。
これをすっ飛ばして、いきなり本題に入ってしまうと、表情が急に険しくなって炎上しかねません。


心から謙虚・低姿勢に振る舞うための「自覚」

「好かれていない」という自覚があれば、おのずと自制が効いて謙虚な態度がとれるようになります。
この「謙虚な態度」こそ、若手地方公務員に最も必要なものだと僕は思っています。

地方公務員になりたての頃は、地方公務員という職に誇りを持っている方が多いと思います。
しかし、住民からすれば、地方公務員は皆いけ好かない連中です。
地方公務員の言動全てにネガティブなフィルターがかかります。

そのため、公務員側としては「誇りをもって」仕事をしているつもりでも、住民側からすれば「横柄」「上から目線」「図に乗っている」ように見えてしまいがちです。
これが先述の「きっかけ」となり、爆発するのです。

無用なトラブルを避けるためには、謙虚で低姿勢に徹するのが一番無難です。

もちろん時には堂々と誇り高く(横柄なくらい)振舞うべき瞬間もあります。
ただし、これは若手の役目ではありません。肩書きのある職員の仕事です。

今は公務員に対する風当たりが非常に厳しく、怒り爆発のハードルが著しく下がっています。
トラブルを未然防止し、苛烈な罵声から自分の心身を守るためにも、「好かれていない」という自覚を持ち、謙虚な低姿勢を習得したほうが安全でしょう。

冷静に考えてみると、「公務員を好きになる機会」はなかなか存在しません。
公務員を好きになる機会=加点要素が無いために、ひたすらずっと減点方式で評価しているような状態なのでしょう。
「公務員嫌い」に転落する機会はたびたびあるけど、そこから好転する機会が無いのです。

リスク資産(株式など)への投資は極力若い頃から始めるべしという意見がインターネットでは主流です。
ただ地方公務員の場合は、まずは預貯金をしっかり蓄えるほうを優先したほうがいいと思っています。
 
地方公務員(特に若手)の収入は多くはありません。
まずは貯蓄を充実させておかないと、ライフイベントのたびにリスク資産を取り崩す羽目に陥り、結果的に往復手数料の分だけ損をしかねません。

一気に現金が飛ぶイベントが連続する

若手の頃はまとまった出費が生じるライフイベントが次々発生します。

まずは結婚です。結婚式をきちんと執り行えば百万円単位でお金がかかりますし、新婚旅行も含めればもっと飛びます。

マイホームを構えるとなると、さらにかかります。
支払い自体はローンを組むとはいえ、土地や家屋の頭金で相当額のまとまったお金が必要になります。

田舎だとさらに、自家用車の購入費用も発生します。

そもそも固定費支出を除いても、地方公務員の家計は厳しいです。
僕の試算では、地方公務員ダブルインカム家庭であっても、第一子誕生後から数年間(片方が育休中で無給)は赤字になります。

 

結婚が現実味を帯びているリア充ほど、固定費+数年間の赤字に耐えられるだけの貯蓄に励まなければいけません。

それでも運用すると……

買付手数料ゼロの投資信託オンリーで運用するのであれば、数年で現金化するにしても、ほとんど利息のつかない預貯金で持っているよりお得になるという考え方もあります。
 
ただし僕はお勧めしません。
現金化するタイミングで市場が暴落していて、マイナスの評価額で現金化する羽目に陥る危険があるからです。

現に僕の同期職員も、昨年末、マイホームの頭金捻出のためにNISAを全額現金化していました。
コロナショック前の天井価格で売れたので結果的には大勝利なのですが、これはあくまでも偶然です。
 
もし支払いのタイミングが数ヶ月遅れてコロナショックに巻き込まれていたら、評価額が圧倒的マイナスの状態で泣く泣く現金化していたでしょう。

このリスクはあまりに大きいです。

運用期間がもっと長いのであれば、このリスクも軽減できるのでしょう。
しかし、たかが数年の運用期間ではどうしようもありません。

投資してもいいタイプ

逆にいえば、上記の条件に該当しない場合、つまり
  • 結婚の予定なし
  • マイホーム願望なし
のような方であれば、手元資金は薄くても問題ありません。
生活防衛資金を確保でき次第、リスク資産に投下していっても良いでしょう。
 

地方公務員はインターネットスタンダードよりも資金力に劣る

そもそも認識すべきは、世間的に見た地方公務員の給与水準です。
「賃金構造基本統計調査」によると、20代大卒地方公務員の給与は、同年代の大卒者平均を下回ります。
だいたい同年代の高卒者平均と同水準です。
 

ちょっと古い調査ですが、2015年の野村総研の報告書によると、20代での投資経験者は約20%に止まります。
若年層を中心とした個人による投資の現状と NISA の利用促進に向けた課題に関する調査(PDF)
 
当時より今のほうが投資環境が整っているので、もっと割合は上がっていそうですが、それでも少数派であることには変わりないでしょう。
繰り返しますが、地方公務員の給与水準は平均以下です。
平均以下なのに、エリートしぐさを無理して真似る必要は無いのです。

「増やす」よりも「残す」

リスク資産への投資が報われるとは限りません。
しかし、節約は必ず報われます。


投資の前にしっかりとマネーリテラシーを高め、無駄な支出をなくすことが何より重要です。

 

コロナウイルス感染症の影響で、職員の賃金カットを打ち出す自治体も出てきています。
あくまでも予想ですが、最後までカットせずに済む自治体の方が少数派になるのでは?
僕の勤める自治体も時間の問題だと思っています。

こうなってくると、節約習慣がますます重要になってきます。
固定費を増やさないことをとにかく意識するしかありません。
ステイホーム用のサブスクサービスなんかは論外です。

このページのトップヘ