今月は地方公務員関係の気になるニュースが多かったので、まとめて言及します。
過去最大の引き上げ幅になるということで、とてもありがたいです。
国家一般職の合格者に占める女性の割合が過去最高を記録したとのこと。
僕は絶対に「カスハラ応援団」には堕ちないよう、気を付けていきます。
本当にこんなに賃上げできるのか?(人事院勧告)
過去最大の引き上げ幅になるということで、とてもありがたいです。
ただ、賃上げの財源はどこの自治体も厳しいと思われ、人事当局はなんとか骨抜きにして人件費総額を抑えようと工夫するんじゃないかと思っています。
期末勤勉手当の支給月数はごまかせないとしても、昇給昇格ペースを遅らせたりすれば、月給引上げの影響は少しは誤魔化せるんじゃないかと。
そのため僕は、自分自身の収入増にはあまり関心がありません。期待もしていません。
それよりも、政治家やメディアが「公務員の賃上げ」をどのように取り扱うのか、気になっています。
日本を牛耳る高齢者世代にとって、公務員の賃上げほど無意味な施策はありません。
自分たちに恩恵が無いどころか、自分たちに割ける財源の縮小とほぼ同義だからです。まさに百害あって一利なし。
そのため、政治家やメディアは、「公務員の賃上げなど言語道断!」と一喝すれば、高齢者世代の人気を簡単に獲得できると思います。
支持者を一気に増やせるわけです。
支持者を一気に増やせるわけです。
一方で、「賃上げが必要」という風潮もかなり強いです。
いくら嫌われ者の公務員とはいえ、うかつに「賃上げ不要」と主張すれば、主に現役世代から叩かれかねません。
教職調整額の引上げも相まって、来年度は公務員人件費が爆増すると思われます。
そのため、例年以上にニュースバリューがあるので、いろんな人や組織が公務員人件費に言及してくるのではないでしょうか?
百家争鳴のごとく議論が盛り上がるのはないかと期待しています。
地域手当があるところはギスギスしてそう(他人事)
地域手当の率の見直しも興味深いです。
- 北関東各県の12~16%エリアが結構下がってる
- 一方で神奈川県が躍進していて、これまで0%だった自治体も12%の最低保証へ。藤沢市は12→16に上昇
- 群馬県では、県庁所在地の前橋市3%に対し、ライバル高崎市が6%でダブルスコアをつけていたところ、今回の見直しでどちらも4%に揃う
特にこのあたりは、当事者の方々には悲喜こもごもありそうで、内心どのように思っているのか気になるところです。
田舎県庁職員的には、地域手当が出るだけで嫉妬してしまいます。
男性激減による女性割合増(国家一般職の合格人数)
国家一般職の合格者に占める女性の割合が過去最高を記録したとのこと。
ここ数年、地方公務員でも、合格者に占める女性割合が上昇してきており、「女性職員割合の増加」は公務職場に共通する現象なのだと思われます。
ただ、よく見ると、女性の合格者の頭数が増えているわけではなく、単に男性の合格者が減っているだけなんですよね……
記事では「女性にとって働きやすい職場環境作りが進んでいる影響」と分析されていますが、これはあくまでも「男性と比べて女性の減少幅がなぜ小さいか」を分析しているものです。
「公務の職場は、女性にとって働きやすい環境なんだ」と理解するのは非常に危険だと思います。
そもそもの大前提として、公務員試験の受験者は激減しています。
男女ともに敬遠されつつある中で、あくまでも相対的に、女性のほうが残っているというだけなんですよね……
辞めたくなる気持ちはよくわかる
自治労が調査した結果、能登半島地震で大きな被害を受けた5市町で、なんと6割の職員が発災後に「辞めたい」と思ったとのこと。
僕も対口支援で現地入りましたが、辞めたくなる気持ちはよくわかります……
セルフネグレクトのような投げやり状態になっている方が少なくありませんでした。
セルフネグレクトのような投げやり状態になっている方が少なくありませんでした。
総務省「定員管理調査」によると、調査対象になった5市町の一般行政職員は1,049人(R5.4.1時点)。
ネットの反応を見ていると、「自治労の調査はサンプルがおかしいしバイアスかかりまくりだから意味が無い」という意見も多いようですが、このアンケートの回答者は211人なので、自治労実施のアンケートにしては結構回答率が高いのでは?と思います。
果たして県庁は大丈夫なのでしょうか……
ネットでバズってる地方公務員がカスハラを助長している?
職場内回覧物の定番、時事通信社の「地方行政」。
僕はざっと目次を見て、興味のある記事だけ読んでいるのですが、先日の号に大変興味深い記事がありました。
【2024年08月01日 第11312号】掲載の「新時代を生き抜く公務員講座 (23)カスタマーハラスメント防止対策」という記事です
なんとなんと、「自治体職員の中に『カスハラ応援団』が存在する」とのこと。
詳しくはぜひ本文を読んでいただきたいのですが、「自治体職員がネット上で、国や自分が属していない自治体を一方的に批判する行為が、カスハラを助長している」という見解で、「単に私憤を表明しているだけなのに『自分は公務員である』という優位性を主張することで注目を浴びる行為」という何とも痛快な評価まで下しています。
X上に、こういう方いますよね……
己の知識と経験に基づいて持論を開陳するのは、確かに快感なので、やりたくなる気持ちはよくわかります。
ただ、怒りや批判で終わるのではなく、もっと生産的な形に落とし込めばいいのにと思います。
もしかしたら、本人としては「私憤」ではなく「義憤」だとか、怒っているわけではなく「正論」を説いているだけなんだと思っているかもしれません。
ただ、この思考回路こそハードクレーマーあるあるであり、全国の地方公務員を日々苦しめています。
地方公務員を苦しめる存在に、当の地方公務員が堕してしまう……これこそまさに「悪堕ち」だと思います。
僕は絶対に「カスハラ応援団」には堕ちないよう、気を付けていきます。